同時公開の1本目を先に読んでいただければ幸いです。
こちらの指輪はゲキレンジャーです。
話によれば、彼は旅の途中らしく、路銀を稼ぐためシューズ屋のアルバイトをしているという。
「おい、お前そこはこうやるんだ」
「はいわかりました、ありがとうございます」
旅の青年、遠野吠が指導するのは
「おい遠野、なんだあの教育の態度。ていうかお前も新人だろ、教育は任せてないぞ」
「いいだろ別に。誰かのお節介がうつったみてぇだ」
「そんな事より、昨日から客から苦情が止まらん。シューズ店なのに『履けりゃいいだろ』があるか」
「あーそうかよクビだろ。わかったよ、帰る」
入ったばかりのバイトで早々に同僚が辞めてしまい、理央は苦笑する。
「お疲れ様でした」
雀之は仕事を終わらせタイムカードを切る。バイトは転々としているが、その後に行く場所は変わらない。
斜風道場。理央が幼い頃から通っている、小さな武術の道場だ。
「よし、お疲れ様です」
道場に行っていつも通り修行をし、師範代に挨拶をする。この一連を続ける理由は特に無く、生活の一部となっているとしか言いようが無い。
だが、これから何があっても、理央はここに来続けるだろう。これ以外の毎日はもはや考えられない。
「この道場、無くなりませんよね」
「無くさんよ。今どき武術を教えたって時代遅れだけどな、お前が来る限りはやめるつもりはない」
ここで教えているのは習い事の域を出た、格闘を目的とする本格的な武術だ。それはいわゆる『競技』に使えるものではなく、警察にでもならない限り無用の長物だ。
今の時代、武術がもてはやされることは無いだろう。人々の暮らしの中から、修行はとっくに消え去ってしまっている。それでも師範代は何度も言う。
「お前は武術が凄いんだから、武術の道を行け」
「はい!俺も武術No.1を目指したい」
心を磨き、技を洗練させ、体を鍛える。自分にはその生き方を貫く意志があり、天性の才があるのも自負している。
別にそれを誇示したいわけじゃない。ただ、受け継いだ長い歴史の研鑽と、自分のこれまでの人生を、ただ錆び付かせるだけなのは虚しい。
目指せることなら、その道の果てを見たい。
理央は『ゲキレンジャー』の指輪を見つめる。だからテガソードに願ったのだ。
ある日の帰り道の時に指輪を見つけた。
そこに現れた暗闇に光るテガソードには驚いたものだ。
「あんたは一体何者なんだ…」
「指輪の契約だ、我が名はテガソード。全ての指輪を揃えた者の願いを叶える」
テガソードが語る。
この指輪を奪い合う戦いが、これまでに二度行われたらしい。前回の『ゲキレンジャー』の指輪の持ち主が3回目の争奪戦を辞退したため、指輪と波長の合った理央に番が回ってきたのだ。
「じゃあ俺は武術No.1を目指す。それで良いか」
「うむ」とテガソードが頷いた。
あの話を聞いて血が沸き立ったのを感じた。
理央にはNo. 1を競う相手すらいなかった。目指すこともできなかったのだ。これでようやく願いを目指すことができる。
しかし、一向に他の指輪に出会う気配が無い。
テガソードによれば「前回の覇者が近いうちにお前に会いに来る」らしい。
全ての指輪を勝ち獲った猛者。どんな奴なのだろう。願わくばこの高揚が冷める前に現れてほしいものだ。
その時、剣同士がぶつかる非日常の音が聞こえた。そこにいたのは二人の赤い戦士。片方は狼のような見た目で、顔に線路の付いた『トッキュウ1号』相手に勝利を収めていた。
「お前の指輪、預かるぜ。闇空」
「やっぱり輝いている奴は強いな。ほぼ神によろしく伝えてくれ」
「本当に神になっちまったからな、どっかで聞いてるだろうよ」
狼の戦士、ゴジュウウルフが変身を解く。彼の正体はアルバイト先の同僚、遠野吠だった。
「吠さんが指輪の戦士!?面白い…!」
彼が前回の王者、そう思うと昂りはもう止められなかった。
走り出した理央が唐突にジャンプし膝蹴り右ストレートを放つ。だが、不意打ちにも吠は反応し、顔を殴り返し腕に噛みついた。
反射速度も戦闘の勘も、只者じゃない。
この人となら競い合える。自分の全力を出すことができる。武術のNo.1を目指す戦いができる。
「めんどくせぇな何しやがる」
「悪いがあんたとは、武術対決だ。あんたとの戦いで武術No.1を決めて指輪を貰う、勝負だ!エンゲージ!!!」
『センタイリング!』
指輪をテガソードにはめて両手の人差し指を差し出して、構えを取る。次に拳を突き合わせるようにテガソードの甲を叩き、右手を肩の近い位置にして三回叩く。
そして、右手を振り回し、最後に一度大きなクラップ。
『ゲキレンジャー!』
「いきなり何なんだあんた。仕方がねぇ、エンゲージ!!」
『ゴジュウウルフ!』
「武術No.1を最初は剣術で勝負したい!ゲキセイバー!」
ゲキレッドに変身した理央は双剣・ゲキセイバー振り回し、ゴジュウルフにエンゲージした吠がテガソードで迎え撃った。
いざ掴め!No.1!
Go-Go-ユニバース!
Go-Go-ユニバース!
「斜風に纏わる最大の力。メタリックボディゲキレッド!今こそ目指さん、武術の高み!」
Go-Go-ゴジュウジャー!
Go-Go-ゴジュウジャー!
「喧嘩なら誰にも負けねぇ。はぐれ一匹ゴジュウウルフ!!金は無ぇが…買ってやるぜ、売られた喧嘩!」
武術No.1バトル、レディィィゴー!!
「ゲキワザ!翔翔斬!!」
「いくぜ勝負だ、剣術No.1として負けらんねぇ!」
テガソードとゲキセイバーの鍔迫り合いが弾け、ゲキレッドはゲキセイバーを合体させてゴジュウウルフを斬り付ける。
それに対して、ゴジュウウルフはウルフデカリバー50を出して対抗。二振り一体となったゲキセイバーの重みと正面からぶつかり合った。
『お兄ちゃんが助けてあげようか、吠ゥ』
「うるせぇ余計なことすんな!」
その時、黒剣・ガリューデカリバー50が勝手に飛び出し、ゴジュウウルフは二刀流に。しかし、ゲキレッドは加速するゴジュウウルフの剣捌きに並び立っていた。
「面妖な剣だな、その力を見せてくれ!」
『吠、こいつ結構やるみたいだね』
「あぁ…分かってるよ!」
ゴジュウウルフの刃が空間を切り裂いて、その中を通って死角から攻撃を仕掛ける。だがゲキレッドはそれに反応し、反撃。
両者の剣が激しくぶつかり合い、衝撃で同時に手から放られてしまった。
「ゲキヌンチャク!ここからは破壊力で勝負だ!」
「望むところだ。エンゲージ!」
ゲキヌンチャクは振り回すほど力を増す。どんなものでも粉砕する威力に対抗するため、ゴジュウウルフは指輪を取り出した。
『トッキュウジャー!』
「レールスラッシャー!」
手に入れたばかりの指輪を使い、伸縮自在で曲がりくねる線路のような太刀筋で、ゲキヌンチャクの不規則な攻撃と撃ち合った。
「それなら、徒手空拳ならどうだ!?」
「だったらコイツだぜ、エンゲージ!」
『バトルフィーバー!』
互いに武器を捨てたところで、ゴジュウウルフはバトルジャパンに変身。拳法と空手、二つのカンフーが火花を散らす。
「ゲキワザ・咆咆弾!」
ゲキレッドのオーラが「ゲキタイガー」を形作り、バトルジャパンへと迫る。虎の牙と爪が敵を完全に捉えたと思いきや、そこには彼の姿は無かった。
「エンゲージ!」
『ゴーバスターズ!』
ゴジュウウルフはレッドバスターの超加速で咆咆弾を回避しており、そのまま超高速でゲキレッドを狙う。しかし、ゲキレッドはその速度にも反応してみせた。
「っ、エンゲージ!」
『パトレンジャー!』
強烈なカウンターを予期した吠はパトレン1号にエンゲージ。「
パトレン1号がパトメガボーを、ゲキレッドがゲキトンファーを構え、棒術勝負へ。激戦の末に全力の一撃が互いにヒットし、両者が地を転がった。
距離ができたのなら、次のステージは遠距離戦。砲撃もまた『武』。
近代における『武術』だ。
「ゲキバズーカ!」
「エンゲージ!」
『ルパンレンジャー!』
『Make a Game!』
ゲキレッドがゲキバズーカに力を溜めると同時に、エンゲージしたルパンレッドは指輪が再現した「グッドストライカー」の能力で3人に分身。
「ゲキワザ・激激砲!」
『イタダキストライク!』
ルパンレッドが放つ斬撃と砲撃のコンボ。そこにゲキバズーカの火力が激突し、相殺。互いの実力が完全に拮抗したまま、自分が凄まじい速度で成長していくのを、理央は肌で感じていた。
これが研鑽、高め合う戦いというものか。
「
昂る心のままに指輪能力を解放し、その姿が溢れる過激気に包まれ、ゲキレッドは『スーパーゲキレッド』へと進化した。
「こっちも本気だ!」
《ワイルドパワーアップ!》
ゴジュウウルフも飛来したオルカブースター5050の力を纏い、『ワイルドゴジュウウルフ』に姿を変え咆哮する。
武術の力勝負、速さの勝負。
両者の全てがぶつかり合って、戦いは加速し激化していく。
「終わらせるぜ虎野郎。お前は俺の…獲物だ!」
「あぁ、これで決着だ。吠さん」
『フィニッシュフィンガー!』
「ゲキワザ・スーパータイガー撃!!」
ゴジュウウルフが指輪のスコープでゲキレッドを捉え、満月が照らす暗闇の空間を展開。ゲキレッドもまた背面のブースターで最高速度に達し、二匹の獣が互いに爪を振り抜いた。
「ふっ…俺の望んだ戦いぶりだ」
「そうかよ」
力尽きた二人が大の字になり倒れ込む。
刹那の勝負を制したのは……
WINNER!!!遠野吠!!
「俺は怖かった。このまま意味のない強さを求め続け、一人になるんじゃないかって」
「何言ってんだ。俺が知ってるだけでも、あと何十人もいるぜ。一回負けたくらいじゃへこたれねぇ、骨のある奴らがよ」
「そうだな。この先にも必ず誰かがいるなら、もう怖くない。指輪がなくても俺は高みを目指していく。武術No.1を」
「それがあんたの望みか、悪くねぇ。じゃあな」
雀之理央はゲキレンジャーの指輪を手放し、吠に礼を行って去っていった。
おわり
作者様のあとがきです。
まずこの企画に参加させていただきありがとうございます
何回も言っていますが僕のこの企画に出させ貰って自分の好きな戦隊に恩返しできたって言う気持ちがいっぱいで戦隊をファイナルライブツアーとゴジュウジャーVSブンブンジャーで終わるんじゃないかって言うのを見たんですけど僕たちは愛で待っていける時間に出きるし、みんなと紡いできたネタや今やってるプロジェクトレッドが大繁盛のお陰で予算関係僕自身知らないですがつまり言いたいことはみんなで一緒に戦隊を待てる時期を作れたと言うのかなって思っておりますみんなで最後各々が自分の最高の作品を作っていると思うので感謝しております本当にご迷惑たくさんかけましたが本当にありがとうございます