(X:@CvlVVQK7bg44701)
以下、作者様のまえがきです。
ゴーカイレッド
◇◇◇設定◇◇◇
ゴーカイジャーセンタイリング
キャラ/三海 鍵五 (みうな けんご)
職/大学3年生
願い/不明
あらすじ
ゴジュウジャー達とは別の並行世界に住む青年───三海鍵五。
趣味はスーパー戦隊の鑑賞やグッズ集めなど所謂''オタク''という人間である。
そんな彼は突如異世界に繋がる次元からの来訪者───''キャプラス・ジャーカイ''に身体を乗っ取られてしまう。
そのまま鍵五は次元を超えてゴジュウジャー世界にやってくる。
ゴジュウジャー世界、今日も今日とてはぐれアルバイター''遠野吠''はフィフティマートにて働いていた。
すると突如、市民の悲鳴と叫び声を聞き現場に駆けつけるとそこにはエネルギー弾を四方八方に放っている青年を見つける。
吠はゴジュウウルフに変身し、応戦する。
青年はセンタイリングを使ってゴーカイレッドに変身し、吠を圧倒する。
吠の危機に駆け付けたのは神になったゴッドネス熊手であった!
一方、巨大な船からゴジュウジャー世界に到着した剣を肩に担いでいる青年が戦いに乱入する。
この戦いにあるのは勝利か?敗北か?
結末は……キミの目で確かめるんだ!!
「はぁ……今日も先輩に怒られた……
やっぱり向いてないのかな……俺」
深夜22時。
辺りは不気味なほど音も無く静かで、チカチカと電柱の上に設置されたライトが途切れ気味に光る。
暗い夜道を歩く青年は顔を伏せて歩いている。
青年の手にはコンビニのレジ袋が握られていた。
中には弁当やお茶、エナドリが入っている。
どうやらコンビニのバイトで失敗を犯し、気分が落ちたまま帰っていた様子。
その時、レジ袋に入っていた一つの箱が一筋の光を発した。
「ん? センタイリングが光った……? はは……疲れてんのかな……俺。はぁ……帰ってギャバンインフィニティ見よう……」
青年は再度ため息を吐き帰路に着く。
青年は顔を上げ歩こうとした次の瞬間、青年の目の前がぐにゃりと歪んだ。
「……え……?」
青年は一瞬倒れてしまったのかと身体を確認したが、何事もなくホッとした。
問題はそこでは無い。
青年の目の前の空間が歪み、上下に裂かれた。
青年は化け物でも出てくるのかと恐怖し、逃げようとするがその中から出てきたのはある物体であった。
その物体はゆらゆらと出てくる。
弱っているのかふらふらとしており、落ちそうになっている。
「な、なんだ? これ……!」
『ヲ……モラ……ウ!』
『オマエノカラダ……モラウ!!』
目の前の物体は口がないためテレパシーで喋っているのか、頭に直接響いてきた。
青年は直感的に危険を察知して背を向け逃げようとしたが、遅かった。
物体は凄まじいスピードで青年の身体に入り込み、青年の身体に憑依した。
「うっ……!? グァァァァァァァァ!?」
青年は悲鳴を上げ苦しむ。
青年の目は虚になり、だらんと腕が下がる。
少しして青年は口角を上げ狂気的な笑い声を上げる。
「ハッハハハハハハハハーッ!!!
漸くだ……! 漸く奴らを始末できる……!
待っていろ……スーパー戦隊ィィィ!!!」
憑依された青年───否''キャプラス・ジャーカイ''は歪んだ時空の壁に入り込み、その場から忽然と姿を消した……
◇◇◇ゴジュウジャー世界◇◇◇
「いらっしゃーせー」
コンビニ店''フィフティマート五十狛店''。
めんどくさげに客に対応する1人の青年──''遠野吠''。
吠は客が置いたカゴから商品を取り、スキャナーで商品のバーコードを読み取りレジ機で値段を表示させる。
「350円でーす」
客は財布から3枚の100円玉と1枚の50円玉を取り出し吠に手渡す。
「あざしたー」
覇気のない声でレシートと商品を入れたレジ袋を手渡した。
客は頷きコンビニから出て行った。
吠は店の在庫を確認するためバックヤードに入り、表を見ていると吠はある匂いを感じ取る。
「……ん? 匂うな……厄災じゃねぇ……? いや、厄災と似てる……?」
吠はコンビニを出て匂いの元を辿る。
すると街中で悲鳴や爆発音が聞こえてきた。
吠は直接その場所に向かった。
「おい! テメェなにしてんだ!?」
「お前がこの世界のスーパー戦隊かァ!!」
「あぁ? それがなんだ!」
「探した甲斐があったなァ!?
オレと戦えェ!! エンゲージ!」
キャプラスは突如空間に手を伸ばし、次元から一つのセンタイリングを取り出す。そのセンタイリング───''ゴーカイジャーセンタイリング''を半回転させる。
キャプラスの右手にテガソードが出現し、キャプラスはセンタイリングをテガソードに嵌める。
『センタイリング!』
テガソードのグリップに配置されているボタンを直接押し込み、センタイリングの力を解放させる。
テガソードから『X』『X』『V』が出現し、胴体に『X』が通りスーツが形成され、『X』が頭を通り赤と金、そして黒の色で形成され、『V』が海賊のマークを作り頭に刻まれる。
『ゴーカイジャー!』
「俺と戦えェェェェェェェ!!!!」
「うぉっ!?
はっ! 良いぜ! 売られた喧嘩は買ってやる!
エンゲージ!」
『クラップユアハンズ!』
『ゴジュウウルフ!』
ゴーカイレッドに変身したキャプラスはゴーカイサーベルで吠に斬撃破を放つ。
吠は斬撃破を避け、その隙にテガソードにリングをセットすると吠の姿が赤く眩く光、姿がゴジュウウルフへと変わった。
『ウルフデカリバー!50!』
ゴジュウウルフは胸部の○部分に手を突っ込み武器を取り出す。
名はウルフデカリバー50。
ウルフデカリバーを持ちゴーカイレッドに向かって斬撃波を放つ。
縦、横、斜めなどどの角度から切り込んでもゴーカイレッドはゴジュウウルフの戦いに適応し、ウルフが少しずつ追い詰められてしまう。
ゴジュウウルフはウルフデカリバーに力を溜め込んだ後ゴーカイレッドに向けて放つ。
ゴーカイレッドはサーベルで斬撃破を斬り返すがゴジュウウルフの姿が消えていた。
「あ? ……どこに行きやがった! グォア!?」
突如、ゴーカイレッドは背後から斬撃を喰らい悶える。
ゴーカイレッドは振り向き様、ゴーカイサーベルでゴジュウウルフを斬るが姿は居ない。
ゴーカイレッドは思考を巡らせ、ゴジュウウルフの居場所を考察する。
「……! そこかァァ!!」
「ぐぁぁ!?」
ゴーカイレッドは上空を切り裂く。
すると、ゴジュウウルフは苦痛の声を漏らし地面に倒れる。
「ぐっ……!? エンゲージ!」
ゴジュウウルフはベルトのツメガバックルを開き、一つのセンタイリングを取り出す。
テガソードにリングをセットし、2回クラップしボタンを押す。
『センタイリング!』
『シンケンジャー!』
ゴジュウウルフは顔前に現れた『火』のモヂカラを纏い、シンケンレッドに変身した。
「……! へぇ〜! じゃあ俺もだァァ!!」
ゴーカイレッドはそう言ってモバイレーツと銀色のレンジャーキーを取り出す。
銀色のレンジャーキーは赤色の光を発して変化し、ドンモモタロウのレンジャーキーとなった。
変化したレンジャーキーをモバイレーツに差し込んでキーを半回転させ力を解き放つ。
「ゴーカイチェェンジ!!」
『ドーンブラザーズ!』
『いよっ!日本一!』
ゴーカイレッドはドンモモタロウへ姿を変えゴーカイサーベルをザングラソードに変化させる。シンケンレッドはドンモモタロウの姿を見て驚きの声を上げる。
「それは……常夏の!?」
「常夏ゥ? 知るか!
俺と戦えェェェェェェ!!!」
ドンモモタロウはザングラソードを振り回しながらシンケンレッドに向かって行く。
シンケンレッドは避けながらショドウフォンで『増』というモヂカラを書く。
モヂカラがシンケンマルに与えられ、シンケンマルがもう一本生成される。
「はぁっ! うりゃあァ!!」
「ぐっ! ガァァ!!
はっはっはっ……! はーっはっはっはっ!!」
トドメだァァ!! 烈火大斬刀ォォォォォォ!!」
『シンケンジャー!フィニィィッシュ!』
シンケンレッドはシンケンマルに秘伝ディスクをセットし、回転させ一本の剣から大剣へと成り、テガソードに持ち直しテガソードと烈火大斬刀に紅いエネルギーを溜め込み、ドンモモタロウに放つ。
ドンモモタロウは火花を放ちながら倒れ込む。
その拍子にドンモモタロウからゴーカイレッドに戻ってしまう。
「はぁ……はぁ……。
テメェ……なんで笑ってんだ……!」
「はっはっは……!
楽しいんだよ! 最高だァァ!!」
ゴーカイレッドは立ち上がりもう一つのレンジャーキーを取り出し変化させる。
そのレンジャーキーをモバイレーツに差し込み半回転させ力を解放する。
『ゴーライダー!』
モバイレーツからの音声にシンケンレッドは内心首を傾げる。
ゴレンジャーのようで妙に違うという点がシンケンレッドの中でモヤモヤが掛かる。
「……エンゲージ!」
シンケンレッドはセンタイリングを取り出し半回転させ、テガソードにセットし力を解放する。
『ゴレンジャー!』
『5』という数字が大きく現れ赤、青、黄、桃、緑の星をシンケンレッドが纏う。
∞型のメットマスクがアカレンジャーの顔に装着される。
「レッドビュート! はぁぁ!!」
「っ!! ぐっ!
オージャカリバー! ギアトリンガー!」
『オージャフィニッシュ!』
『ヒーロー!スーパーゼンカイターイム!』
「オージャフィニッシュバスター!」
キングオージャーとゼンカイジャーの武器を召喚し、アカレンジャーにミックス技を放つ。
アカレンジャーはモロに喰らい大爆発を起こす。
「グァァァァァァァァァァ!!!」
だが、炎の中から上空に向かう影を見つける。
『ジュウオウジャー!』
その姿はジュウオウイーグルであった。
アカレンジャーからジュウオウイーグルに素早く変身し、そして本能覚醒で羽を展開し上空へと逃げた。
「ちぃ! マジスティックソード! キラメイソード!」
マジレンジャーとキラメイジャーの武器を生成し、更にマジレンジャーの能力を自身に付与し飛行能力を会得。
ジュウオウイーグルと同等の戦況に持ち込む。
「キラッとファイヤーフェニックスゥ!!」
キラキラと輝く炎を両剣に纏い、ゴジュウウルフをX字に切り裂く。
が、それだけでやられるジュウオウイーグルではない。
『ウルフ!デカリバーフィニィィッシュ!』
羽に隠していたウルフデカリバーで目の前の次元を切り裂き、その次元に入り上空からアカライダーをイーグルライザーで叩くように下空に落とす。
地に落とされ埃や汚れたスーツで口を拭いアカライダーはヨロヨロと立ち上がる。
「ガハッ……! へっへっへ……! やるなぁ?
ルパンマグナム! VSチェンジャー!」
ルパンマグナムとグッドストライカーが装着されたVSチェンジャーを生成する。
双方のエネルギーを一箇所に集める。
『イタダキ!ド・ド・ド・ストラァイク!!』
『イチゲキストラーイク!』
ルパンマグナムは赤いエネルギー、VSチェンジャーの方は赤と緑、桃色のエネルギーが結集される。
そして、二つのエネルギーが一斉に発射される。
エネルギー同士が捻り、一つのエネルギーになりジュウオウイーグルに放たれる。
「エンゲージ!」
地に降り立ったジュウオウイーグルはワイルドゴジュウウルフリングを取り出し、上部のボタンを押し両翼を展開する。
テガソードにセットして変身する。
「アオオオォォォォォォォォオオオン!!!」
『ワイルド!パワーアップ!』
ジュウオウイーグルの背後に満月が現れ、胸の丸型のアーマーに映される。
一度ゴジュウウルフになり、黄金の光線を身体に纏い、ワイルドゴジュウウルフへと成る。
「オルカブースター!」
ワイルドゴジュウウルフはオルカブースター5050を呼び出し、尾のトリガーを引っ張る。
『オルカ!ブーステッドノヴァ!』
「くたばれスーパー戦隊ィィィィィィ!!!」
「くたばるのはテメェだ!!」
ワイルドゴジュウウルフは銃口のトリガーを引きエネルギー弾をアカライダーに向かって打つ。
黄金のエネルギーとオレンジのエネルギーがぶつかり合い膨大な余波を生み出す。
「ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
「ぐっ……!」
エネルギーがぶつかり合った中心からビリビリやバリバリと更なる余波が生まれる。
少しだが、ワイルドゴジュウウルフが押され始めている。
徐々にワイルドゴジュウウルフの足にクレーターができ始める。
「オルカブースター!」
オルカブースターは吠の意思を汲み取ったのか5つの指輪にブーステッドの力を付与させる。
その指輪は嘗てゴジュウウルフが戦ってきたユニバース戦士達の姿を応用し、オルカブースターでリングをパワーアップさせた。
リングは蛍光イエローの半月に其々セットされる。
『ドンブラザーズ!』『シンケンジャー!』『ルパンレンジャー!』『パトレンジャー!』『デカレンジャー!』
リングが嵌められていくごとにテガソードの声が鳴り響く。
赤い光線が更に黄金のエネルギーに加わり大いなる力を発揮する。
「な、なんでだよ!?
なんでェェェェェェェェェェェェェェェ!?」
「うりゃァァァァァァァァァァァァァァ!!」
指輪を通じて仲間との絆を感じた吠にとって目の前の絆もクソもない戦士よりも吠の想いは強く、そして固い。
故に、吠に負けるという選択肢は無い。
あるのは……勝利を掴み取ることのみ!
「バカなァァァァァァァァァァァァァァ!?」
アカライダーはオルカブーステッドノヴァを喰らい、空中で爆発四散する。
ワイルドゴジュウウルフは静かに背を向け、人差し指を一つ立てて天に掲げる。
WINNER! GOZYU WOLF!
何処からか吠の勝利を祝う声が聞こえる。
空中にいたアカライダー、否キャプラスはドゴォッ!と音を立てて地面に倒れ伏す。
ゴジュウウルフは倒れたキャプラスの元に向かうが、その瞬間、一筋の一閃がゴジュウウルフを切り裂いた。
「ガァァァァ!?」
変身が解かれたゴジュウウルフは身体を土で汚す。
「テメェ……人間じゃねぇのか!
ノーワンかよ!」
「ノーワン? 違ぁぁぁうッ!!
俺の名はキャプラス・ジャーカイ!
並行世界からやってきた破壊者だァァ!!」
「並行世界……?
オリガレッドみたいな奴か……!」
「コイツは気絶して使いモンにならねぇ!!
俺が直々に潰してやらァァァァ!!」
倒れ伏す青年からドロっと出てきた怪人、キャプラス・ジャーカイは二つの双剣を持ち吠に襲いかかる。
キャプラスが剣を振り下ろそうとした腕を何者かが掴む。
「……あぁ?」
「や……めろ……ッ! やめ……ろ……ぉッ!」
その者は青年だった。
頭から血を流し、息も絶え絶えで力もほぼ無く掴めていないがキャプラスはその行動にイラついていた。
吠の攻撃にやられて絶命寸前の者に、自分が最も憎き相手であるスーパー戦隊を漸く殺せる一歩手前に邪魔をされたのだ。
「はぁ……ウゼェんだよ!!」
「オゴォッ!? ガハァァ!?」
キャプラスは手を振り払い、双剣の柄で青年の頭を殴り腹を蹴る。
青年は吹き飛び口から血を吐き、倒れる。
「げほ……っ! おぉ……えぇ!」
青年は血を吐き、更に腹から嘔吐物が逆流されて青年の口からポタポタと流れる。
「はぁ……目障りだから……お前から潰してやらぁァァァァ!!」
「……っ! エンゲージ!!」
『最強!頂点!ユニバース!』
何処からかリョウテガソードが飛来し、キャプラスの剣を弾き吠の元に飛来する。
吠はリョウテガソードを引き抜き、トリガーを押し変身する。
「ハァァ!! うりゃぁぁぁ!!」
『テガソード!ナンバーワン!』
ゴジュウウルフに変身しテガソードの腕がツタンカーメンのようにX字に折り畳まれる。
ゴジュウウルフの頭部も変化し、背中からテガソードのソード部分のマントが出現する。
「ちっ……! どいつもこいつも俺の邪魔しやがってェェェェェ!!!!」
「ハァァァ!!!!」
キャプラスはテガソードゴジュウウルフに向かっていき双剣で戦いを始める。
青年は離れた所で背中を壁に向けて座っていた。
腹を手で抑え、息を整える。
傷ついた臓物はドクンドクンと脈を立てる。
その脈が青年の心臓の音と重なり更に青年に不安を与えた。
「(いきなりアイツに身体乗っ取られて……しかもゴジュウジャーの世界に来てるってどういう事だよ……! 気づいたら血ドロドロだし! やばい……意識遠くなってきた……!)」
「逝くのはまだ早いぜ!」
意識が遠のく寸前、青年が見たのは光り輝く手のひらをこちらに向けている熊手真白だった。
青年の視界は完全にブラックアウトするかに思えたが、死ぬことはなく身体が万全な状態になっていた。
「あ、あれ? 生きてる……? なんで? 絶対死んだと思ったのに!」
「俺様が直してやったからな? 高く付くぜ?」
「くまーっくまっくま!
熊手の世直し量35,000,000円だクマ!」
「えぇっ!? く、熊手真白? それとベアックマ!? 本物!?」
「ああ。お前のいた世界だとそうだな」
真白は腕を組み青年の言葉を肯定する。
ベアックマは真白の周りをぐるぐると浮遊する。
「お前はどうやら別世界から来たようだからな。
初対面でいきなり名前を当ててくるんなんてお嬢ちゃんしかいねぇからな……」
「お嬢ちゃん?」
「いや、なんでもねぇ。
それより、お前はどうする?」
「……え?」
「俺様の力で元の世界に帰すこともできる。
だが、今2代目はお前に憑依していたアイツと戦っている。
指輪をお前に渡して戦ってもらう事もできるが……俺様もそこまで鬼じゃねぇ。アイツとの決着は俺と2代目でつける。
……もう一度聞くぞ……お前はどうする?」
「俺は……俺は……!」
青年は真白の言葉に迷っていた。
ここで彼らに丸投げして元の世界に帰る事もできる。
だが青年は昔から正義感が強く、困っている人は救いたい人間であった。
そんな青年は丸投げせずに真白達に加勢して戦いたかった。
だが、喧嘩などした事もなく平和に過ごした彼にいきなり戦えというのも酷だ。
真白は青年の言葉を待つ。
そして、彼から発せられる言葉は……覚悟であった。
「俺……俺! 戦います!
あんな奴の為に……誰かが涙するのを見たく無いんです!
なにより、迷惑をかけてしまったツケを払いたいんです!」
青年は頭を下げ、真白に懇願する。
真白は青年からの言葉に口角を上げた。
「顔を上げろ。わかった。お前が戦うのを認める。
神である俺様からの恵みだ。有難く受け取れ」
「……っ! ありがとうございます!」
真白は青年の手にセンタイリングを手渡す。
青年は真白と共にテガソードゴジュウウルフと戦っているキャプラスの元に向かう。
「はっ! でやぁ!」
「ちょこまかちょこまかとォォ!
スリーナイト……ゴーレイト!」
キャプラスは双剣に黒いエネルギーを纏わせテガソードゴジュウウルフを切り裂く。
テガソードゴジュウウルフも対抗すべくセンタイリングを半回転させリョウテガソードにセットする。
『センタイリング!』
『バクアゲ!ハンドリングドライブ!』
「バクアゲ!ハンドリングドライブ!」
ブンブンジャーセンタイリングの力を解放しブンレッドの幻影と共に剣を一回転することでキャプラスの技を相殺させ、水色のエネルギーを剣に纏いキャプラスを切り裂く。
「グゥゥゥゥ!! くそガァァァァ!!!!」
キャプラスの咆哮と共に身体から紫の余波が流れる。
テガソードゴジュウウルフは剣で防ぐが全ては防ぎきれなかった。
膝を立て息を切らす。
その刹那、テガソードゴジュウウルフの目の前に氷の壁が出現する。
テガソードゴジュウウルフはその壁に見覚えがあり、口角を上げる。
「やっと来たか……熊手!」
「よお2代目! 暫く見ないうちにっ! 弱くなったか!?」
真白ことゴジュウポーラーはテガソードゴジュウウルフの前に立ちキャプラスの余波から守る。
「余計な世話だ! それと……お前は?」
「えっと……俺は三海鍵五です!
遠野さん……ごめんなさい!」
「は、はぁ?」
「俺のせいで迷惑をかけてしまって……!」
「……お前、アイツに操られてたんだろ?
お前を責めても仕方ねぇよ」
「でも……!」
「お前ユニバース戦士だろ?
だったら指輪をくれ。それでチャラにしてやる」
「指輪? は、はい。これなら……」
「うっし……じゃあ俺と熊手で時間を稼いでやるから、お前は早く覚悟決めとけ」
「……わかりました!」
「……お前名前は?」
「えっ? ……三海鍵五です」
「わーった。熊手、行くぞ!」
「あぁ!」
ゴジュウポーラーとテガソードゴジュウウルフはキャプラスを倒すべく走り向かっていった。
「変身する為には願いが必要なんだよな……」
『その通りだ……三海鍵五』
「……この声は!? て、テガソード!?」
『変身する為には願いが必要だ……
三海鍵五……願いを言え……!』
「俺の……願い」
鍵五は頭の中で思考する。
自分には嘗て夢があった。
_________________
『冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原を行く若者たちがいた!宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!その名は……!海賊戦隊!!ゴーカイジャー!!』
「うおお!!カッコいいーー!!」
「またゴーカイジャー見てるのー?
そろそろ晩御飯だから椅子に座っておきなさいよー。」
「はーい!!」
幼少期の頃の鍵五は2010年から放送されていた特撮番組''海賊戦隊ゴーカイジャー''を見ていた。
海賊の戦士たちが歴代のレジェンドヒーロー達に出会い絆を結び力を受け継ぐという展開に心を打たれたのもあるが、鍵五は彼らの心に惹かれていた。
アウトローで海賊な彼らが正義のヒーローなんて務まるのかと幼少期ながら怪訝に思っていたのだが、カーレンジャーの大いなる力を受け継ぐ際のカーレンジャーの名乗りをゴーカイジャーが名乗るというシーンで、鍵五は初めて彼らをヒーローとして地球を任せられると思ったそう。
そして彼らの生き方を見ていくうちに……彼の中には夢ができていた。
ゴーカイな奴らの生き様や、戦い方。
そして伝説に対するリスペクト……その魅力が彼を創り上げていったのだ。
小、中、高、大学と成長していく中で彼の心に迷いが生じていった。
「俺って……人のことをしっかり見ているのかな……って」
「あー……悩んでたのってそういう?」
「……はい」
大学の2年生となった夏、鍵五はバイト先の先輩''天宮ユミ''に相談していた。
世間一般によく居るギャルの容姿をしている。
ユミは鍵五からの相談を受け思考する。
「ん〜……鍵ちゃんは抱え込みすぎなんじゃない?」
「……え?」
「だっていつも顔見たら気難しい顔してるし、話しかけてもはいとかわかりましたとしか言わないもーん!」
「……そうなんですか?」
「そうだよー!……まあでもウチは嬉しいよ!」
「え?……な、なんでですか?」
「だって鍵ちゃん人のこと見てないんじゃないか?って言ってたっしょ? 人のことを見てないなら相談なんてできないよ?だけど鍵ちゃんはウチを信じて相談してくれたんでしょ? 鍵ちゃんがどんな人生を生きてきたのかはわからないし……分かってはあげられないけど……
でもっ!!
ウチは嬉しいし、そんな鍵ちゃんが好きだよ!」
「……ッ!……あ、ありがとうございます……!」
鍵五はユミからの激励に一筋の涙を流した。鍵五は生き辛い世の中に自身の価値を見出せなくり、自分を見失いそうになった。
暗闇の中をもがいてた彼に光が差した。
その光が……彼を創造した。
___________________
「俺の願いは……皆んなの笑顔を守る、ヒーローになりたいッ!!」
鍵五の願いに共鳴したかのようにセンタイリングが光る。
それと同時にテガソードが鍵五の右腕に装着される。
「……よし……っ!
エンゲージッ!!」
『センタイリング!』
テガソードから発せられる声。
そして続く待機音。
鍵五はそれに合わせてリズムを取り手を叩く。
テガソードを目の前に突き出し顔の右横で1クラップ。
パン!
そして左横で2クラップ。
パン!パン!
再度顔の右横でテガソードを1クラップ
パン!
テガソードを天に掲げ、ボタンを押す。
身体中が赤い光に包まれ、姿を変える。
海賊の戦士───ゴーカイレッドへ!
『ゴーカイジャー!』
鍵五はゴーカイレッドに変身した。
改めて自身の身体を見る。
幼い頃から好きだったスーパー戦隊に変身できた喜びが鍵五の脳に駆け巡るが、今はそんなことに構っていられない。
「……ふう……キャプラス!!」
「あぁ!?」
「俺が……お前の相手だッ!!」
「……きっひゃっひゃっひゃァァ!!
面白ぇ! 掛かってきやがれェェェ!!!!」
キャプラスは叫びその口から黒い霧を発生させる。
その霧は実態と化し、周囲に厄災の戦闘兵“モリス”を生成する。
「コイツら……!」
「やっぱり厄災か……!
鍵五! コイツらは俺様達が片付ける!
お前はケリを着けろ!!」
「……はいっ!」
ゴーカイレッドとキャプラスは相対する。
すると、目の前が突然大爆発を起こす。
その中から出てきたのは……人差し指を天に指す応援団の者であった。
「いざ掴め!ナンバー!
ワァァァァァァァァァンッッッ!!!!!!」
「GO!GO!ユニバース!!
GO!GO!ユニバース!!」
「願いはヒーロー! 宝は皆んなの笑顔!
ゴーカイレッド! 三海鍵五!
無限大の夢を……胸に!」
「目の前に立ち塞がるモンは……全て潰す!
宇宙の破壊者! キャプラス・ジャーカイ!
テメェの未来……徹底的に潰してやる!」
ナンバーワンバトル!!
レディ……ゴォウ!!!!
「「ハァァァァァァァ!!!」」
ゴーカイレッドはゴーカイサーベルを持って走る。
キャプラスは折れた双剣を捨て、新しい剣を持ち走る。
「はぁ!! どりゃああ!!!」
「グゥ!! ふっ! づぇりゃああ!!」
戦いは一触即発。
少しでも気を緩めば殺される。
その緊張感がこの戦いにはあった。
ゴーカイレッドはゴーカイガンで2発打ち込むも全て薙ぎ払われ逆に斬撃を喰らってしまう。
だが斬撃を喰らい中に浮いた瞬間に2本のレンジャーキーをサーベルとガンの差し込み口に差し込み、力を解放する。
『ファーイナルーウェイーブ!!』
「はぁぁぁ!!!
でぇぇぇぇぇりゃあああ!!!」
「ぐぉぉぉぉ!?
ちぃ!!づぇぇぇぇりゃあ!!!」
「ガァ!?
だったら……!ゴーカイチェンジ!」
『キョーリュウジャー!ブレーイブ!』
モバイレーツにレンジャーキーを差し込み姿を変える。
その姿はキョウリュウレッドだが、頭部と胴体に白い線が入っていてキョウリュウレッドとは少し違っていた。
「ふっ! はっ!
真の勇者! ブレイブキョウリュウレッド!」
「姿が変わったからなんだ!」
「舐めるな! ブレイブイン!」
ブレイブキョウリュウレッドはそう言って白い獣電池『ガンティラ』にブレイブを注入する。
ガブガブリカリバーに獣電池を挿入し、口を閉じる。
ポンプアクションを1回行う。
『ガブガブリンチョ!』
「獣電! ユニバースラッシュ!」
『バモラ!』
愉快なサンバの音と共に赤い斬撃を4、5連続で浴びせる。
「グァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
キャプラスは苦痛な声と共に吹き飛ぶ。
キャプラスは立ちあがろうとしたが、膝がガクンと落ちた。
どうやら連戦続きで身体が追いつかない様だ。
「な、なんでだ!? なんで立たねぇ!?
ふざけるな……! ふざけるなァァァァ!!!
俺はスーパー戦隊を倒すんだ!!!
倒して宇宙にその名を轟かせるんだァァァァ!!!!」
最早子供の駄々っ子の様に目的を叫ぶ。
ブレイブキョウリュウレッドからゴーカイレッドに戻り、ゴーカイサーベルに持ち直す。
「トドメだ……! ……ん? なんだ?」
突如レンジャーキーが強く光った。
その光は紅くなり、メッキが剥がれる様に粒子が剥がれる。
その粒子が剥がれ切ると、一つのレンジャーキー……否、メタルヒーローキーとなった。
「……わかった。超宇宙刑事の力……使わせてもらう! ゴーカイチェンジ!」
『ギャーバン!インフィニティー!』
『ゲキドー!アクティベイト!』
メタルヒーローキーを展開した瞬間、モバイレーツの音声より早く1m秒でコンバットスーツが形成されスーツを形成する。
その戦士はスーパー戦隊でもない、独自の戦士───ギャバンである。
「超宇宙刑事!ギャバンインフィニティ!」
「一々姿を変えやがってェェェ!!!」
「……っ! ギャバリオンブレード!」
ギャバン・インフィニティは胸の○を叩き武器を生成する。
サングラス型のギャバリオンブレードを手に持ち、キャプラスの攻撃を薙ぎ払いキャプラスの腹に横向きに剣を向ける。
トリガーを長押し、エネルギーが最高潮に溜まった瞬間キャプラスの腹を切り裂く。
「ギャバニティスラッシュゥ!!」
「ガァァァァァァァァァァァァ!?」
「ァ……ァ……!
く……そが……ぁ……ッ……!!」
ギャバン・インフィニティからゴーカイレッドに戻り、テガソードに持ち直し、トリガーを長押しして必殺技に入る。
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
『ゴーカイジャー!』
テガソードにエネルギーを溜め込み、上から下に向かって一直線に切り込む。キャプラスは悲鳴を上げる間もなく斬られ、絶命する。
『フィニーッシュ!』
テガソードの音声が木霊した次の瞬間、大爆発を起こしキャプラスの身体は散り散りとなった。
「はぁ……! はぁ……!」
やったか……!?」
あまりの疲弊に膝を突き変身を解いてしまう。前方には爆発によって生じた炎がメラメラと燃え上がっている。
「ふ……ける……なァァァァァァ!!!!!!ふざけるなァァァァァァァァァァァァァ!!」
「っ!? 嘘だろ……!? あれだけ喰らって生きてんのかよ!!」
「当たり前だァァ!!
スーパー戦隊を滅ぼすまでェェ……!!
オレは死なねェェェェェェェェェ!!!!」
キャプラスは折れた剣を1000mもの長剣に再生し直し、鍵五を始末すべく剣を上から大きく振り翳し……垂直に斬った。
「……!? な、なんで・・・・!なんでテメェがココにいんだよォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
「ふっ……そんなこと、どうだっていいだろ?」
「あ……貴方は!?」
「キャプテン……マーベラス!?」
「オレの仲間を傷つけやがった借りを返しにきたぜ……?
……おい、お前。」
「は、はい!」
「その指輪貸せ。」
マーベラスは鍵五に指輪を貸すよう促す。
恐る恐る指輪を渡すと奪う様に取り、指輪を握った手に力を込める。
手の隙間から真紅の光が漏れ出し、その光が収まるとマーベラスは手の力を緩めて手を開く。
「ほらよ。」
「うわっと……!
あ、ありがとうございます……?」
投げ渡された指輪をよく見てみると金色の指輪ではなかった。
メタリックレッドの色合いで構成されている。
そのメタリックレッドからは並々ならぬ信念や決意を感じる。
「あの……これは?」
「この世界の宝で……お前だけの宝だ。
アイツぶっ倒すために手ぇ貸せ。」
「……はい!
いきましょう!マーベラスさん!」
「ふっ……行くぜ!!」
「エンゲージ!」
「ゴーカイチェンジ!」
『センタイリング!』
『ゴーカイジャー!』
『ゴーーカイジャー!!』
鍵五は真紅のセンタイリング''スーパーセンタイリング''でゴーカイレッドにエンゲージを果たす。
マーベラスは熟練の動作でモバイレーツとレンジャーキーを操作し、レンジャーキーをモバイレーツの差し込み口に差し込み半回転させる。
マーベラスは赤い光に包まれ赤い海賊戦士''ゴーカイレッドに姿を変えた!
「くそがァァァァァァァァ!!!!!!!!
ぶっ潰してやらァァァァァァァァァァ!!!」
「行くぜ!鍵五!派手に行くぜ!」
「はい!豪快に……行くぜッ!!」
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
ゴーカイレッドら2人はサーベルとガンを持ちキャプラスに向かっていく。
マーベラスは卓越した鍵裁きでキャプラスの攻撃を受け、防ぎ、そしてカウンター攻撃のガンで頭部と腹部に5発打ち込む。
鍵五はマーベラスの援護に立ち回り、ガンをマーベラスに投げ渡しサーベルをマーベラスから受け、武器のチェンジを行いながら翻弄させていく。
「ゴーカイチェンジ!」
『キーングオージャー!』
マーベラスはベルトからキングオージャーレンジャーキーを取り出しモバイレーツに差し込む。
するとマーベラスの姿が琥珀色の宝石に包まれ、背後からクワガタがマーベラスを貫くと、異国の王''クワガタオージャー''に変わる。
それと同時に、腰のバックルに五色のパーツを備えたオージャカリバーが生成される。
鍵五は銀のレンジャーキーを光らせ、一本のレンジャーキーを創造する。
キーモードに変形させたレンジャーキーをモバイレーツに差し込み半回転させた。
『キーング!キョウリュウレーッド!』
『King!King!you're the King!
キーング!キョウリュウレッド!』
「聞いて驚けーーッ!!
挟撃の勇者!キングキョウリュウレッドォ!
マーベラスさん!一気に決めましょう!」
「ふっ!あぁ!行くぜぇ!!」
『ファーイナル!ウェイーーブ!!』
『キーング!バモラ!ムーチョ!』
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
キングキョウリュウレッドはキングガブリカリバーのポンプを3回アクションさせて真紅のエネルギーを刀身に纏い、斜めに斬撃を放つ。
クワガタオージャーはサーベルにレンジャーキーを差し込み、斜めに斬撃を放つ。
キングキョウリュウレッドとクワガタオージャーの斬撃が合わさりX字の斬撃波となった。
「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!
ウゥラァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
キャプラスは斬撃波を受け流し、咆哮を行い2人は少したじろぐ。
更にキャプラスは身体にドス黒いナニカを纏い姿を変える。
「はぁ……!はぁ……!はぁ……!
この姿を見せることになるとはなァァァァ!?こうなったからには確実にテメェらは殺してやるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
キャプラスは身体中が黒い棘やマントを覆った姿となり、これまでとは違う殺気を放つ。
その姿は漆黒の破壊者''ダークラス''。
数多の星を喰らい、その星の力を我が物としている最恐の戦士。
「……ッ!こいつは本気でいかねぇとな!
ゴーカイチェンジ!」
『テン・ゴーカイジャー!
コーーングラッチュレイショーーーン!!!』
マーベラスは小さいゴーカイガレオンのようなレンジャーキーを取り出しモバイレーツに差し込み展開、そして更に赤い帆を展開させる。
すると、赤・青・黄・緑・桃の光がマーベラスの足、腕、胴体に纏われる。
その姿はゴーカイオーをアレンジした様なスタイルとなっていた。
「俺も!……って何もないんだったー!?」
きゅーーーー!!
「……!?この声は……!オルカブースター!?」
鍵五は声のする方へと目を向けると、くるくるとオルカブースターが鍵五の周りを回っていた。
オルカブースターは鼻先に赤黒いエネルギーを出現させると、鍵五に放つ。
『オルカブースト!』
「グァァァァァァァァ!?グゥゥゥゥゥゥゥァァァァァァアアアアアア!!!!!!!ハァァァッッッ!!!!!」
『ゴーカイレーッド!ゴールドモーード!』
鍵五は金の鎧を纏い、大いなる力を纏う。
その姿は以前マーベラスがシルバーから受け取っていたレンジャーキーを使ったゴールドモードといった姿だった。
だが、鍵五のゴールドモードの姿は少し違っていた。
追加戦士の顔が描かれた造形になっているが、胸と肩には50〜35のスーパー戦隊のレッド戦士の顔が刻まれていた。
「いきますよ!マーベラスさん!」
「あぁ!ド派手に行くぜェ!!」
『ファーイナルーウェイーーブ!!』
『フルクロスチャーージ!!
ファーーイナルガレオーン!!
ストラァァァァァァァァァァァァイク!!!』
ゴーカイレッドクロスアーマーモードは各アーマーに各カラーの最大出力を纏い、エネルギービームを射出させる。
ゴーカイレッドゴールドモードはゴーカイスピアーを振り回し、力を溜め込み青い斬撃を切り放つ。
「舐めるなァァァァァァ!!!!
オレは全世界最強だァァァァァァァァ!!!
終焉の波動ォォォォォォォォ!!!」
キャプラスは剣を地面に突き刺し、剣の柄に手を合わせ、頭上に大量のモリス達を取り込みエネルギー玉として形成し直し、ゴーカイレッド達に向かわせる為に手のひらを向ける。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
「くたばれェェェェェェェェェェェェ!!」
「ぐ……!押される!」
「ォォォォォォォォォォォォ!!!!」
「あ……きら……めないッ!!!
お前を倒して……元の世界に帰るんだ!!!」
鍵五の声で攻撃が少し強くなった。
マーベラスは仮面の内で鍵五の言葉にニヤリと笑い、更に力を解放させる。
キャプラスは訳のわからない力に意味がわからず力が押され始めていく。
その力を彼は理解することはない。
彼には……仲間がいないのだから。
「「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」」
『ファーイナルーウェイーーブ!』
「な、なんでたよ……!!
なんでなんだァァァァァァァァァァァァ!?」
キャプラスは虹色のエネルギーに飲まれ吹き飛んでいく。
最強の力は失われ、2人は元のゴーカイレッドに戻る。
片膝を突き鍵五は変身が解けてしまう。
「か……か、勝てたんですか……?」
「……いやまだだ!」
マーベラスはサーベルを持ち直し、鍵五の前に立つ。
「グァァァァァァァァ!!!!
ここまでスーパー戦隊に負けるとはなァァァァァァ!!!!!!!
こうなりゃあ……! お前達が最後にするアレで決着だァァァァ!」
キャプラスは剣を捨てて、胸部のの空洞からモリス達を大量召喚し、自身に付き纏わせる。
大量に付き纏うモリス達によりキャプラスの身体は何倍何十倍にも膨れ上がり、鍵五達を見下ろすほどのサイズとなった。
「……ほお、そう来たか。」
「ま、マーベラスさん……!
ここは俺がいきます!」
「……何?」
「もう……これ以上……アイツの好きにはさせたくないのと……!
夢の為に……アイツを超えないといけないんです!!」
「……」
マーベラスは鍵五の熱い意志や目に何も言わずゴーカイガレオンキーを胸にドンと渡す。
「……え?」
「……派手に行け……
テメェなら使えるはずだ……」
マーベラスの言葉の真相は鍵五にしかわからないだろう。その言葉には……熱い応援をこめていたことである。
「……はい! 豪快に……いくぜ!!」
「俺様達抜きでなにしてんだ?」
鍵五の背後には熊手と吠がいた。
グーデバーンとリョウテガソードを手に息が上がっていた。
「熊手さん!吠さん!」
「いきなりアイツらがどっかに消えたと思ったら……なんでアイツがでかくなってんだ?」
「説明は後です!
とにかく戦わないと!」
「ふっ、面白い!
このゴッドネス熊手が華麗に倒してやる!
行くぞ!2代目!鍵五!」
「ああ!」
「はい!」
『アウェイキング!』
『アウェイキング!』
テガソードとグーデバーンが空中で分割され、それぞれが成すべき形になっていく。
胸元にテガソードレッドリングが装填され、ポーラーリングに金のメットパーツが被され瞳の中のコックピットに吠と熊手が搭乗する。
「「リングイン!」」
「「超人神一体!」」
『テガソード!』『ホワイトバーン!』
テガソードとグーデバーンの声が重なり己が何者かを名乗る。
テガソードホワイトバーンが降臨し、戦闘体制を取る。
「マーベラスさん……!
力……お借りします!」
『ゴーーカイ!クローーーーース!』
テガソードUNIver.が巨神となり光り輝く。
ゴーカイガレオンキーが光となりテガソードUNIver.のパーツがゴーカイオーのパーツや武器になっていく。
そしてコックピットに鍵五が搭乗し、ハンドルを握る。
「完成!ゴーカイオー!」
「俺様達も行くぞ!」
「ああ!」
「ほざけぇ!」
テガソードホワイトバーン、ゴーカイオーがキャプラスに向かっていく。
テガソードキャノンから大砲を撃ち、ゴーカイオーの軽い身のこなしで翻弄。
更にテガソードホワイトバーンの両手から放たれるフィンガーミサイル、そしてゴーカイオーのゴーカイチェンジによってキングオージャーに変身し、ゴッドトンボソードを振りかざす。
「このまま決める!」
「行くぜ2代目!鍵五!」
「はっ!やってやらぁ!」
「「テガソード!ハートブレイカー!」」
キャプラスに向かってテガソードキャノンに最大出力のエネルギーを貯蓄し、キングオージャーからゴーカイオーに再変身し直した鍵五は技の体制に入る。
「キャプラス!お前を倒して、俺は前へ進む!あの人から託されたんだ!!」
「ゴーカイ!!ユニバースフィーバー!!ハァァァ!!」
「はっはっはっは!!
知ったことかぁ!!俺はお前達を滅ぼせりゃあそれで良い!!
とっとと俺の前にひれ伏せェェェェェェ!!」
キャプラスは胸部からブラックホールの様な底なしの黒いエネルギーを鍵五らに解き放つ。黒い力と青と赤の力がぶつかり合う。
キャプラスの力が徐々に力を上げていき、あと一歩というところまで来た……が、
「……あ?」
「まだだァァァァァァァァァァァァ!!!!」
『ゴージュウジャー!』
『フィニッシュフィンガー!ウルフ!』
鍵五は土壇場でゴジュウジャーレンジャーキーを創造し、ゴーカイオーからテガソードレッドに変身する。
そしてテガソードレッドから巨神テガソードに変形し、刃をキャプラスに向けたまま突進していく。
「2代目!」
「……っ!テガソード!」
熊手の意思を汲み取ったのかテガソードホワイトバーンを分解し、吠はリョウテガソードを取り出し天にかざす。
『アライジング!』
リョウテガソードは瞬時に分解し、パーツがテガソードに装備されていく。
そして合体が完了をすると剣のパーツに刻まれている''リョウテガソード''の文字が光輝く。
「リョウテガソード!」
『リョウテガソード!』
巨神グーデバーンはナックル状態から人型ロボのグーデバーンに変形する。
『グーデバーン!』
「グーデバーン!決めるぞ!」
『はい!熊手さん!』
『ポーラー!グーデフィニッシュ!』
「ハァァァァァ!!!!!!」
『テガソード!凌手駕バースト!』
「キャプラス!
お前を倒して……俺は未来へ進む!」
「「「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」」」
「うざいんだよお前らスーパー戦隊はァァ!!
消えろ!デストロイヴァーン!!!!」
ゴーカイオー、リョウテガソード、グーデバーンの三枝による攻撃にキャプラスはじりじりと追い詰められる。
更に必殺技をフルパワーに底上げさせ、キャプラスの胴体を貫く。
「グォォォォォォォォォォォォォォォォ!?
……くっはっはっはっはっ!!!!!
結局俺の悲願は達成できなかった……!
喜べ……お前が……ヒーローNo.1だァァァァァァァァァァァァ!!」
キャプラスは人差し指を天に掲げて仰向けに倒れ込み、大爆発を起こす。
ゴーカイオー達はその爆破に背を向け佇む。
「俺こそ……ヒーローNo.1!!」
WINNER!MIUNA KENGO!
鍵五は静かに背後を見た後、ゴーカイジャーリングを見つめる。
◇◇◇その後◇◇◇
「約束のツケです」
「あぁ。しっかり貰ったぜ。つーかお前、願いは良いのか?」
「あるにはあるんですけど……やっぱり自分の力で叶えてみたいかなーって……」
「……アイツと似たこと言うんだな。
とにかく、コイツは貰うぜ?」
「はい! 遠野さん、熊手さん! ありがとうございました! 俺に道を示してくれて!」
「俺は特に何もしてねぇぞ」
「世界に帰っても……あの世で会ったら金はキッチリ払えよ?」
「……わかりました!
生涯掛けて払って見せます!」
「……コイツの言うことはあんま信用しねぇ方が良いぞ」
戦いが終わった後、次元の穴の前で鍵五は吠と真白と話していた。
戦いのこと、願いのこと、そして、忘れかけていた自分の夢を。
「それでは! 俺はもう帰ります!」
「じゃあな」
「今度こっちに来たら美味い蜂蜜紹介してやる」
「ありがとうございます! さようなら!」
鍵五は次元を通り、元の世界へ帰って行った……
──それから数ヶ月後──
「ありがとうございましたー!」
バイト終わり。
鍵五はバックヤードで休憩していた。
すると、ある人に話しかけられる。
「ねぇねぇ鍵ちゃん」
「どうしました? ユミ先輩」
「鍵ちゃんっていつからそんなに接客上手くなったの? 何か秘訣でもある?」
「秘訣……ですか?」
彼の脳裏に浮かんだのはあの時の戦いだった。
あの戦いを通して自分の夢を再認識し、今もこうして人の為に働いていた。
彼女が見つめる中、鍵五はつぶやいた。
「……先輩の笑顔や……母や父の笑顔のためです!」
鍵五は胸を張ってそう言った。
彼女はぽかーんとしていたが、少ししてぷっと笑った。
「何それー! めっちゃ平和主義ー!」
彼女は少し耳を紅くして嬉しそうに笑った。
鍵五はそれを見て釣られて笑う。
「(あー……やっぱり笑顔は良いなぁ……)」
鍵五は心の中でそう思い、こんな平和が続けば良いなと神様に祈った。
「……掴み取れよ、お前の願い」
夕焼けを背に、1人の神様が微笑み、消えた。