死ねない死にたがりとステュクスの娘   作:侵蝕トンネルと聖杯ダンジョン

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苦しい。みんな居なくなる。


賑やかなる冥界……

エーグルの打倒とケファレの火種の防衛。どっちも高難易度だね。あのフレイムスティーラーとかいうヤツ、苦戦の果てにようやく倒したのに復活したらしいじゃん。

それを今の消耗した戦力で抑えられるのかってところだよね。

 

「そこは心配要りません。セファリアにオクヘイマに戻るよう頼みましたので。彼女がいれば、火種を守る大きな力となってくれます」

「ファイノン様はサフェル様に火種の守護を任せるのですか?」

「ええ、恐らくは」

「フェルちゃんは強いし、賢いからね!」

 

まぁサフェルの性格や「詭術」の特性からして、多人数で連携して動くより、一人で動いた方がやりやすそうだしね。

 

「んで、エーグルの火種はヒアンシーか」

「ファイノンと開拓者たちならば、必ず果たしてくれるでしょう」

 

エーグルの火種さえ手に入れば、後はケファレの火種と一緒に返還するだけ。長い火を追う旅も、終着が目の前まで来たんだ。

 

 

開拓者って誰?って聞きたい気持ちはあるけど知らない僕の為だけにみんなに説明させるのはちょっとアレなんで後でキャスかアグライア辺りにこっそり聞いておきます。

 

 

……少し後。

 

突如冥界に異変が起きた。

 

「セファリア?」

「モーディス様?」

 

初めにその前触れを感じ取ったのはアグライア。感覚が鋭いのは生前の名残りか、長いこと浪漫の半神を務めた故のものか。

 

「……少し、席を外します」

 

そう言ってアグライアは姿を消した。

行先は……想像できる。火を追うは消失の旅、皆覚悟の上だ。

 

続くキャストリスの方は、ステュクス常連のモーディスが何らかの手段でコンタクトを取ってきたのだろう。

なんか独り言みたいに喋ってるけど、多分モーディスと会話してるんだと思う。災厄の三タイタンの半神パワーってヤツかな?それともステュクスと縁の深いモーディスだからできる芸当か。

 

「──黎明のミハニが……はい、加勢いたします」

 

キャストリスは目を瞑り、前へ突き出した手からはステュクスの水に似た液体が零れ、地に満ち、消えていった。

 

そして冥界に流れてくる大量の亡者たち。

どうやらオクヘイマは窮地に追い込まれているらしい。

 

 

 

 

 

「うっわ。死んだ連中集まり過ぎでしょ。同窓会?」

「西風の果て……また会えましたね」

「……ふん」

 

顔馴染みが一気に来た。サフェルにトリノン、そしてモーディス。

 

「は?モーディスお前なんでここ来てんの?」

「致命傷を受けた。それだけだ」

「それだけって……てことは何、お前弱点とかあったの?なんで僕に教えてくれなかったんだよ」

「自ら弱点を教える阿呆が何処にいる。それに、何故此処には俺のセリフだ」

「あ、知りたい?どうやって僕がここに来たか知りたい?」

「興味は無い。疲れているからもう口を開くな」

「おう、お疲れ。花の海とクレムノス人の辞書くらいしかないけどゆっくり休んでね」

「……HKS(阿呆が)……キャストリスに「気にするな」と伝えてくれ」

「……了解」

 

少し離れたところで寝っ転がったな。そのまま寝たら顔の上に辞書置いといてやろう。

一応サフェルにも顔だけ出しとくか。

 

「おーい、お疲れサフェル」

「あん?あぁ、クレムノスでずっと磔にされてたお人形さんじゃん」

「は?」

 

なに、コイツ僕がどうなってたか知ってたの?

 

「ちょっと待て、なんで知ってる」

「前クレムノスに忍び込んだ時に、なんか目に着く愉快なオブジェがあるなーって」

「見つけたなら助けてくれてもいいだろ!」

「えー、だってそれ、あたしに何の得も無いじゃん。せっかくニカドリーの目を掻い潜ってクレムノス入ったのに目ぼしいお宝はほとんど無いし、あんたを解放してニカドリーに目をつけられたりしたらたまったもんじゃないし」

「だからって……僕ら友達じゃんか!」

「違うけど?あんたは引きこもり姫の友達ってだけで別にあたしの友達じゃないし」

「ひどい!ワタシとは遊びだったのね!」

「遊んですら無いし」

「……ゴメン、ちょっと向こう行ってくる……」

「ばいばーい」

 

マジヘコみ……後でみんなにセファリアちゃんはアグライアが大好きだって事バラしてやろ。昔からそうだった事も知ってるし冥界に来た時もアグライアと一緒だった所ちゃんと見てるからな。

 

「トリアーン、トリノーン、僕を慰めて……撫でて……」

「ゼフィちゃんはえらいなー、がんばってるなー」

「ゼフィテロス、久しぶりですね」

「久しぶりトリノン。トリノンも使命を果たせたみたいだね」

「はい。またみんなと会えたことは嬉しいですね」

「トリビーは?」

「まだ分かりません……もうトリビーとの繋がりは感じられないので……」

「そっか」

 

あと一ヶ月くらいしたら分かるかな?

 

……ん?なんでそんな事思ったんだ、僕?流石のファイノンも火種の返還と半神の試練にそんなに時間はかけないでしょ。

 

次はキャストリスのところに行こう。

 

「お疲れ、キャス」

「ゼフィ……私は……」

「モーディスが「気にするな」って言ってたよ」

「ですが……」

「余程強いヤツなんだろ?サフェルとモーディスが負けるようなヤツなんだし。後はファイノンとその開拓者って人たちが終わらせてくれるよ。みんなに会いに行こう」

「……はい」

 

再創世……どうなるんだろうね。

 

 




ゼフィテロス「短期間で賑やかになりすぎじゃない?」

キャストリス「静かすぎるよりはいいですが、やはり複雑な気持ちですね」

トリノン「西風の果て、お花の海で綺麗ですね」

モーディス「この巫山戯た辞書を作ったのは誰だ」

サフェル「あの不死男ぶっ殺す」

アグライア「あらあら、ふふ。私に面と向かって言ってはくれないのですか?セファリア」

トリアン「ライアちゃんが久しぶりに笑ってる!」

アナクサゴラス「不気味ですね」
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