堤なつめとオリガレッドとカクレンジャーリングの一幕です。
たかしマンさんの2作目です!
(X:@takash_MAN)
ゴーカイガレオンの残骸を見つめながら、真っ赤な戦士が対話する。
「別の世界……ですか?」
「ああ、その世界には強大な厄災が存在している。厄災に対抗するため正義の魂が形となり、49のロボとして戦ったのだ」
「49戦隊の魂が……ではその厄災にも打ち勝てたでしょう。何の問題が?」
「いいや、勝てなかった。しかし巨神テガソードと50番目の戦隊ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーが我々の精神を受け継いで厄災を封じてくれた」
「50番目の……戦隊……」
「厄災との戦いで戦隊の力は散り、54人の新たな戦士の元に渡ったそうだ。そこで、君にはゴジュウジャーのスーパー戦隊魂を見極めてもらいたい」
「わかりました。この赤に懸けて、必ず」
次元の扉が開き、一時的に2つの世界が繋がる。
「これを持っていけ」
もう1つの世界へと向かう最中、2つの指輪が投げ渡される。
「これは?」
「向こうの世界で戦隊の力を司る指輪"センタイリング"だ。一度きりの再現ではあるが、私と君の赤の力を込めてある。必要な戦士が君に力を貸すだろう」
「ありがとうございます!」
さてさてここからがニンジャレッドのお話。
舞台となるのはここ、笑顔あふれる町、忍代。
この一見平和に思える忍代町にも悪人はいる。
「キャー!ひったくり!」
ひったくり犯が追手を振り切り逃亡するが、そこに赤い影が迫る。
正義に燃える赤き忍、ニンジャレッドだ。
ニンジャレッドはひったくり犯の前に立ちはだかると、腕を掴み、押し倒して地面に叩きつける。
「正義執行、完了っと」
見事犯罪者の捕獲に成功したニンジャレッドだがそれ以上関わる気はなく、追手がやってくる頃にはひったくり犯を縛り上げて去っていた。
少し離れた場所でニンジャレッドは変身を解き、人間の姿になる。
どこか孫悟空のような雰囲気のある彼は
正義のために戦う彼だが、表情は暗く覇気も無い。
そんな彼が行きついた先ではまさに指輪を賭けたナンバーワンバトル真っ只中。
戦っているのはユニバース戦士ハリケンレッドとアカニンジャーだ。
「よーし、2人まとめて倒してやるか。エンゲージ!」
『カクレンジャー!』
「そのセンタイリングいただくぜ!」
レッドスライサーを投げて攪乱しながら飛びかかり、テガソードとカクレマルの二刀流で斬りかかる。
ハリケンレッドとアカニンジャーへの攻撃を繰り返すが、二対一という状況からか徐々に劣勢になっていく。
「二対一は卑怯だろ!こうなったら、分け身の術!」
ニンジャレッドが二人になり、それぞれが目の前の戦士と戦い始める。
……と、そこに乱入者が現れる。
「一気に三人か、これは良い収穫が期待できそうだ」
リングハンター・ガリュードがテガジューンをユニバース戦士たちに向けて乱射する。
「なンだ?何者か知らんが、乱入してくるなら遠慮なく返り討ちにさせてもらうぜ!」
ニンジャレッドがガリュードに向かって構えると、ハリケンレッドとアカニンジャーも同じ様に構えだす。
「そっちが三人で来るならこっちもだ。行け」
ガリュードはスペードエース、ゲキレッド、ゴセイレッドを召喚してユニバース戦士たちへと差し向ける。
「残念。こっちは分身も入れて四人だ!シュリケン忍法奥義・忍烈斬!」
アカニンジャーは召喚された戦士を飛び越えて忍者一番刀を振り下ろす。
だがガリュードはテガジューンのブレードで易々と防いで横へと受け流し、射撃して吹き飛ばす。
「俺が倒してやる!超忍法・影の舞!」
障子が現れ、その裏で影となったハリケンレッドがガリュードに向かって襲いかかる。
初撃の飛び蹴りが炸裂してガリュードにダメージを食らわせることに成功するが、ハヤテ丸での第二撃は回避されてブレードで反撃される。
衝撃で障子が破壊され、そのまま至近距離でジューンブラストが放たれる。
「これで1つ目だ」
ハリケンレッドは変身が解除され、リングがガリュードの元へと移る。
「貴様……戦隊の力を道具のように……それがお前の正義なのか!?」
「正義?そんなものどうでもいいね。文句があるならかかって来たら良い」
その時突然辺りが暗くなり、応援団が現れる。
『いざ掴め!ナンバーワーン!』
『キン!コン!キンコンカン!』
「正義だ悪だとくだらない。指輪だけが存在価値だ。リングハンター・ガリュード。お前は僕の獲物だ!」
『レーッド!』
『ゴー!ゴー!ユニバース!』
「影に隠れて正義に生きる。これこそオレが選んだ道!ニンジャレッド、
『No.1 Battle!Ready~Go!』
応援空間が消えると同時に二人のニンジャレッドは召喚された戦士たちをすり抜けてガリュードの元へ走る。
走りながらセンタイリングをテガソードに装填して武装する。
『デンジマン!』『ライブマン!』
まずデンジパンチを装着したニンジャレッドが殴りかかるが、ガリュードもスペードエースをトランプバリアーへと変化させて防ぐ。
パンチを放つ度にトランプが飛来して相殺するというのを繰り返す内にテガジューンの銃口がニンジャレッドへと向き、そのまま射撃で後退させられる。
それを飛び越えてファルコンセイバーを持ったニンジャレッドが斬りかかるが、これもゴセイレッドをスカイックソードへ変化させて防ぐ。
ガリュードはニンジャレッドを蹴り飛ばして距離を空けると、ゲキレッドを自身のそばに連れてくる。
「これで終わりだ。ゲキワザ・
ゲキレッドから変化したゲキタイガーがニンジャレッドへと襲いかかる。
「まだだ!隠流・満月斬り!」
必殺の斬撃をゲキタイガーにぶつけて打ち破るが、そのわずかな隙に放たれたジューンブラストで吹き飛ばされる。
2つの指輪を失いながらもニンジャレッドは立ち上がり再度挑もうとするが、突如苦しみ始める。
「ぐっ……はぁ……正義のために、オレにはまだ指輪が必要なんだ……」
そして衝撃波を放って何処かへと去っていった。
『WINNER!GARYUDO!』
「逃がしたか……まあいい。残りの
ガリュードから逃げた
突如として空に時空の裂け目が開き、赤い戦士がこちらの世界にやって来る。
「ここがテガソードが存在する世界……」
「またユニバース戦士か……獲られた分、お前で補充させてもらおうか!エンゲージ!」
『カクレンジャー!』
ニンジャレッドへと変化すると赤い戦士に向かってテガソードを振り下ろす。
「ニンジャレッドだと!?戦隊の力を自分の願いのために使う者が居るというのは本当なのか」
赤い戦士は剣で斬撃を防ぎながら問う。
「僕は別の世界から来た戦士、オリガレッドだ。君はどんな願いを叶える為にカクレンジャーの力を使うんだ?」
「オレはオレの正義を貫くためにこの力を使うだけだ」
「正義……なら、君の正義とは、何なんだ?」
「オレが全ての悪を滅ぼすことだ!」
「なるほど……悪を憎む気持ちはわかる。だが、そのやり方ではただの圧政だ!悪の世界征服と変わらない!」
「黙れ!オレは……オレはッ……正義を……」
乱暴にテガソードを叩きつけるが、オリガレッドは全て防ぎきる。
「一旦止まれ!山折りスラッシュ!」
斬撃をまともに食らったニンジャレッドは変身解除して倒れこむ。
「オレ……我が世界を……支配する!」
「ぐっ……この力はヤバい……早速だけど僕の指輪、使わせてもらいます!」
オリガレッドは自分の絵柄が描かれたセンタイリングを取り出して能力を発動する。
「封印!
オリガレッドが巨大な折り紙へと姿を変え、自身を折りたたんで怪物を内部に閉じ込める。
それから数ヶ月……
とある青年が広場、折り紙のようなオブジェの前でギターを演奏している。
すると突然オブジェが崩壊し、オリガレッドが吹き飛んでくる。
「大丈夫ですか!?」
「ここは危険だ……避難を……!」
オリガレッドの視線の先に居る怪物が動きだす。
「少し眠っていた間に疫病のペスティスと戦禍のベルルムが敗れたか……だが我ら厄災は滅びてはいない。この神殺しのジョガルズが全てを滅ぼしてくれようぞ」
ジョガルズが
「俺もユニバース戦士だ。厄災だろうと立ち向かってみせる!エンゲージ!」
『キングオージャー!』
「ほう、指輪の戦士か。ならば我も指輪の力を使わせてもらおうか。エンゲージ!」
『カクレンジャー!』
ジョガルズはカクレンジャーの指輪を起動し、鎧を纏ったような異形のニンジャレッドへと姿を変える。
その時突然辺りが暗くなり、応援団が現れる。
『いざ掴め!ナンバーワーン!』
『ゴー!ゴー!ユニバース!』
「遂に目覚めたこの力。邪悪を以て同胞へ捧ぐ。魔将ニンジャレッド、ジョガルズ。まずは貴様から滅ぼすとしよう」
『レーッド!』
『ゴー!ゴー!ユニバース!』
「夢を追いかけ幾星霜。いずれ遠野さんとの決着を!」
「赤き魂背負い、世界飛び越え悪と戦う!」
「クワガタオージャー、堤なつめ!」
「折リジナル戦隊オリガレッド!」
「「厄災はここで打ち倒す!」」
『No.1 Battle!Ready~Go!』
応援空間が消えたのを合図に2人同時に魔将ニンジャレッドに斬りかかるが、攻撃を全ていなされてしまい通用しない。
「これが戦隊の力とやらか。我には効かぬな。そろそろ反撃させてもらうとしよう」
魔将ニンジャレッドがガルジョーキーを振ると衝撃波が発生する。
クワガタオージャーが
「凄まじいパワーだ……これが厄災……俺の剣じゃアイツにも、遠野さんにも届かない……」
「厄災に対抗するには……アカレッドの指輪の力を使うしかない!
オリガレッドがアカレッドの指輪を起動すると、赤い閃光を放ちながら人の形になりニンジャレッドが召喚される。
中身のない存在ではあるが、本物のニンジャレッドの力の化身が降臨した。
「本物のスーパー戦隊の力を思い知らせてやってください!」
ニンジャレッドはカクレマルを取り出すと連撃を繰り出し、魔将ニンジャレッドが防ぐのを上回る速度でダメージを与えていく。
「凄い……これが本物の戦隊か……俺は何もできず見ているだけなのか……?」
その時、堤なつめの力を求める思いに呼応してオルカブースター5050が飛来する。
『オルカブースト!』
クワガタオージャーはオルカブースター5050から放たれた黄金の光に包まれてキングクワガタオージャーにパワーアップする。
「この力があれば、俺も戦える!」
活気を取り戻したキングクワガタオージャーは走って魔将ニンジャレッドの懐に飛び込み、オージャクラウンランスを突き刺す。
「隙が出来た!谷折りスラッシュ!」
斬撃で鎧が一瞬剥がれたその下の空間に
魔将ニンジャレッドの斬撃が、驚愕して一瞬手が止まった戦士たちをまとめて切り裂く。
地面に転がるオリガレッドを見下ろす魔将ニンジャレッドがガルジョーキーを構えて止めを刺そうと振り下ろす。
「させるか!スーパー
キングクワガタオージャーは落ちていた折り紙を投げてオリガレッドの盾にすると、オージャクラウンランスを回転させながら魔将ニンジャレッドの背後に立つ。
『クワガタシザース!』
ゴッドクワガタの角を模したエネルギーが魔将ニンジャレッドを挟み、動きを止める。
「今だ!」
「ありがとうございます!その封印を切り開いてみせる!蛇腹折りスラッシュ!」
渾身の一撃が魔将ニンジャレッドの鎧を吹き飛ばし、中に居る
オリガレッドが
「あとはアレを倒すだけですね!」
「はい!カクレンジャーよ!今こそ僕に力を!」
ニンジャレッドがカクレマルと雷鳴剣ヒカリマルに姿を変えてオリガレッドの手元に来る。
カクレマルとヒカリマル、オージャカリバーとオージャクラウンランスの4本により繰り出される斬撃の嵐が魔将ニンジャレッドの体を破壊していく。
「まだだ……食らえ!闇業火・満月斬り!」
魔将ニンジャレッドが火を放ちながらガルジョーキーを回して空を斬ると、燃える斬撃が戦士たちに向かって飛んでいく。
「負けるわけにはいかない!」
キングクワガタオージャーがオージャクラウンランスを回転させて斬撃が来るのを待ち構える。
『オージャフィニッシュ!』『キングオージャーフィニッシュ!』
2つの技を重ねてゴッドクワガタを模したエネルギー体を発生させて闇業火・満月斬りにぶつけると、凄まじい衝撃を放ちながら押し合いとなる。
「我の力と……互角だと……!?」
「いいや!まだ僕が居る!」
オリガレッドがカクレマルとヒカリマルの柄尻を合体させてエネルギーをチャージさせながらキングクワガタオージャーを飛び越えて舞い上がった先は魔将ニンジャレッドの真上。
「食らえニンジャレッド奥義!隠流・雷鳴斬!」
魔将ニンジャレッドの目の前に着地しながら連撃を繰り出し、隙が生まれた瞬間にしゃがみ込む。
その直後、闇業火・満月斬りの力を上回ったゴッドクワガタがオリガレッドの上を通過して魔将ニンジャレッドを貫く。
「これで終わりだーッ!」
よろめく魔将ニンジャレッドをカクレマルとヒカリマルで同時に斬ると、鎧が徐々に崩壊していく。
衝撃で飛んだカクレンジャーリングをオリガレッドがキャッチすると同時に、崩壊しきった魔将ニンジャレッドが爆散する。
オルカブースター5050が飛び去りカクレマルとヒカリマルが光となって消えていくのを見届けていると、厄災の鎧が再び人型を形成していく。
オリガレッドとクワガタオージャーが警戒して剣を構えていると、鎧が空に昇り巨大な神殺しのジョガルズが現れる。
「厄災は滅びず!我は何度でも貴様らに仇なすぞ」
「巨大化だと!?戦隊といえばの展開ではあるけど、僕たちには戦う力は……」
その時、キングオージャーの指輪が輝き、呼応するようにオリガレッドの折り紙が折りたたまれクワガタの形を象っていく。
「力を貸してくれるんですね……!折り紙大魔術、ユニバースロボ!」
クワガタ型の折り紙が巨大化しながら宙に浮かぶ。
「光臨せよ!キングオージャー!」
折り紙が膨らみ、変形してキングオージャーへと姿を変える。
『シュゴーッド!KING! KING! KING-OHGER!』
なつめが乗り込んで起動すると、目の前のジョガルズに昆虫剣シュゴッドソードを構える。
二体が同時に動き出し、シュゴッドソードとガルジョーキーが激しくぶつかる。
「厄災がなんだ!これが人間の、思いの力だーッ!」
なつめが気持ちを込めると同時にシュゴッドソードがガルジョーキーを弾き落とし、ジョガルズがよろめく。
「食らえ!キングオージャー・シュゴッドスラッシュ!」
赤く輝くシュゴッドソードがジョガルズを一刀両断し、今度こそ戦闘不能のダメージとなる。
「我は死すとも、厄災は不滅なり。飢餓よ、我が絶命に呼応し甦れ!」
ジョガルズは爆散し、これにて一件落着となった。
「なつめさん!君はレッドに相応しい!僕と共にこの世界を救ってくれないか?もちろん僕は指輪争奪戦には参加しないから願いは君が叶えていい」
「……確かに平和は守りたい。でも、俺は指輪に頼らず自分の力で願いを叶えるって決めたんです。キングオージャーの指輪はこの世界のレッドになる人……遠野さんに託すつもりです」
「もしかして、ゴジュウジャーのレッド!?彼はリーダー性とカリスマ性がある素晴らしい人なのか?」
「いいえ。俺が知る遠野さんは未熟でした。あなたの言うレッドらしさとは程遠い人です。でも、間違いなく正義感はあるんです。そんな遠野さんだからこそ、ゴジュウウルフとして、ゴジュウジャーのレッドとして相応しい男になれると思うんです」
なつめが指輪を外してオリガレッドに渡す。
「これはあなたに預けます」
「僕に?」
「遠野さんに会うためにこの世界に来たんですよね?あなたの目で見て、遠野さんが真のレッドになっていたと思ったその時には、この指輪を託してください」
オリガレッドは指輪を受け取り、覚悟を決めたように歩き出すのだった。
厄災の闇に侵された暗黒の中で、真赤に輝く光を見た。
それがあの戦いでの最後の光景だった。
目が覚めると力を失っていた。
指輪を取られたのは見ればわかるが、厄災の力がなくなったのを感じる。
というよりむしろ、自分の肉体の中から湧き上がってくる禍々しい邪悪な気配を感じなくなっている。
だが厄災そのものが消えたとしても
指輪を失ってもオレのやることは変わらない。
正義を実現するため、悪と戦うだけだ。
オレは闇に紛れて人知れず悪を裁き続ける。
この力があればオレは罪人を捕まえ続けることができる。
ある日、いつものように町に出て犯罪者を探し始めるオレの近くに見覚えがある物体が落ちてきた。
手放したはずのカクレンジャーの指輪……理由はわからないがオレの元に帰ってきたようだ。
ならばオレの願い正義の力のために再び利用させてもらおう。
それから数日。
オレはこの力を使って何人もの犯罪者を捕らえてきた。
今日も平和を守るためニンジャレッドに姿を変え、飛び回って悪を探す。
そして見つけたのは多数で1人を痛めつける男たち。
殴りかかろうとする拳を掴んで止め、引っ張って引き剝がしてやる。
オレを見た男たちは焦ったように逃げ出し、オレも追いかけようと振り向く。
しかし想定外、殴られていた男がオレの肩を掴んで引き留める。
「おい待て。テメェ何のつもりだ。これは俺とこいつらの戦いだ。手を出してくんじゃねぇ!」
「何故だ?1人に対してこの人数だぞ。オレが助けるまで一方的に殴られていたじゃないか」
手を掴み振りほどくと、指輪を着けているのが見える。
「貴様もユニバース戦士か。ならば、文句があるなら指輪を懸けて戦ってもらおうか」
「しゃーねーな。テメェの指輪、今奪ってやるよ。エンゲージ!」
『ゴジュウウルフ!』
男がテガソードに指輪を嵌めてゴジュウウルフへと
オレはカクレマルで斬撃を防ぎ、弾き返して距離をとる。
久しぶりに指輪の戦士の力を感じる。
これは流石にオレも本気を出さないとヤバい。
「いくぜ……分け身の術!」
2人になったオレたちが左右から同時に斬りつけると、ゴジュウウルフは片方にしか対応できず左肩に直撃する。
そのまま連撃を繰り出して追い詰めていき、やがてゴジュウウルフが膝をつく。
「まだまだ!エンゲージ!」
『オーレンジャー!』
ツメガバックルから指輪を取り出してオーレッドに
その隙にゴジュウウルフが高く飛び上がったのでオレも追いかけて跳ぶ。
頂点を目指しながらカクレマルを振りかぶって襲い掛かる。
「残念だったな。超力キック!」
急降下するオレのゴジュウウルフの蹴りがオレの斬撃をすり抜けて腹に突き刺さる。
分身が消えてゴジュウウルフだけが空中に残り、
「秘剣・超力ライザー!」
必殺の一撃でオレは一刀両断される。
が、それはただの人形であり、ゴジュウウルフの背後から斬りつけてユニバース変身を解除させる。
「残念、代わり身之術だ。だが中々やるな。直撃してたら倒されてたぜ」
「そうかよ!」
『ウルフデカリバー50!』
テガソードに指輪を装填して出現した
オレの剣が届きそうになったその瞬間、ゴジュウウルフは回転しながら後ろを切り裂いた。
すると切り裂かれた空間が開き、ゴジュウウルフが飛び込んで消える。
混乱するオレの背後からゴジュウウルフが現れてオレは衝撃と共に地面に転がる事になる。
「……オレは……負ける訳には……オレが勝つんだ……!」
オレの強い感情に呼応するように鎧が出現し、オレの体に合体していく。
身体から溢れ出す膨大なエネルギーが衝撃波を生み出し、ゴジュウウルフを吹き飛ばしながら魔将ニンジャレッドへと変化していく。
「テメェ……テメェは、何故戦う」
「は?」
「テメェは何のために指輪を懸けるのかって聞いてんだよ」
「オレの正義を実現するためだ」
「そうか……ならテメェにとっての正義ってのは何だ?どうやって実現する?」
「簡単なことだ。罪が無き、争いが無き、平和な世界。オレが全ての悪を背負い、全ての悪を滅ぼすだけだ」
「くだんねぇな」
「何?」
「そんなんが正義だ平和って本気で言ってんのか?」
「……黙れ」
「違ぇだろ!戦って分かり合う、罪を償い許しあう。そういう平和もあるだろうが!」
「黙れ!」
オレが怒りを込めて火炎将軍剣を振るうと、衝撃波が建物を破壊しながらゴジュウウルフに迫る。
が、ウルフデカリバーの斬撃に防がれる。
ゴジュウウルフは爆炎の中をゆっくりと歩き近付いてくる。
「そうやって町をぶっ壊して手に入れた指輪で、平和を守れんのか?悪を滅ぼすためなら被害が出てもいいってのがテメェの正義なのか?」
ゴジュウウルフの言葉に怯み、思わず動きを止めてしまう。
「まぁまたやり直せばいい。指輪と関係無いところでな」
『ウルフ!デカリバーフィニッシュ!』
エネルギーを纏った刀身がオレの体を切り裂き、鎧とユニバース戦士の力が爆散する。
また敗れ、指輪は奪われた。
それでもオレは正義を目指す。
だが、ゴジュウウルフが言っていたように、悪人を罰するだけでなく、弱き善人を救う存在になる。というのも良い。
そういえば元ユニバース戦士を集めて
独りで全てを背負おうとしていたが、仲間と共に模索するというのも悪くないかもしれない。
ひとまず彼が拠点とする都市に、西方へと旅立つことにした。
ニンジャレッド
指輪/センタイリング カクレンジャー
契約者/石飛 猴破
職業/ヒーロー
願い/正義のために戦いたい
「隠城(シークレット)」の能力を使い、自身に眠る力を封印している。絶対的な正義の存在を信じており、正義を守るヒーローとして活動している。
力を封印している状態でもかなりの戦闘能力があり、不完全ながらも隠流忍法の再現をしている。