バカ強スペックの沙条愛歌になったので、可愛さ布教します   作:だっちゃまん

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評価ありがと!!
誤字報告も助かってます…!


不穏な少女

 

「二週間ぶりの外…やっと着いたぁ〜」

 

「被害者出なくてほんとに良かったっス…」

 

快晴の空の下、陽光を浴びてバベルの入口から姿を現したのは、団体規模の少年少女たちだった。中には老齢の戦士から妙齢のエルフまで、多岐に渡る彼の集団は『ロキ・ファミリア』。

 

迷宮都市オラリオにおいて、『フレイヤ・ファミリア』と双翼を成す都市最強の一角。ティオナは光を求めるように両手を伸ばして、体を解す。全身やつれた細った男ラウルはボロボロになりながらも、生きて帰還出来たことに涙を浮かべて喜びを顕にしていた。

 

しかし、地上に無事帰還出来たことに喜んでばかりはいられない。神妙な趣で先頭を歩くフィンは、帰還の喜び以上に"あの少女"の事が脳裏から離れなかった。フィンらしからぬ没入具合に一歩後ろを歩くリヴェリアは溜息を吐いて、フィンの横に行くと肩に手を置いた。

 

「フィン、あまり思い詰めるな。らしくないぞ」

 

「そうじゃ、お主はもっと胸を張って堂々としとれ」

 

空いた左に来たのはフィン同様の体格差でありながらその身に宿すオーラは勇者と同格──ドワーフの老戦士、ガレスは幾つも出来た皺を深く刻んで、笑みを浮かべた。

 

二人の言葉に気負っていた気持ちを落ち着かせ、一度ふぅ…と息を吐く。

 

「…そうだね、すまない」

 

フィンの目には不安はない。いつもの彼がそこにいる。その事に二人は安心しつつも、彼の気負う気持ちは痛いほどに理解しており、今も尚ファミリア内の空気は少し重い。本来ならばもっと賑やかで、笑い声すら飛び交っていてもおかしくはない場面。

 

けれど、今は──誰もが言葉を探していた。それは彼女たちとて例外では無い。ティオネやレフィーヤ等のメンツが喜びを分かちあって騒いでいるはずが、今日は比較的大人しいのだ。

 

その理由もまた、フィン同様に少女のことだろうと推測がつく。人や建物が雑多に並び、あるいは行き交う道を抜けて、時間が静かに過ぎていく。

 

そんな中──ふと、空気を和らげるように、ティオナが思わず口を開いた。

 

「やっと帰ってきたぁ…!」

 

その声で、一同は帰還できた実感を得て静かだった彼等の話し声がぽつぽつと聴こえてくる。ようやく心の重荷が軽くなったんだろう…と、リヴェリアは胸を撫で下ろしてロキ・ファミリアの本拠点『黄昏の館』の門をくぐった。

 

「おおぉぉぉー!!!」

 

その第一声で、フィンは察して。

 

「かぁぁぁぁぁー!!!」

 

第二声でガレスは無言で溜息を吐いて。

 

「えぇぇぇぇぇー!!!」

 

第三声でリヴェリアは、やれやれ…と首を振った。

 

そのまま団体の中に突っ込み、闘牛の如く突進してくる女性からの攻撃をひらりと横に移動して避けたアイズ達の後ろで、状況に追いついていないエルフの少女──レフィーヤは困惑気味の声を漏らして、女性の抱擁の餌食となった。

 

「きゃぁぁぁ!!!」

 

「みんな無事かぁー!!!寂しかったでー!!!」

 

 

その後、一通りの騒動を経て、他の団員たちは荷物整理などの雑務に戻り、幹部たちが先に入浴している最中。ロキ・ファミリアの主神たるロキの部屋にフィン、ガレス、リヴェリアの三人がソファーに腰掛けていた。

 

先程まで、ふざけにふざけ合って親父臭いと皆に思われていたロキからおふざけのオーラは完全に消え失せて、三人を見据えた。それもそのはず。ロキの恒例行事を終えた直後に、フィンが「緊急の要件がある」と切り出したのだ。

 

その真剣さに、ロキは表情を引き締めて迎え入れたのだ。

 

「──それで、要件っちゅーのは?何があったんや?」

 

対面するロキは膝を立てて崩した体勢で問い掛ける。フィンは少しだけ息を吸うと、重く告げた。

 

「少し荒唐無稽な事を言うよ。49階層の大荒野で、フォモールの軍勢をたった独りで制圧し、一瞬で距離を詰める魔法にてアイズの背後を取った少女と出会ったんだ」

 

「……え?」

 

「その少女は、アイズの剣を素手で防いだ」

 

「…えっ!??ホンマ!?」

 

飄々とした態度から一変して、口をあんぐりと開けたロキは三人の顔を何度も確認を取るように見渡して、目元を二度、三度拭った。挙句の果てには、自身の頭を殴って「夢なんか…?」とつぶやくロキにフィンはトドメを刺す。

 

「…事実だ。ロキがそれを一番分かっているはずだよ」

 

「…え、ちょっと待ち。ほ、ホンマかいな?」

 

神は嘘を見抜ける、だからこそフィンが嘘をついていないのがわかってしまう。それでも、ロキは困惑を通り越して縋るようにガレス、リヴェリアの表情を伺った。しかし、返ってきたのは無言の肯定と重苦しい空気。崩していた足を地面に置いて、上体だけを起こして、フィンへと向けた。

 

「何もん…なんや?」

 

「僕にも分からない」

 

「一方的だったからな。私の方から詳細に語らせてくれ」

 

そうして、ロキは座り直してリヴェリアの口から直接順を追って説明を聞くことになった。ただでさえ、現実を上手く受け止めきれてないロキの心は更に抉れていくこととなった。

 

原因不明の地震の辺りから雲行きが怪しくなって…フォモールを素手で制圧に行く頃には「ほ、ほんまに人間なんか…?」と思わず声に出していた。一瞬で移動する魔法に改めて驚いたかと思えば、アイズの背後を取って剣を指で挟んだと聞いた瞬間、ロキは「マジか……」なんてリアルにショックを受けていた。

 

そして、説明を受けていく度…その顔は百面相の如く表情を変えて、説明が終わる頃には机に肘をついて頭を抱え出した。

 

「…悪夢か?アイズたんの剣を……受け止めたって……」

 

やはり、フォモールの事よりもアイズの剣を指で防いだことが一番の衝撃だったようだ。

 

──アイズ・ヴァレンシュタイン。迷宮都市オラリオで第一級冒険者として『剣姫』の名で活躍する彼女の実力は名実ともにオラリオ最高峰。こと、剣の扱いに限って云えば都市最強クラスと云っても過言ではない。

 

それを、ロキ・ファミリアは間近で見てきたのだ。何年もずっと…ロキを筆頭にフィン、ガレス、リヴェリアの首脳陣は幼き頃から強さを知っている。だからこそ、その驚きと衝撃は他の団員よりも大きかった。

 

「ロキ。リヴェリアが伝えた特徴の少女は──覚えがあるかい?」

 

机に肘を立てて、指を組む。フィンの目が鋭く光ったのに反してロキは考える素振りを見せて、首を横に振った。

 

「……知らんな」

 

「──僕が言いたいこと、分かるかな」

 

「危険因子…そう言いたいんやろ?」

 

「闇派閥の可能性も視野に入れてるけど……それこそ特徴が聞いたことも無い。オラリオ外からの来訪者だとしても……あの強さだ、無名なはずが無い。どこかで噂になっていてもおかしくはないはず」

 

そう決めつけるのは実に早計だ。けれど今は、仮に最悪の事態を想定するのが指揮官としての責務だった

フィンとて、あらゆる情報を慎重に吟味した上で真否の判断を行ってきた。しかし、断片的かつ、圧倒的に足りないパズルのピースに頭を悩ませている現状では、そう判断せざる負えなかった。

 

別に冷静さを忘れているわけじゃない。ロキ・ファミリアの団長として『必要な覚悟』なのだ。万が一、あの力が自分達に牙を剥いたとしたら、相応の代償はもちろんの事、ロキ・ファミリアと云えど壊滅的な被害は免れないだろう。

 

「──ギルドに、一度行っとこか」

 

少し間を空けてから立ち上がるロキの背に、重い空気がまとわりついていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボールスちゃん、素材持ってきたよ」

 

「……ちっ、やっぱ戻ってきたか」

 

「喜んでくださいよ、せっかくの美少女なのに」

 

「…うるせぇ、バケモンが」

 

吐き捨てるように俺を睨むボールス枢機卿は機嫌が悪そうに俺の事を出迎えてくれた。口ではなんだかんだ言ってても、リヴィラの街の入口付近で立っていたことは素直に嬉しかった。

 

帰ってこないって安心感を自分の目で見て感じたかったのかもしれないし…もしかしたら、心配で立っていたのかもしれな……いや、ないな。真相は定かじゃないけど、それでも此処に居てくれたのは本当に嬉しい。

 

やっぱり、枢機卿にして良かったぜ畜生め。

 

───俺のすべきこと、それは布教活動の再開だ。原作の展開をなぞるが、その発生状況や状態が原作に寄せるために無理なバグとして現れるのが、俺が世界に与えた影響。

 

そして、未来視によって見えた未来は真っ黒な世界、それを意味するのは世界の破滅なんかでは無くて、力の制限。要は俺と云うガワが『推しの力』の全てを完璧に扱えない、一部制約が課されている影響で未来が視えなかったと根源ちゃんから教えてもらった。

 

じゃあ、何が出来るかと言えば。

 

世界改変───それは出来る。

 

魔法の行使───勿論可能だ。

 

他にも、空間移動や空間収納、全属性魔術の行使など。沙条愛歌の力の大多数は扱えるが、どうしてか未来を視るや未来を変えるなどの力が蓋をされてるように、使えないんだ。

 

話は戻して、俺の影響がモロに出るのは原作のイベント時のみ……だろう。と云うのが、俺の推測だ。勿論確証もないし正確性なんてものもない、完全な憶測。警戒はするし、なるべく根源と繋がった状態を保つ必要がある…当初の予定がだいぶ逸れたな。

 

「じゃあ、渡したから今月ぐらいは居れそうかな?」

 

「……今月どころか、当分は───はぁ、余裕だ」

 

「やったっ」

 

それに、視えない未来の定義が『24時間以上先の未来』って定義されてるから、それまでの期間なら根源が未来をある程度読むことが出来る。だから、あの時原作開始の瞬間を教えてくれたようだ、もし24時間以上後だったら根源でも答えられなかったらしいし。

 

なので、原作のイベントが起こるまでは布教活動を行っていても大丈夫って結論に落ち着いたのですよ。

 

「よし、それじゃ街中に愛の教えを広めに行きますかね〜」

 

そう言いながら、俺は空間収納から取り出した"沙条愛歌印の聖書モドキ"と、ポスターとチラシの束を抱えて街へと繰り出す。

街角の掲示板。酒場の前。ちょっとした広場の石壁。ポスターを配っては不審者扱いされ──でも、誰も止めようとしない。

 

「……やっぱりボールスを枢機卿にしたのが効いてる?」

 

我ながら凄いことに気づいてしまった。やはり、トップを従えたお陰で"なんかすごいヤツ"認定されて、リヴィラ住民に定着し始めているようだ。まだ一日しか経っていないと言うのに。

 

流石は我が推し!!やはり、神だ。いや、女神だ───ほぼ同じ意味か。

 

てか、今の俺……最高にシスターしてない?やっぱ推しの伝道者として狂った信仰心と地で往く清楚感は大事なんだなと心の底から思いました!!!

 

暇そうにしてたら、ボールス枢機卿もお手伝いさせなきゃ。

 

「ボールスちゃん! 今日からあなたも一日一善、布教活動の誓いを──」

 

「断るっつってんだろバカ! 誰が付き合うか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド本部──その一室。リヴィラの街に赴こうと段取りを整えていた私、エイナ・チュールの耳に、控え室越しの重たい足音が届いた。数は凡そ四、いや、五人。一瞬、警戒心が走る。けれど、扉越しに聞こえた声で、その正体はすぐに判明した。

 

「久しぶりやね、ロイマン。いや"ギルド長"って呼ぶべきかいな?」

 

──ロキ。ロキ・ファミリアの主神。

 

同時に、控え室の向こう側には、あの英雄団の中心人物たち──リヴェリア・リヨス・アールヴ、ガレス・ランドロック、そして団長のフィン・ディムナの声も混じっていた。

 

どうして、このタイミングで……?思わず手に持った紙を置き、控え室の扉に耳を寄せる。

 

「──それで、貴女方がこうして揃って来るとは、珍しいですな」

 

ロイマンの落ち着いた声に、ロキがため息交じりに続けた。

 

「リヴェリアの子が言ってた少女──気になっとってな。そっちもなにか情報がないか、共有をしてもらいたいんよ」

 

「……少女?」

 

私はその単語にピクリと反応する。それは、先程までベルに問い質していた脳裏に特徴の羅列が浮かんだ。

 

「髪は黄白色、瞳は……オッドアイの黄金と碧。そんで、消える魔法を使い、うちのアイズたんの剣を素手で止めよったほどの実力者や。でも、その子を誰も知らへん。オラリオ外から来たとしたら、少なくとも有名でないとおかしい──せやろ?」

 

「……闇派閥の残党、あるいはその再編成かもしれんと睨んでいる」

 

「……なるほど、其方も同じものを抱えておりましたか」

 

「何か知っているのかい?」

 

「知っている訳ではありません。ただ、先の特徴と合致する報告を数時間前に受け取りましてな……もし、その話通りであれば都市外から来た可能性を考慮しても、どこかで名前が知られていて然るべきでしょう」

 

ロイマンが表情を変えて、重々しくうなずく。場の空気は、静かながらも張り詰めていた。

 

──その瞬間、エイナの頭の中で、誰かの声が重なった。

 

──「黄白色の髪で、左右非対称の目の青いスカートを履いた女の子」

 

そう。ベルが語っていた少女。彼が偶然出会い、すっかりその姿に圧倒されたという謎の人物。その特徴が、今まさに話題に上がっている"正体不明の危険因子"と完全に一致していた。

 

まさかと思い、それでも手がかりとなるのなら。胸の奥に、期待感が生まれた。彼のロキ・ファミリアとベルの証言が一致したのなら……ギルド側も黙っているわけにはいかなくなる。

 

だったら、行かない理由は無い。

 

──コンッ。

 

ノックもせずに開いた扉に、首脳陣が驚いたように目を向ける。そこに立っていたのは、慌てたように、それでも真剣な目で彼らを見据えるエイナだった。

 

「その……その話、私も知っています!」

 

ロキが眉を上げ、リヴェリアが椅子から体を起こす。

 

「……なんや、どういうことや?」

 

「私が担当する冒険者から聞きました。2階層で、強い女の子と出会ったと──。その報告を上げたのも、私です」

 

「……詳しく教えてもらえるかな?」

 

フィンの目が鋭くなる。エイナは小さく息を吐き、資料の束を手に前へ出た。

 

「その少女を、追ってリヴィラに向かう予定でした。ですから、情報を共有させてください。ギルドとしても、見過ごせない事案です」

 

そう言ってエイナはロイマンに視線を向けた。ロイマンは数秒ほど考える素振りを見せた後、堪忍したように静かに頷いた。

 

「…わかった、君の出席も許可しよう」

 

「───ふぅん。やっぱ、これはただの偶然じゃ済まへんやろなぁ」

 

ロキの笑みは、警戒と好奇の入り混じった複雑なもの。エイナはロイマンの隣に座り、前を見据える。そして話したのはベルから語られた2階層での一部始終であり、リヴェリア達が接触した彼女の存在を更に裏付ける内容の数々だった。

 

「以上が、私の知る情報になります」と、説明を終えたエイナは無意識に強めていた肩の力を抜いて、背中に流れる汗を自覚する。無音となった空間、エイナの話を聞いた一同はどこか思索する気配を滲ませて───ガレスが静寂を破った。

 

「殆ど、同じじゃろう」

 

ガレスは低く唸り、ロキは口をすぼめて窓を見遣った。

 

「厄介なもんが来よってからに…けど、こうして情報が繋がったのは収穫や」

 

改めてロイマンとエイナに顔を向けると、ロキは立ち上がって肩を鳴らす。その表情には、彼女を悪神たらしめる威厳を湛えて思考を巡らせた。

 

 

「ソイツはリヴィラの街にいる可能性が高いんやろ?うじうじと待っとるのは性に合わへん、こっちから出迎えしたる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴィラの街中、昼も過ぎた時間帯。俺は今日も元気に布教活動である。隣で死んでいるボールス枢機卿も混じって。

 

「はい、こちら愛の啓示が記された一冊───無料です。読んだら魂の清らかさが段違い!」

 

チラシ配りは順調(※一部では警戒されているが、もはや慣れた)。掲示板の前には、沙条愛歌印のポスターも既に二枚ほど貼られており、住人たちの視線を微妙に感じる。

 

──でも、いいんだ。俺は孤独じゃない。推しが一緒だからな。あとボールスちゃんもいる。

 

隣からすっごい睨まれてる気がするけど。

 

しかし、なんか胸騒ぎするんだよなぁなんでだろ。なぁ、根源ちゃん。なんかイベント始まった?──そう思いかけた時、街の入り口側から、強い気配が一気に近づいてきた。

 

そして、時を同じくして根源から情報が流れ込む。

 

「……あん?なぜロキ・ファミリアが此方来てんだ?」

 

ボールスの声と共に、視線を向けると、先頭を歩くのはあのロキ・ファミリアの面々──見間違えようがない。リヴェリア、ガレス、フィン。そして、ベート、アイズ、ティオナ&ティオネ。計七人の幹部クラスの背後で、少し遅れて歩いてくるのは……ギルドの制服を着たエルフの女性。

 

彼女の視線が、こちらを鋭く捉える。

 

────え、なんで居んの????

 

俺の中に警戒心が走る。だが、すぐにそれは別の感情に押し流された。──視線が、ぶつかった。

 

「……あっ」

 

小さく、声が漏れた。向こうも気づいたらしい。ギルド員の女性──エイナの表情が、一瞬で変わる。驚き、困惑、そしてなにかを決意するような眼差しに。

 

その瞬間、フィン達と視線が合う。

 

「…彼女だ、間違いない」

 

リヴェリアがそう云うと、全員が警戒を滲ませて身構えた。アイズだけはあわあわと忙しなく、呼応するようにフィンの眼光が研ぎ澄まされる。そんな中、俺は一歩も動かなかった。ただ、静かに彼らを迎え入れる。少しだけ笑って──ほとんど、無意識に。

 

「……また、会いましたね。ご機嫌麗しゅう、皆さん──って、言っても通じるかしらね?」

 

沙条愛歌の優雅な微笑みを真似て、俺は推しの伝道師としての"顔"を作った。

 

 

 

 





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