第五航空機動艦隊、はいふり世界に展開する。   作:天崎零総帥

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第6話【謝罪と今後の方針と決断】(改訂)

日本 首相官邸 第一会議室

 

ここ首相官邸第一会議室では、総理を始めとした各大臣他、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィン、海上安全整備局の代表たちが集まっていた。

 

そして今は、帰還した真霜が報告をしていた。

 

真霜

「…以上です。」

 

「「「………」」」

 

会議室内は大苦しい空気が流れていた。それもそのはず、現場指揮官の完全な独断であったとは言え、国家を代表した艦隊がいきなり宣戦布告を行い攻撃を行ったのだ。これで報復攻撃を受けても反論など出来るわけがない。

 

??

「その聯合艦隊は予定を急遽変更して訓練から帰還していると言っていたのですね?」

 

最初に静寂を破ったのは、現総理の大高弥三郎であった。この人物は並行世界からの転生者であり、この世界では前世の様にクーデターを起こさず選挙で圧倒的な票差で総理に就任しており、彼の手腕は国内外で高く評価されている。

彼以外にも、陸軍大臣の畑春六大臣、そしてつい先日に再建された海軍の海軍大臣の米内光正大臣他、政財界や技術界隈にも転生者が居た。

 

真霜

「はい、詳細は不明はですが、急遽予定を変更して帰還中と証言しています。」

米内

「ふむ…」

「??」

大高

「米内大臣、何か?」

米内

「いえ、第五航空機動艦隊。と言う事は第四や第三、第六も居ると考えるべきでしょう。」

会議室の面々

「「「!!」」」

 

その言葉に会議室の全員がハッとし、会議室がザワザワと騒がしくなる。

 

大高

「海軍大臣、もし仮に連合艦隊が本土への攻撃を試み場合、対処は可能でしょうか?」

米内

「う~む…難しですね。何分、飛行物体の性能が分からないため効果的な対処は難しいでしょう。」

「陸軍も飛行船部隊を投入しますが、効果があるかどうか…」

 

畑大臣も防衛にはやや難色を示す。

 

大高

「どの道、今回の戦闘においては圧倒的に我々に非があります。至急、記者会見の準備を。」

秘書

「はい。」

 

数時間後 聯合航空機動艦隊 総旗艦「瑞鶴」会議室

 

大高

『この度の武力衝突に対して謝罪を申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。』

 

その言葉と同時に無数のシャッターが点滅する。現在「瑞鶴」の会議室には零の他、第五航空機動艦隊第一戦隊指揮官山口多聞妖精、同第二戦隊指揮官小沢治三郎妖精他士官妖精が居た。

山口多聞は本来、第一航空機動艦隊の指揮官であるが、同艦隊所属の「緋城(ひぎ)」(旧:天城)「赤城」「深城(しんぎ)」(旧:高雄)「宝城(ほうぎ)」(旧:愛宕)の4空母が夜間訓練中に嵐に巻き込まれ衝突事故を起こし4空母が緊急修理のためドック入りし、その間の戦力の穴埋めのために第一航空機動艦隊の面々がに臨時で編入されていた。しかし、このままだと人員過多となってしまうが丁度「神鶴」「玄鶴」の乗員が地上基地での長期間訓練が重なったため人事を変更して再配備した。

 

聯合航空機動艦隊*1 総司令長官   天崎零(中将)

第五航空機動艦隊 第一戦隊司令官 山口多聞(少将)(副司令長官) 淵田美津雄(航空参謀)

第五航空機動艦隊 第二戦隊司令官 小沢治三郎(少将)

 

航空母艦「翔鶴」 艦長      翔鶴(大佐)

航空母艦「瑞鶴」 艦長      瑞鶴(大佐)

航空母艦「神鶴」 艦長      神鶴(大佐)

航空母艦「玄鶴」 艦長      玄鶴(大佐) 岡田次作(大佐)副艦長兼操舵手(「赤城」艦長兼操舵手)

 

航空母艦「翔鶴」 艦戦飛行隊長  坂井三郎

航空母艦「翔鶴」 艦爆飛行隊長  高橋赫一

航空母艦「翔鶴」 艦攻飛行隊長  市原辰雄

 

航空母艦「瑞鶴」 艦戦飛行隊長  天崎疾風(零の弟)  菅野直(343空より臨時派遣)

航空母艦「瑞鶴」 艦爆飛行隊長  坂本明

航空母艦「瑞鶴」 特別飛行隊   ハンス・リッヒウル・ルーデル(ドイツ空軍より派遣)

航空母艦「瑞鶴」 艦攻飛行隊長  島崎重和

 

航空母艦「神鶴」 (「緋城」「赤城」艦戦隊) 艦戦飛行隊長  西澤広義 杉田庄一 笠井智一

航空母艦「神鶴」 (「緋城」「赤城」艦爆隊) 艦爆飛行隊長  千早猛彦 江草隆繫

航空母艦「神鶴」 (「緋城」「赤城」艦攻隊) 艦攻飛行隊長  村田重治 長井彊

 

航空母艦「玄鶴」 (「深城」「宝城」艦戦隊) 艦戦飛行隊長  武藤金義 笹井醇一 岩本徹三

航空母艦「玄鶴」 (「深城」「宝城」艦爆隊) 艦爆飛行隊長  牧野三郎 小林道雄

航空母艦「玄鶴」 (「深城」「宝城」艦攻隊) 艦攻飛行隊長  北島一郎 友永丈市

 

 

テレビは記者からの質疑応答の時間となった。

 

首相官邸 記者会見室

 

記者

日本海援日報(にほんかいえんにっぽう)です。政府としては今回の宣戦布告と戦闘に「聯合航空機動艦隊」に対してどのような対応を取られるのでしょうか?」

大高

「政府としては、同艦隊からの接触が無いため何とも言えませんが、聯合航空機動艦隊が我が方に何かしらの要求をする場合は、交渉を行う予定であります。」

記者

富士ノ山全国通信社(ふじのやまぜんこくつうしんしゃ)です。発表した情報には、従来の飛行船では考えられない程の高速で飛び回る鳥型の飛行機械が、命令無視をした「すみれ」並びに派遣艦隊に対して攻撃を行い「すみれ」を大破炎上、旗艦「やまと」以下全ての艦艇を中破させたと記載されていましたが、事実でしょうか?」

大高

「事実であります。鳥型飛行機械が命令無視、宣戦布告、無許可先制発砲を行った「すみれ」に攻撃を行い魚雷5本と爆弾5発を命中させ同艦を大破炎上、他後方の調査派遣艦隊にも攻撃を行い、旗艦の「やまと」は両舷に魚雷計13発、損傷具合から恐らく500kg以上の大型爆弾10発以上を被弾した他の艦艇にも被害が出ており乗員は多数の重傷者を出しましたが、幸いなことに死者は出ておりません。」

記者

全国日本発信社(ぜんこくにほんはっしんしゃ)です。「ふち」並びに派遣艦隊への宣戦布告、攻撃に対して政府の見解は?」

大高

「「ふち」並びに派遣艦隊への攻撃は、正当な物であったと考えております。「ふち」の艦長は規定書に有る事前警告を行わず、独自の未承認の作戦を独断で実行し、聯合航空機動艦隊所属の「ながと型大型教育艦」に酷似した戦艦に対して墳進魚雷を発射しており、聯合航空機動艦隊からの攻撃は反撃・報復攻撃の意味合いがあると考えております。」

記者

九州日報紙(きゅうしゅうにっぽうし)です。聯合航空機動艦隊の今後の行動についての情報は?」

大高

「ありません。派遣艦隊への攻撃中に進路を変え、行方が分からなくなっております。」

記者

北海道電波通信社(ほっかいどうでんぱつうしんしゃ)です。聯合航空機動艦隊が1945年に解体された「大日本帝国海軍」を名乗っていると言うのは事実ですか?」

大高

「事実であります。聯合航空機動艦隊は「大日本帝国海軍、聯合航空機動艦隊」と名乗っております。現在、過去の機密資料を含めた全資料を調査しておりますが、該当する資料は現在確認されておりません。また、再建された海軍とは無関係であります。」

記者

毎朝新聞社(まいちょうしんぶんしゃ)です。聯合航空機動艦隊はどの程度の損害を受けたのでしょうか?」

大高

「ありません。」

記者達

「「「「…は?」」」」

大高

 

「聯合航空機動艦隊の損害は皆無であります。また「すみれ」そして派遣艦隊を攻撃した鳥型飛行機械に対して反撃を行うも、我が方は同機を1機も撃墜できておりません。」

 

記者達

「「「「えぇぇーーー!!!」」」」

 

記者達の驚きの声が上がり、フラッシュが焚かれる。

 

 

聯合航空機動艦隊 総旗艦「瑞鶴」 会議室

 

大高

『もしも、我々の言葉を信じて再び会談を開いていただけるのであれ、伝令筒を投入して頂きたい。』

司会役

『これで会見を終了します。』

記者A

『総理!もう一つ質問を!』

記者B

『総理!』

 

小型テレビで会見を見ていた零は会見が終わると、テレビの電源を切り今後の方針について話を始めた。

現在、聯合航空機動艦隊は航路を大幅に変更し航空隊の収容後、艦隊をマリアナ諸島マウグ諸島方面に完全な無線封止のまま移動させ同地に到着後は仮泊地とする予定を立てていた。

 

「大変な事になったな。」

山口

「うむ、此処が異世界かもしれない可能性が上がったな。」

小沢

「そうですな。長官、これはかなりの一大事です。事を誤れば…」

 

会議室は何時にもまして張り詰めた空気が流れていた。

 

山口

「して長官、どうする?呉か横須賀辺りに奇襲でも仕掛けますか?」

「いや、流石にやり過ぎだ。大和型を中破させたんだ、それでよかろう。」

小沢

「そうですね。我々の方でも海軍の象徴たる大和型が一方的にやられて何の戦果も無く帰って来た。これだけでも彼方側には十分過ぎる衝撃を与えれたでしょう。では、今後の方針はどうしますか?後方の補給がないので、補給艦の物資で食い繋いで居ますけど。」

「太平洋を無補給で横断するため、過積載ギリギリまで載せているだろ?最悪半年は持つと思うが。」

小沢

「そうですね。水は濾過装置で精製、食事関連は魚で代用するにも油や弾薬の類は使った分だけ減りますし、何より補給艦以外の艦艇がガタが来ており老体に鞭を打って動かしていますから。」

「それについては、実は喜ばしい報告がある。」

山口

「喜ばしい?」

小沢

「報告?ですか。それはいったい?」

 

会議室に居た全員が零を見る。

 

「応急対策班が点検したところ、艦が新造同然の状態になっていた。」

山口

「新造同然?どいう事ですかな?」

「うむ、聯合航空機動艦隊所属の全艦艇が今まさに竣工したかの様に見間違えるほど綺麗になっている。艦の塗装以外の各種設備に火砲や艦載機に至っては納品直後かと思えるほどだったらしい。」

 

聯合航空機動艦隊所属の艦艇は既に50年以上使われておりこの無補給横断訓練が終了すると各自、スクラップか記念艦や友邦国への譲渡が予定されていた。

そんな艦艇群がいつの間にか竣工したての様な状態へとなっていた。

 

「錆や汚れだらけの船体だが、内側は新品同然。機関室に至っては機関長が大喜びしていたようだよ。」カチンッ

 

そう言いながらポケットから愛用の銘柄のタバコを一本取り出して口に咥えるとタバコの先端に火を付ける。

 

フゥー「さて今後の方針だが。」

 

一息付くと今後の方針に付いて話し始めた。

 

「何より我々は、この世界に関する情報が一切ない。ジザの言う通り補給が無いのは確かに痛いが、明日明後日の話では無い。よって本日より5日間は情報収集に徹する。衛星と繋がらない以上、我が艦隊に搭載してある無線機による民間放送の受信のみに限るが、それでも可能な限りの情報を集めるように。それと、全艦に無線封止と可能な限りの偽装を施すように通達。以上。」

山口・小沢・他士官妖精

「「「はっ!」」」

 

その日より、大型艦では無線機による民間放送の受信が行われ、可能な限りの情報収集を始めた。2日後の早朝にマグア諸島に到着すると同地に投錨し停泊。そして甲板ではあまり効果がありそうではないが、草木で偽装を始めた。また、第二護衛航空艦隊を分割・臨時編成を行い北・中部太平洋へ進路偽装のため向かわせた。道中民間の貨物船や旅客船に見つかった時は北や東へ退避するように徹底していた。

 

民間船より通報を受けた海上安全整備局は直ぐさま付近の警備艦を急行させるも航空隊の偵察機に発見されており、追いつかれる前に退避したため収穫は一切なく以降は北、中部太平洋に意味の無い警戒網を構築した。

 

 

そして時系列は少し遡り、記者会見を終えた日の夜、日本国首相、大高弥三郎の姿は都内の料亭にあった。

 

料亭 神樂(かぐら)

 

料亭の一室には内閣総理大臣の大高を始めとして転生者たちが集まっていた

 

大高

「初めに聞きたいのですが、米内大臣。かの空母に見覚えはないのですね?」

米内

「はい。写真や映像からの距離測定で翔鶴型航空母艦に近い空母である事は分かりましたが艦橋、飛行甲板形状、艦数、が異なっており完全な同型艦とは言えません。我々は翔鶴型航空母艦の改良型、仮称改翔鶴型航空母艦と私は呼称しています。」

 

大高の質問に答える米内。

 

大高

「という事は、前世日本ではなく別世界の帝国海軍艦隊であると言う事ですかな?」

米内

「はい、前世に空母翔鶴と瑞鶴の2空母で編成された第五航空戦隊はありましたが、聯合航空機動艦隊なるものは存在しておりません。前世の編成から考えるに1戦隊に空母が2隻と考え、2戦隊で1艦隊、やまとの映像に映っていた雲龍型くらいの中型空母の存在が少なくとも3~4隻確認されておりますので、恐らく正規空母が8~10隻他、長門型擬き4隻、他巡洋艦、駆逐艦が多数、そして洋上補給用の補給艦が編成されていると考えるべきでしょう。」

大高

「正規空母が8隻以上…もし仮に件の艦隊の航空隊が横須賀や呉に大挙してきた場合は…

米内

「前世の1941年12月8日の真珠湾の様になりかねません。」

参加者

「「「………」」」

 

参加者全員の気が引き締まる。その後も会議は続き日付が変わってもなお続けられた。

 

翌日、陸軍・ホワイトドルフィン・ブルーマーメイドに内閣より通達が発せられ、先制の禁止と防衛に専念せよとする内容の文書が配布された。

 

ホワイトドルフィン・ブルーマーメイドは北、中部太平洋上での発見以降、万全な警戒網を構築するも初日の通報以降、めっきり通報は来ず、連日の哨戒にも何の成果も無かった。

 

 

此処で時系列は聯合艦隊がマグア諸島に到達してから更に2日後に移る。

 

聯合艦隊は情報を収集し、分析した結果以下の事が判明した。

 

・この世界は別世界である。

・日本は日露戦争後、日米開戦一歩手前まで発展するも、講和により事なきを得る。

・欧州は第一次世界大戦に匹敵するほどの動乱があった。

・日本陸軍は大陸で史実ではなかった大攻勢で相討ちとなり壊滅、その結果、大陸から撤退し発言力が低下。

・海軍は解体され女性のみで構成された国際機関「ブルーマーメイド」と男性のみの「ホワイトドルフィン」が日本の海上防衛を行なっているが、近日対外勢力からの防衛の為に海軍が再建された。

・航空機が誕生せず飛行船が発達した。

・旧海軍艦艇が海上安全整備局傘下の海洋女子学園にて教育艦として配備されている。

・大陸における権益を喪失し、本土の地下資源採掘に舵を切り、日本本土の大半が地盤沈下を起こし沿岸地域は軒並み水没し、巨大フロート上に都市を建設、巨大海上都市となっている。

 

此処までの情報収集が完了した上で、零は遂に決断する。

 

「彩雲改の往復航続距離ギリギリまで日本本土に接近し、伝令筒を国会議事堂前に投下する。誰か、紙とペンを持って来てくれ。」

士官妖精

「はっ!」

 

士官妖精が紙とペンを取りに行く。そして日の夜、日が落ち暗闇に紛れた「龍鳳」以下重巡1隻、軽巡1隻、駆逐艦4隻の艦隊がマグア諸島を出撃、3日後には彩雲改の往復航続距離ギリギリまで日本本土へと近づいた「龍鳳」の飛行甲板では彩雲が発艦体制を整えていた。

 

「龍鳳」飛行甲板

 

淵田美津雄

「それでは行ってくる。」

 

彩雲改のパイロットには航空参謀の淵田美津雄が志願し、零はこれを承認した。

 

士官妖精

『発艦用意!』

 

飛行甲板に埋め込まれた照明が発光する。漆黒の洋上に明々と照明で照らされる「龍鳳」の飛行甲板では一機の彩雲改がエンジンを回転させ発艦の合間を飛行甲板の後方で待っていた。

 

士官妖精

「帽振れー!」

 

士官妖精を合図に甲板、艦橋要員が帽子を振る。ターボプロップエンジンの爆音を響かせながら、一機の彩雲改が暗闇へ飛び立った。高度8.000mを維持し、可能な限り燃料の温存に努め、数時間後には朝日が昇り辺りを明るく照らす。

*1
第五航空機動艦隊司令長官も兼任




次回、第7話【再交渉と再接触】

連合艦隊に新たに潜水艦隊を追加するならどの艦にするか?(うp主の趣味によりどの艦を選んでも船体は葉巻型になる模様。)

  • [たいげい型]
  • [そうりゅう型]
  • [おやしお型]
  • [はるしお型]
  • [ゆうしお型]
  • そんな事より、次回作はまだなのか!?
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