ユニバース戦士補ジュウ計画   作:壱肆陸

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本日からキングオージャー3部作。
まず時系列はゴジュウジャー本編前、
ジャッカーとキングオージャーの指輪の戦いになります。

山形りんごを食べるんごさんの2作目です。


二律背反

 草木も眠る丑三つ時。邪鬼の現れそうなそんな時間、東京のとある埠頭に数人の黒いスーツを着た男達が集まっていた。男達は二組に分かれ向かい合っており、こんな時間、こんな場所に居ることも含め明らかに普通では無い雰囲気が醸し出されている。

 

 片側の組の1人の男が、アタッシュケースを差し出した。相対する側の男が受け取り、開けてから中身を確認。中には袋に個包装された白い粉が複数入っている。受け取った男が自分の側の別の男に目線を向けると、その者が同じくアタッシュケースを差し出した。受け取った男が開くと、中にあったのは大量の万札。互いに、受け取った物に満足して笑みを浮かべる。

 ここは所謂、麻薬取引現場だ。

 

「有意義な取引、感謝する」

「こちらも。これからも頼む」

 

 ケースを閉め、男達はここを離れようとする。何時迄も取引した場所にいるのは下策。すぐさま去ろうとしたその時、コツコツと近付いて来る足音が聴こえてきた。

 

「ッ……あ? 何だ、ありゃ……?」

 

 対岸の都市の明りに淡く照らされて見えたその姿は奇妙奇天烈なものだった。赤い身体、背には黄色いマント。そして何より顔面に貼り付けられた様な青いスペードの仮面が、その異様さを引き立てている。

 何ともふざけた格好。それを見て男達は笑う。

 

「おいおい、ここはコスプレ会場じゃないぞ?」

 

 全員が馬鹿にして笑うがスペードの仮面は歩みを止めない。右手に持った銀色の手の様な物に備えられた水色の刃を男達へと向けて進む。

 笑いこそしたが、どう見てもカタギでは無い自分達に奇怪な姿で向かってくるそいつに彼らは不快感を覚える。そんな中、1人の男が思い出した様に「あっ」と言葉を漏らした。

 

「もしかしてコイツ、例の……」

「例の? そうか……お前が噂の」

 

 スペードの仮面の歩みが徐々に速くなり、そして駆け出す。男達はそれに向けて銃を取り出し発砲。いくつもの弾丸が奴を襲い命中するが、その外皮に弾かれてしまう。ふざけたコスプレでは無いことはこれで明らかになった。弾丸を無視して迫って来た奴は、右手の刃を振り上げる。1人の男の銃を握っていた手が手首から斬り落とされて鮮血が舞う。

 

「ぐぎぃ……!? がああ───」

 

 男は悲鳴を上げようとするが、再度振られた刃がその顔を横一文字に切断し中断させる。頭の半分がぼとり落ち、残された身体も地に伏した。スペードの仮面の奥から感じられた見えない眼光には、確かな殺意があった。

 

 驚き恐怖しながらも、男達は目の前に現れた敵を殺す為に引鉄を一心不乱に引く。しかし奴には全く通じない。突き上げた刃が顎から脳天まで貫き、振るった拳が頬に打ち付けられて首を捻じ曲げ、腹に当たった蹴りが内臓を圧し潰し血反吐が漏れる。打撃が当たった際にはまるで爆弾が炸裂したかの様な衝撃に襲われた。

 容赦無く、彼らのことを鏖殺する為に動く。常人離れした力。次々と作られる死体。その恐怖に負けた1人が悲鳴を上げながら車に乗り込んでエンジンを掛け、他の車にぶつけながらも発進させて逃げ出した。いくら常人離れした力の持ち主とはいえ、車の速度に追い付く事など出来ないだろう。

 

「加速装置」

 

 奴はポツリと呟くと超高速で移動。車を容易く追い越して、その前方に立った。まさかの事に驚いたが、前に出て来たのならこのまま轢き殺せば良い。そう思い男はアクセルを思いっきり踏んだ。

 

改造(カスタム)

 

 左手で右腕に触れると、次の瞬間にそれがライフルにへと変化。その銃口を運転席の男に向け、弾丸を放つ。放たれた弾はフロントガラスに穴を開け、男の眉間を貫通。衝撃でハンドルを大きく切ってしまい、車は海へと落下した。

 

 それからも男達は殺されていき、残ったのは麻薬を受け取る側のリーダーであった男のみ。奴は銀の手の刃を向けて最後の標的に歩んでいく。狼狽して後退する男。彼は落ちていた現金の入ったケースを取り、それを奴にへと差し出した。

 

「か、金ならやる! だだ、だから、助けてくれ!?」

 

 みっともなく命乞いをしどうにかして助かろうとするが、奴は刃を振りアタッシュケースを斬り裂いた。札束が宙を舞うが奴は全く気にせず男のことを見ており、彼は恐怖で胸を締め付けられる。

 

「金じゃないなら、何だ!? 何が欲しい!? 麻薬(ヤク)か、女か!? 何でもやるから助け──ぐうッ!?」

 

 左手で男の首を掴み無理矢理立ち上がらせる。強く締め、頸椎がギリギリと音を立ててヒビが入っていく。そして右手の刃の鋒を、男の胸に当てた。

 

「や……め……!?」

 

 彼の口から出た言葉になって無い声を無視して刃を押し、皮膚を裂き、肉を貫き、骨を断って心臓に達する。

 

「俺の求めるものを教えてやる」

 

 刃を捻っていく。男の口からは出るのは掠れた息に混じった血のみ。

 

「お前が──」

 

 ぐりんっと、90度に捻られた刃。痙攣と同時に喀血した後、男の命は終わる。ただの物となったそれから刃を抜いて手を離した。アスファルトに転がったそれに一瞥も向けず、奴は背を向けて去っていく。

 

「───持たないものだ」

 

 吹き抜けた風は、血の臭いを海へと運んだ。

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

《今朝東京湾の埠頭に、複数人の遺体があるのを通行人が発見しました。付近には多額の現金や麻薬が発見されており、警察は麻薬取引でのトラブルが原因ではないかと捜査を進めています》

 

 

 

 

 

 

 

大黒(おおぐろ)さん!」

「こっちだ、深山(みやま)

 

 惨殺された死体が発見された現場は、警察官とその関係者達がイエローテープとブルーシートでマスコミや野次馬を制しながら検証を進めていた。大黒と呼ばれた中高年の男性に、パンツスーツの女性が近付く。彼女の名は深山(みやま) 希燐(きりん)。大黒の部下である刑事だ。

 

「見てみろ。かなり酷いぞ」

 

 遺体にかけられてたシートを大黒が捲る。希燐は合掌してからそれを見た。酷く損傷しているその遺体を見て、彼女は顔を思わず引き攣らせてしまう。

 

「他にもこんな感じの仏がある。おかげで検視も大変だよ」

「人間業じゃ無い、ですよね……」

「ああ。十中八九、アイツだろうな……」

 

 ポケットから1枚の写真を取り出す。そこに写ってたのは彼女と大黒、そしてもう1人、優しい笑みを浮かべた男性。

 

射流(いる)さん……」

 

 彼女に取って掛け替えのない恩人であり、悪鬼となってしまった男である───

 

 

 

 

 

 

 5年前────

 

 

 

「本日付けでこちらに配属になりました、深山 希燐と言います! よろしくお願いします!」

 

 春。ボクは警視庁捜査一課に配属となった。ここまで来るのは大変だったが、幼い頃からの夢である刑事になれたことに胸は躍っていたのを覚えている。

 

「この若さで一課入りとなかなか優秀な新入りだ。みんな、良くしてやってくれ」

 

 主任である大黒さんの言葉に、皆さん「はい」と応えてくれた。この人には交番勤務の時からお世話になった。

 

「初めは大変だろうが、気負いせずやってくれよ」

「はい!」

「よし、深山の指導係だがぁ……射流」

 

 大黒さんに呼ばれて男性刑事が返事をして立つ。

 

「お前に任せる。刑事のイロハを叩き込んでやってくれ」

「僕に務まりますかね?」

「馬鹿、うちのエースであるお前だから任せられるんだよ」

 

 少し照れ臭そうにしながら男性がボクの前まで歩いて来た。そして微笑みながら手を出す。

 

桃岸(ももきし) 射流(いる)だ。これからよろしく」

 

 差し出された手をボクは取った。大きく、ゴツゴツとした手。たくさんの事件を乗り越えて来たのだというのが伝わってくる。

 これがボクと射流さんの出逢いだった。

 

 

 

 射流さんの指導の下、ボクは刑事の仕事を学んでいった。大変なことだらけで心が折れそうになった事もある。でも、そんなボクのことを射流さんは優しく支えてくれた。

 

「警察官として大事なこと、何か分かるか?」

「やっぱり、犯罪者を捕まえること、でしょうか?」

「それもある。それよりも大事なのは命を守ることだ」

 

 命……。その言葉を繰り返したボクに、射流さんは言葉を続ける。

 

「市民の命を守る。仲間の命を守る。自分の命も守る。そして、犯人の命もだ」

「犯人も?」

「ああ。例えどんなに凶悪な相手でも、僕達はその命を奪うべきじゃない。もちろん、そういう結果になる事態が起こり得るのも事実だけど、僕らはそれを許容してはいけないんだ。警察官として、どんな時でも命を守る立場に立ってなきゃいけない……っていうのが僕の信条かな」

 

 それを言った後の射流さんの照れ臭そうな顔は今でも覚えている。この人は真面目で熱い所があるけど、そういうことを言った後はこうやって恥ずかしがる人なんだ。

 

 

 

 ある日、凶悪な殺人事件が起きた。ボクは射流さんや大黒さん達一課の仲間と協力して捜査し、そして遂に犯人を追い詰めた。犯人は小さな子どもの命も奪っていて、捕まれば死刑判決は免れない。卑劣なその犯人に、ボクは怒りを燃やしていたのを覚えてる。

 

 犯人が潜伏してる場所にボク達は突入。奴は銃を持っていて発砲して対抗してきた。その銃弾が、仲間の命を奪った。倒れて冷たくなっていく彼の恐怖に染まった顔が、ボクは今でも忘れられない。

 

 大黒さんが犯人の銃を撃ち落とし、射流さん達が組み付いて取り押さえる。手錠をかけられた犯人は、それでも暴れていた。

 

「クソが! クソがああああ!!」

「もう終わりだ、諦めろ。これ以上罪を重ねるな」

「うるせぇッ、知るかよ!! お前ら全員ブッ殺してやるゥッ!!」

「人を殺しておいて……!」

 

 幾人もの命を奪っておいてそんなことを言う犯人に、ボクはもの凄い怒りを感じた。そしてその激情のままに、ボクは犯人に拳銃を向けたんだ。ボクがお前を殺してやる、そんな思いを込めて……。

 

「深山!」

 

 射流さんがボクの拳銃を押さえた。

 

「それだけはダメだ」

「でも……コイツのせいで!」

「怒りは解る。だけど、殺してはいけない」

「コイツは死刑になるのは確実です……だったら……!」

「だとしても、それを執行するのは僕達ではない。僕達がやってはいけない」

 

 射流さんの真剣な眼差しがボクに刺さる。

 

「前に言っただろ? 僕らは命を守る立場じゃないといけない。それを破り、ただ感情に従って私刑を下すのは警察官のやるべきことではない」

 

 力が抜けていき、ボクはその場にへたり込んだ。

 

「……すいません」

 

 謝罪するボクの肩に射流さんは手を置く。

 この時、射流さんが止めてくれてなかったら、ボクは人としての道を外れていたと思う。だからこそ信じられずにいる。射流さんが今、犯罪者を殺す悪魔になってしまったことが……。

 

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 希燐は自身のデスクに座り溜め息を吐いていた。ふと、点けられているテレビに目が向く。そこでは今朝の事件について、アナウンサーとコメンテーター達が話している。

 

《今回の事件、警察は麻薬取引でのトラブルによるものと発表してますが、専門家の赤須さんのご意見はどうでしょう?》

《間違いなく、今噂となっている犯罪者を殺す存在、“赤い死の風”によるものでしょう。警察としてはその様なもの認めたら威信に関わるので秘匿したいのでしょう》

 

 赤い死の風。誰が呼んだか知らないが、射流はそう呼ばれている。情報は伏せていたのだが、いつの間にかそれが漏れて噂となってしまっていた。彼の行動に対して世間では賛の声が多い。何しろ彼が殺しているのは殺人、暴行、強盗、詐欺、その他様々な罪を犯した犯罪者達なのだから。彼の存在が抑止力となり、犯罪が減るのならそれは良い事だと考えてるものは少なくない。

 だがそれを、希燐は決して許容出来ないでいた。

 

「ほら」

「あ……ありがとうございます……」

 

 そんな彼女の前に大黒が缶コーヒーを置く。

 

「全く……こっちの苦労も知らんで好き勝手言うもんだな、マスコミって奴は」

 

 そう苦々しく吐き捨てた後、ブラックコーヒーをぐいっと飲んだ。

 

「上は、何て言ってるんでしょうか?」

「好き勝手やられるなんざ警察の威信に関わるから逮捕したいが、これを公にしたくないから派手に動けないって所だろう。面子ばかり気にしても結局後の祭りってのを、そろそろ学習してくれんかねぇ……」

「そもそも、射流さんはどうやってあんな力を……?」

「多分、アレだな」

 

 テレビを指差す大黒。希燐が目を向けると、画面には街頭演説をしている1人の男性が映されていた。その男は指輪を取り出し、右手に持った銀色の手の形をした剣に装填。軽快に回しながら手を叩いていくと、彼の姿は赤い戦士にへと変わってしまった。

 

「最近国会で指名された最年少総理だ。射流が使ってんのは、あの総理が持ってんのと十中八九同じだろう」

 

 熱海 常夏。日本キビダンゴ党総裁にして歴代最年少の総理大臣に選ばれた男。赤い戦士となった彼は神輿に乗り、扇子を扇ぎながら高笑いをしていた。

 

「……これは俺の邪推だがこの国のトップが持ってる物が、今噂の犯罪者殺しが持ってる物と同じだってバレると国としてはマズいから上に圧力がかかってる……とかもあって動かないのかもなぁ」

「そんな……」

「あくまでも邪推だ。まあ何にせよ、まともな捜査なんざする気が無いのは結局変わらんだろうがな」

 

 大黒の推測が真実かは分からないが、可能性は低くない。今画面に映ってる総理の指示か、はたまた別の誰かか……。とはいえ今それを考えた所で真相など解明出来る筈もなかった。

 熱海総理は刀を手にして舞っており、それに市民が拍手喝采を送っている。

 

「アレ、銃刀法とか大丈夫なんですか?」

「ははっ、その内野党がそこを突きそうだな。……おっと、俺だ────何ぃ?……よし、すぐに行く。俺らが来るまでお前達は待機だ」

 

 携帯が鳴り、通話に出た大黒。そして内容を聞いた彼は希燐に「行くぞ」と伝えた。

 

「え、何処に?」

「少し前から目を付けてた詐欺グループがあってな。蘆名(あしな)白鳥(しらとり)に見張らせてたんだが、そこに動きがあったそうだ。半分勘だが、アイツもそこに来る」

 

 彼の言葉に希燐は驚く。そして、射流に会えるチャンスかもしれないと考え、すぐに準備をして大黒の後に続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 3年前───

 

 

 

 

 ボクは射流さんの自宅に招かれた。そこでは射流さんの奥さんと、可愛い2人のお子さんが迎えてくれたのを覚えている。奥さんの料理はとても美味しく、甘えてきた子ども達と一緒に遊んだりしたけどとても楽しい時間だった。

 

「射流さんにこんな可愛らしい部下が出来てたなんてねぇ。もっと早く紹介してもよかったんじゃない?」

「いろいろあって忙しかったんだよ……」

 

 射流さんが奥さんに照れ笑いしていた。職場の時よりも穏やかな表情。愛する人達といるから、出来る表情(かお)なんだなって思う。

 

「わたしね、もうすぐおねえちゃんになるの!」

 

 姉妹の妹さんが、ボクにそう言った。

 

「お姉ちゃんに? それってもしかして……」

 

 奥さんの方を見ると、お腹を摩っていた。「まだだいぶ先なんだけどね」と言ってから奥さん笑った。また新しい家族が迎えられようとしていたんだ。

 射流さんの家庭は、まさに幸せな家庭という言葉を体現している様だった。見ていてとても微笑ましく、ボクは羨ましく思っていた。素敵な奥さん、可愛い子ども達、そしてこれから迎える新たな命。射流さんはこの人達を守る為に刑事として頑張っている。本当に心の底から尊敬出来る人だって感じた。

 

 ボクもこの人の様になりたい。この日、改めてそう思ったんだ。

 

 

 

 その半年後だった……。奥さんと子ども達、そして産まれる筈だった子の命が奪われたのは───

 

 

 

 

 

 

 

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 闇バイトというものがある。SNSなどを利用して高額収入などを謳って犯罪の実行役を募集する求人のことだ。これにより何も知らない人間が騙されて特殊詐欺などの犯罪の片棒を担ぐことになってしまうという、ここ最近増えてきた事件である。

 一課の仲間がマークしていたのはその行為を繰り返していたと考えられる特殊詐欺グループ。都内にあるビルを拠点に動いている奴らの明確な詐欺の証拠を掴む為、そして射流が狙う可能性を考えて大黒が指示していたのだ。

 

 そして幸か不幸か、後者の読みが当たることになる。

 

「がああっ!?」

 

 赤い姿に変身した射流が、1人の男の胸ぐらを掴んで投げて壁に叩き付けた。男の頭がぐしゃっと音を立てて潰れる。グループはもうこの部屋に残っている者達だけ。他の者はここに来るまでに全て殺している。射流は左腕をガトリング砲に変えて彼らに向けた。

 

「ヒィ……!?」

 

 彼らが恐怖しようが構うこと無く、弾丸の嵐が放たれる。1人、また1人と蜂の巣となり、血を噴き出して倒れる。窓ガラスが割れ、机や棚が砕けて置かれていた用紙などが無惨に舞った。しゃがんで近くの机に隠れやり過ごそうとした女性は、その机ごと撃ち抜かれて肉塊となる。

 

 

 

 

「蘆名、白鳥!!」

 

 現場に辿り着いた大黒と希燐。ビルの入り口に居た蘆名と白鳥の元へ駆ける。

 

「大黒さん!」

「状況は?」

「先程、射流さんらしき人物が中に入っていきました……」

「それに、恐らく今射流さんは───」

 

 その時窓ガラスの割れる音が響いた。見上げると、彼らの横数メートルにガラスの破片が降り注ぐ。間違い無く、あの階に射流がいるのだろう。居ても立っても居られなくなった希燐が、ビルの中へと走り出す。

 

「深山ァ!!」

 

 今の射流が自分達に牙を剥かないとも限らない。そして彼の力なら、間違いなく普通の人間では止めることは出来ない。だから大黒は蘆名と白鳥には待機を命じていた。だが希燐にはそんなこと、考える余裕など無かった。

 

 階段を上がっていく。その間にいくつもの無惨な死体を見たが、今は立ち止まっていられなかった。

 窓ガラスが割れた場所であろう部屋の前に辿り着き、扉を開けて中に飛び込む。彼女の目に映ったのは複数の死体、破壊し尽くされた室内、そして残った少年に刃を向ける赤い戦士……射流の姿だった。

 

「射流さん!!!」

 

 希燐が叫ぶ。だが彼は止まらず、刃を横に振って少年の首を落とした。ごろりと転がったその表情は恐怖に染まっていた。射流のスペードの仮面が、希燐に向けられる。

 

「射流さん、ですよね……?」

 

 彼は応えない。だがその沈黙が、肯定であると希燐は感じた。

 

「何で……何でこんなことを!? 貴方が今殺した子は、ただ騙されて受け子として利用されただけかも知れないんですよ!? 他の子達だって……」

「それがどうした?」

 

 冷たい言葉が返された。

 

「こいつらが罪を犯した事実は変わらない。だから殺す。それだけだ」

「犯罪者であっても、ボクらに殺す権利は無い。そう教えてくれたのは、射流さんじゃないですか!?」

 

 瞳に涙を溜めながら希燐が叫ぶ。

 

「そうだ……無かったんだ……」

「えっ?」

「だから、手に入れた。()の理想を叶える為に……」

 

 射流は刃を床に叩き付けて噴煙を発生させる。それが晴れた時、もう射流の姿は無かった。

 

 

 

 

 

 

 2年前───

 

 

 あの日から射流さんは、昼夜問わず捜査を続けていた。家にも帰らず、眠らず。ボク達がどれだけ心配し声を掛けても射流さんは耳を貸さなかった。家族を奪われた憎しみ……それが射流さんを突き動かしている様だった。

 

 そして捜査の末、遂に犯人を突き止めるに至った。射流さんの家族を殺したのは暴力団の男。男は過去に射流さんに逮捕されたことがあり、その逆恨みであの凶行に走ったんだ。ボクらは男の潜伏先を突き止めて、そこへ乗り込んだ。その時の射流さんの剣幕は、今でも忘れられない……。

 

 奴が潜伏していた倉庫に突入し、取り押さえる。射流さんは犯人の男に拳銃を突き付けた。

 殺してやる──その気持ちが、ボクらにも間違いなく伝わったのを覚えている。

 

「射流さん!!」

 

 ボクは叫んだ。絶対に殺して欲しくない、その一心で。射流さんは凄まじい剣幕で犯人を睨む。怒りと憎しみに満ちた表情になりながらも、射流さんは拳銃を下ろした。

 

「お前は必ず、法で裁く……!」

 

 大黒さんが犯人に手錠をかける。でもアイツは、射流さんを見ると嘲笑う様に吐き捨てたんだ。

 

「後悔するぜ……絶対になァ……」

「お前こそ、自分の罪を後悔しろ……!」

 

 犯人を強く睨んでいた射流さん。ボクらが、犯人が言った言葉の意味を知るのはそう遠くなかった。

 

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

 希燐は失意のまま、帰路を歩いていた。

 射流のことを止められず逃げられてしまい、自分の無力を悔いながら彼女は拳を強く握り締める。

 

 今回殺された詐欺グループの人数は16人。その内7人が闇バイトの募集を見て参加した者達であり、更にその中の3人が未成年だった。彼らが行ってきたことは立派な犯罪であり許されるものではない。しかし、だからと言ってその命を奪って良い訳ではない。かつて射流から教わった言葉を投げ掛けたが、それは全く彼に届かなかった。

 

「力……」

 

 彼が手に入れたと言う力。もしそれが自分にもあれば、彼を止められただろうか……そんなことを考えてしまう。

 

「射流さんを、止めたい……!」

 

 想いを強く願う。射流を止めたい、でも今の自分にはその力は無い。だからその為の力が欲しいと。

 

「ッ…………あれは?」

 

 何か煌めく物がふと目に入った。希燐は近付いてそれを拾う。拾った物は指輪。熱海総理、そして射流が持っていたのと同じ物だ。機械のクワガタの様な絵が記されているそれを見つめていると、次の瞬間景色が変わる。

 

───願いを言え……。

 

 突如響いた声に振り向く。彼女の瞳に映されたのは、金色の巨神であった───

 

 

 

 

 

 

 1年前───

 

 

 

「主文。被告人を懲役4年に処する」

 

 それは余りにも軽過ぎる判決だった。再犯で、複数人殺しているのにこの判決は異常だ。一審では無期懲役、二審も変わらず、しかし最高裁での三審でまさかの大幅な減刑が言い渡された。検察側が異議を申し立てようとするが、最高裁での判決を覆すことはほぼ不可能。

 この時、射流さんは何が起きたのか理解出来ないという表情をしていた。法が正しい裁きを与えてくれると信じて自身の中にあった復讐心を抑えたのに、こんな結末になっててしまったのだから。

 

 後でわかったけど、犯人の所属する暴力団が莫大な資金で優秀な弁護士を雇ったり、裏から手を回したりして大幅に減刑させたらしい。殺意は無かった、亡くなったのはあくまでも事故だった、犯行当時彼には心神耗弱が見受けられた。そんなどう考えても嘘としか思えない数々の証言が受け入れられ、犯人の男はこんなもんかとでも言いたそうな顔をしながら判決を聞いていたのを覚えている。

 

 男は射流さんを見るとニヤリと笑った。そして一言……。

 

「言っただろ? 後悔するって」

 

 奴は分かっていたのだ。自分が決して重い判決を下されないということを。

 

「お前……!!」

 

 ボクも、蘆名さんと白鳥さんも怒り心頭に発して立ち上がろうとするが、大黒さんが「よせ!」と止める。どれだけボクらが叫んでも、もう何にもならない。

 

「僕は………」

 

 犯人の言葉が射流さんに絶望を与えたんだと思う。射流さんの顔は、今まで見たことの無い程までに絶念していた……。

 

「僕は何をやっていたんだ……?」

 

 

 

 翌日、射流さんはボク達の前から姿を消した。その半年後、あの男が収容されていた刑務所が襲われ、そこにいた630名の受刑者が殺された。特にあの男の遺体の損傷は激しく、強い憤りを叩き付けたかの様に凄惨だったのが今でも忘れられない。

 明確な証拠は無かったけどボクと大黒さん達は、これが射流さんがやったのだと直感的に思った。

 

 そしてそのすぐ後からだった。赤い死の風と呼ばれる、罪を犯した者を殺す存在が噂され始めたのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

 あの事件から二週間経過した深夜。射流は現在拠点としている廃倉庫の中で1枚の写真を見つめていた。自分と妻、そして2人の娘が写された大切なもの。本当だったからここにもう1人増えて、もっとたくさんの思い出が生まれていた筈。でも、あの日全て奪われた……。写真をポケットにしまい、指輪とあの刃を手にする。今の自分にあるのは指輪と、この鉄の爪だけ。

 次のターゲットを排除しにいく為に、射流は指輪を付けて歩き出す。

 

 その前に、一つの影が立ち塞がった。希燐だ。

 

「見つけた、射流さん……」

「深山」

「貴方を、止めに来ました」

 

 彼女は射流持つ物と別種の指輪を見せる。

 

「そうか、お前も」

「教えて下さい。射流さんはこの力で、どんな願いを叶えようとしてるんですか?」

 

 彼女達が持つ指輪。それを全て集めた時、どんな願いでも叶えることが出来る。射流がその力で何を望むのかを希燐は知りたかった。

 

「家族を生き返らせる……それが俺の望みだ」

「だったら……!」

 

 何となくそうではないかと予想は……というより、それしかないとは思っていた。自分が射流のことを止めたいと強く願った時に指輪と巡り逢った様に、彼も家族との再会を強く切望した際に指輪の力を手にしたのだろう。しかしその願いなら、犯罪者を殺し続ける必要性は無い筈。なのに何故この様な凶行を続けるのか……希燐には許容も理解も出来ないでいた。

 

「だが例え彼女達を生き返らせたとしても、悪人が存在する限りまたあの悲劇が繰り返される」

「そうならない為に、ボク達警察官がいるんじゃないんですか!?」

「何も意味は無かった!! ……お前も見ただろ? 俺達が信じていた正義が、容易く悪に潰されたのを……。本当に大切な人達の命も、その心も救うことの出来ないハリボテの物に過ぎなかったのを!!」

 

 射流の絶叫に、希燐は圧されてしまう。

 

「俺は力を手に入れた……もう後悔しない。この力で全ての悪人を抹殺し、彼女達が決して傷付かない世界を創ってから生き返らせる。今の俺には、それが出来る」

 

 鉄の爪の刃が希燐に向けられる。幾人もの血を浴び、吸い続けたその刃は燻んでる様に見えた。

 

「射流さんが、たくさん苦しんだのは解ります……。そしてその苦しみを、ボクなんかじゃどうにも出来ない事も解ります……」

 

 「でも……」と彼女は決意を固めた瞳で射流を見る。

 

「貴方のやっていることを、ボクは許しちゃいけない! 警察官として……そして何より、貴方の仲間として! ボクが絶対に止めてみせる!!」

 

 希燐は指輪の星見表の様な部分を回転させ、指から外して握り締める。戦う覚悟を決めた顔。それを見た射流も指輪を回転させて指から取った。

 

「エンゲージ!!」

「エンゲージ……」

 

《センタイリング!!》

 

 右手に持つ刃・銀のテガソードにそれぞれ指輪を装填。互いに歩き接近しながら一回、二回と手を叩く。そして駆け出して肉薄した2人の振るった刃がぶつかり合い火花が激しく散った。一度離れて距離を置いた2人の姿が、赤き戦士へと変わる。

 

《キングオージャー!》

《KUWAGATA OHGER!》

 

 希燐を包んだ虹色の琥珀をプラチナカラーのクワガタが砕くと、彼女の左肩のマントが揺らめく。射流の中に生まれてしまった邪悪な思いを断ち斬る為、王様戦隊キングオージャー・クワガタオージャーが剣となる。

 

《ジャッカー!》

 

 強化カプセルが射流を包み、そこから放たれた強化エネルギーが彼を無敵の存在へと変える。後戻りは出来ない、するつもりは無い。ジャッカー電撃隊・スペードエースは、もう復讐に身を捧げるしかなかった。

 

 睨み合う2人。最初に動いたのは希燐だ。テガソードの刃を射流に突き出すが、左手で払われてしまう。彼女は止まらず刃を振るっていくが彼はそれを全ていなしていった。

 

硬化(ソリッド)!」

 

 指輪の能力で硬質化したマントを伸ばして薙ぎ払う。テガソードで防いだ射流を、その衝撃で後退させた。彼女は更に、オージャカリバーを手にして彼に斬り掛かる。射流は剛弓にもなる鞭・スペードアーツを手にしてそれを止めた。

 

「射流さんのやってる事は間違ってます! どんなに苦しんだとしても、誰かの命を奪っていい理由にはならない!!」

「黙れ!! 俺は何としてでも願いを叶える!!」

 

 射流の蹴りが腹部にヒット。退がった彼女の首に鞭が巻き付けられ絞めていく。

 

「ぐうッ!? ううッ……!?」

「誰にも邪魔はさせない。邪魔するものは全て……潰す!」

 

 鞭を振り回し、彼女のことを投げ飛ばした。並べられたドラム缶に希燐は突っ込むことになる。倒れた希燐に対し、射流はスペードアーツの鞭部分を弦として弓に変え、核エネルギーの込められた矢を放つ。喰らえばひとたまりもないそれを、希燐は起き上がりながら前方に転がって躱した。射流は希燐に向けて矢を連射するが、彼女はそれらを全力で走って避ける。そして柱を掴んで急停止して旋回しながら、銃形態にしたキングズウエポンより光弾を放った。射流は駆け出して回避し、今度は希燐が彼を追い撃つ立場に逆転。

 

 走りながら射流はテガソードを叩き、一定距離進んだ後に滑りながら停止。チャンスと思った希燐はキングズウエポンを弓に変形させ、強烈な一撃を放とうとする。

 しかしそこに、倉庫の壁を破壊して鉄の塊が希燐へと突っ込んで来た。

 

「ぐああッ!?」

 

 撥ね飛ばされた希燐。鉄の塊の正体は射流が召喚したオープンカー型のマシン・スペードマシーンだ。彼は自身の側に来たそれに乗り込み、前面に備えられたニ基の20mm機関砲を砲射。床や壁、周囲の物を破壊しながら彼女を狙う。希燐は全力で走って回避しながらテガソードを叩いた。すると天井を破ってクワガタの様な牙を備えたホバーバイクであるキングスピーダーが飛来し、彼女は跳躍してそれに乗る。

 

 翔けるキングスピーダーを射流はスペードマシーンで追う。二台のマシンによるチェイスが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

「大黒さん!!」

 

 警視庁の仮眠室で眠っていた大黒。そこへ白鳥がやって来て彼を起こす。

 

「ぬぅ……何だいきなり……」

「こ、これが深山君の机に……」

 

 白鳥が出した紙を受け取って読む。書かれていたのは「射流さんを止めてきます」の一文。それはまだ残る眠気を吹き飛ばすには十分だった。

 

「あの馬鹿……!? おい、行くぞ!」

「で、でも何処に……!?」

「ンなことは走りながら考えろ! 他の奴らも呼べ!」

 

 大黒は部屋を飛び出す。自分の部下同士が争う……そんな最悪な状況に彼は額を顰めながらも、2人を止める為に走るのであった。

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

 

 倉庫の壁をブチ破り、キングスピーダーとスペードマシーンが駆ける。スペードマシーンの機関砲から放たれれる砲撃を、希燐はキングスピーダーを巧みに操って躱していた。反転し、バックで飛びながら機銃を放つ。射流はそれを蛇行運転して回避し、その隙に希燐はまた反転してスピードを上げる。逃すまいと射流は矢を放つが彼女はそれを避け、更に硬化(ソリッド)で防御しながら進んでいく。

 

 仮面の下で舌打ちをする射流。彼はジャッカー電撃隊の指輪能力である改造(カスタム)を発動。これにより肉体を様々な武器に変化させることが出来るのだ。左腕をロケットランチャーに変化。希燐に狙いを定め、そして放った。向かって来るロケット弾から逃げようとするが、ホーミング性能を持つそれに捕捉されてしまい着弾。希燐は周囲を明るく照らす程の大爆発に飲み込まれた。キングスピーダーの破片が落ちていくのを、射流はマシンを停止させて見る。すると……。

 

 

「はああーーーーッ!!」

 

 爆炎の中から、希燐が剣を手に飛び出して来た。驚き、急遽バックする射流だったが、彼女の剣はスペードマシーンのボンネットに突き刺さってエンジンを貫く。閃光の迸った後車体は爆散。射流も希燐も、吹き飛ばされることになった。

 

「ううッ!?」

「ぐうッ……!?」

 

 希燐は硬化(ソリッド)で、射流は改造(カスタム)で腕をシールドに変化させてダメージを軽減。それでも衝撃は相応のものだった。立ち上がった2人は走り出す。右腕を大鉈に変えた射流はそれを振り下ろした。希燐はオージャカリバーとキングガブリカリバーの二刀流でそれを受け止める。すると今度は左腕をドリルに変化させ、受け止めた隙を狙って回転させながら突き出した。大鉈を弾いて身体を反らせ、どうにか躱すが射流は更に攻めて来る。

 大振りで振り回される鉈とドリルに苦戦する希燐。肉体を自在に武器へと変化させる能力は非常に厄介だ。左腕を火炎放射器にし強烈な炎が噴射された。硬化(ソリッド)を発動させるがその熱までは遮断出来ず、仮面の下で苦悶の表情を浮かべる。炎に苦しむ彼女に対し、射流は接近して右腕を腹部に叩き付ける。その腕は杭を叩き込む兵器・パイルバンカーに変化していた。

 

「しまッ──!?」

 

 火薬が炸裂して杭が彼女の腹部に打ち込まれる。咄嗟に硬化(ソリッド)で腹部を硬質化させたが、その威力に吹っ飛ばされてしまい倒れて地を転がる。腹を押さえて苦痛の声を漏らしながらも、希燐は立ち上がって二刀を構えてからまた走り彼に斬り掛かった。

 

 しかし、彼女が振るった剣は射流の身体を擦り抜けて空を斬る結果となる。

 

「えっ……!?」

 

 驚く彼女の隣りに再度現れた射流。何が起こったのか理解出来てない希燐の横っ面に雷撃を纏った拳を叩き込んだ。キングガブリカリバーを落とし、吹っ飛び倒れて地面を滑っていく。顔を上げた彼女に対して彼が取り出して見せたのは、もう一つの指輪だった。

 

「それは……!?」

「俺は、指輪が一つとは言ってないぞ」

 

 電子戦隊デンジマンの指輪。その能力である「雷電(サンダー)」。これにより雷撃を放つ、帯電しての格闘、短距離なら稲妻と同じスピードで移動出来るといった事が可能となる。

 稲妻を纏いながら射流は希燐に迫る。起き上がろうとした彼女に、目にも止まらぬ速さの蹴りが叩き込まれた。また吹っ飛ばされ転がりながらも、どうにか立ち上がり反撃しようとする希燐。しかし次の瞬間には彼は背後に迫っていた。振り上げたテガソードの剣が、彼女の背を斬り裂く。

 

「ぐうッ!? こ、の……!!」

 

《OHGER FINISH!》

 

 痛みに耐えながら振り返り、多少ヤケクソでエネルギーを纏った斬撃を地面に叩き付けた。それを躱す為に射流は後方に移動。どうにか距離を取ることが出来た希燐は息を整えながら剣を構えた。

 そんな彼女に対し、彼は更なる絶望を見せ付ける。新たな指輪を取り出したのだ。

 

「嘘でしょ……」

 

 いくつ持ってるんだと内心毒吐きながら両手でオージャカリバーをぐっと握る。

 射流は新たに出した獣拳戦隊ゲキレンジャーの指輪の力を発動。トンファー型の武器を手にして彼女に突っ込み、それを振るった。剣で攻撃を防いでいく。リーチはこちらの方が上。一旦距離を開いてから攻める……そう考えて退がろうとした希燐だったが、彼が持つトンファーが瞬時に鎖付き鉄球に変化した。不意の事に対応出来ず鉄球の一撃を喰らってしまう。

 

 「武芸百般(マスターアーツ)」。武器を自在に、瞬時に変えることが出来、更にそれらを巧みに操ることが出来る様になるという強力な能力だ。続いて射流は二刀一対の柳葉刀を手にして襲って来た。指輪の力、プラス射流自身の刑事としての高い身体能力もあり、繰り出される技はどれも痛烈であった。

 

「ボクは……!」

 

 負ける訳にはいかない。そう思い、必死に抵抗するが実力の差は明らかだ。ヌンチャクが振り回され、何度も何度も叩き込まれてしまい、フラついた彼女に大砲が向けられた。更に改造(カスタム)で左手から鎖を伸ばして拘束し、身動きを封じられた状態の所に放たれた砲撃が希燐を大きく吹き飛ばした。

 

 ゴロゴロと地を転がる希燐。射流は続いて右手を棘付きの鎖鉄球に変化させ、それを彼女へと飛ばす。寸前で起き上がって回避したが、射流は続けて鉄球を振るって攻撃。オージャカリバーでそれを弾いて防ぐがどんどん後退させられてしまう。

 右腕が機関銃に変わった。乱れ撃たれる弾丸は地面や周囲の物を抉り、砕きながら希燐を襲う。マントを伸ばし硬化(ソリッド)で硬質化して防御するがその衝撃は彼女の精神と体力を削る。

 

「ぐぅぅ……!? ううッ……!?」

 

 腕を元に戻し射流は跳躍。そして電撃を纏った右足を伸ばし、強烈な跳び蹴りを放った。蹴りはダメージの蓄積により怯んだ希燐の胸元に直撃。また彼女を地面に叩き付けた。

 

「がはッ!?」

 

 更に射流はスペードアーツを弓状にして矢を番える。弦を引き絞り、核エネルギーの込められらた矢を放った。矢は希燐の左肩に刺さりそして爆発。凄まじい痛みが彼女を襲い、悲痛な叫びと共にまた倒れた。

 

 もう何度倒されたか分からない。どれだけ向かっても、彼には勝てないということを思い知らされてしまう。それでもと立ち上がろうとするが、段々と力が入らなくなっていく。

 

「終わりだ深山」

 

 テガソードの刃を向けて希燐に迫る。トドメを刺し、指輪を奪って願いを叶える為に。だが、射流の足が不意に止まった。

 

「ンッ……ぐうぅッ……!」

 

 膝を付き苦しみ出した射流。改造(カスタム)は強力な能力だがその分負担も少なくなく、その武器が強力な程反動も大きい。これまでの分の蓄積と今回の戦いの分、更には他の指輪の力も使ったことが大きな負荷を与えていた。唸りながら立とうとするが、これまでのツケはまるで呪いの様に彼を蝕む。

 

「射流さん……!」

 

 希燐はそんな彼を見て歯を食い縛りながら立って駆け寄った。

 

「もう辞めましょう……! これ以上は危険です! 射流さんが苦しむのを、ボクは見たくない!!」

「うる、さいッ!!」

 

 彼女のことを押し除けてどうにか立つ。

 

「俺は何が何でも家族を取り戻す!! 家族を傷付ける者を全て消す!! その為なら死んでも構わない!!」

「そんなこと……本当に貴方の家族が望んでると思いますか!?」

 

 希燐も力を振り絞る立ち上がる。

 

「どんなに辛くても、苦しくても、大切な思い出を胸に生きていく……死んだ人を理由に、誰かを傷付けたりしない! それが遺された人の選ぶべき道じゃないんですか!?」

「そんな綺麗事、全部悪意に踏み潰されるだけだ!! だから俺がその悪意以上の力で、全て踏み躙る……!!」

 

 睨み合う2人。もう言葉で理解し合うことは出来ない。

 雌雄を決する時が来た。

 

「大切なものを取り戻す……この手がどれだけ汚れても! スペードエース……この憎しみは、消せやしない!!」

 

「貴方が教えてくれた優しさで、貴方の非道を必ず断ち斬る! クワガタオージャー! その悲しみ、ボクが支配する!!」

 

 啖呵を切り、刃を向ける。そして同時に迫り剣を振るった。何度もぶつかり火花が散る。互いに一歩も譲られない、負けられない。頂点に立ち、誓った願いを叶える為に。

 

 同時に突き出した剣が互いの胸を突く。どちらも退がるが、希燐の方が数歩多く後退した。射流は左腕を五枚刃のチェーンソーに変化させ、轟音を上げながら駆動させて思いっきり振り下ろし叩き込んだ。キングズウエポンを盾状態で出し、更に硬化(ソリッド)で防御力を底上げしてそれを受け止めた。

 ガリガリと硬化(ソリッド)が削れる。希燐はその能力を重ね掛けして硬度を上げるが、射流は彼女を潰すべく力を込めて押し込んでいった。削れた破片が飛び、少しずつ希燐の体勢が沈んでいく。

 

「ぐッ!? うぐぅッ……!? ううッ!」

「はああァァ……!! ああァァァ……!!」

 

 射流の左肩から血が噴き出る。彼の肉体は既に限界を超えている。それでも彼は絶対に攻撃を止めることはなかった。

 

「深山ァァ……アアアアアアアアアッ!!!」

 

 最高出力でチェーンソーを駆動させ、肉や骨が軋むのも構わずに圧し付ける。必ず潰す……その強い意志が彼を駆り立てていた。

 だが、強い意志があるのは希燐も同じだ。

 

「射流さん……!! ボクは……ボクはァァァ!!!」

 

 持てる全ての力を振り絞ってキングズウエポンを砕きながら彼のことを押し返した。後退する射流。そして降り注いで来た破片を、希燐は全力の硬化(ソリッド)を発動させて硬質化させながら自らの身体に黄金の鎧として纏わせた。

 

「その姿は……!?」

「貴方を凌駕する、最後の切り札です!!」

 

 風が吹き荒れる中、駆ける希燐。射流は両腕をガトリング砲に変えて弾丸を撃ちまくるが、彼女の鎧によって全て弾かれてしまった。肉薄して叩き込まれた拳に射流は吹っ飛ばされるがどうにか倒れない様に持ち堪える。

 

「負ける、かァァァッ!!!」

 

《ジャッカーフィニッシュ!》

 

 腕を元に戻し、テガソードに力を込めて必殺技を発動。刃を振り下ろして、原子、電子、磁力、重力の四つの力が込められた斬撃を飛ばした。だが希燐の諦めない想いから生まれた鎧に、その斬撃は通用しない。斬撃を正面から受けて打ち破り、剣を握り締め、気迫の声を発しながら接近。そして───

 

「はあァァァーーーーッ!!!」

 

 振り下ろした剣は、射流の左腕を切断した。

 

「がああああああッ!!? ぐあッ、あああああッ……!!」

 

 凄まじい激痛。後退していった射流は耐え切れずしゃがみ込んでしまう。一方希燐も、体力を大きく消耗し剣を杖にして立つのがやっとだ。黄金の鎧は砕け散り、元の赤い姿となっている。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

 息絶え絶えになりながらも射流を見た。今の状態の彼がこれ以上戦うのは難しいだろう。

 これで勝った……。そう思い胸を撫で下ろした。

 

「勝ったと……思ったか……?」

 

 射流の言葉に希燐は「えっ……?」と漏らす。

 

「もう少し踏み込んで、首を斬ってたらお前の勝ちだった……」

「そんなこと……出来る、訳が……」

「そうだ…………そうだよな……。それがお前の……」

 

 ふと、時計の針の音の様なものが聴こえてきた。一体何がと思い音の聴こえる方に目を向ける。そこにあるのは、今し方斬り落とした射流の左腕。

 

「まさか……!?」

「敗因だ」

 

 次の瞬間、光と熱が弾けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

「んっ……」

 

 目を開いた時に見えたのは白い天井。窓の外から差す木漏れ日。自分が今、病室のベッドの上にいると希燐が理解したのはすぐだった。

 

「おっ、目ぇ覚めたか」

 

 室内に大黒が入って来る。

 

「大黒さん…………そうだ……! 射流さんは!」

 

 身体を起き上がらせようとするが、激痛が走りベッドに沈んでしまう。

 

「無理するな。……射流なら居なかったよ」

 

 大黒によると、SNSなどの情報を利用して2人が戦っていた場所を特定し現場に急行したが、到着した時には既に射流の姿は無く倒れている希燐だけが残されていたとのこと。

 

「それとこいつもな」

 

 そう言って彼女に渡したのはあの指輪だ。

 

「まさかお前も、それを持ってたなんてな」

「…………」

「……どうする? まだそいつで射流を止めたいか?」

「止めたいです。でも……」

 

 思い返すのはあの感覚。射流を救いたいと願いながらも、結局は傷付けることしか出来なかった。掌に乗せた指輪を見つめる。

 もっと強かったら止められたのか?

 もっと力があれば変えられたのか?

 

 多分、自分に必要だったのはもっと別の何かだったのだろう。それが何かは、今の希燐にはまだ分からない。

 

「…………射流のことは俺達も追い続ける」

「大黒さん……」

「俺らもアイツに言いたいこと山程あるからなぁ。しっかり文句と、1発の拳骨打ち込んで……それから飯でも食いに行こうや。みんなでな」

 

 大黒はそう言ってから仕事に戻っていく。残された希燐は、窓から青い空を見上げた。

 

 

 

 痛みも落ち着き、希燐は気分転換も兼ねて院外を歩いていた。頭の中ではずっと、自分はどうすれば良かったのかを考え続けている。しかし答えは見つかりそうにない。

 気持ちが更に沈みそうになった時、どこからかギターの音色が聴こてえ来た。何となく気になりその音のする方に向かっていくと、そこにはギターを奏でながら歌う1人の青年の姿があった。

 

 青年の歌はプロの腕前には劣るが、心に響くものを希燐は感じていた。歌い終わり、「ふーっ」と息を吐く青年。そんな彼に、希燐は拍手をしながら近付いていく。

 

「上手だね」

「あっ、ありがとうございます」

 

 爽やかな笑顔を見せる。

 

「俺の歌、貴女に届いたみたいですね。良かった……」

「えっ?」

「俺は、世界中の人に自分の歌を届けるのが夢なんです。まだまだ未熟だけど、その為に頑張ってます」

「…………素敵な願いだね」

 

 希燐からの言葉に彼はまた「ありがとうございます」と笑顔を見せた。目の前にいる青年の眩しさに、あの日の自分達を重ねて思い返す。市民を守り、平和を願っていたもう戻ることない自分達のこと。

 いや──まだ少なくとも、自分は戻れるかも知れない。だったら……。

 

「これ、受け取って」

 

 希燐は青年にある物を手渡す。あの指輪だ。

 

「これは?」

「願いを叶える為の力……って所かな? 貴方の願い、ボクは叶えて欲しいって思ったから」

 

 受け取った指輪を見つめる青年。そして指輪が赤い輝きを放ち始めた。彼を新たな持ち主と認めたのだろう。

 

「願いを叶える……。じゃあ、貴女の願いは?」

「ボクは……多分その指輪じゃもう叶えられない。だから、ボクはボクなりに願いを追ってみる」

 

 そう言った後、希燐は背伸びをする。

 

「よしっ、じゃあまたね。君の歌、届くのを待ってるよ」

 

 去っていく彼女を青年は見送った。

 

「願い……! 必ず、必ず叶えてみせます!」

 

 青年・堤 なつめは、腕を大きく振って彼女の背に誓った。

 

 

 

 まだ答えは見つからない。でも諦めてはいない。いつかまた、彼の笑顔に出会う為に。

 

「射流さん……」

 

 今は進む。自分自身のこの手で、願いを掴むことを誓って。風に背を押されながら、歩く希燐の瞳は真っ直ぐ前を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──♤──♢──♡──♧──

 

 

 

 

 

 

 

 

 人気の無い裏路地。そこで射流は壁を背もたれにして座り込んでいた。希燐との戦いで大きな傷とダメージを受けたが、まだ敗北はしていない。指輪はこの手にある。まだ戦うことは出来るのだ。

 

「ぐうッ!? ううッ……がああ……!?」

 

 改造(カスタム)の能力を応用して義手を作り左腕とする。義手の動きを確かめ、フラつきながらも立ち上がる。立ち止まる訳にはいかない。彼は次のターゲットを探す為に歩き出す。

 

 

 

 

「噂の殺人鬼さん」

 

 背後から声が聞こえた。振り返るとそこに居たのは、黒いマントを羽織った奇怪な姿の男。胸には大きくバツ証が描かれた装甲がある。そして何より特徴的なのは右手に持つ物。テガソードに酷似しているが白く、刃ではなく銃身の様なものが付けられていた。

 

「何だ……お前は……?」

「君みたいな飢えた獣を狩りに来た狩人さ」

 

 その銃を射流に向ける。

 

「お前に、罰を下す」

 

 放たれた射撃をどうにか躱し、スペードエースに変身したが、狩人は更に連射して攻撃。テガソードで防ごうとするも、ダメージを回復しきってない彼には無理なことだった。

 

「があッ!?」

 

 近くにあった木箱にもたれ掛かる様に倒れる。まずいと思いデンジマンとゲキレンジャーの指輪を取り出して反撃しようとするが、それよりも速く狩人は迫り、銃を振るって薙ぎ払った。吹っ飛ばされた射流。そしてその衝撃で2つの指輪を落としてしまい、狩人によって拾われてしまった。

 

「これはこれは……良い収穫だ」

「か、返せ……!」

 

 立ち上がり前のめりになって剣を突き出すが、容易く躱されて背に肘を落として倒す。そして……。

 

「さよなら」

 

 放たれた弾丸が、射流にトドメを刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 倒れたまま空を見上げる射流。指輪を全て奪われ、戦士としての資格を失った。義手も消え、切断面から血が流れている。

 懐から、家族の写真を取り出す。またこの笑顔を見たかった……その一心で戦い続けたが、結局何も成すことは出来なかった。

 

 力が次第に抜けていく。吹いた風が、写真を何処かへと攫ってしまう。彼にそれを追う気力は無い。

 

「────」

 

 何かを呟くが、声にならず霧散する。誰にも届かず、風が搔き消す。

 

 

 

 

 射流のその後を、知る者は居ない。

 

 

 

 




・スペードエース
指輪/ジャッカー電撃隊
契約者/桃岸 射流(ももきし いる)
職業/元刑事
願い/死んだ家族の蘇生
指輪能力/改造(カスタム)。肉体を様々な武器にすることが可能。負担が大きく、強力な武器であればある程その負担は増える。

心優しく優秀な刑事だった。文武両道、部下からも上司からも信頼は厚く暖かい家庭も持っており、充実した人生を送っていた。しかしある日、妻と2人の娘、そして産まれてくる筈だった妻のお腹の中の子を全て奪われてしまう。その犯人を追い詰めて逮捕することには成功したが、犯人は軽い実刑だけで済まされてしまった。絶望した射流はその後偶然ジャッカーの指輪を手に入れる。そして犯人の勾留されてた刑務所を襲撃。犯人は勿論、その他の犯罪者達も虐殺。それから彼は犯罪者を殺す存在となり、赤い死の風と呼ばれる様になった。
他の指輪戦士とも戦い勝利を収めつつ凶行を続け、そして指輪を手に入れた希燐と対決。痛み分けとなり逃走したが、その後に遭遇した謎の狩人によって敗北し指輪を全て奪われる。以降の消息は不明。

名前の由来は
桃→原典スペードエースの桜井 五郎の桜から。
岸→きし→騎士。トランプのスペードが騎士という意味を持つことから。
射流→桜井が射撃やアーチェリー、水泳などのトップアスリートであることから。


・デンジマンリング
指輪能力/雷電(サンダー)。電撃を自在に操り、放電、帯電、稲妻と同等の速さでの移動などが可能となる。
射流がデンジレッドのユニバース戦士を倒して手に入れた。

・ゲキレンジャーリング
指輪能力/武芸百般(マスターアーツ)。あらゆる武器を瞬時に切り換えながら戦うことが可能。それらを巧みに使う事が出来る。
射流がゲキレッドのユニバース戦士を倒して手に入れた。

・クワガタオージャー
指輪/王様戦隊キングオージャー
契約者/深山 希燐(みやま きりん)
職業/刑事
願い/射流を止める
指輪能力/硬化(ソリッド)。物体を硬質化させる。それを利用し破壊された物を身に纏わせて鎧とすることも可能。

捜査一課に配属後、射流の部下となる。強い正義感を持ち、射流から刑事としての心構えを学んで行った。暴走した彼を止めるべく奔走、そしてキングオージャーの指輪を手にし戦うことになったが結果止めることは叶わなかった。その後偶然出会った青年に指輪を託し、今度は自分自身の力で射流を救うことを決意する。彼女とその仲間達は、今でも彼を捜し続けている。

名前の由来は
深山→ミヤマクワガタから。
希燐→キリン。原典クワガタオージャーのギラの名前の由来であるギラファノコギリクワガタのギラファがキリンという意味を持つことから。

・大黒(おおぐろ)
射流と希燐の上司。
名前の由来はダイコクコガネから。

・赤須(あかす)
ニュースのコメンテーター。
名前の由来はアカスジツチバチから。

・蘆名(あしな)
射流と希燐の同僚。
名前の由来はアシナガコガネから

・白鳥(しらとり)
射流と希燐の同僚。
名前の由来はビロウドコガネから。ビロウド→ビロード→天鵞絨→天鵞→白鳥。


 如何だったでしょうか?
 他の作品とは毛色の違う作品になったのではないかと思ってます。

 ジャッカー電撃隊とキングオージャーですが
・歴代レッドの中で(特殊な事例を除いて)「僕」という一人称を使っていたのは桜井とギラだけ。
・追加戦士が白。
 というちょっと共通点があります。希燐と、過去の射流の一人称がそれぞれボクと僕なのもそれが元ネタとなってます。

 戦いの末、希燐は他者に指輪を渡して前を向き、射流は他者に指輪を奪われてしまうことになりました。
 希燐はこれからどうなるのか?
 射流はあれからどうなったのか?
 それは誰にも分からないでしょう。

 
 それでは最後に。今回、この様な企画に参加させて頂き誠にありがとうございます。
 様々な方々が書き綴るユニバース戦士達の物語、皆様ぜひお楽しみ下さい。

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