魔法少女まどか☆マギカ -Kaleidoscope- 実績「時をかける魔女」獲得実況プレイ   作:Hotpepper_N

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Part6(9/18)(恭介接触〜さやか・仁美告白前)

はい、というわけで。

マミさんから、大変ありがたいアドバイスをいただきました。

 

確かに、今のほむほむの顔面偏差値は作中でもトップクラス。

ここで無策のまま恭介に接触すると、そのままルートに突入する危険性があります。

 

実際テストプレイで一度やらかしてるので(Part2参照)、今回は慎重にいきましょう。

 

というわけで、翌日の登校時にカモフラージュを施します。

 

>装備:サージカルマスク

>装備:花粉症用ゴーグル

 

よし、これで完璧ですね。

花粉症のふりをすれば、不自然に思われることもないでしょう。

 

それでは登校します。

 

>ロケーション:見滝原中学校

 

到着しました。

ではここで、なぜ恭介と接触する必要があるのか改めて解説しておきましょう。

 

まず、恭介のメンタル状態。

彼は腕が治ったことで絶望からは脱却しましたが、一方で別の問題を抱えています。

それは、これまでさやかに辛く当たっていたことへの罪悪感です。

 

さやかは何度も病院に見舞いに来てくれたのに、八つ当たりばかりしていた。

彼自身、そのことを深く後悔しています。 ただ、どう接すれば以前のような関係に戻れるのかわからない。

その結果、どこかよそよそしい態度を取ってしまっているんですね。

 

この状態を放置するとどうなるか。

さやかは恭介が自分を避けていると誤解し、ますます距離を置いてしまいます。

最悪の場合、二人の関係そのものがこじれる可能性すらあるんですね。

 

そこで、ほむほむがさやか⇔恭介⇔仁美の間を取り持つ仲介役となって、

三人の関係を少しずつ整理しながら、それぞれ本音を伝えられる状況を作る必要があるわけです。

 

では、実際にゲーム内の様子を見てみましょうか。

教室内の会話を覗いてみます。

 

>【教室内・会話モード】

 

お、いましたね。 少し様子を見てみましょう。

 

>さやかが恭介に話しかけようとしている……

>「ねえ、恭介。最近、バイオリンの練習はどう?」

>「……ああ、えっと……うん。順調だよ」

>「そっか! それは良かった。あのね、今度――」

>「……ごめん。ちょっと、トイレ」

 

>「あ……」

>恭介は足早に教室を出て行った。

>さやかは困惑した表情のまま、その場に立ち尽くしている……

 

……はい、ご覧の通りです。 これはなかなか厳しいですね。

さやかにとっては避けられてるようにしか見えません。 まさにバッドコミュニケーション。

そして仁美はというと……

 

>仁美は教室を出ていく恭介を、険しい表情で見つめている……

 

……これはかーなーりお怒りですね。

さやかの事情を知ってますから、恭介の態度を見過ごせないんでしょう。

 

さて、いったん昼休みまで時間を進めましょう。

 

>時刻:昼休み

 

ここでイベントが発生します。

 

>仁美が恭介に近づいている……

>「恭介さん、少しよろしいですか?」

>「え、あ、うん……」

>「お話があります。ついてきてください」

>仁美は有無を言わさず恭介の腕を掴み、教室の外へ連れ出した。

 

はい、ここで介入のタイミングです。 こっそり後を追いましょう。

 

>人気のない廊下、階段の踊り場。

 

それでは、イベントシーンをご覧ください。

 


 

「……一体、どういうおつもりですの?」

 

仁美の声からは、いつもの穏やかな色が消えていた。

静かだが、その奥には抑えきれない怒りが滲んでいる。

 

「え……?」

 

突然問い詰められ、恭介は戸惑いに目を瞬かせた。

 

「さやかさんに対する、あの態度ですわ」

 

仁美はゆっくりと一歩踏み出す。

 

「彼女が、どれほどあなたのことを案じていたのか……あなたはご存じのはずです」

 

「それは……」

 

恭介は言葉を詰まらせ、思わず視線を伏せた。

 

「でしたら、なぜですの?」

「どうして、あんなによそよそしい態度を取るのですか」

 

「……っ」

 

返す言葉が見つからない。

仁美の真っ直ぐな視線を受け、恭介はただ黙り込むしかなかった。

 

沈黙に耐えかねたように、仁美はさらに言葉を重ねる。

 

「さやかさんは、命懸けで――」

 

「――待ちなさい」

 

凛とした声が、二人の間に割って入った。

二人が振り向くと、マスクとゴーグルを着けた少女が立っていた。

 

「立ち聞きしてしまってごめんなさい。 でも、その話なら少し待ってもらえるかしら」

 

「……暁美さん?」

 

予想外の人物の登場に、仁美は怪訝そうな表情を浮かべる。

一方、ほむらは二人の前まで歩み寄ると、恭介へ向き直った。

その瞬間、声音がわずかに柔らかくなる。

 

「上条さん、でしたよね。 初めまして、暁美ほむらです」

 

「あ……えっと、君は確か、転校してきた……」

 

ほむらは軽く頷くと、本題へ切り込む。

 

「突然こんなことを聞いてしまって申し訳ないのですが……」

「あなたは今、さやかさんとどう接すればいいのか分からなくなっている……違いますか?」

 

「……!」

 

恭介の肩がぴくりと震えた。図星だったのだろう。

 

「さやかさんの友人として、お伝えします」

「彼女はあなたが元気になったことを、誰よりも喜んでいるはずです」

「たとえ以前、どんな態度を取られていたとしても……そのことで、あなたを責めたりはしないでしょう」

 

「でも、僕は……」

 

恭介が何かを言おうと口を開くが、その先の言葉は続かなかった。

ほむらはそんな彼を責めることなく、穏やかな口調で続ける。

 

「あなたがさやかさんに辛く当たってしまったことを後悔しているのは、見ていて伝わってきます」

「だからこそ、どう接すればいいのか分からなくなってしまったんですよね」

 

「……」

 

恭介は何も答えず、俯いたまま拳を小さく握り締める。

 

「でも」

 

ほむらは静かに言葉を重ねた。

 

「その後悔を理由に距離を置いてしまうことが、彼女にとっては一番辛いことだと私は思います」

 

しばらくの沈黙のあと、恭介がかすれた声を漏らした。

 

「……分かっては、いるんだ。 ……でも、どうすれば……」

 

歯切れの悪いその一言だけで、彼の迷いは十分に伝わってきた。

ほむらは、それ以上踏み込もうとはしなかった。

 

「……すぐに態度を変えるのは、難しいと思います」

 

少しだけ声の調子を和らげる。

 

「だから、無理に一人で答えを出そうとしなくてもいいんです」

「もし、美樹さんに言いにくいことや、どうしても気になることがあるのなら……私でも、志筑さんでも構いません」

 

そう言って、ほむらは隣に立つ仁美へ一瞬だけ視線を向ける。

 

「誰かに相談してください。一人で抱え込む必要は、ありませんから」

 

恭介はゆっくりと顔を上げ、視線ほむらへ向けた。

迷いはまだ消えていない。 しかし、その瞳にはわずかな安堵の色が宿っていた。

 

「……ありがとう」

 

小さな、しかし確かな感情がこもった声。

 

「そう言っていただけて、安心しました」

 

ほむらは穏やかに微笑み、小さく一礼する。

 

「……では、私はこれで失礼します」

 

踵を返しかけた、その時。

ほむらは仁美の傍へ歩み寄ると、彼女にだけ聞こえる声でそっと囁いた。

 

「まだ、打ち明けるのは早いわ。彼には、まだ"心の準備"ができていないもの」

 

仁美は一瞬何か言いたげに唇を結ぶが。

ほむらなりに考えあってのことなのだろう。 そう結論付け、言葉を飲み込んだ。

 

「……分かりましたわ」

 

ほむらは静かに頷き、そのまま階段を下り始めた。

その姿が階下へ消えるまで、恭介と仁美はその背中を静かに見送っていた。

 


 

はい、というわけでファーストコンタクト完了です。

これで恭介に対して、「相談できる相手」という第一印象を与えることができました。

 

そして何より、カモフラージュ作戦大成功です。

恭介がほむほむに一目惚れする事故は無事回避できました。

実はちょっとヒヤヒヤしてたんですが、これで先へ進めます。

 

では、このまま少し時間を進めましょう。

 

>数日経過……

 

別日になりました。

ほむらが間に入ったことで、恭介の態度にも少しずつ変化が見え始めています。

 

もちろん、一夜にして元通りというわけではありません。

ですが、以前のように逃げるばかりではなく、少しずつ向き合おうという意思が見えるようになってきました。

 

では、その様子を教室で確認してみましょう。

 

>【教室内・会話モード】

 

おっ、いいですね。恭介とさやかが普通に会話しています。

 

>「ねえ恭介、今度の音楽の授業でバイオリン弾くんだって?」

>「ああ、先生に頼まれてさ。久しぶりだから少し緊張するけど」

>「大丈夫だよ、あたし楽しみにしてるから!」

>「……ありがとう、さやか」

 

いい感じです。関係修復イベントはひとまず成功と言っていいでしょう。

 

ただし一つ、気になる点が。さやかと仁美の表情に注目。

 

>さやかは時折、思い悩むような表情を見せている……

>仁美もまた、何かを考え込んでいる様子……

 

恭介との関係は改善してきましたが、肝心の魔法少女であることは、まだ彼に打ち明けられていません。

いつ、どのように伝えるかという新たな悩みが生まれているわけです。

 

ん?恭介が話しかけてきました。なんか用?

 

>「……あの、暁美さん」

>「さやかと志筑さんのことなんだけど……最近、なんだか様子がおかしくて」

 

あー、やっぱり気になりますよねそりゃ。

ただ、今正直に言うのは時期尚早。 ここは適当にお茶を濁しましょう。

【少し難しい問題なので、今度ちゃんと話させてほしい】を選択。

 

>「……うん、わかったよ」

>恭介は納得したような、納得しきれていないような、複雑な表情で頷いた。

 

これで大丈夫です。少なくとも「何か事情がある」ということだけは伝わりました。

もちろん、このまま先延ばしにするわけではありません。

まぁ、話さなきゃいけなくなるタイミングは後で突然やってくるんですが……それは後で触れます。

 

それでは時間を進めて、夜のパトロールと洒落込みましょう。

 

 

>ロケーション:見滝原市内・路地裏

 

パトロールの時間です。 今回は仁美が習い事がないので、自室から遠隔通信で支援してもらいます。

 

>通信接続:志筑仁美

>「志筑さん、聞こえる?」

>『はい、こちら問題ございません』

 

感度良好。さやか・まどかも揃ったところで、ちょっくら魔女探しの旅へ。

 

魔女探索中……

 

Elsa Maria

████████████████████████

 

というわけで結界にやってきました。 今回のお相手は原作にも登場した影の魔女ですね。

こいつに関しては特にいうことはありません。

なんとなく赤いのが来そうな気配がしますが……まぁいなくても問題ないです。

 

>「よう、始まってんじゃねぇか」

>聞きなれた声が結界に響く。 佐倉杏子だ。

 

お、噂をすれば。

 

>「杏子!? なんでここに?」

>「たまたま近くにいたんでな。暇つぶしさ」

 

……なんて言ってますが、おそらくさやかの様子が気になって来たんでしょうね。

杏子って、ぶっきらぼうなだけで意外と面倒見はいいんですよ。 特に、一度認めた相手には世話を焼くタイプです。

 

それでは戦闘開始です。

今回はさやかと杏子に前線を任せて、こちらはまどかの護衛と通信支援に徹しましょう。

 

>戦闘モード:オート(さやか+杏子)

 

Elsa Maria

████████████████████████

 

さて、それでは二人の戦いぶりを見ていきましょう。

 

>さやかは迷うことなく前線へ飛び出す。

>杏子もその後を追うように駆け出した。

 

さやかは相変わらずですね。 戦い方が気になるのか、杏子が声を飛ばしてます。

 

>「おい、闇雲に突っ込むな! もっと足を使え! 相手の視線を惑わせながら動くんだ!」

>「剣も大振りすぎる! そんな戦い方じゃ、すぐにバテちまうぞ!」

 

おお、めちゃくちゃアドバイスしてますね。 もはや実戦形式のコーチじゃないですか。

 

>「う、うん……! わかった!」

>戸惑いながらも、さやかは杏子の助言を意識して立ち回りを変えていく。

 

杏子の変わりように驚いてるようです。 でも素の彼女ってこんな感じなんすよ。

 

>最初はぎこちなかったさやかも、杏子の動きに合わせるうちに少しずつ呼吸が噛み合っていく。

>やがて二人の連携が形になり始めると、大量に押し寄せていた使い魔もみるみる数を減らしていった。

>あらかた倒し終えると、二人は間髪入れず魔女本体へと駆け出す。

 

よし、順調ですね。

雑魚はあらかた片付きました。あとは本体を叩くだけです。

 

>魔女は無数の触手を振り回し迎撃を試みる。

>しかし杏子は軽快なステップで攻撃をかわし続け、その動きに魔女は狙いを定め切れない。

>【疾風迅雷】【異端審問】

>槍が何度も閃き、そのたびに魔女の身体が大きく抉られていく。

 

さすが杏子、この程度の魔女はお手の物ですね。

お、こっそりさやかが本体に接近してます。もうすぐトドメですね。

 

>「今だ、ぶっ叩け!!」

>「……うん!!」

>【スプラッシュスティンガー】【スパークエッジ】

 

「■■■■■■■■!!!!」

 

>無数の剣閃が一斉に魔女を貫く。

>魔女が断末魔の叫びとともに無数の剣に貫かれ、血しぶきをあげながら消滅していく。

 

はい、見事に討伐完了です。

原作だとこの辺でさやかが闇落ちしてバーサヤカーモードに突入するんですが、今回は未然に防いでますからね。

 

>「まだまだだな。 でも、筋は悪くなかったぜ」

>そう言って杏子は、手にしたグリーフシードをさやかへ放り投げる。

>「杏子、これ――」「お前が持っとけ」

>「でも……」「いいから」

 

杏子がそっぽ向いてます。ツンデレか。

>【TELL】

お、仁美から通信が。 ポチっとな。

 

>『皆さん、お疲れ様でした』

>『それと……いつもの通り物資をご用意しております。 ほんの少しですがお心付けも入れてありますので、よろしければお使いください』

>「マジで!? サンキュー、お大尽サマ!」

 

チョロすぎて草。 分かりやすいなぁ。

ホクホク顔で物資箱を漁ってます。

 

>「それじゃあ、アタシは失礼するわ。 じゃあな」

>お菓子や食料を大量に抱えた杏子が踵を返す。 ちょっと欲張りすぎやしないだろうか。

 

みんな苦笑いしてますね。 まあ勝手に盗られるよりマシです。

 

>『あの……さやかさん』

>『少し、お話ししたいことがあるのですが……よろしいでしょうか』

 

おっと、どうやら仁美が、さやかと二人きりで話したいことがあるようです。

ここは空気を読んで通信機を渡しましょう。

 

>さやかにトランシーバーを手渡した。

 

さて、ここで気を遣ってまどかと一緒に退散……と見せかけて。

せっかくなので、烏くんにお願いして二人の会話を少しだけ聞かせてもらいましょう。

 

>《隠羽》

 

これで準備完了。 それではご覧ください。

 


 

ほむらとまどかがその場を離れ、路地裏にはさやかだけが残された。

夜の街は静まり返り、街灯の淡い明かりが彼女を照らしている。

 

手にしたトランシーバーを握る指先に、わずかな緊張が宿った。

 

「……仁美?」

 

恐る恐る呼びかけると、少し間を置いて返事が返ってくる。

 

『……はい』

 

いつもの穏やかな声。

しかしどこか張り詰めていて、息を潜めるような硬さがあった。

 

「どうしたの? そんな改まって……」

 

さやかが不思議そうに問いかける。

仁美は、小さく息を吸ってから静かに切り出した。

 

『……わたくし、ずっと悩んでいたことがあるんです』

 

「悩んでたこと……?」

 

『さやかさん。あなたは、命を懸けて戦っていらっしゃいますわよね』

 

「……うん、まぁ」

 

どこか照れくさそうに、さやかは曖昧に頷く。

 

『それなのに、わたくしは……何もできていません』

 

その一言には、自らを責めるような苦しさが滲んでいた。

 

『物資を用意したり……その程度のことしかできないんです』

『皆さんが死地へ向かっていくのを、わたくしは安全な場所から見送ることしかできない』

 

さやかは慌てて首を振る。

「そんなことないよ。 仁美の支援、本当に助かってるし、みんな頼りにしてるよ」

 

しかし、その言葉を仁美は静かに遮った。

 

『……でも、それでは釣り合わないんです』

 

はっきりとした口調だった。

迷いを押し殺し、ようやく口にした本心。

 

『さやかさんは、恭介さんのために命を懸けました』

『対価を承知の上で契約し、彼の腕を治し、命懸けの戦いに飛び込んだ』

『それに比べて、わたくしは……何も……』

 

最後の言葉は声にならず、静寂へと溶けていく。

返す言葉が見つからず、さやかはただ黙ってトランシーバーを握りしめることしかできなかった。

 

『正当な対価は……あなたにあるべきなんです』

 

仁美の声が、小さく震え始める。

 

『だからこそ、わたくしが身を引くべきなのは……百も承知なんです』

『あなたが上条君を想っていることも、ずっと前から存じています』

『だから……だから、わたくしなんかが、この気持ちを抱いてはいけないと……何度も自分に言い聞かせてきました』

 

「仁美……」

 

さやかは思わず名を呼ぶ。 だが、仁美は堰を切ったように言葉を続けた。

 

『でも、わたくしも……』

『わたくしも、自分の気持ちに嘘はつけないんです……』

『諦めようとしても……どうしても、抑えられなくて……』

 

とうとう嗚咽が混じり始める。

トランシーバー越しでも分かるほど、その声は涙で震えていた。

 

『どうしたらいいのか……分からないんです』

『さやかさんを裏切りたくない……でも、この想いも……もう、どうしようもなくて……』

 

言葉の最後は涙に掻き消され、静かな泣き声だけが聞こえてくる。

 

さやかは何も言えなかった。

ただ黙って、トランシーバーを握りしめる。

胸の奥が、締め付けられるように痛んだ。

 

《やりたいことは、すぐにでもやっとけ》

《二度とできなくなる前に、な》

 

ふと、杏子の言葉が脳裏によみがえり、静かに胸へ落ちていく。

さやかはゆっくりと息を吐き、覚悟を決めるように口を開いた。

 

「……仁美」

 

『……はい……』

 

「あたし、決めた。 今度、ちゃんと恭介に打ち明けよう」

「魔法少女のこと。それから……お互いが恭介のこと、好きだってこと」

 

息を呑む気配が、通信の向こうから伝わってくる。

 

「全部話してさ。二人とも、ちゃんと告白しよう」

「その上で……恭介に決めてもらおう」

「もし、あたしが選ばれなかったとしても……それは、それが恭介の答えだったって受け止める」

 

さやかは静かに、しかしはっきりと言い切った。

 

『さやかさん……』

 

「だから」

 

さやかは小さく笑った。 どこか吹っ切れたような笑顔だった。

 

「どう転んでも、恨みっこなし。 ……それで、いい?」

 

返事はすぐには返ってこなかった。

静寂が二人を包み込み、やがて震える声が聞こえてくる。

 

『……わたくし、自分が情けないですわ』

『さやかさんに、こんな決断までさせてしまって……』

 

「そんなことないよ」

 

さやかは優しく首を振った。

 

「実は、あたしもずっと迷ってたんだ。 どうするのが一番いいんだろうって、ずっと答えが出なくてさ」

「でも……杏子が言ってくれたから。 やりたいことは、すぐにやれって」

 

「だから、これでいいんだと思う」

「あたしも、仁美も、恭介も……ちゃんと向き合って、答えを出せたらいいなって」

 

しばらくの沈黙の後、仁美は小さく息をついた。

 

『……はい』

 

先ほどまで震えていた声は、もう落ち着きを取り戻していた。

 

『ありがとうございます、さやかさん』

 

「ううん、こっちこそ。ちゃんと話してくれて、ありがとう」

 

さやかは穏やかに微笑む。

 

『……それでは、そろそろお休みくださいませ』

『今日は、本当にお疲れ様でした』

 

「うん。おやすみ、仁美」

 

通信が静かに途切れる。

 

路地裏には再び静寂だけが残り、さやかはしばらくトランシーバーを見つめたまま、その場に立ち尽くしていた。

 


 

……いやぁ、なかなかに重いシーンでしたね。

 

恋敵であっても、お互いを大切な友人だと思っているから苦しんでるわけで。

好感度が高いキャラ同士ならではのイベントって感じで、個人的にはかなり好きなシーンです。

 

さて、それはそれとして。

さっきさやかが口にした「魔法少女のことを打ち明ける」という話ですが――

 

その時は、案外すぐにやってきます。

それでは、翌日まで進めましょう。

 

> ロケーション:見滝原中学校

 

さて、皆さん。 今日はいよいよ事態が動きます。

今まで比較的大人しくしていた淫獣ですが、そろそろ動き出す頃合いですね。

 

こちらは「ほむほむの正体を口外しない代わりに、他の契約には干渉しない」という条件で取引を結びました。

とはいえ、あいつがこのまま黙って引き下がるような性根じゃないのは、原作を見てた人ならお分かりでしょう。

 

具体的に何をしてくるのかは……まあ、見てのお楽しみということで。

 

> 時刻:〇時間目・体育授業

 

体育の時間になりました。ほむほむも普段通り授業に参加しています。

さやかとまどかも一緒です。

 

>突如、遠方で魔女の反応が発生した!

>「っ……!?」

>さやかが弾かれたように顔を上げ、周囲を見回す。

>……おかしい。こんな真っ昼間に魔女が出現するなんて……

>しかも、私の感覚が正しければ、発生地点は市内のショッピングモール……まさか……

 

はい来ました、白昼堂々ゲリラ魔女のお時間です。

 

さやかが飛び出したそうな顔してますが、ここは自分が引き受けましょう。

適当な理由を付けて授業を抜け出し、現場へ急行します。

学校には烏くんを残して監視を続行するのもお忘れなく。

 

魔女移動中……

 

さて、移動の間に少し解説しておきましょう。

 

昼間に、人で賑わうショッピングモールに魔女が出現する。

……どう考えても不自然です。

 

通常、魔女は人目につかない場所へ結界を張ります。

夜の路地裏、廃ビル、人気のない病院などなど。

昼間、それも大勢の一般人がいる場所へ堂々とスポーンするなんて、まずあり得ません。

 

つまり、これは自然発生じゃない。

淫獣があらかじめグリーフシードを用意しておき、この場所、このタイミングで意図的に孵化させたんです。

 

目的は至ってシンプル。 ほむほむを学校から引き離すこと。

では、その隙を突いて、あいつは次に何を仕掛けてくるのか――

 

>情報:体育館で魔女の反応。

 

烏くんから臨時ニュースです。 なんと今度はさやか達のいる体育館で魔女がスポーンしました。

もうお分かりですね、淫獣の策略はこうです。

 

①ほむほむを学校から遠ざける囮の魔女を配置

②その隙に本命の魔女を体育館に投入

③一般人とまどかを巻き込む

④さやかは周囲の目があるため、魔法少女として満足に動けない

⑤対応が遅れ、まどかが絶体絶命

⑥QBが颯爽と登場して契約を迫る

 

なるほど完璧な作戦っスねー、こっちが想定済みってことに目をつぶればよぉ!

 

というわけで、ここで助っ人を召喚。

杏子に連絡して、体育館へ向かってもらいましょう。

 

え?なんで杏子がスマホ持ってるんだって?

どうやら見滝原へ来る前に、SIMなしのスマホだけはどこかから調達してたみたいなんですよ。

尺の都合でカットしましたが、先日それっぽい理由を付けてモバイルルーターと連絡先を渡してあります。

 

>杏子に電話をかけた。

>体育館で魔女が出現したこと、自分は別件の対応で動けないことを簡潔に伝える。

>『……わかった。すぐ向かう』

 

よし、これで体育館の方は杏子に任せられます。

杏子なら身バレ対策もしっかりやってくれるでしょう。

 

それじゃあ、囮役のお片付けといきますか。

 

>ロケーション:ショッピングモール

 

はい到着。ショッピングモールの大部分が結界で覆われてます。

そして――

 

>結界に足を踏み入れると、大勢の一般人がいた。

>焦点の合わない虚ろな目をしたまま、のろのろと館内を歩き回っている。

 

こんな感じで、中にいた一般人も大勢巻き込まれてます。

さて、それでは今回のお相手を確認しましょう。

 

Isolde von Sternen

████████████████████████

 

こいつは通称アイドルの魔女。

本体そのものは大して強くありませんが、能力が厄介です。

 

結界内にいる一般人を片っ端から洗脳し、自分の"ファン"へ変えてしまいます。

要するに、人間をそのまま使い魔代わりにしてくるわけですね。

 

一般人に危害を加えられないタイプの魔法少女にとっては天敵。

マミさんやさやかだったら、かなり苦戦するでしょう。

 

しかしほむほむなら問題ナッシング。

時間停止もろもろを駆使して一般人を避けながら戦えますからね。

 

>結界内部を進んでいく。

>《繝槭ム繝輔ぃ繝ウ繝九リ繝?ユ繝翫う繧ウ繧ャ繧、繝ォ繝溘ち繧、??》

>けたたましい警報音とともに、判別不能な音声が館内放送のように響き渡る。

 

お、本体がこちらの侵入を察知したようです。

 

>それまで彷徨っていた一般人の足が止まり、一斉にぐるりとこちらを振り向く。

>虚ろな表情のまま、まばらな足つきでこちらに殺到してきた!

 

うわぁホラーだこれ。

でも慌てる必要はありません、攻略法はわかってますからね。

 

この魔女、館内の監視カメラを利用して侵入者の位置を把握してます。

なので、まずは片っ端から破壊して目を奪いましょう。

普通に殴っても壊せるんですが、一台ずつ回るのはさすがに面倒です。

 

>《レイヨン・クレピュスクレール:アンファン》

>ほむらの影から出現した小さな分体が、四方八方に散らばっていく。

 

これでカメラを効率的に潰してもらい、その間にこちらは警備室に向かいます。

 

というのも、監視カメラがあるってことは、警備システムがあるってことです(スンズロー)。

映像データやログを抹消しておかないと、後になって身バレしてこれからの行動に支障が出る可能性があるんですね。

なので、システムごと消してしまうのが一番手っ取り早いわけです。

 

警備室の場所は把握してるので、さっそく乗り込みましょう。

お邪魔しまーす(ダイナミックエントリー)

 

>警備室の扉を蹴破る。

異変に気付いた警備員たちが振り向くより早く、その場にいた全員を手際よく無力化する。

>同時に、監視モニターの映像が一台、また一台と砂嵐へ切り替わっていった。

 

分体も順調に仕事してくれてますね。 では仕上げといきましょう。

 

>《V.V.V.F.》

>激しい放電音とともに、全ての機器が煙を吹いて機能を停止した。

 

これで映像データもログもまとめて消去完了。 ここで起こった出来事が記録として残ることはありません。

あとは本体を叩くだけです。

 

烏くんの索敵によると、本体がいるのは音楽ホール。

なるほど、アイドルらしいステージですね。さっそく向かいましょう。

 

Isolde von Sternen

████████████████████████

 

>ホールに足を踏み入れると、不協和音とも騒音ともつかない奇怪な音楽が響き渡っている。

>ステージの前には、おびただしい数の一般人が群がっている。

>その中央では、黒い影のような人型の魔女が、陶酔したように踊り続けていた。

 

おお、ライブ中でしたか。

しかし、無許可のゲリラとは頂けませんね。 神妙にお縄についてもらいましょう。

 

「繧「繝翫ち繝√こ繝?ヨ繝「繝?ユ繝翫う繝?す繝ァ縲√Δ繧ー繝ェ繝上ム繝。繝?Κ??」

 

本体がこちらに気づいたようです。

一般人がこちらに大挙する前に動きましょう。 まともに相手してる時間はありません。

 

とはいえさすがに一般人を殺傷するのは忍びないので、うまく無力化しましょう。

ます魔女形態に変身、飛び上がって幻覚で攪乱します。

 

>《イツワリノハナヨメ:霧幻》

>フワァッ……

 

そのまま天井付近を旋回しながら、霧を客席一面へ散布します。そうすると――

 

>こちらへ向かおうとしていた一般人たちが、突然立ち止まる。

>幻影に惑わされ互いを見失い、その場で右往左往し始めた。

 

一斉にあたふたしだすので、その隙に低空飛行で一人ずつ無力化していきましょう。

 

>《V.V.V.F.》《STUN》

>微かな放電音とともに、次々と一般人は昏倒していく。

 

ご安心を、スタンガン程度の出力なので命に別状はありません。

 

「繝翫ル繧ャ繧ェ繧ュ繝?Ν繝趣シ?シ?」

>一方その頃、魔女は霧に覆われた客席を見回し、状況が飲み込めず困惑している様子だった。

 

よし、全ての一般人を無力化しました。 幻影解除します。

 

>霧が晴れると、倒れ伏す一般人(かんきゃく)

「……!!!!」

>客席を見渡した魔女が、死角にいるはずのこちらを一直線に睨みつける。

 

お、魔女が怒り状態です。

この状態になるとこちらの位置を常に把握してくるうえ、広範囲の音波攻撃や高機動などなかなか厄介です。

おまけに捕まると、直接洗脳魔法までかけてきます。

 

とはいえ今のほむほむには精神干渉はほとんど効きませんし、そもそも捕まるようなヘマもしません。

なので、ここで少し遊んでみましょう。 ちょっと試したいことがあるので。

 

>《レイヨン・クレピュスキュレール》

>カッ!!

>魔女は両目を押さえ、その場でもがき苦しんでいる!

 

その隙に変身解除して、時間停止で背後に回り込みます。

んで、ナイフを取り出しましょう。

 

実はこいつ、刃物特効なんです。 特に背後から攻撃すると、一撃で倒せます。

 

>《時間停止》解除

ザクッ……

「繝?Ξ繧ォ繝ッ繧ソ繧キ繝イ窶ヲ窶ヲ繧「繧、繧キ繝??窶ヲ」

>魔女は短い断末魔を漏らし、力なく崩れ落ちていく。

 

工事完了です。我ながら手際のいい仕事でした。

 

それでは、一般人が目を覚ます前に退散しましょう。

杏子に任せた体育館の様子も確認しないといけません。

 


 

時は少し遡る。

 

見滝原中学校――体育館。

生徒たちがバスケットボールの試合に歓声を上げる中、それは何の前触れもなく現れた。

 

「……!」

 

最初に異変へ気付いたのは、さやかだった。

続いて、まどかと仁美も同じ方向へ目を向ける。

 

体育館の中央、空間が陽炎のようにぐにゃりと歪む。

その直後、歪みの中心へ黒い球体が出現した。

 

「あれって……!」

 

二人は顔を見合わせると、すぐに距離を取って身を隠す。

その間にも、球体は生き物のように脈打ちながら瞬く間に膨れ上がり――

 

パキィィィン!

 

乾いた破砕音を響かせ、その殻が内側から砕け散った。

姿を現したのは、全身を蔦のような触手で覆われた緑色の魔女。

 

体育館の床へ降り立つと同時に、無数の触手が四方八方へとうねり始める。

 

しかし、生徒たちは誰一人として異変に気付かない。

彼らには魔女も、結界も、その触手すら見えていないのだ。

 

「きゃあああ!?」「うわあああ!!?」

 

悲鳴の声が上がる。

見えない何かに身体を絡め取られ、生徒たちは次々と意識を刈り取られていく。

 

「くっ……!」

 

さやかは咄嗟に胸元のソウルジェムを握り締める。

変身するしかない。でも、この場で魔法少女の姿を晒せば――

 

一瞬の迷いが、脳裏をよぎる。その時だった。

 

「うわああああっ!!」

 

聞き慣れた叫び声に、さやかは勢いよく振り向く。

 

「――恭介!?」

 

恭介の足元へ、一本の触手が音もなく迫っていた。

あと一瞬遅れれば、絡め取られる。もう迷っている時間はない。

 

「――っ!!」

 

ソウルジェムへ魔力を流し込む。

眩い青い光とともに、制服姿は一瞬にして魔法少女の装いへと変わる。

さやかは床を強く蹴り、一直線に恭介のもとへ駆けた。

 

鋭い剣閃が走る。

伸びてきた触手は真っ二つに断ち切られ、恭介の目前で力なく地面へ崩れ落ちた。

 

「恭介、逃げて!」

 

「さ、さやか……!? その格好は……!」

 

奇怪な衣装に身を包んださやかに、恭介は言葉を失う。

 

「っ、とにかく早く――!」

 

さやかは恭介を庇うように前へ出る。

だが、この状況を一人で捌き切るには荷が重い。その時だった。

 

「――邪魔するぜ」

 

ガシャァン!!

 

体育館上部の窓ガラスが砕け散り、赤い影が勢いよく飛び込んできた。

 

「杏子!?」

 

床へ軽やかに着地した杏子は、一瞬だけ周囲を見渡す。

状況を把握すると、迷うことなく恭介の背後へ回り込んだ。

 

「悪ぃな」

 

「――え?」

 

トンッ。

 

鋭い手刀が首筋へ吸い込まれる。

恭介の意識は一瞬で途切れ、その場へ崩れ落ちた。

 

「ちょっ、杏子!? 何して――」

 

思わず叫ぶさやかへ、杏子は視線も向けず答える。

 

「まだバレたくねぇんだろ?」

 

さやかは一瞬目を見開き、すぐにその意図を理解する。

確かに、今は説明している時間などない。

杏子は槍を肩へ担ぐと、不敵に笑ってさやかの隣へ並んだ。

 

「さて……」

 

槍の切っ先が、静かに魔女へ向けられる。

 

「派手に暴れようぜ」

 


 

というわけで杏さや共同戦線開幕。

せっかくなんで等速でお見せします。

 

>観戦モード(杏子+さやか)

 

Alraunen

████████████████████████

 

こいつは通称ツタの魔女、名前の通りマンドラゴラがモチーフでしょうかね。

本体が無数の触手に覆われていて、まともに攻撃を通しづらいタイプです。

 

攻略法は二つ。 触手を片っ端から切り落として本体を丸裸にするか、あるいは何らかの方法で本体そのものを引きずり出すか。

正面から突っ込むと意外と面倒な相手なんですよ。

 

>「アタシが注意を引く! その隙に縛られてる奴らの触手を切り落とせ!」

>さやかは短く頷いた。

 

いいですね、前回の杏子のアドバイスが生きてるようです。

 

>「どこ見てんだよ、こっちだこっち!」

>杏子が魔女の周囲を縦横無尽に駆け回る。

>触手が次々と杏子へ襲い掛かる。しかし、そのどれもが軽快なステップでかわされ、空を切るばかりだった。

 

やはり経験豊富なだけあり、うまいこと魔女を手玉に取ってます。

その間に、さやかは救助へ専念。

触手を一本ずつ切り落とし、クラスメイトを救助してます。

 

>魔女は杏子を追うので精一杯。 その隙に、さやかの剣が拘束していた触手を次々と断ち切っていく。

>気付けば、体育館にいたクラスメイトのほとんどが解放され、床へ倒れ込んでいた。

 

お、ここで一瞬、杏子がさやかに目配せしました。

たぶん本体を叩けって合図でしょうね。

 

>さやかは杏子の意図を察し、魔女の死角へ回り込む。

>杏子が魔女を挑発するのに合わせ、さやかが本体めがけて飛び込んだ。

 

言葉は不要か(OBRIEN)杏さやてぇてぇ。

さやかが本体に飛び乗ってがむしゃらに覆っている触手を切り裂いてます。

 

>行く手を阻む蔦を力任せに切り払い、その奥に隠されていた小さな本体へたどり着く。

>勢いそのままに、剣を振り下ろす。

 

「■■■■■■■■■■■!!!!!!」

 

>次の瞬間、おぞましい絶叫が木霊し、さやかの耳を直撃した。

 

「――っ!!!」

 

>さやかの動きが止まる。あまりの衝撃に思わず耳を押さえ、その場で大きく体勢を崩した。

>本体を守る触手が一斉に伸び、無防備になったさやかへ襲い掛かる。

>咄嗟に杏子が駆けつけ、迫っていた触手をまとめて薙ぎ払った。

 

おっと、さやかがもろに喰らって耳をやられたようです。

杏子、ナイスフォロー。

 

>聴覚を失ったさやかは、ふらつきながら杏子のもとまで後退する。

>杏子は魔女を睨んだまま槍を持ち上げ、本体を鋭く指し示した。

>(……とどめを刺す、ってこと……?)

>さやかは杏子の意図を理解すると、小さく頷き、乱れた呼吸を整えながら再び剣を構えた。

 

さっきの一撃で、本体へのダメージは十分入っています。再生も目に見えて鈍くなりましたね。

二人はこの隙にケリをつけるようです。

 

>二人は同時に床を蹴る。

>【打突】【コラテラルエッジ】

>魔女が触手を持ち上げるより早く。槍と剣が、寸分違わず本体を貫いた。

 

>Critical!!

 

「■■■■■■■■■■■!!!!!!」

 

>不気味な色の血飛沫を撒き散らしながら、魔女の身体は激しく痙攣した。

>やがて無数の触手は灰のように崩れ落ち、本体も炭化するように静かに消滅していく。

 

はい、無事討伐完了です。

さすが杏さや、コンビネーションバッチリでした。

 

さて、ちょうどこちらも体育館へ戻ってきたので、現場の後始末だけ済ませてしまいましょう。

杏子もここで退場です。

 

>杏子を除く四人は口裏を合わせ、生徒や教師への説明を始める。

>体育館で起きた騒動は、設備の老朽化による天井の一部崩落ということで処理された。

 

多少強引ですが、これで一件落着。

あとは次の展開へ繋がる、ちょっとした幕間シーンになります。

 


 

帰り道。 杏子は一人、人気のない路地裏を歩いていた。

 

ポケットから飴玉を取り出し、口に放り込む。

甘ったるい味が口に広がるが――

 

「……」

 

表情は晴れない。 杏子は足を止め、空を見上げた。

 

(……おかしい)

 

頭から離れないのは、ほむらが向かった方の結界で感じた違和感。

自身は体育館に向かっていたが、それでもそこにいる魔女の気配は感じ取れていた。

 

そして――

 

(反応が、二つあった)

 

最初から存在していた反応。 それとは別に、同じ場所で突如現れた、もう一つの反応。

魔女が結界へ乱入する。そんな話は聞いたことがない。

 

(それに……二体も倒すなんざ無理なはずだ。 あいつの実力じゃ)

 

一体を相手にするだけでも、ほむらは慎重に立ち回る。

二体同時に相手をして、なお無傷で戻ってくる。 そんな芸当ができるとは思えなかった。

 

(……一体、どういうことだ?)

 

胸の奥がざわつく。何か、大事なことを見落としている気がしてならない。

 

(……考えすぎか?)

 

自分にそう言い聞かせる。だが、疑念は拭えなかった。

 

――いや。 今優先すべきなのは、さやかたちとの共同戦線だ。

ほむらのことを詮索するのは、その後でも遅くはない。

 

(……後で、確かめるか)

 

飴玉を噛み砕く。

乾いた音だけを残して、杏子は静かに雑踏へと消えていった。

 

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