(X:@5wACGRJYRv87625)
1本目はジェットマンです。
私は銀のテガソードでレッドホークに変身した。
相対する奴は額に80の文字を形にしたマークをつけた怪人……顔は蜂。バラの花を胸にあしらった造形を飾り付けた姿の『80年代ノーワン』というノーワンらしい……奴が自分からわざわざ、その名前の由来と80年代のバブル時代No.1を目指す理由を教えた。聞いてもいないのに……。
「私は80年代の輝きを取り戻す!」
というのがおおまかな理由らしい。
……いや、私にも令和を輝きに満ち溢れたバブル時代へ世界を作り替えるという野望を頂いて、リング争奪戦に挑んでいたのだから互いに引き合ったのかもしれない。
私の名前は鳥江令子。バブル時代ワンレン、ボディコンで時代を謳歌していたいけてるギャル。……年齢は聞くな。
ある日町を闊歩していたら偶然ジェットマンリングを拾い上げて所持していた。奴と相対した瞬間に脳裏にジェットマン、80年代再現のワードが炸裂して無意識にテガソードでジェットマンの赤、レッドホークに変身したのだ。
80年代ノーワンはわざわざの自己紹介の後に「私がゴージャスな80年代に作り替えるのだ! 貴様と80年代No.1バトルを挑ませてもらう」と宣言してきた。お馴染みの応援団が激を飛ばす中対決が始まる……望む所だ。私は負けない。
80年代ノーワンは「ブランド対決だ! どちらがいけてるか町でショッピングをしておしゃれか決めるぞ!」
そう言って一目散に走り出した。私も負けてはいられない。
「泡!」
センタイリングの力で町の一部をバブル時代に変化させ近くのアパレルショップまでレッドホークの姿で走り出した。
……ない。私のお気に入りの……私にピッタリの服が販売されていない。マネキン人形にもかざられていない。私はハウスマヌカン(女性服装販売員)に声をかけ自分のイメージを彼女に説明した。ハウスマヌカンは頷きながら、近くのハウスマヌカン.オム(男性服装販売員)も笑いながら接客してくる。
私は自分で好みの服を選んだ。お気に入りの服に身を包んだ私は取り出したショルダーホン(肩に掛けるバック型携帯)で足代わりの運転手であるアッシー君を呼び出した。黒いスーツにグラサンの彼はいけてる笑みを浮かべながら私を乗せた。
アッシー君に別れを告げ私は奴の待っている場所に戻る。奴はすでに待っておりワンレンボディコンの姿で颯爽と立っていた。私も負けずに自慢の80年代スタイルで彼(彼女?)を睨み付けた。数分の時間が数時間と感じる中、私は勝利を確信した。
「ノーワン破れたり!」
私は言う。
「なにぃ」
うろたえる80年代ノーワン。
レッドホークに衣服を着た私は奴の足元を指差し指摘した。
「あなたの足元をご覧なさい。それは90年代ファッションよ!」
奴の足元は90年代に主に女子高生の間で流行したルーズソックスであった。
「一部分誤りがあったようね。あなたのファッションには90年代が混じっているわ!」
80年代ファッションに身を包んだ完璧な私は高らかに笑った。
「し、しまった! 私のメッシー君(女性に高級な食事をご馳走する男性)に選んでもらったのが裏目にでたか!」
鳥江はさらに言う。
「自分で選ばないからそうなるのよ! 自分の目で確かめてこそのファッションじゃないかしら」
「くそう」
がっくりと地に落ちる奴の腹面から人の姿が浮かび出す。素早く走り込み助け出す私。
「あぁ! 私のミッグ君がぁ!」
女性に品を貢ぐ存在の彼はぐったりとした姿で現実に戻った。彼の生存を確認した私は80年代ノーワンに目を向けた。
奴の額の80の内8の文字が9に変化した。
「あなたは80年代ノーワンではなくて90年代ノーワンだったのね!」
「あぁ、私は本当は90年代好きだったのね! 80年好きと錯覚していたわ。アムラー!」
そう叫ぶと90の形を形どった爆発で奴は消えた。
「80年代No.1バトルWINNERレッドホーク!」
いつもの応援団が突如現れ勝利のワードを画面に出し唐突に消えた。
「……勝った。80年代の輝きは私の為にあるのよ」。空をあおぐ鳥江の上に鷹が通りすぎた」
しばらく空を見つめていた彼女はショルダーホンでアッシー君を呼び出した。
「今夜はディスコでダンスよ。
とある町の会場をディスコに変えた彼女は扇子を手に高級車でその場を後にした。
……高笑いを浮かべながら。