イウニとセネトの様子はどうなっただろうか、と私は訓練室に向かった。二人は、マホガニーとツルギと一緒に訓練室に向かったようである。
監察席に来ると、訓練室の真ん中ではマホガニーとツルギ、そしてムースの姿があった。
あの状況だとまたマホガニーとツルギに何度もせがまれて訓練に付き合って欲しいと言われたんだろな、と私はムースを見やる。ムースは前衛術戦士だ。近接攻撃を学びながら術攻撃を直接見ることは、二人にとって大きな成長になるだろう。
でも、さすがのムースも二人を相手にするには……と思っていてふと思い出した。そうだった。私はイウニとセネトを探していたのだった、と。
その時、マホガニーは動き出し、ムースに一気に距離を詰めた。ムースは近距離が最も得意である。ムースは迎え撃とうと拳を振り上げたがマホガニーは寸前でかわして跳躍する。
ムースがあっけに取られている内にマホガニーはそこにいるツルギに武器を投げた。ツルギは呼応するかのようにナイフを投げ渡し、見事二人ともキャッチした。
次にツルギは動き出して……と思ったが、ツルギはそこから動かず、次から次へと飛んでくるマホガニーの武器を受け取っては投げてを繰り返した。なるほど、今は投擲物の渡し方と受け取り方を特訓しているようである。ムースの攻撃をかわしながら、または攻撃しながらツルギから投げられた武器を取り、そしてマホガニーも持っている武器を投げ返す。投げ方を少しずつ変えているところから、どのような状況でも武器を受け取れるように自分たちで考えた特訓方法のようだ。
そこにイウニが走り寄ってきた。あ、そこにいたのかと私は監察室から訓練室へ下り始める。イウニは、何か危ないことをしていると心配しているのか、マホガニーに何か言っていた。マホガニーは動きを止め、今は特訓中なのだと説明していることだろう。
するとイウニが何かを了解し、マホガニーの肩に手を当てた。どうやら手振りでマホガニーに武器を振るように伝えている。
何をするのだろう……私が子どもたちの様子を注意深く観察していると、マホガニーが武器を振り下ろした次の瞬間、結晶の形をしたアーツの攻撃が道のようになって飛び出してきたのだ!
「えっ」
どういうことなのか、と私が急いで訓練室に下りた時にはツルギの方にセネトがいて、ツルギの振ったナイフから飛ぶアーツの攻撃をさせている。いやいや、待ってよ、今までアーツユニットや自分の体の中の能力からアーツ攻撃しているのは見たことあるけど、他人のアーツを使って術攻撃をしている人を見たことがない。
「どうやったの……?」
私が独り言のように呟くと、マホガニーとツルギがこちらに気づいて手を振ってきた。
「あ、ドクター!」
「見て、すごい技!」
イウニとセネトがきょとん顔でこちらを見つめる。体力の疲労は見られなかった。