「オレが、ドクターの護衛をしながらマホガニーさんの捜索に同行するのですか?」
私がことの経緯を話し終えると、マッドグリーンは驚いたように聞き返した。
「うん、お願いしたい。他のみんなにも捜索の依頼はするけど、集団で行動するとまた怪しまれる可能性があるから」と私はマッドグリーンに話す。「私と一緒に森の中を捜索して欲しいんだ。いいかな?」
マッドグリーンは自分に与えられた装甲と盾を手に取った。クロージャに頼んで用意してもらった重装オペレーターの装備である。彼はやはり、重装オペレーターの素質があり、難なく適正検査をクリアしていた。マッドグリーンは深く頷く。
「分かりました。マホガニーさんを見つけ、ドクターに傷一つつけさせません」
「ありがとう。……ツルギも連れて行っていいかな?」
「もちろんです」
私はいくつか小隊を組ませ、マホガニー捜索のために外に出る戦隊とラズハで待機してくれる人で分けた。
「はぁ、ただの子ども一人になんで私が出なきゃならないのよ」
マホガニー捜索隊の一つにはイネスがいてそんなことを言っていたが、彼女は人や情報を探すのが得意である。私はイネスの実力を信じているのだ。
「ドクター……」
「セネトも行く」
イウニとセネトも、マホガニーの捜索に参加したがったが、彼らはまだ戦闘に慣れていないところがあり、連れては行けなかった。スノーグラウスがいたら行けたかもしれないが。
いいや、ここで怪我人を動かす訳にはいかない。
スノーグラウスは最後までマホガニーの捜索に行くと言っていたが、オペレーターが半数外に出るから、その間ラズハを守って欲しいということでなんとか納得してくれた。
「マホガニーが帰ってきたら連絡するっす」
ようやくラズハにも出来た通信機を片手に、ジェイが見送りに来てくれた。足元にはブラックローズがいる。
「患者さんの面倒はウチに任せて!」
と言うブラックローズも、随分逞しくなったような気がする。
「留守は頼んだよ」私は彼らにそう伝え、護衛のマッドグリーンを振り返った。「行こうか」
「はい」
私はラズハを離れる。両腕にはツルギを抱えているが、あまり喋るようなタイプではない。……もしかすると、マホガニーが突然いなくなって不安なのかもしれないが。
別動隊は先に森に入っていてもう姿が見えなくなっていた。日はもう昇っているはずだが霧は深くなるばかりで、視界が悪いのだ。
すぐに見つかるといいのだが。
「マホガニーの気配を感じたらすぐ教えてね、ツルギ」
私は両腕にいるツルギにも声を掛ける。
「うん、分かった」
ツルギは小さく頷いた。