ユニバース戦士補ジュウ計画   作:壱肆陸

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本日は山形りんごを食べるんごさんの1作目です。
担当戦隊はファイブマン(とゼンカイジャーが少し)になります。

以下、作者様のまえがき

初めまして、山形りんごをたべるんごと申します。
普段はウルトラマンとラブライブのクロスオーバーを書いてる私ですが、今回壱肆陸さんの企画を知り、参加させて頂くことになりました。

今回、地球戦隊ファイブマンを担当させて頂きました。
自分なりに、キャラクター達に魅力が出せてたら良いなと思ってますが、兎にも角にもよろしくお願いします


戦隊ゼンカイ!守れよ愛で!

 テガソード様とテガジューンの結こ……ああああああああああッ!!!! その様な悍ましい言葉、口にもしたくない!!!

 兎にも角にもその最悪な事態により、一度世界はリセットされ、我々はゴジュウジャーであることを忘れてしまっていたらしい。だがしかし、遠野と新たに現れた指輪戦士・ゴジュウポーラーこと熊手 真白によってそれも元に戻ったとのこと。しかし、テガソード様のことを忘れてしまったとは……!! この暴神 竜儀、一生の不覚!!!!!

 

 …………取り乱してしまい失礼。これより語るのはそれらの事件の起こる前、召子さんが去った少し後の話だ。まさか、あの様なことがあるとは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼時のテガソードの里。いつも通りの穏やかな時間が流れている。遠野 吠が花の蜜を吸い、百夜 陸王が鏡で己の顔を見て酔いしれ、暴神 竜儀が食器を洗い、猛原 禽次郎がスマホで動画を見ながらパリピの勉強をし、一河 角乃が気取りながら甘いカフェラテを飲む。

 

 そんな中、吠が何かの匂いを感じて額を顰めた。

 

「どうかしたのかい、吠君?」

「なんか、妙な匂いが近付いて来る……」

「妙な、とは?」

 

 他の者達が疑問に思っていると、テガソードの里のスイングドアが開き1人の男が入って来た。

 

「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーだな……?」

「そういう君は何者だ?」

 

  禽次郎がそう尋ねる。彼らがゴジュウジャーであることを知っているという事は、只者ではないのだろう。

 

「俺は星育(ほしいく) 数音文(かずおみ)。またの名を……」

 

 彼は右人差し指に付けてる指輪を5人に見せ付ける。皆が驚く中、数音文は指輪を回転させながら叫んだ。

 

「エンゲージ!」

 

《センタイリング!》

 

 指輪を抜き、右手に持った銀のテガソードにセット。腕を回して円を描きながら手を叩いていき、最後に高く掲げたテガソードを叩いた。V字のエネルギーが彼の身体に重なり、赤い戦士にへと姿を変えた。

 

《ファイブマン!》

 

「指輪の戦士、ファイブレッド!!」

 

 バシッとポーズを決めるファイブレッド。

 まさかの敵の襲来。5人はすぐさま奴の前に出て指輪を手に取り、「エンゲージ!」の叫びと共に金のテガソードに装填。そしてクラップハンズすることにより変身を遂げる。

 

 紅の孤狼・ゴジュウウルフ。

 蒼炎の獅子・ゴジュウレオン。

 真鍮の暴君竜・ゴジュウティラノ。

 翡翠の荒鷲・ゴジュウイーグル。

 漆黒の一角獣・ゴジュウユニコーン。

 

 ファイブレッドに5人が構える。店の中で暴れたらオーナーである佐織に怒られそうだが、敵が来たのなら致し方ない。奴はゴジュウジャー一人一人を見据えていく。そしてそれから、素早く正座し───

 

「感動しましたあああああああああああっ!!!!!」

 

『…………はぁ?』

 

 土下座をしながら叫んだ。ゴジュウジャー達の頭にクエスチョンマークが浮かぶことになったのは、言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

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 とあるビルの裏。そこに1人の男が居た。男は不敵な笑みを浮かべた後、左掌に乗せた指輪を右人差し指に付けた指輪に吸収させる。星座早見盤の様なその指輪は一度不気味な光を放ち、それを見て男はまた笑う。

 

 指輪からエネルギーが漏れ、それが1体の怪物を形成していく。全身が強固な鎧に包まれた竜人……いや、竜神の様な怪物は、手にした剣を掲げながら唸り声を上げた。

 

「実験開始だ」

 

 竜神は走り、そのまま広場へと躍り出る。人々が突然の怪物出現に驚く中、振るった剣の鋒から雷撃を放ち建造物を破壊。

 逃げ惑う人々。それを男は、灰色の瞳で見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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「改めまして、星育(ほしいく) 数音文(かずおみ)です! ファイブレッドです!」

 

 変身を解除し、テーブル席に座った数音文はまた自己紹介。そして名刺を配っていく。吠達も彼の前に座ってそれを受け取った。

 禽次郎が「これはご丁寧に」と言いながら受け取り、吠が怪訝な表情をしながらその名刺の匂いを嗅いでるのを竜儀が頭を叩いてやめさせる。

 

「さっき、感動したって言ってたけど……やっぱり生の百夜 陸王に会えたからかい?」

「いや、違います!」

 

 ストレートに言われてガクッとしてしまう陸王。それを見て角乃が笑う。

 

「本物の戦隊に会えたからですよ!! 俺、スーパー戦隊の大ファンなんです!!!」

 

 数音文は目を輝かせながらそう言った。

 

「スーパー戦隊って、オムライスか」

「オムライス?」

「よせ遠野。その話をすると多分拗れる」

「戦隊が好きということは、君も戦隊考古学を?」

 

 以前、往歳 巡というジュウレンジャーの指輪に選ばれた者に吠達はスーパー戦隊というものを教えられた。五人五色の戦士達のことをそう呼び、この世界では自分達ゴジュウジャーがそうであると。また、ゴジュウジャー以外の指輪の戦士もそうだが、赤色しか居ないらしい。

 

「いえ、そういう訳じゃなくて……この指輪の力なんです」

 

 数音文はもう一つの指輪を皆に見せた。

 

「これは機界戦隊ゼンカイジャーの指輪で、この指輪の能力である世界記録(ユニバースレコード)で様々な世界の戦隊達の活躍を知ることが出来たんです! それでこの世界の戦隊であるゴジュウジャーの皆さんに会いたくてここまで来ました!!」

 

 世界記録(ユニバースレコード)。他の世界の記録を見て情報を得ることが出来る能力。これにより、彼はいくつもの世界の記録を見てスーパー戦隊のことを深く知ったのだ。

 

「それは凄まじいな……」

「でも、大変だったんじゃない? スーパー戦隊ってたくさんいるみたいだし」

 

 ゴジュウジャーを除いた指輪の数は49。それだけ多くの数の世界があり、それら全てを見るのはかなりの重労働になっただろう。

 

「確かに、一つ一つ詳しく見てたらかなりの時間になります……。そこで! このファイブマンの指輪の力が役に立つんです!」

 

 ファイブマンの指輪能力は学習(ラーニング)。見聞きした情報を脳内で整理し吸収、自身の知識にするというものだ。これと世界記録(ユニバースレコード)を併用して、彼はいくつものスーパー戦隊の知識を脳内に蓄えることが出来た。それを聞いてゴジュウジャーの5人は「なるほど」と頷く。

 

「凄い能力だなぁ! それがあれば吠っちも少しは賢くなりそうだ!」

「確かに……吠には必要な能力ね」

「遠野も“少しは”、マシになるかもな」

「うんうん。吠君に使わせて欲しいよ」

「ああ……ってテメェら馬鹿にしてんのか!?」

『馬鹿でしょ?』

 

 全員ハモって罵倒に吠は胸を抑えながら膝を着いて落ち込み、数音文が苦笑する。

 

「ねえ、せっかくなら他の戦隊のこと教えてよ!」

「そうだな! 僕も興味がある!」

 

 角乃と禽次郎が食い付き、それを聞いた数音文は嬉しそうに笑った。

 

「もちろんです!! 皆さん、持ってるゴジュウジャー以外の指輪を見せてくれませんか?」

 

 彼から言われ、吠達はテーブルに自分達の持つ指輪を並べた。数音文は目を輝かせながらそれらを見る。

 

「凄い、こんなに……!」

 

 その内の一つ、吠が所持してた指輪を手に取った。

 

「これは暴太郎戦隊ドンブラザーズの指輪ですね!」

「あ、あば? あばた……何だ?」

「暴太郎、です!」

「意味が分からんな……」

 

 暴太郎戦隊ドンブラザーズ。リーダーであるドンモモタロウとそのお供達によって構成されるスーパー戦隊。人が欲望に溺れて変化してしまったヒトツ鬼や、異世界から来た謎の存在・脳人と戦う破茶滅茶な戦士達とのこと。ドンモモタロウの強さは格別で、どんな相手もバッサバッサと斬り捨ててきたらしい。

 

「常夏ちゃんも強かったけど、元のドンモモタロウも強いのね……」

「それから次は……太陽戦隊サンバルカン!」

 

 陸王の持つ太陽戦隊サンバルカンの指輪を取る。陸海空の猛獣の力を宿した3人の戦隊、それがサンバルカン。現在数音文が確認した戦隊の中で唯一女性メンバーのいなかった戦隊だ。バルイーグルは世代交代しており初代は腕利のパイロット、二代目は剣の達人であった。

 

「戦隊なのに3人なんだ?」

「5人だけじゃない戦隊もたくさんいます! 追加戦士が入ったりして!」

「追加戦士、とな?」

 

  首を傾げる禽次郎に数音文は「はい!」と元気よく答え、新たに彼の持つ指輪を手に取った。

 

「獣電戦隊キョウリュウジャーは多くの追加戦士達が現れて、最終的に10人のチームになっています!」

「10人!?」

「凄い数だな……そうなると往歳の使っていたジュウレンジャーも10人に?」

「いえ、ジュウレンジャーは6人です!」

「10レンジャーなのに?」

「竜儀、角乃ちゃん、多分そういう意味じゃ無いんじゃないかな?」

 

 獣電戦隊キョウリュウジャー。獣電竜という恐竜が進化した存在に認められて戦士となったブレイブを持つ者達。キングであるキョウリュウレッドのもとに集まった多くの仲間達と共に地球を滅ぼそうとするデーボス軍と戦った。

 恐竜戦隊ジュウレンジャーは人類滅亡を企むバンドーラ一味が復活したことで1億7千万年の時を経て甦った古代人類の戦士達のことだ。そして初めて追加戦士が確認されたのもこの戦隊らしい。

 

「追加戦士って……こっちは増えられたら迷惑だっての」

「倒す相手が1人増えてしまうからな」

「良いじゃないか! 人数が多い方がパーリーは楽しい!」

「次はこれです! 超力戦隊オーレンジャー!」

 

 超力戦隊オーレンジャー。超力という超古代から伝わって来た超文明のパワーで戦う5人の戦士。マシン帝国バラノイアという強敵と戦い、一度は地球を征服されたが、決して諦めずに戦い勝利した不屈の戦士達である。

 

「超力……なんか分かんねえけどすげぇ……!」

「そして、星獣戦隊ギンガマン!」

 

 星を守る力であるアースを持ち、勇気ある者にのみ許される名誉あるギンガ戦士の称号……それが星獣戦隊ギンガマンである。銀河の平和を守る神秘の動物達・星獣と共に戦い、銀河を貫く伝説の刃と呼ばれることも。ギンガレッドに変身したのは本来ギンガマンに選ばれなかった者だったが、選ばれた兄が行方不明になったことからその仇を討つ為に戦い抜く事を誓ったという。

 

「兄弟の、仇……」

 

 思う所のある角乃は眉を顰めながらその指輪を見た。

 

「心優しくて、仲間達の為に最後まで諦めない強いヒーローでした!」

「歴代のスーパー戦隊は、凄い人達ばかりだね」

「うむ。僕らも学ぶ所が多いな……ん? どうした吠っち、得意げそうな顔をして?」

 

 ふと見ると、椅子に座った吠がどこか自慢げな顔をしていた。

 

「往歳の時も思っていたが話を聞く限り、戦隊のリーダーはレッドなんだろ? つまり、ここのリーダーは俺ってことだ。お前ら、俺に従え!」

「はぁ!? 何であんたみたいなのがリーダーなのよ! リーダーに相応しいのはこのハイクラスでラグジュアリーな、わ・た・し・よ!」

「いやいや、このスーパースターである百夜 陸王こそリーダー……そしてセンターに相応しいさ!」

「リーダーといえば盛り上げ上手! つまり、パーリーピーポーである僕こそリーダーだな!」

「何を言う!! 我々が従うべきはテガソード様のみ!! そしてその教えを真に説く私こそここのリーダーに相応しいだろう……!!」

 

 やいのやいのと言い合うゴジュウジャーの面々。数音文が困ってあわあわとしていると、吠が何かの匂いを感じた。

 

「何だ、この匂い……?」

「匂い?」

 

 吠が走って店を飛び出し、ただ事では無いと思った他の者達もその後に続く。

 

 

 

 

 

 広場に着くと、そこではあの竜神が暴れていた。これまで見て来たノーワンとは違う異質な存在に、彼らは怪訝な表情になる。

 

「あれは、ノーワンなのか?」

「いや、ノーワンの匂いじゃねえ」

「だったら何なの?」

「あ、あれは、冥府神ドレイク!」

 

 数音文が竜神を指差しながらそう叫んだ。

 

「ドレイク?」

「インフェルシアっていう魔法戦隊マジレンジャーが戦った敵です。でも、何でそれがこの世界に……!?」

 

 困惑する数音文。ドレイクは咆哮して彼らへと向かっていく。奴が存在してる理由は分からないが、とにかく今は戦うしかない。

 

『エンゲージ!!』

 

《クラップユアハンズ!》

 

 ゴジュウジャー達はそれぞれの指輪をテガソードに装填し、円を描きながらクラップ。最後のターンをしてからクラップすると、5人は戦士としての姿となる。

 

《ゴジュウウルフ!》

《ゴジュウレオン!》

《ゴジュウティラノ!》

《ゴジュウイーグル!》

《ゴジュウユニコーン!》

 

 変身した彼らはドレイクに駆け出す。それを見た数音文も指輪を回転させて銀のテガソードに装填した。

 

「エンゲージ!」

 

《センタイリング!》

《ファイブマン!》

 

 ゴジュウウルフが奴の剣を躱してテガソードを突き出す。しかし纏われていた強固な鎧に弾かれてしまった。

 

「うおッ!? 硬えぞコイツ! あああッ!?」

 

 再び剣を振ってゴジュウウルフを吹っ飛ばした。そこへゴジュウレオンがレオンバスター50で、ゴジュウイーグルがイーグルアロー50で遠距離から攻撃。だがやはり奴の鎧には通じない。逆に光弾を連射して2人を攻撃する。

 

「だったら!」

 

 ジャンプしたゴジュウユニコーンがユニコーンドリル50を高速回転させながら突き出した。鎧を削り貫いてしまおうという魂胆だ。

 

「これで……!」

 

 エネルギーを纏い回転するドリルが突き立てられる。しかしそれすらもドレイクの鎧を突破することは出来なかった。至近距離で火炎放射を口から放ち、ゴジュウユニコーンのことを大きく後退させる。

 

弥栄(いやさか)……!!」

 

 そこへ変わる様にゴジュウティラノが突っ込んで来る。彼の指輪能力は超怪力。凄まじいパワーで振るわれたティラノハンマー50が唸りを上げた。

 強固な鎧ではあるが衝撃を吸収は出来ない。ドレイクは後ろに下がっていくことになった。いけると思い畳み掛けようとするゴジュウティラノ。だがドレイクはそんな彼に対して光弾を連射した。後退はさせられたが大したダメージにはなっていなかったのだろう。連続攻撃で吹っ飛ばされた。

 

「この野郎!」

「クッ!」

「はぁーッ!」

 

 ゴジュウウルフ、レオン、イーグルが再度攻撃を仕掛けていくが通じない。鎧に弾かれ、剣で防がれ、全て無効化されていく。そして逆にドレイクの強烈な攻撃を受けてしまう。

 

「何か奴に弱点は無いのか……!?」

「お、俺に任せて下さい!」

「あ、ちょっと!?」

 

 駆け出すファイブレッド。エネルギー弾や雷撃を何とか躱しながら進み、奴を飛び越えてその背後に立つ。

 

「ドレイクの弱点は……! ここだ!」

 

 テガソードの刃をドレイクの首の付け根目掛けて突き出した。ここは鎧に包まれておらず奴の弱点となっており、そのことを知っていた彼はそれを狙ったのだ。

 火花が散り、彼は確実な手応えを感じた。これなら勝てる……! そう思い気持ちが少し高揚する。実は戦闘は今回が初めてであり不安も大きかったが、これなら何とかなりそうだ。そう思って大ダメージを与えたであろうドレイクのことを改めて見る。

 

 しかしそこに居たのはまるで動じず、首を動かしてこちらを向く竜神の姿。見るとバリアの様なものが張られて防がれていた。全く効いてないことに驚くファイブレッドに後ろ蹴りを叩き込み、更に振り返りながら剣を振って斬った。

 

「ぐああああああああッ!? そ、そんな……!? どうして!?」

 

 確実に弱点を突いた筈なのに一切ダメージを受けてなさそうなドレイク。吹っ飛ばされたファイブレッドにゴジュウジャー達が駆け寄る。

 

「おい、弱点突いたんじゃないのかよ!」

「その、筈なんですけど……!?」

 

 

 

 

「ちゃんと対策はしてるさ」

 

 灰色の瞳の男のその呟きは誰にも届かない。

 

 

 

 

「そうだ! ゼンカイジャーの指輪の力でもう一度弱点を探ることな出来ないか!?」

「や、やってみます!」

 

 ゴジュウイーグルの提案を受けて彼はゼンカイジャーリングを取り出す。だがそこへ、ドレイクが凄まじい勢いで突っ込んで来た。イーグル、レオン、ユニコーン、ティラノ、ウルフの順に吹っ飛ばし、そしてファイブレッドに剣を振るった。斬り付けられたファイブレッドは火花を散らしながら大きく吹っ飛ばされ、手にしたゼンカイジャーの指輪を手離してしまう。

 

「がはッ!? し、しまった……!?」

 

 倒れた彼のことをドレイクは踏み付ける。苦しむファイブレッド。それを救う為にウルフデカリバー50でゴジュウウルフが斬り掛かる。背中から何度も斬り付けるが、やはり効いてない。ドレイクの腕が伸びてゴジュウウルフの首を掴み、そのまま押して近くにあった柱に叩き付けた。

 

「ぐうッ!? この野郎!」

 

 剣で斬ったり蹴るなどしてドレイクを引き剥がそうとするが奴は動じない。そしてゴジュウウルフのことを投げ飛ばす。

 

「ぐうううッ!?」

「吠君!?」

「遠野!?」

 

 自身の闘気のエネルギー弾である竜闘気爆炸球を連射。6人のことを吹っ飛ばした。圧倒的な強さを持つドレイクに彼らは苦しめられている。

 

「ここは一旦退こう……!」

 

 ゴジュウイーグルとゴジュウレオンがそれぞれの武器から攻撃を奴の足元に放って爆煙を発生させる。

 その煙を払い除けて再び彼らを攻撃しようとドレイクはするが、もうゴジュウジャー達の姿は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

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 ノーワンワールド。そこにはゴジュウジャーと敵対関係にある組織・ブライダンが存在していた。ファイヤキャンドル、ブーケ、Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークがゴジュウジャー達とドレイクの戦いを見ていた。

 

「何だァ……アイツは?」

「ノーワンでは無い様ですが……」

「知らない怪物よねぇ〜」

 

 全く知らない存在に首を傾げる彼ら。

 すると大きな扉が開き、そこからノーワンワールドの女王であるテガジューンが文字通り顔を出した。

 

「女王!?」

《奴は……まさか……?》

 

 じっとドレイクを見詰めるテガジューン。

 

「女王、もしやアレは……」

 

 シャイニングナイフの言葉に答えず只々ドレイクを見る。何か妙な不安が、彼女の胸の中に湧いていた。

 

 

 

 

 

 

 

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 ドレイクから逃げた6人は裏路地に居た。ボロボロになり皆座り込んでいる。

 

「うう……何なのよアイツ……?」

「別世界の敵とのことだが、その様なものが何故?」

「理由も分からんが、あの強さもかなり厄介だ……」

「そうだね……。正面からぶつかるだけじゃ厳しそうだ」

「何にせよ、ぶっ倒さなきゃなんねえだろ。だったら何度でもブチ当たってやるよ……」

 

 立ち上がる吠。

 

「無駄ですよ……」

 

 そう呟いたのは数音文だった。

 

「あ?」

「冥府神ドレイクはとても強い……オマケに弱点も克服している……。そんな相手に俺らが勝てる筈が無い……。さっきの戦いでゼンカイジャーの指輪も失くして、ドレイクのことを調べる手段も無い……。もう、ダメなんです……」

 

 弱々しく拳を握り俯向く数音文。

 

「俺はスーパー戦隊のこと知って、スーパー戦隊に憧れて貴方達に会いに来ました。本物のスーパー戦隊を見れば、俺もそれに近付けるんじゃないかって……ヒーローみたいになれるんじゃないかって……」

 

 「でも……」と更に言葉を続けていく。

 

「現実は違った……。俺なんかじゃスーパー戦隊にはなれない……理想も、願いも……俺じゃ叶えられないんだ……。スーパー戦隊への憧れは、全部無駄だった……」

 

 スーパー戦隊になりたい。それが今の彼の願いだ。元々宇宙飛行士を目指して厳しい訓練と勉強をしていた数音文は、ファイブマンの指輪を手に入れた最初はそれを願いとしていた。しかしゼンカイジャーの指輪を手に入れてその能力で様々な世界のスーパー戦隊を知った時、彼の願いはスーパー戦隊になりたいに変わった。幼い頃見たヒーロー達の様な彼らに強い憧れを持ったのだ。

 そして憧れの戦隊の一つあるゴジュウジャーに会い共に戦ったが、結果はまるでダメだった。何度やってもあんな強い敵に勝てる筈が無い。数音文は、絶望に呑まれてしまう。

 

「ふざけんな!!」

 

 吠はそんな彼の胸ぐら掴んで無理やり立ち上がるらせた。

 

「勝手に憧れたクセに、勝手に無駄とか決め付けてんじゃねえ!! いいか? 俺達はバラバラだ。お前が俺達に教えたスーパー戦隊みたいに力なんか全然合わせてねえ!」

 

 彼らはゴジュウジャーというチームである。だが同時に指輪が奪い合うライバルでもある。これまでのスーパー戦隊達とは一風変わった戦隊なのだ。

 

「だから、同じ目的で力を合わせて戦うスーパー戦隊達がすげえ奴らだって思った。そしてそれに憧れてるお前も輝いて見えた!」

 

 スーパー戦隊のことを語る数音文は吠に、そして他のメンバーにも眩しく輝いて見えていた。

 

「憧れてんなら、なりたいって願ってるんなら最後まで諦めんな!! 少なくとも俺は諦めねえ……まだ願いだって見つけてねえんだ、こんな所で終われるか!!」

 

 数音文から手を離した吠は振り向き歩いていく。

 

「吠君……」

「俺は行くぜ。なんせスーパー戦隊のレッド、リーダーなんだからなぁ!」

 

 そう言ってから遠吠えを放った後、吠はドレイクとの再戦の為に走り出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 竜闘気爆炸球を放って暴れているドレイク。奴の身体から闇のオーラの様なものが溢れ出し、それが複数のゾンビを連想させる兵士を形成していく。冥府兵ゾビルという、マジレンジャー達と戦ったインフェルシアの戦闘員だ。大量のゾビル達はドレイクの周囲で唸り声を上げた。

 

 武器を握り、人々を襲う為に動き出そうとする奴ら。その前に、吠が立つ。

 

「ハッ、うじゃうじゃ増えやがって。…………あ?」

 

 その隣りに、陸王、竜儀、 禽次郎、角乃が並んだ。

 

「勝手にリーダー気取らないでくれる?」

「センターは僕のものさ。吠君には荷が重い」

「私が従うのはテガソード様の教えのみ! お前が上など断じて認めんぞ」

「吠っちにはパーリーが足りない! それじゃあリーダーとは呼べないなぁ」

「……好き勝手言ってくれるじゃねえか、面白え」

 

 憎まれ口を叩き合う彼ら。そこへもう1人……。

 

「ま、待って下さい!!」

「星育……!」

 

 駆け付けたのは数音文だ。

 

「俺も……俺も戦います! ドレイクは恐ろしい、簡単には勝てない……でも、それでも立ち向かって勝ってみせます! 燃える想いで星の命を救い、大切な人を愛で守る! それが、スーパー戦隊だから!」

「ハッ、良い面になったじゃねえか」

 

 「はい!」と返事する数音文。それから彼はとんでもないことを言い放つ。

 

「そして俺が、ゴジュウジャーのリーダーになります!!」

『はあぁーーーっ!?』

 

 まさかの発言に、彼らは驚かずにはいられない。

 

「いやいや意味分かんないし!」

「そもそも君はゴジュウジャーじゃなくてファイブマンだろ!?」

「それはぁ、そうですけど……でも、なりたいんです! スーパー戦隊のリーダーに!」

「だからって僕らのこと巻き込まれても……」

「傍迷惑だな……」

「だったら! 1番最初にアイツを倒した奴が俺達のリーダー! それで良いだろ?」

 

 指で輪っかを作り、その中にドレイク達を収める。

 

「お前らは俺の、獲物だ!!」

 

 吠がそう宣言した後、彼らは指輪を手にして叫んだ。

 

『エンゲージ!!』

 

《クラップユアハンズ!!》

《センタイリング!》

 

 軽快な音楽が流れる中、彼らはテガソードを持った手を回して円を描きながら叩いていき、最後にターンをしてからラストのクラップ。戦士となった彼らは、リングインしてドレイク達の前で啖呵を切る。

 

「いざ掴め! ナンバァァァワァーーーーンッ!!」

 

\\Go! Go! ゴジュウジャー!!//

 

「俺は連まない一匹狼。でも連むなら獲るのは天辺!

はぐれ一匹、ゴジュウウルフ! 

赤い俺が、リーダーだ!!」

 

《ゴジュウウルフ!!》

 

「輝く僕が立つべき場所は一つ。みんなの憧れセンターさ!

僕はみんなの、ゴジュウレオン!

深紅に煌めく、レグルスの様に……!!」

 

《ゴジュウレオン!!》

 

「従うのはテガソード様のみ。先導するのが私の使命!

怪力伝道師、ゴジュウティラノ!

緋色に燃やすは信仰心!!」

 

《ゴジュウティラノ!!》

 

「ここでやらなきゃパリピが廃る。全力アゲアゲ盛り上げリーダー!

チャララっといこうよ、ゴジュウイーグル!

真っ赤な血潮を、燃やしてパーリー!!」

 

《ゴジュウイーグル!!》

 

「1番華があるのは私。天才美少女名探偵!

ハイクラス&ラグジュアリー、ゴジュウユニコーン!

紅一点は、私だけ!!」

 

《ゴジュウユニコーン!!》

 

\\Go! Go! ユニバース!//

 

「憧れ続けるスーパー戦隊。俺も目指してなるぜ絶対!

地球戦隊ファイブマン、ファイブレッド!

燃える炎の様に、愛を捧げるヒーローに!!」

 

《ファイブレッド!!》

 

『我ら、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー!!』

 

 並び立ち、名乗りを上げる6人。

 

「だからお前はファイブマンだろ!」

「今自分でファイブマンって言ってたしね」

「でもゴジュウジャーになります! ハリケンジャーとゴウライジャーや、ゴーオンジャーとゴーオンウイングスみたいなものです!!」

「知らない戦隊を出されてもなぁ……」

「よく分からんな……」

「もう滅茶苦茶」

 

 そんなことを話してる彼らに業を煮やしたのかドレイク達が吼えた。

 

「ハッ、やる気満々みてえだなぁ。お前ら、いくぜ!!」

 

 邪悪な敵を撃ち倒しWINNERとなる為、ゴジュウジャーは駆け出すのだ。

 

 

「ハッ、オラァッ! ハァァッ!」

 

 ゴジュウウルフが喧嘩殺法でゾビルを薙ぎ倒していき。

 

「フッ、ハッ! バンッ!」

 

 ゴジュウレオンの華麗な動きと弾丸が敵を撃ち抜き。

 

「フンッ! 弥栄ぁぁぁ!!」

 

 ゴジュウティラノが怪力でゾビル達を吹っ飛ばし。

 

「よっ、ほっ! そーれ!」

 

 ゴジュウイーグルが翼を広げて飛翔しながら弓矢で射抜き。

 

「フッ! ハァァ! おりゃああ!!」

 

 ゴジュウユニコーンがドリルを利用して地面からの強襲を仕掛け。

 

「ハッ! やあッ! ファイブラスター!」

 

 ファイブレッドがファイブラスターを連射してゾビルを撃ち、更に長剣形態のVサーベルに変形させて斬り裂いていく。

 

「いくぜ! エンゲージ!」

 

《センタイリング!》

 

 腰のツメガバックルを開き、そこから取った指輪をゴジュウウルフはテガソードに装填しクラップ。

 

《ニンニンニン! ニンニニンニン!》

《ニンニンジャー!》

 

 彼は赤い忍者へと姿を変えた。

 

「手裏剣戦隊ニンニンジャーのアカニンジャー! 忍びなれども忍ばない、暴れっぷりがイケイケドンドンで天晴れなラストニンジャです!」

「いや忍びなさいよ!」

「燃えて来たぜえええええッ!!」

 

 忍者一番刀を振るってバッサバッサとゾビルを斬る。そしてワイヤー伸ばして数体のゾビルを拘束してから、刀の技ボタンを押し、忍シュリケンを回転させた。

 

《ザ・技!》

《ナンジャナンジャ? ナンジャナンジャ!?》

 

「オラァァァァァッ!!」

 

《忍者一閃!》

 

 強烈な斬撃・忍烈斬がゾビル達を纏めて撃破。

 

「次はコイツだ!」

 

《タイムレンジャー!》

 

 タイムレッドにエンゲージ。二振りの長剣・ダブルベクターを手にしてゾビル達に突っ込んでいく。

 

「タイムレッド!! 未来戦隊タイムレンジャーの中で唯一の現代人として未来人の他のメンバー達と絆を育んだ戦士!!」

 

 素早く斬り付けながら進み、振り返ってジャンプ。

 

「ベクターインパルス!」

 

 2つを直線状に結合させてツインベクターとし、パワーボリュームを操作してビートアップ。それを空中から縦一閃に振り下ろした。斬撃がゾビル達を爆散させる。

 

「野獣遣い、使わせてもらうよ。エンゲージ!」

 

《センタイリング!》

《ガオレンジャー!》

 

 青い獅子ゴジュウレオンが赤き灼熱の獅子ガオレッドにエンゲージ。

 

「百獣戦隊ガオレンジャー・ガオレッド! 邪気が具現化した鬼の様な敵・オルグと戦い、命を守る為に正義の雄叫びをあげるやる気満々の獅子です!!」

「ライオンからライオンか……!」

 

 籠手型の武器・ライオンファングでゾビル達を殴る。更に上下分割して手甲鉤とし、その牙で引き裂いていく。そしてそれを斜めに振り下ろす。灼熱の牙撃がゾビル達を吹っ飛ばした。

 

「呀吠!……ってね」

 

「召子さん、使わせて頂きます……! エンゲージ!」

 

《センタイリング!》

《カーレンジャー!》

 

 ゴジュウティラノがエンゲージしたのはレッドレーサー。竜儀の実家の家政婦である家守 召子が使っていた指輪を使っての変身だ。

 

「戦う交通安全! 激走戦隊カァァーーーーレンジャァーッ!! のレッドレーサーですね! 月収は19万3000円です!」

「お、俺より高ぇ……!」

「わ、私よりは低いわね!」

「本当か角ぽよ?」

 

 フェンダーソードとバイブレードに二刀流を振るう。そして跳躍して落下しながら、二刀をクロスして振るうツインソード・ツインカムクラッシュでゾビル達を薙ぎ払った。

 

「天罰だ……!」

 

「いくわよ、エンゲージ!」

 

《センタイリング!》

《ケ・ボーン!》

《リュウソウジャー!》

《ワーッハッハッハッハ!》

 

 赤い竜騎士となったゴジュウユニコーンが剣を握り駆け出した。

 

「騎士竜戦隊リュウソウジャーのリュウソウレッド! 正義に仕える気高き魂! 限界を超えていく、勇猛な騎士です!!」

騎士(ナイト)、か。僕にピッタリだと思わない?」

「知らん」

 

 鋭い剣技はゾビル達を次々と斬り倒す。それから振るっていたリュウソウケンの柄頭部分のソウルスロットにリュウソウルという物を装填して噛ませる。

 

《ソレ! ソレ! ソレ! ソレ! その調子!》

 

「ディーノスラッシュ!」

 

《剣・ボーン!》

 

 振るった剣からティラノサウルスの頭部を象ったエネルギー体が巨大な顎を開いて突っ込んでいき、ゾビル達を喰らっていった。ぐちゃぐちゃの肉片が辺りに散らばってしまう。

 

「うえぇ……美味しくなさそう!」

 

「次は……おわッ!?」

 

 ゴジュウウルフが次なる指輪でエンゲージしようとした時、ドレイクが火炎を放って来た。不意を突かれた彼はうっかり指輪を落としてしまい、それをゴジュウイーグルが拾う。

 

「サンキュー 禽次郎!」

「せっかくだし、少し借りるぞ!」

「あ、おい!?」

 

《センタイリング!》

 

 拾った指輪をテガソードに装填しエンゲージ。彼の姿は赤き冒険者に変わる。

 

《ボウケンジャー!》

 

「ボウケンレッド!! 不滅の牙の異名を持つ、轟轟戦隊ボウケンジャーのリーダーであり伝説のトレジャーハンターです!!」

「冒険、か。私もテガソード様の伝説を知る為の冒険がしたい!!」

「んなことより返せ!」

 

 長柄のマジックハンド型の武器・ボウケンボーでゾビルを殴打。更に先端を開いて根本から刃を伸ばしてボウケンジャベリンに変形させ、華麗な槍術を見せる。

 

「レッドゾーンクラッシュ!」

 

 ボウケンジャベリンを水平に持ちながら高速で突進。すれ違いざまにゾビル達を纏めて両断してしまった。

 

「うむ! 冒険とは良いものだ!」

 

「野郎……!」

「まあまあ吠君、そう怒らないで」

「うるせぇ! こうなったら、アイツに八つ当たりしてやる!」

 

《センタイリング!》

《ジェットマン!》

 

「やれやれ、血の気の多いね」

 

《センタイリング!》

《アーアーアアアーッ!》

《ジュウオウジャー!》

 

 2人はそれぞれ赤い鳥人となり、翼を広げて大空に舞う。

 

「ジェットウイング!」

「野生解放!」

「うおおおおおお!! 鳥人戦隊ジェットマンのレッドホーク! そして動物戦隊ジュウオウジャーのジュウオウイーグル! 鷹と鷲! 時を飛び越えて助けてくれる戦士達を舐めるなよ!ってことですね!!」

「いやどういうこと?」

「鷲か! ワシとお揃い、だな! ワシだけに!」

「禽次郎さんの親父ギャグ……」

 

 高速で飛びながらゾビル達を蹂躙。それからドレイクへと同時に剣で斬り掛かった。しかし奴の鎧には通じず火花が散るだけだ。

 

「まだまだァ!」

 

 それでも構わずブリンガーソードとイーグライザーを振るってドレイクに連続攻撃。ダメージは無いが素早い攻撃で少しだけ後退してしまう。その隙にバイザーを上げてジュウオウゴリラとなり、強烈なタックルでより後退させ、更にその彼を踏み台にして跳びながら本来の姿に戻ったゴジュウウルフがエネルギーを込めたテガソードの刃を突き出した。衝撃は確実に伝わり、それが確かなダメージとなる。

 

「星育!」

「はい! Vソード!」

 

 VシャトラーとVパワーグリップを合体させた武器・Vソードを手にドレイクへ突貫。それを振るってドレイクの剣を叩き落とさせ、続けて攻撃していく。そこへゴジュウウルフもウルフデカリバー50を逆手で持って突っ込み加勢。2人の連携攻撃で不利になっていくドレイク。ヤケクソで火炎放射を放つが、彼らは後ろに跳んで躱してしまう。

 そこへゾビル達を一掃した他の4人も駆け付けた。

 

《サンバルカン!》

 

「秘剣・流れ十文字斬り!!」

 

 鋭い日本刀を握り、高速の動きで十字に斬り。

 

《アバレンジャー!》

 

「ティラノロッド……サークルムーン!!」

 

 ロッドで円を描き作った巨大なエネルギー球を飛ばしてぶつける。

 

《ガブリンチョ!》

《キョウリュウジャー!》

 

「獣電ブレイブフィニーーーッシュッ!!」

 

 五つの武器を連結して巨大な剣にし、それを投擲して貫き。

 

《ギンガマン!》

 

「猛火獣撃!!」

 

 棍棒を振り回して周囲を燃え上がらせ、炎の力を込めた一撃を叩き込む。

 

《ドンブラザーズ!》

《よっ! 日本一!》

 

「ドッカン大噴火!!」

 

 ドレイクの足下に噴火山型のエネルギーが形成されて噴火し大爆発。

 

「うおおおおおお!? 何ですかその技ぁ!?」

「うるせぇ! 良いからやれ!」

「あ、はい!」

 

 彼らの猛撃はドレイクを確実に追い詰めていき、ふらついてる奴の背後にファイブレッドが飛び込み弱点であった首の後ろにエネルギーをスパークさせて燃え盛るVソードを斬り付けた。

 

「Vソードアタック!!」

 

 強烈な斬撃はドレイクの首の後ろを守っていたバリアを破壊した。

 吹っ飛んで倒れたドレイク。フラつきながら立ち上がったドレイクに6人は並び構える。

 

「トドメは俺が刺す!」

「いいや、僕だね!」

「私だ!」

「僕に任せるんだ!」

「私よ!」

「俺が行きます!」

 

 必殺武器を構える6人。

 

《ウルフ! デカリバーフィニィーッシュッ!》

《レオン! ガトリングバースト!》

《ティラノ! ハンマークラァーッシュ!》

《イーグル! アローシュート!》

《ユニコーン! ドリルアタァーック!》

《ファイブマン! フィニィーーッシュッ!》

 

 それぞれの必殺技がドレイクに炸裂。斬撃、光弾、殴打、光矢、螺旋、そして自身がエネルギー弾となって人間大砲の如き突撃。凄まじい猛撃に、ドレイクは堪らずド派手に吹っ飛ぶことになった。

 

「どうだ!」

 

 かなりのダメージを与えたが、ドレイクはまだ立ち上がる。冥府神の名は伊達ではないらしい。しつこいと思いながらもう一度彼らは必殺技を放とうとするが、ドレイクは咆哮と共に巨大化していった。

 

「なんと!?」

「嘘でしょ!?」

 

 50メートル級まで巨大化したドレイクは首が伸び、翼を大きく拡げて西洋龍の様な姿となり吼える。

 

「ここは俺がやる! 来やがれ、テガソード!」

「フィナーレは僕にこそ相応しい! おいで、テガソード!」

「テガソード様と共に戦うのは私だ! おいで下さいませ、テガソード様!」

「トリを飾るのは僕だ、鳥だけに! カモンヌ、テガソード!」

「華麗に決めるのは私よ! 来なさい、テガソード!」

 

《アウェイキング!》

 

 彼らがほぼ同時にテガソードを展開すると、巨神テガソードが降臨。そして同じく同時にジャンプして乗り込もうとする。

 

「お、俺も───ッ!?」

 

 ファイブレッドも跳ぼうとした時、指輪が輝きを放つ。

 

「これは……!? うわっ!?」

 

 強い光が放たれてゴジュウジャーの5人を包み、本来1人ずつしか乗れないテガソードに一緒に乗せてしまった。

 

『リングイン! 人神一体!』

 

《掴め! 切り裂け! レッド!》

《放て! 吼えろ! ブルー!》

《叩け! 噛みつけ! イエロー!》

《射貫け! 最速! グリーン!》

《貫け! 突進! ブラック!》

 

 右腕に青いガトリング砲、左腕に黄色いハンマー。右足に緑の弓を備え翼を広げ、腰に黒い二足の後ろ脚が付けられる。そして頭部に赤い狼のフードが被せられ、有り得ない形態のテガソードが完成する。

 

 その名もテガソード・スーパーファイブだ。

 

「な、なんだこれ!?」

《恐らく、あの指輪に込められた兄弟達の絆の力が戦いの中で昂まり、この様な力を発揮したのだろう》

「よく分からないが、凄いな!」

「この姿のテガソード様も神々しい……!」

《この力なら、奴など恐るに足りない!》

「よっしゃ、ならいくぜ!」

 

 ドレイクがエネルギー弾を連続発射。しかしテガソードは四足で疾走してそれを容易く躱して接近し、左腕のハンマーで遥か上空へと殴り飛ばし、更に右脚を上げて矢を連射。

 何とか体勢を整えたドレイクは火炎を放とうとするが、翼を拡げて飛翔し向かって来ながら放たれるテガソードによる弾丸の嵐が、奴の動きを止めた。

 そして肉薄したテガソードは、強烈な頭突きでドレイクのことを叩き落としてしまった。

 

『トドメだ!!!!!』

 

 フード部分から鎖を飛ばしてドレイクを拘束。5色のエネルギーを纏いながら、テガソードは突っ込んでいく。

 

『テガソード! スーパー戦隊(ファイブ)ストーム!!』

 

 テガソードはそのままドレイクに突撃。超強力な一撃を受けたドレイクは、大爆発して粉々に吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 ──WINNER!

 ───GOZYUGER!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦いに勝利して腕を上げるテガソード。それを見ながら灰色の瞳の男は謎の指輪からマジレンジャーの指輪を排出した。それが乗った掌にはもう一つ、あの時数音文が落としたゼンカイジャーの指輪もある。彼が拾っていたのだ。

 

 男の瞳は、テガソードの右腕に向けられていた。

 

「会うのが楽しみだよ、陸王」

 

 そう言ってから彼は、煙の様に消えてしまうのであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

-------------------------------------

 

 

 

 

 

 

「俺様と出会う前に、そんなことがあったとはなぁ……」

 

 あれから暫く経ったテガソードの里。そこで一連の事件を熊手 真白は他のゴジュウジャー達から聞かされた。

 

「ああ、なかなか大変だったぞ!」

「でもまあ、面白い事件ではあったけどね」

 

  禽次郎と陸王が笑う。因みにボウケンジャーの指輪はちゃんと吠に返したらしい。

 

「ん? でも待て、お前ら誰もファイブマンの指輪は持って無かった筈だが?」

 

 真白の言う通り、彼と出会った時にファイブマンの指輪を所持していたのはゴジュウジャー達ではなくリングハンター・ガリュードであるクオンだ。

 

「ああ、それはぁ……」

 

 角乃が吠に目線を向け、他の3人と真白も釣られる様に彼を見る。吠は何だかバツの悪そうな表情をしていた。

 

「星育さんは指輪を遠野に渡した。コイツから色々と教わった、とか何とか言ってな。しかしこの男、その後クオンとの戦いの中でその指輪を奪われてしまったのだ」

「何だ二代目! 情け無いなぁ!」

「う、うるせえ!」

 

 あの後、吠は今はブライダンの1人でであり自身の実の兄でもあるリングハンター・ガリュードことクオンと戦い、ファイブマンの指輪を奪われてしまった。そしてそれがあの惨劇を招く事になってしまう。

 

 

──ハッハッハッ! 結婚しようよ、吠ゥ!

 

 

 あの台詞は思い出すだけで寒気がする。

 

「それで……結局リーダーナンバーワンは誰なんだ?」

 

 何気無しに真白が聞くと、全員が「それはもちろん……」と少し勿体振り……。

 

「俺だ!」

「僕さ!」

「私だ」

「ワシだ!」

「私よ!」

 

 全員が同時に答えた。

 

「いや指輪ゲットしたのは俺なんだから俺だろ!」

「お前はあくまでもお礼として指輪を貰っただけだ。勝って手に入れた訳じゃない」

「それにすぐ奪われてるじゃない!」

「うるせぇ! そもそも戦隊は赤がリーダーなんだから俺だ!!」

「いや、どうやら赤以外がリーダーであることもあるらしいぞ?」

「何ぃ!?」

「つまり青い僕がリーダーでも良い訳だね」

「お前らじゃリーダーは荷が重い。この神様仏様、ゴッドネス熊手様がリーダーとなって導いてやろう!」

『それだけは断る!!』

 

 またまたわちゃわちゃとするテガソードの里の面々。するとそこに、スイングドアを開けてあの男が飛び込んで来た。

 

「お久しぶりです!!」

「星育!」

 

 もちろん数音文である。

 

「コイツが例の……ッ!?」

「貴方が追加戦士のゴジュウポーラーですね!!」

 

 数音文は即行熊手の側に寄り、そしてその手を握った。

 

「白い追加戦士かぁ! ダイレンジャーのキバレンジャーやアバレンジャーのアバレキラー、デカレンジャーのデカブレイクにゲキレンジャーのゲキチョッパー! そしてキングオージャーのスパイダークモノスを思い出しますね! あ、ジャッカー電撃隊のビッグワンを忘れてはいけませんね!!」

「な、何だコイツは……!?」

 

 凄まじい圧で熊手に迫る。あの熊手すらたじろがせる彼を見て他の5人は思わず笑ってしまった。

 

「そうだ、変身して下さい!! ゴジュウジャーの追加戦士の姿、間近で見たいです!!」

「お、おい、お前ら! 何とかしろ!」

 

 珍しく他人に助けを求めるが皆そっぽを向いた。いつも不遜な態度の真白がこんな風に追い詰められているのは見てて面白い。

 

「星育、お前今何してるんだ?」

 

 ふと吠がそんなことを聞いた。

 

「今はまた、宇宙飛行士を目指して頑張ってます! もちろん、スーパー戦隊を憧れる気持ちは忘れません!!」

 

 力強く数音文は笑顔で答えた。例え指輪を失ったとしても、大好きになったヒーロー達への憧れは消えない。胸に宿った熱い想いは、炎の様に燃え続けるのだ。

 

 彼が質問に答えてる隙に真白は逃げようとするが、すぐに数音文に捕まってしまう。そんな彼らを見て、吠達は笑うのであった。

 

 




・ファイブレッド
指輪/地球戦隊ファイブマン
契約者/星育 数音文(ほしいく かずおみ)
職業/宇宙飛行士候補生
願い/宇宙飛行士になる→全てのスーパー戦隊を知り、彼らの様になりたい。
指輪能力/学習(ラーニング)。見聞きしたものを学習、整理し記憶することが可能。

元々は宇宙飛行士を目指しており、ファイブマンの指輪を手に入れた際もそれを願っていた。しかしゼンカイジャーの指輪を入手して他のスーパー戦隊の情報を知り、彼らに憧れて自分も彼らの様になりたいと願う様になる。その為にこの世界で唯一の戦隊であるゴジュウジャーに会いに行った。冥府神ドレイクに一度負けて折れかけるが、吠からの叱咤を受けて立ち上がり、彼らと協力して撃破。その後指輪を吠に渡し、再び宇宙飛行士を目指して頑張っている。

名前の由来は
星→天文学→理科
育→体育
数→数学
音→音楽
文→古文、漢文→国語
と原点のファイブマン達が受け持った授業から。


・ゼンカイジャーリング
指輪能力/世界記録(ユニバースレコード)。他の世界の記録や歴史を見ることが出来る。
 

・テガソード・スーパーファイブ
全長/62.5m
全幅/98.7m
胸厚/34.3m
総重量/3900t
スピード/550km/h
出力/5050万馬力

ファイブマンリングの力により、テガソードがゴジュウジャー5人の武装と合体した姿。この姿の際はコックピットが五つV字に並んだ状態となり、そこに5人が座る。右腕のレオンバスター、左腕のティラノハンマー、右脚にイーグルアロー、腰にユニコーンシールドが変形した後ろ脚、そして頭部にウルフデフードが被せられている。それぞれの武装を駆使して戦い、必殺技は五色のオーラを纏いながら敵に突撃する「テガソード・スーパー戦隊(ファイブ)ストーム」。技名の由来はゴレンジャー初期の必殺技であるゴレンジャーストームから。


 イメージとしては1クールの辺りのちょっとした〆、的なイメージで書きましたが如何だったでしょうか?
 戦隊オタクによる簡易的な戦隊解説みたいなのを入れれたのは個人的に凄く楽しかったです。

 これからもたくさんのユニバース戦士達の物語が繰り広げられると思います(今書いてる時点でこの作品が何番目に投稿されるか知りませんが……)。

 とにかく!
 この企画の応援を皆様よろしくお願いします!
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