翌日。
朝の食堂には、仲良し親子三人の姿があった。
レオンハルトとネイルとロープ。三人が並んで朝食を取っていたのだ。
「母さん、栄養失調なんだからこれ食べなよ」
「えー、それちょっと苦いし……」
「じゃあ俺がもらってもいい?」
「あ、甘やかしたらダメだよ!?」
突然の父親の登場となったが、ネイルはそれなりに馴染んでいるみたいだった。
「あの三人、あんなに仲良しなんだな」
彼らを遠巻きで眺めていたマホガニーが呟き、ツルギは私を見上げた。
「パパとママもあんな感じだった?」
とツルギは聞いた。
私は、ソーンズとレッドがいつもロドス中で腕を絡めて歩いていたのを思い出した。あの時は、二人が付き合っているなんて大ニュースだったが、マホガニーとツルギがネイルと同じくらいだったら、そんな会話もしていたかもしれない。
「そうかもね」
そうしてラズハには、ロープ親子が仲間入りした。着実に力を蓄えているラズハの、次の行き先はどこだろうか。私は朝食を素早く済ませて航行先を確認しに立ち上がった。
「ふぅん……このラズハが力をつけてロドス奪還を目指しているのは分かったけど」
その後。私とケルシーとクロージャだけで行っていた会議に、レオンハルトが参加するようになっていた。
彼はただの陽キャというだけでなく、かなり頭も切れるタイプなのだ。それに、天災トランスポーターとして活動していたはずなので、どこかラズハに協力してくれそうなところはないかと情報共有を求めていたところだ。
「一気に大人数の軍隊を受け入れるのは難しいだろうね。実績はあるみたいだけど、テラから見たらよく知らない医療団体ってところだし」とレオンハルトはズバリと言った。「これは俺の個人的な情報なんだけど、一つ気になる人がいてさ」
「気になる人?」
これは私だ。
「そ。エアースの子どももいて、俺の子どももいる。ってことは、他にもロドスにいたオペレーターの誰かにも子どもがいそうじゃない?」とレオンハルトは話し続ける。「そこでこの前思い出したんだけどさ、あるそこそこ賑やかな街の一角に、面白そうな人がいるんだよね〜」
「面白そうな人というだけでラズハに受け入れられるはずないだろう」
と言ったのはケルシーだ。ケルシーがお気楽口調に苛立ちの様子を隠さないのは何もレオンハルトだけではない。だがレオンハルトは、いつも通りだった。
「それがさ、スラム街で商人をやっている顔の怖〜いお兄さんがいるらしくて。スラムの街を牛耳ってるって隣の隣の町の人も知ってるくらいなんだよ」
「顔の怖いロドスのオペレーターならいっぱいいるよね〜」
同じくお気楽口調なクロージャがそう言って話を広げ始める。ケルシーの眉間から皺は消えないが、レオンハルトはますます話を続けた。
「その名前も、子連れの商人! 街を牛耳っている子連れって、なんだか怖そうで怖くなさそうだよね。ね? ドクターなら会ってみたくなるよね?」
ここで私に話を振るのか。私は受け答えに困った。
「えーっと……」
「目的地は他にもあるが、場所によっては立ち寄ってもいいだろう。それはどこにあるんだ?」
私が答える暇もなく、ケルシーが話を繋げた。私がこの会議にいる必要があるだろうか……?