ビビるくらい男尊女卑の世界で俺がハーレム築き上げるまでの物語   作:rikka

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011:え! 農業やらないと布ってこんなに手に入らないんですか!?

―― カァン! カァン!

 

 ブリスターヒルで毎日のように耳にしていた、鉱脈にツルハシを叩きつける甲高い音が辺りにスタックに響く。

 

「まさか、少し町から離れているけど銅の鉱脈があるだなんて」

「はい、驚きましたが運がいいですね。銅は鉄鉱石よりも高く取引されています」

「これならご主人様が目指す10万Catにもすぐ届くんじゃないかな」

 

 本当に毎日毎日耳にしているからちょっと気が狂いそうだけど我慢だチクショウ。

 

 バイトしてた頃、レジだろうが荷出しだろうが延々おんなじ曲がおんなじ順番に無限ループするクリスマスの地獄を思い出してきたなチクショウ。

 

 バイト終わって疲れた体を癒すなにかを買おうと入ったコンビニの中でも同じ曲が流れて、なにかよく分からない嫌な汗が流れてくる寒い夜。

 

 なんとか気を取り直して飯なり酒なりを買おうと商品棚を行ったり来たりする中、唐突に響くお客様の入店を報せる『ピンポーン!』に反応して思わず店員と同時に『いらっしゃいませー!』と声かけをしてしまうという赤っ恥を掻きやすい地獄の12月。

 

「スウィフは上手くやってるでしょうか?」

「ん、さっき溜まった銅を保管庫に持っていった時に様子見てきたけど、俺の設計図通りにベッドを作ってたよ。……人数分作るには素材が足りるかどうかちょっと怪しいと言っていたが」

 

 ハブにいる間に俺がやったのは、可能な限りの知識の解析だ。

 ハブ内部の故買屋はもちろん近隣――スクインやこのスタックで販売されている様々な本を買い集め、そこに散らばっている知識や記録を基に技術を再現。

 今ではある程度のモノは自分達で作れるようになっていた。

 

「まだまだ貯金はあるが、もしベッドを買い足すとなると更に金が要る」

「小屋二つに設備資材と……かなり出費が激しい日々でしたからね」

 

 なので早速スタックの拠点化を開始していた。

 まずは小屋を二つ。

 一つは警備員詰所の裏の小屋。

 ここは自分達の寝所として、今スウィフが人数分のベッドを組み立てている。

 

 もう一つは、銅鉱脈に近いスタック南東側の門に近い小屋。

 真っ先に購入したここには、ブリスターヒルと同様に掘った銅鉱石と食料を貯めて置ける保管庫をそれぞれ設置し、生活が少しでも楽になるような設備を整えておいた。

 

 で、それだけのことをすれば当然購入する必要のあるモノが増えに増え、貯金をかなり目減りさせることになったのだ。

 

「まぁ、とりあえず銅鉱石を一通り掘ったら買えるだけの食料を買い貯めに行こう。そうすればかなり安定する」

「今後の話はその後で、と?」

「ああ」

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

「というわけで、とりあえず俺達の寝床も完成した」

 

 やってることはこれまでと変わらなかったが、イヌ達が揃っている事に加えて扱う品が銅になったことで稼ぎの効率は圧倒的に向上した。

 この分だと、明日明後日には元々の10万Catまで貯金が復活するだろう。

 

「一応明日ブリスターヒルに俺一人で行って挨拶周りをしてくるが、これからはここスタックを拠点に活動することにする」

 

 イヌは連れて行ってもいいかと思うけど、出来るだけこのメンバーは一括りにしておきたい。

 戦えるメンバーが集まっている方が安全だろうし、ブリスターヒルにイヌ達連れて行ってもしまたいざこざが起こったら面倒だ。

 

「それでは、今度はここで採掘作業を?」

「……一応基本的な資金稼ぎとして銅採掘は継続するけど、ここらで俺も採掘以外に……手に職を持ちたいと思っている」

「以前からズゥ様言ってたよね。じゃあ、ここでなにか始めるの?」

 

 売りに出されていたならハブみたいに広いストームハウスを買いたかったのだが、残念なことに今スタックで売りに出ているのはどれも全部一番小さい小屋だった。

 

 こうして小屋の両端になるべく隙間を空けないようにベッドを四つ作成し、空いたスペースでそれぞれミートラップとグロッグで胃を満たしながら、今後の予定を決めている。

 

「で、とりあえず明日俺は一人でブリスターヒルに行って、挨拶のついでにイヌ達が活動できる範囲について確認してくる。……場合によっては説得、陳情をな」

「……今後、女性だけでは外で活動できなくなるという話でしたね」

「その場合はその場合で考えはあるが、かなり予定が変更になる」

 

 イヌ達が狩りで鍛える事を許可したのも、今後外で活動してもらう予定があったからなんだが……。

 まぁ、それはブリスターヒルで情報収集をしてからでいいだろう。

 

「どちらにせよ、ここスタックを俺達の生産地とするのは決定事項だ。そこで、俺がブリスターヒルに行っている間、銅採掘と並行してやってもらいたい事がある」

「なんなりと、旦那様」

「我らは貴方の庇護下にある事に、なんの不満もない」

「……正直、アレコレ含めて今までで一番待遇いいから」

 

 お、おう。

 わりとボロボロになったりしてると思うんだけどコレでいい方なんだ。

 

「ん、まずはこのスタックの交易所近くに、空きの小屋が一つあるだろう? 明日出発する前に審問官に話を通して、あの小屋も買っておく。で、だ」

 

 ……それでも不満が溜まって主人殺しが発生したらアレだし、出来るだけ気を使うようにしよう。

 色んな意味で無茶苦茶な生活させてる自覚はあるし。

 

「まず、俺がいない間に布を出来るだけ買い集めて、その小屋に貯めておいてほしい」

「布ですか」

「うん。人員が増えてベッドを増設する可能性もあるし、なによりこれからやろうとしている事に必要になってくる」

 

 ハブで研究して書き溜めた、今後必要そうな設備の設計図。

 その内の一枚を取り出し、イヌ達に手渡す。

 

「配置は任せる。その小屋の中に、衣類を作る作業台を作っておいてほしい」

 

 そう。ハブであれこれ研究して試作した結果、とりあえず簡単な服や防具なら一応作れるようにはなったんじゃい。

 

 …………。

 

 自分で!

 作れるように!

 なったんじゃい!!

 

 今のうちにイヌに素材をかき集めてもらって俺が作成。

 

 店舗の多いスタックなら出来上がった製品の売り込み先には事欠かないし、腕さえ上げて言えば『奴隷のように働く男ズゥ』から『スタックで女を多く抱え込んでいる腕利き職人ズゥ』にランクアップでドン!

 

 あとはブリスターヒルでの失敗を繰り返さないために、あちこちの町に俺らの別荘作って悪評が出まわらないようにイチャ付ければ俺の夢、完!!

 

 よし皆、せっかくのスタートだし飲んどけ飲んどけ!

 今日は思いっきり飲み明かそう!

 

 明日からは完全に俺達の天下だ! ハッハッハ!

 

 勝 っ た な !!

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