羅漢のひとりごと   作:アサシン・零

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第4話「鳳仙と羅冥の会話」

毒の白粉事件後、羅漢邸はものすごくお金が入ってくるようになった。貯めておくのも勿体ないし、新たな投資に使うべきだろう。ちゃんと現帝に許可は取っているが私は今さら武器を開発している。

 

なぜなら子昌が物語の都合上、反乱軍を結成するからだ。壬氏こと華瑞月が出陣してくれるのではあるが念には念を入れておかなければならない。

 

私はこの異世界中国人ではあるが中身は元々、日本人。そして日本兵として大東亜戦争に出陣し、戦死したことがある仲間に代わってブラックなバブル期で働きすぎたのがまずかったか。まぁ養護学校(現在で言う特別支援学校)を卒業してから調子は良かったからなあ。

 

その後は日本のことを覚えていない。広島では原爆が落とされたが俺は現在で言う三次市に疎開していたから戦争の悲惨さを知っている。それでもなお、人は人であるが故に戦えねばならん。

 

羅冥が帰ってきたとはいえ、羅政もいるし、うちには羅半もいるし、異母弟もいる。とはいえ、羅冥に父親らしいことはしてやってないな。

 

「羅冥、父からプレゼントだ。兵法書だ。そしてこちらは戦術書だ。」

 

「父上、いきなりどうされたのですか?」

 

「ああ、最近仕事ばかりで父親らしいことを最近していなかったからな。鳳仙はいるか?」

 

「母上なら部屋におります。一番、涼しいところで休んでおります。」

 

「うむ。おそらく寝ているだろうな。羅冥、おまえはもう17ぐらいになるか?」

 

「はい。」

 

「うむ。なら羅政も呼んできてきてくれぬか。」

 

「はい。」

 

羅冥は部屋を出るようにして実弟を呼びに行く。同母姉弟だ。

 

「羅政、いるのか?」

 

「姉上、どうされたのです?」

 

「いや父上が羅政も呼んでいる。」

 

「なんでだろう?姉上はご存じで?」

 

「いいや。父上はなにゆえ私達を呼んだろうか?」

 

「おそらく母上のことではなかろうか?」

 

「うむ。最近、大叔父上(羅門)から聞いたのだが妊娠したらしい。」

 

「やはりか。」

 

「おそらく父上は早いところ、財産を分け与えるつもりなのだろうか?」

 

 

 

◇鳳仙の部屋◇

 

 

 

「羅冥、羅政、羅半、おまえたちを呼んだのは弟と羅半に関しては従弟ができるからだ。そこでおまえたちに頼みたいことがある。」

 

「父上、この羅冥、なんなりとお申し付けください。」

 

「羅政、姉上と同じく。」

 

「羅半、同じ意見です。」

 

「なら私の頼みとして近々、おそらく子昌殿が反乱軍を結成するであろう。」

 

「そこで羅冥、おまえに子昌殿に交渉に行って子昌殿の娘の身柄を預かりに行ってこい。」

 

「娘?」

 

「ああ、楼蘭と言われる娘だ。彼女を人質にして子家に揺さぶりをかける。」

 

「あとは私の政治手腕次第だが現帝には話を既につけている。」

 

「はっ。」

 

羅冥が退出する。

 

「羅政と羅半はおまえたちは協力してこのお金の出処をさぐってもらいたい。いいな。」

 

「はっ。父上。」

 

「お任せください。」

 

二人も退出する。

 

羅漢こと俺は娘を追いかける。

 

「あとは羅冥、おまえは一応、母上と話してから行きなさい。その間に馬車や食料、そして子家にはお菓子を持って交渉に臨め。」

 

「承りました。」

 

羅冥が礼をする。

 

「これ、実の父親に礼なんていらぬ。おまえが無事に帰ってきてくれたら本望だ。」

 

 

 

◇羅漢の執務室◇

 

 

「やぁ、高順様、いや馬順様、来てくれてありがとう御座います。どういったご要件ですか?」

 

「高順で良いですよ。羅漢殿、いいえちょっと貴殿の娘を貸して頂きたく存じます。」

 

「何か.......宮廷内であったのですか?」

 

「はい。実は.................。」

 

「なるほど。件の後宮の幽霊騒動の件ですな。」

 

「はい。」

 

「しかし、こちらも仕事を頼んでしまったので帰ってくるのは2日後、遅くても4日後と半日ですがそれでもよろしいのですか?」

 

「分かりました。壬氏様に伝えてましょう。」

 

 

 

◇一方で鳳仙の部屋◇

 

 

 

「母上、調子はいかがでしょうか?」

 

「おや冥。こっちにおいで。」

 

「???」

 

「冥も17。政ももうすぐで14になるわね。でもこれだけは覚えておいてほしいの。何があっても御父様とお母様はあなたたちの味方よ。困っていることがあれば相談しなさい。私達に何かあっても政も半もいるし、姉弟や従姉弟で相談しあえばいいのよ。」

 

「そのこと肝に免じて頭と心に留めておきなさい。」

 

うちには父上と母上がいる。それももう二人が亡くなれば私達は路頭に迷うことになる。父上はペニシリンやその他、顕微鏡や望遠鏡が売れたため、羅家には金がどんどん入ってくるがその割に父上はちゃんと律儀だ。

 

税金をなんと羅半と計算し、使用人を使わず自分で確認しているのだ。父上のそういうところは見習いたい。

 

「分かりました。母上。」

 

「ふむ。冥も大きくなったわね。政は投資に統制。半は管理に節制。」

 

「目指しているものが違うかもしれないけれど二人のことを姉らしくよろしくね。」

 

「はい。母上。」

 

母上は私の弟か妹を妊娠している。そして私に今できること父上の頼みを聞くことだ。

 

「では私は出発致します。母上もお元気で。」

 

「冥。しっかりしなさい。」

 

私が今、向かっているのは子家の館。そして本拠だ。父上曰く狸のような人物ということ。相手に気取られぬよう気をつけなければ

 

◇子昌の館◇

 

「子昌様、遅れて申し訳ありません。羅漢の娘である羅冥と申します。」

 

「うむ。羅冥殿、遠路はるばるご苦労さま。それで私のところに来たということは何か用があるのだろう?」

 

「はい。子昌様、落ち着いて聞いてください。あなたの娘を現帝が人質にしたがっています。なので父上が1回、身柄を預かりたいそうです。」

 

「私の娘といえば楼蘭ですか。彼女は確かに後宮入りさせたくても今は阿多妃がいますから阿多妃の後釜として入内させたいのですがよろしい。楼蘭をよろしくお願いします。」

 

「ただし条件があります。羅家のお金を貸して頂きたく存じます。」

 

「何のためですか?」

 

「いいえちょっくら子家もお金が苦しいのでどうか工面をお願いできませんか?」

 

「分かりました。父上に相談してみます。今回は一度、退きましょう。」

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