ユニバース戦士補ジュウ計画   作:壱肆陸

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こちらは今井秀樹さんの同時投稿掌編集2本目となります。
題材はタイムレンジャーです。
(X:@5wACGRJYRv87625)


明日への扉

俺の名は飛鳥昭一。たしか23歳だったように思う。名前と年齢以外の記憶をうしなっているのだ。

 

 俺は某番組の某博士のようにアルバイトを点々としながら一年間を過ごしていた。ある日、清掃のアルバイトをしていたら偶然にセンタイリング、タイムレンジャーを拾った。

 

 この世には偶然ではなく必然に思える事柄がある。リングを拾った途端に使い方が頭に入ってきたのだ。このリングの効果は「ワード」。頭に浮かんだ物を現実に現れるようにする事ができるようだ。金や地位も手に入れる事もできるようだが俺の信念には反する。そういう信念が俺にはあるようだ。俺は失っている記憶を取り戻したいだけだ。生きた証である記憶がなければ何の意味もなさない。そう思っていた。

 

月夜の夜に奴は現れた。顔面には『?』の絵が張り付いた全身黒いタイツの怪人と呼べそうな出で立ち。奴は自分の事を「ノーマンノーワン」と名乗った。

 

「人ではない名無しのONE?」

 

 なぜか俺にはそう聞こえた気がした。奴の話を聞いていると奴も記憶を失ったが何故かのNo.1を目指していたと言う。それ以外の記憶がなく、自分が誰かを求めてずっと彷徨い続けていたと言うのだ。

 

 満月の夜とある人影のない時間……記憶を失った者同士が出会った。何かを感じて俺は無意識に銀のテガソードを取り出し赤いスーツに身を包んだ戦士…タイムレッドに変身していた。

 

「?」

 

 なんだこの姿は? 俺はこんな姿になるなんて知らない。だが俺は知っているこの姿にその能力を。

 

 奴、ノーマンノーワンは俺の姿には驚かないまま無言で直立不動で立っていた。

 

 突然にマスクをした応援団らしきもの達とリングがが現れ各々ポーズをとりながら俺たちの紹介をはじめ最後にこういった。「失った記憶を取り戻すNo.1バトルスタート!」と。

 

 驚く事に俺は奴に会って変身して闘いを宣言されても別に何とも思わなかった。何かの意志、意味等は味気ない虚無に感じ取れた。何かを確かめるように俺は奴に近づき、覚えていたかのようにセンタイリングのついた銀のテガソードを腹面にそっと置いた。そして、こう呟いた。「ワード」、と。

 

ノーマンノーワンのその顔に張り付いた『?』マークは何を考えているかはわからない。

 

 覆面より俺が出てきた。俺はそいつを助け出してそっと地面に置いた。

 

 ノーマンノーワンは相変わらず無表情で静かに消えていった。

 

 遠くから応援団の声が聞こえた。「WINNER!タイムレッド!」と。

 

 声が消え静寂が周りを包み込み俺は変身解除した。残ったのは俺と俺の2人。

 

センタイリング能力『ワード』。俺はこの力で失われた記憶である半身を謎のノーワンから救いだした。何の対決だったのかはわからない。なぜこのような事だったかはわからない。

 

 この1年、記憶を失い記憶を取り戻す為だけに過ごしてきた。ワードと言う能力を、変身を、対決を自分を取り戻す為だけに使ったのだ。偶然はなく必然。俺は心に語りかけながら半身が自分に戻るのを感じた。

 

 記憶を取り戻した。俺はそいつを使い本当のノーワンと、ゴジュウジャーと闘う事が始まると直感していた。彼ら彼女らの足音が近付いてくる。

 

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