ユニバース戦士補ジュウ計画   作:壱肆陸

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本日はボウケンジャー編の1本目。
メジロアナタロウさんの作品です。
(X:@KKsGEWyGwp9Qe9G)


建設王ボウケンレッドとサンシャインな総理

俺の名前は赤石 建斗。

ただのしがない建設者だ。

 

「今日も仕事の依頼が来ないか……」

 

20年前から建設士として働き、5年前に独立して建設会社を建てた。

しかし、ほとんど仕事が来ない日々を送っている。

 

「一体いつになったら来るんだろうな…?」

 

俺が一人で家に帰ろうとしたその時、謎の声がかすかに聞こえた。

 

「願いを言え…!」

 

「誰だ?」

 

そこにいたのは黄金の体と赤い顔をしたロボットだった。

 

「なんだよ?!お前は!」

 

「我はテガソード。貴様の願いを叶えよう…!」

 

「願い…?」

 

それは仕事がない平凡な俺に、不思議な出来事が起きた話だ。

 

ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー

『建設王ボウケンレッドとサンシャインな総理』

 

「願いは一つ。さぁ、願いを言え…!」

 

「願い…俺の願い…」

 

願い…そんなもの一つしかない。建斗に迷いは無かった。

 

「俺の願いは一つ!建設王になる!」

 

「よかろう...!お前は建設王ナンバーワンだ...!」

 

建斗の手元に現れたのは、ボウケンジャーリングと銀色のテガソードだった。

 

「指輪を集め、願いを叶えろ...!」

 

「おい!待てよ!」

 

その時、建斗は元の場所に戻った。

 

「今のは...」

 

こうして建斗は、訳の分からないまま指輪の戦士になってしまった。ただ、これの使い方は不思議と頭に浮かんでくる。

 

「まずは物試し...!」

 

建斗は受け取ったばかりのボウケンジャーリングを回転する。

 

「エンゲージ!」

 

《センタリング!》

 

建斗は体が自然に動くままに、左側に一回テガソードを叩いて右側に二回叩いてトリガーを引く。

 

《ボウケンジャー!》

 

テガソードによって指輪の力が解放される。

建斗の姿がボウケンレッドに変身した。

 

「これが...まずは...建設(ビルド)!」

 

それは指輪を集めずとも願いを叶える力だった。

腕を前に引いて設計図を念じるだけで、巨大なビルが出来上がった。

 

「これが...指輪の力なのか...?だったら...」

 

[1秒で建物を建てます!ご依頼はお電話を!0110-2006-0219]

すぐさまネット上に広告を発信した。もちろん映像付きでだ。

 

「これでよしっと!」

 

その時、電話が鳴る。

 

「もしもし!お世話になっております!はい!はい!はい!できますよ!はい!」

 

面白いくらいに都合よく依頼は殺到。

建斗はボウケンジャーの力で建物を作り上げた。

 

タワー、屋敷、タワマン。

仕事を選ぶ必要も無い。色んな場所を作り上げた。

 

「こんなに儲けたのは初めてだ!」

 

先行きが真っ暗だった頃が嘘みたいだ。仕事が次の仕事を呼び込み、休む暇もないのに興奮が止められない。王様や神にでもなった気分だった。

 

その時、電話が鳴った。

 

「はい、お世話になります、株式会社赤石建設です」

 

「一つ依頼をしたいんだが」

 

「はい、何を建てるかを言っていただければ...」

 

「なら、まずは会って話をしたいが、いいかな?」

 

「まぁ...いいですが...」

 

建斗は依頼主に会いに行くことにした。

 

「どこにいるんだ...?」

 

秘密主義の依頼主を不審に思いつつも、建斗は指示された待ち合わせの場所に来た。その時、黒い車が建斗の前に現れた。

 

降りてきたのは...

 

「おいおい...マジかよ...」

 

「ハッハハハハハ!ハッピーサンシャイン!!初めましてだね!赤石建斗君」

 

それは支持率5000%の総理大臣。熱海常夏だった。

 

「総理大臣のあんたがなぜ俺に依頼を?」

 

「一秒で建物を建てるんだろ?その依頼を引き受けてほしい」

 

「いいけど高く付きますよ?」

 

「言い値で払ってあげよう!」

 

建斗はあいつ頭おかしいのか?と思うが、総理大臣という肩書はそのハッタリに現実味を帯びさせる。何より、遂に自分の名前が国のトップにまで届いたかと思うと、気分が良かった。

 

「まぁ、とにかく、建てる場所は?」

 

「なら、ついてきて貰おう」

 

移動した先は、だだっ広い空き地だった。

 

「ここに建てればいいのか?」

 

「ああ!ここにタワーを建てて欲しい!」

 

「まぁ..いいけど...」

 

建斗は困惑したままボウケンジャーリングを回転する。

 

「エンゲージ!」

 

《センタリング!》

 

建斗は左側に一回テガソードを叩いて右側に二回叩いてトリガーを引く。

 

《ボウケンジャー!》

 

建斗の姿がボウケンレッドに変身した。

 

建設(ビルド)!」

 

ボウケンレッドの指輪の能力を発動する。

相手が総理大臣だろうと仕事と指輪の力に貴賤は無い。頼まれたタワーは一瞬で完成した。

 

「常夏タワー!完成!ハッハハハハハ!ハッハハハハハハ!!そうだ。あと、もう一つ頼みたい建物がある」

 

「ああ?まぁ、いいけど」

 

「これも建てて欲しい」

 

常夏が出したのは常夏の銅像の設計図だった。

少々間の抜けたというか、子供が考えたような依頼だったため、思わず聞き返してしまう。

 

「これもか?」

 

「そうだ!これで支持率5000%はさらに増大する!」

 

「まぁ、いいけどよ。建設(ビルド)!」

 

建設(ビルド)の力で銅像が建てられた。

 

「ありがとう!君のお陰で実に良いものができた!ハッピーサンシャイン!」

 

「はい、お支払いは...」

 

「支払いはこれでいいかな?」

 

常夏が見せたのは建斗と同じ、だがデザインの異なる指輪だった。

 

「あんたも指輪の戦士だったのか...。まさか、どういう能力かを見るために建設(ビルド)を使わせたのか?」

 

「まさか本当に知らなかったとはね。まぁ、そうとも言えるだろう」

 

「じゃあ、総理の持つ指輪でお支払いってことでいいな?」

 

「君がそうしたいなら、私は一向に構わない。できるものならね」

 

建斗はもう一度指輪を取り出す。

今度は仕事ではなく、戦士として。

 

「貰ってばかりでは余りに不条理。君の指輪の分の代金も届けさせよう!」

 

「その必要はない。総理の指輪を俺が貰う。エンゲージ!」

 

建斗は戦う決意と共にボウケンジャーリングを回転する。

 

「エンゲージ!」

 

《センタリング!》

 

建斗は左側に一回テガソードを叩いて右側に二回叩いてトリガーを引く。

 

《ボウケンジャー!》

 

建斗の姿はボウケンレッドに変化した。

 

「そちらがその気なら私もやらせて貰おう!」

 

常夏はドンブラザーズリングを回転する。

 

「エンゲージ!」

 

《センタリング!》

 

常夏は左側に一回テガソードを叩いて右側に二回叩いてトリガーを引く。

 

《ドンブラザーズ!》

 

常夏の姿がドンモモタロウに変身した。

 

「ハッハハハハハハ!!ハッピーサンシャイン!!」

 

「指輪が奪われても恨みっこ無しだぞ!」

 

「それはお互い様さ!」

 

ボウケンレッドはボウケンボーをドンモモタロウに振り回す。

ドンモモタロウはザンクラソードで防いでボウケンレッドに攻撃する。

 

「ハァ!」

 

ボウケンレッドはサバイブレードでドンモモタロウに攻撃する。

 

「赤石君!君に聞きたい!」

 

常夏は斬り合いを演じながら、建斗に質問する。

 

「何なんだよ...!」

 

「君は指輪を集めた時、願いはどう叶える?」

 

「そんなの決まってるだろ!俺は思うままに全ての建物を建て続ける!そして、俺は建設王ナンバーワンになる!それが俺の願いなんだよ!」

 

「そうか...なら...!」

 

ドンモモタロウは折り紙を取り出して投げる。

 

召喚(サモン)!」

 

犬、雉、猿の折り紙が大きくなってボウケンレッドを襲う。

 

「うわっ!なんだ!あっち行け!」

 

「ハァッ!」

 

ボウケンレッドはザンクラソードを受けてしまい倒れた。

 

「指輪を取られてたまるかよ!建設(ビルド)!」

 

ボウケンレッドは瞬時にタワマンを作り上げて屋上に立つ。

 

「ここまで来な!」

 

この力は万能だ。敗けるはずがない。

ボウケンレッドは得意げに下を見る。

その時だった。

 

《センタイリング!》

 

ドンモモタロウは一回叩く。

 

「ハッピースカイサンシャイン!!!」

 

《ジェットマン!》

 

なんと、ジェットマンの力で空を飛んで、ボウケンレッドとの距離を詰めてきた。

 

「あいつ空も飛べるのかよ?!」

 

「私は太陽!どこまでも飛んで行く!」

 

屋上まで飛んで来たドンモモタロウはザンクラソードでボウケンレッドを切り裂いた。

 

「うあああああ!!」

 

ボウケンレッドは倒れてしまう。

 

「さぁ、お次はこれで行こうか!」

 

ドンモモタロウはバックルからセンタイリングを取り出し、回転させる。

 

《センタイリング!》

 

ドンモモタロウはテガソードを2回叩く。

トリガーを引いて走り出す。

 

《タイムレンジャー!》

 

ドンモモタロウは時計を早回しするように凄まじい速度で移動。ボウケンレッドが遅く感じるほどの怒涛の攻撃を繰り返し、再びボウケンレッドは倒れた。

 

建斗は戦うのは初めてだが、指輪を3つも持っている常夏は戦場慣れしているということ。経験値が違いすぎる。指輪がくれた高揚が、散って消えていく。

 

敗ける。その確信が恐怖となってもはや動けなくなった。

 

「さぁ、終わりだ!」

 

ドンモモタロウはザングラソードを回転して構える。

 

「桃代無敵・ハッピーサンシャイン乱舞!!」

 

《ドンブラザーズ!フィニッシュ!!》

 

ドンモモタロウはハッピーサンシャイン乱舞でボウケンレッドを切り裂いた。

 

「うああああああっ!!!」

 

「ハッハハハハハ!ハッピーサンシャイン!!」

 

《WINNER!DON MOMOTAROU!》

 

変身が解けて同時にビルが消える。

必然、建斗は生身で下に落ちていく。

 

「もう終わりかよ...」

 

その時、ドンモモタロウがジェットウィングを使って建斗を救出する。

着地したドンモモタロウは変身を解いた。

 

「これで私の勝ちだな」

 

常夏は所有権を奪ったボウケンジャーのリングを見せつける。

 

「負けたかぁ...」

 

建斗は敗北を自覚し、諦めの思いを抱えて寝込んだ。

 

「やっぱ、指輪の力に頼り過ぎたか?」

 

「どうだったかな?指輪争奪戦に参加した気分は?」

 

「やっぱり、願いはそう簡単には上手く行かないんだよな」

 

その時、車が現れる。

車からは常夏の秘書が出てきた。

 

「熱海総理。そろそろ時間です」

 

「赤石君!君が使った力をいつか私も使わせて貰う!」

 

「……もうあんたのだろ」

 

「それじゃ、赤石君!いつかまた会おう!ハッピーサンシャイン!!」

 

常夏は車を乗りどこかへ行った。

指輪を失って、あの魔法のような力も消えた。一秒でなんでも建てる建設王は廃業だ。

 

そして後日。

 

「どうか、一からやり直させてくれないか?親父!」

 

建斗は父親のもとに訪れ、頭を下げた。

 

「俺、まだまだ独立するのに早かった気がするんだ。だから、一からやり直して親父の元で腕を磨くから!」

 

「建斗、本当に一から学ぶんだろうな?」

 

「ああ...!」

 

「それじゃ、こっちも一からこき使ってやるよ!早く行くぞ!」

 

「はい!」

 

争奪戦は終わった。

俺はもう、指輪に頼らずに自分の力、いや、みんなの力を借りていく。

ずっとな...

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