双星方舟〜ラズハ・シップ〜   作:青瑠璃

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 ロドス第二艦は、かつてのロドスよりは狭かったが、おおよその設備は揃っているようだった。

 宿舎はいくつか使っていない個室もあったし、電力室や製造室もある。さすがに娯楽室の類はなかったが、訓練室やシャワー室もあるから私は驚いた。

「外からでは分からなかったくらい広いな」

 と私が言うとスノーグラウスが、

「墜落した時に一部が地面に埋まったからな」

 と答えてくれた。

 一通り案内してもらったあと、私は訓練所でマホガニーとツルギを遊ばせ、早速スノーグラウスについて話を聞いてみた。今までどう過ごしていたのかとか、ロドス壊滅後はどうしていたのか、と。

 スノーグラウスは一つも嫌な顔をせず、全てを話してくれた。両親とは月一で面会していたこと、六歳くらいの時には両親から代わる代わる戦闘の仕方を学んだこと、ロドス壊滅後は心を病んだこともあったが、そこにケルシー先生が来て希望を与えてくれたという話も。

「ごめんね、嫌な話させちゃって……」

 聞くところによると彼は十四歳だという。まだ若い彼にあれこれと聞き出したことを申し訳ないなと私がそう言うと、スノーグラウスは首を振った。

「いや。父さんも母さんも、ドクターを慕っていたから、嫌な人間ではないことも俺は分かっていた」

 それからふっと私に小さく笑顔を見せてくれた。それはフリントの笑い方によく似ていて、私は心の奥で何かがチクリとした。

「こうして会うのは初めてだけどな。……あ、今更だけど、こんなフランクに話して大丈夫だったか?」

 なんだよ。二人にめちゃくちゃ似てるじゃん。

 私はまた泣きそうになりながら首を振った。

「ううん。むしろその方が助かる」

「そうか」

 それからスノーグラウスは双子たちの方を見、私もつられるように彼らを眺めた。いつの間にか彼らはそれぞれの武器で戦いごっこをしている。その時、スノーグラウスの長い耳がピクリと動いた。

「あの二人の戦い方は、中から見ていた」スノーグラウスは彼らから目を外さずに話し出した。「まだ戦い方に違和感があるみたいだ。特にあのループスの方はよく武器を落としている」

 言われている通り、ループスの方……マホガニーは武器を度々落としていた。やはり体以上に大きい武器は、マホガニーが振り回しているというよりは振り回されているみたいだった。私は、そんな二人を見ながら呟いた。

「訓練も、しないといけないよね」

「そうだと思う」

 戦争や紛争が絶えないテラの中、彼らに武器を持たせなくてはいけないことに私は心苦しさを感じていた。私は、もう誰も失いたくなかった。

「大丈夫だ、ドクター」そこに、スノーグラウスが私の肩に手を置いた。「アイツらは強くなる。俺が戦い方を教えてくる」

 そう言って立ち上がり、スノーグラウスは双子の方に向かって行った。彼の背中にはパレットソードがあった。なるほど、エアースカーペと似た武器を使うようだ。

 そうしている間に、スノーグラウスが二人の相手をしながら訓練を始めた。どうやらスノーグラウスは、二人を同時に相手するらしい。私は彼らの様子を見守ることにした。

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