双星方舟〜ラズハ・シップ〜   作:青瑠璃

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 とりあえずサンドレコナーにはいくつか遊園地の話をしてみたが、彼はあまり表情が動かないし、なぜそんなことを聞いたのかよく分からないまま執務室を出て行った。サンドレコナーは遊園地に興味があるのだろうか? と考え込んでいると、もう一人の人物が執務室に入ってきた。レオンハルトだ。

「やぁ、レオンハルト……」

「ねぇねぇ、ドクターが小さくなっていたってほんと?」

 入って早々そんな質問をするのかい、と私はツッコミたくはなったが嘘をつく理由もないので正直に答えた。

「本当だよ。ブルーグラスの試作品を飲んでしまってね……」

「えー、小さくなったドクター見たかったなぁ」

 とレオンハルトは本当に残念がるように言った。小さくなった私にそんなに需要があったとは考えにくいのだが、君にだけは会わなくて良かったとか思ってしまう。レオンハルトだったら、多分私は着せ替え人形となっていただろう。

「そんなことより、現地の方はどうだった?」

 私はレオンハルトがデスクに置いてくれた書類に目を通す。頼んで置いた通り、レオンハルトは嵐の天災跡地を中心に見に行ってくれたようだ。

「特に変わったことはなかったよ。前みたいに、誰かが廃棄されていることもなかった」とレオンハルトは話す。「だけど気になることがあってね〜、聞きたい? ドクター」

「勿体ぶらないで話してくれよ……」

 私は少し困ったように言ってみせるが、レオンハルトの爽やかな笑顔がこんなことで崩れた試しがない。レオンハルトは私とのお喋りを楽しむ傾向があるのだ。

「ここには書いて置いたんだけど、同じような形の石がどの天災跡地でもあったんだよね。なんの変哲もない石なんだけど、少なくとも俺の術攻撃を吸収するからさ、なんだろうなって思って」

「術攻撃を吸収する?」

 そんな石があるとは聞いたことがない。まさか源石か何かなのではと思うが、一瞬にして宝石かどうかを見抜けるレオンハルトに、源石だったと言わないのがますます怪しい。

「他の天災跡地にはないのに、嵐の天災跡地には大体あったんだよねぇ。あ、ないところは一つもないんだけどね?」とレオンハルトは石について書いている欄を指差した。「石のことはここに書いたから、あとでゆっくり読んで置いて? 石については、クロージャのところに持って行ったから、何か分かるかもね」

「必要なら、ブルーグラスの研究室で解析してもらってもいいかもな……」

 ブルーグラスがラズハに来てくれたおかげで、開発や研究系統が大いに発展していた。ブルー生命体を作ったのはブルーグラスただ一人であるが、昔のよしみやらどこからかトイフェルが調達した一部のサンプルから、様々な分野の研究者や有名な研究者と同じ人間をコピーした者も多くいたのである。

「指紋だけでコピーした人間もいるよ。流石にロドスの人間まではコピーしなかったが」

 とブルーグラスから聞いた時はゾッとしたものだ。

 それは、ロドスの人間も誰かしらコピーは可能だったということであって。

 ついでにイネスの話も聞いてみたが、イネスがロドスの人間だったとは知らなかったとのことで、もしかしたらイネスのブルー生命体はいるかもしれないとのことだった。帰艦する度に項のマークには気をつけて見ろと言われたが、身内を疑うのは精神的にキツイものである。

「その石について心当たりがあるわ」

 と私が思い出していたところにイネスが執務室にやって来た。イネスの項にトイフェルのマークがないか確認しようとしたが、それより距離が近過ぎよ、と逆に警戒されてしまった。

「石について何か知っているのかい?」

 ととりあえずここに来た理由を私が訊くと、イネスは答えた。

「ええ。前にヘドリーと奇妙な儀式を行うサルカズたちの話を聞いたことがあってね。そこに術攻撃を吸収する石がゴロゴロとあったのよ」

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