プラマニクスがラズハに来るのは色々な手続きをしてからとのことで、私はマホガニーとツルギを連れて帰路を辿っていた。
そのままラズハに帰るのも惜しいだろうと、マホガニーとツルギが雪で遊んでいるのを眺めながら、イェラグを改めて見渡した。
雪が降り積もる街は賑やかさはあるものの静かで、厳かなようにも見えた。雪が音を吸収しているのだ。そばにいるマホガニーとツルギの笑い声だけが響いた。
やがて日も暮れて帰ろうかという話になった時、事態は急変した。
「ドクター、待って」
なんでも先を歩きたがるマホガニーが、緊迫した声で放った。
マホガニーの両耳が横に倒れ、周りの音を一つも聞き逃さないようにしているみたいだ。見るとツルギも警戒体勢に入っている。私は二人の次の行動を待った……。
と真っ白な雪原に黒い影が複数見えた。
「空からだ!」
私は声を上げる。反応はツルギの方が早かった。
「斬る!」
ツルギは上空からの奇襲者に飛びかかり、複数人の武装した者たちを雪原に叩き落とした。
「おらよっ!」
そこに大きな武器を振りかざしたマホガニーが奇襲者たちを一蹴していく。だが上空からの奇襲者たちはそれだけではなかった。
そして狙いは、双子たちではないということも。
「「ドクター!!」」
私は反応出来なかった。目の前から迫る凶器に、私は怯んでしまって足がもつれる……。
「三枚下ろし」
私の背後から、誰かの声と共に包丁のようなものが飛んできた。奇襲者はその包丁に突き刺されて倒れる。
「大丈夫すか、大将」
「ジェイ……」
見るとジェイの片手には、買い物袋が提がっている。どうやら買い物の帰りだったみたいだ。
「「ジェイお兄さん!」」
急な戦闘が終わり、マホガニーとツルギは子どもっぽい目となってジェイに集まった。あの動きでどうやって敵を倒したのかとか、訓練して欲しいとかジェイに詰め寄ったのだ。こうして見ると、二人は子どもなんだなぁと思う。
「あー、訓練って程教えられるものは何も……」
どうしよう、とジェイは助けを求めるように私の方を見た。私はマホガニーとツルギの手を引いた。
「まずはラズハに帰ろう。話はそこでしようか」と私は双子たちをジェイから離す。「ありがとう、ジェイ。助かったよ」
「いえ、たまたま通りがかったものなんで……」とジェイは倒した奇襲者たちに視線を投げた。「コイツら、どうしやす?」
「ラズハはすぐそこだし、人を呼ぼう。なぜ私たちを襲ったか聞き出すんだ」
私は、この奇襲者たちのある行動が気になっていたのだ。