ビビるくらい男尊女卑の世界で俺がハーレム築き上げるまでの物語   作:rikka

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004:オールステータス1のキャラは今までどうやって生きてたんだ

 イヌを雇ってから、生活の質が驚くほど向上した。

 まず当然の話だが作業効率がもの凄く上がり、鉄鉱石による収益が大きく跳ね上がった。

 その結果Catと食料を並行して多く貯め込めるようになったのだ。

 具体的には何もせずとも数か月は暮らせるだけの量だ。

 

 強いて言うならば鉄鉱石や食料の保管庫、それに研究台と小屋の中がごちゃごちゃしていることが不満か。

 

「旦那様」

「ん?」

 

 おかげでこうして、一つのキャンプベッドを限界まで広げて二人揃って寝ている。

 

 …………。

 

 悪い事ばかりではなかったな。なんとなくの流れで自然に関係を持つ事が出来た。

 イヌがホーリーネーションの市民であったからというのもあっただろうが、特に拒まれることなく仲良くやっている。

 

「随分と食料を貯め込んでいるようですが、なにか目的があるのでしょうか?」

 

 まだ口調が固いのが気にかかるが、それはまぁ仕方ない。

 世が世なら刺されている目標を立てているし、こうして手籠めにしているわけだしなぁ。

 

「ん。もう少ししたらちょっと旅に出ようと思っている」

「旅、ですか?」

「この間医薬品を買いに旅装屋を覗いたらここら辺の正確な地図を売っていたから、近くの町にどう行けばいいのかキチンと分かったからな」

「あぁ、そう言えば包帯と一緒に……」

 

 この世界では日本の戦国時代ほどではないが、地形情報はあまり出回っていない。

 地図も一応あるのだが、購入するのは交易商やトレーダーズギルドの面々くらいだろう。

 加えてホーリーネーションは魔物や盗賊相手の戦闘が多いが、一応敵対している国家もある。

 

「ここブリスターヒルでも日用品には困らないけど、服や防具の類は少し物足りないだろう?」

 

 実際、採掘作業中に何度か襲われる事があった。

 例えば獣、例えば飢えた野盗。

 幸い鉄鉱石の運搬を買って出てイヌがいない時に襲われる事が多かったが……。

 

 ともかく、

 

「では、私達の装備を探しに?」

「それと人材探し」

「増やされるので?」

「いい人(女)が見つかればね。それで、その間イヌには家の留守を頼みたい」

 

 留守、という言葉にイヌは首を傾げる。

 軽く身体を浮かした結果掛布団に隙間が出来て冷たい空気が入り込み、慌ててまた身体を寄せてくる。

 

「御一人で行かれるのですか」

「足の速さには自信がある。バックパックを背負って多少重荷を積んだとしても問題ないだろうさ」

 

 実際、これまで襲われた時は急いで門まで走って警備兵の人達に助けてもらっている。

 最近ではイヌも逃げられるようになったが、雇ったばかりの頃はたまにイヌを担いで門まで逃走した事があったな。

 イヌには『主人に身体を運ばせている怠惰な女と思われるので勘弁してほしい』と言われたが……怪我されるよりはなぁ。

 

「その間、下手に一人で外に出るのも危険だし出来るだけの貯蓄をな」

「いえ、働きますが」

 

 …………。

 

 えっ。

 

「いや、適当な娯楽品も買い貯めているし、戻ってくるまでダラダラしてくれて全然いいんだが……イヌはよく働いてくれているし、一人で外に出たら襲われるかもしれないし」

「私達が採掘作業で生計を立てているのは広く知られています。ここで旦那様が出ている間に顔を見せなくなれば旦那様の稼ぎをあてに怠け、ナルコの闇に囚われたと見なされる恐れがあります」

 

 ぐっ……。

 

 ぐぬぬぬぬ!

 

 思いっきり利用してハーレム築き始めた分際で口出しするのはアレだけどマジでクソだなオクラン教ってのは!!

 鉄鉱石の運搬や売買も、大変だろうに全部イヌが買って出ているからなぁ。

 本当に女の子は普通の生活が死ぬほど遠いんだよなぁチクショウ!

 

「それに、旦那様が気を使ってくれるおかげで私は間違いなく良い暮らしが出来ています。それはこの街の市民や審問官も知っています」

「ああ」

 

 万が一変なイチャモンを付けられたら不味いと思って、雇い始めてからはイヌは自分の部下――この国の言い方だと所有物だと周知させていたが。

 

「ですからこそ、下手に気を抜けば怠惰に堕ちたと見なされかねません」

 

 ……。

 

 つまり俺のせいか!!

 チクショウ、場合によっては引っ越しだな!

 

「……すまん。色々裏目に出たな」

「いえ。……その、こう言ってはなんですが、旦那様のおかげで人らしい暮らしが出来るようになったのは事実です。どうか、お気になさらず」

 

 となると今度の旅は下見も兼ねるか。

 おのれ、しっかりと色々確認せねば。

 

「それで、どちらまで行かれるのですか?」

「ああ、ここから南。街道に沿っていけばたどり着く」

 

「スタックって町だ」

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 そうしてある程度用意を整えてから出発する事二日。

 いつも足を守るために装備していた具足を歩きやすい下駄に変更して、ついでに何かしらのいい装備や武器があった時のために荷物を詰め込めるバックパックを大型の物に買い替えていた。

 

 ついでに防具屋の主人に頼んで、俺がいない間に何かあってもなんとか警備兵に助けを求められるようにと今ある物で一番質の良い防具を買ってイヌに装備させておいた。

 万が一ボーンドッグに襲われ、逃げ切る前に足を負傷したら逃げ切れない。

 

 そうしてたどり着いた町、スタック。

 大きさで言えばブリスターヒルよりも大きく感じるここは――

 

(首都のブリスターヒルよりも暮らしやすいかもしれねぇじゃん!!)

 

 滅茶苦茶いい町だった。

 食料を扱う店がたくさんある上に、ブリスターヒルよりも広くて賑やか。

 店舗の豊富さもブリスターヒルに負けず劣らず。

 見た所武器を扱う店だけがないが、まぁこれに関しては特に問題ない。

 

「ようオクランの兄弟! どうだいウチの酒は?」

「最高だ。バッドティースの生まれなんだが、河を越えて山を越えればこんな最高な町があったなんて、これまでの人生を損していた気分だ」

「ハッハッハ! 言うじゃないか!」

 

 とりあえず防具や衣服の店を回って、より出来の良い物を買ってから今日の宿へ到着した。

 なんてことはない普通のバーだ。

 だがバッドティースよりは活気があり、ブリスターヒルほど周囲の目が厳しくない。

 

「とはいえまぁ、ここらは周辺が物騒だから護衛がいないとちょいと難しいかもな」

「というと?」

「この時期は山道側にボーンドッグが巣を作るんだ」

「あぁ……やっぱこの辺も出るのか」

「結構な。時期が変われば、今度はブリスターヒル側の砂漠のあちこちに」

 

 あぶねぇ、運――というかタイミングが良かったのか。

 貴重な情報だ、助かる。

 キチンと話を聞いて共有しないとな。

 

(さて、しかし思った以上に金が余ったな)

 

 もうちょい良い装備があるかと思っていたんだが、このホーリーネーションという国ではそもそも技術の研究がタブーとされている。

 俺が家具を作るための練習に作ったあの作業台ですらギリギリだ。

 

 それが武器などの装備品の研究となれば……殊更である。

 

(それでパラディンなんかは重くて半分錆びついているような武器で賊や獣をホイホイ狩るんだからなぁ)

 

 俺とイヌで頑張って稼いだ結果、食料とは別に10万Catは貯金を貯め込んでいる。

 で、イヌの生活分――俺に万が一があって中々戻ってこられなかった時に備えて6万を残してきている。

 というわけで手持ちは4万。

 そこから宿代や飯代、そしてイヌや自分の新しい装備、いつかちゃんとしたベッドを作るための布地等で大体1万くらいマイナス。

 つまり残りは3万Catである。

 

「店主、せっかくだからここにいる人達に酒を好きなだけ。それにミートラップも一つずつ。俺が奢ろう、いい話の礼だ」

 

 どうせもう外出はしない。ここの屋上に備え付けてあるベッドで身体を休めて、明日には出発だ。

 ここ最近ずっとイヌと寝ていたから、ここに来るまで野宿――それも一人寝は色々と物足りなかった。

 出来るなら女を買おうかとも思ったが、来たばかりの町だから安全のラインがまだ分からん。

 それなら気持ちよく酔える散財をした方がマシだというもの。

 

 ちょっと多めにCatを渡すと店のバーテンダーは「おぉ!」と嬉しそうに声を上げ、

 

「みんな喜べ! 今いる奴らは今日は飲み放題だ! ミートラップも一人一本! こちらの兄弟の御恵みだ!」

 

 

―― うおおおおおおおおおおおおっ!!!

 

 

 バッドティースにいた頃もたまに――具体的には軽く一儲けしたトレーダーが酒場に来た時にあった光景だ。

 こうして自分の手で作る事になるとは思わなかったが、悪くない。

 

 チビチビと飲んでいた連中が途端にガブガブ飲みだし、「オクランの兄弟よ! 汝の恵みに感謝を!!」だの口々に叫んでジョッキを空にしていく。

 

 いいぞ、酔いつぶれるまで飲むがいい。

 ここ、何がいいって何かを作る際に必要な布地や鉄板等がブリスターヒルに比べて入手しやすいのだ。

 

 真面目に引っ越し先として魅力的だし、あるいはいずれ生産拠点みたいなものを作るのも悪くない。

 ならばここらの人間と仲良くなっておいた方が絶対にいい。

 

「よう兄弟! 俺が奢ったんだ、ガンガンジョッキを空にしていけよ!」

 

 一番目立つテーブルについて、ラム酒で一杯になった樽ジョッキを掲げてそう叫ぶ。

 どいつもこいつもタダ酒となればそりゃテンションは上がる。

 

 皆揃って「おうとも兄弟!!」と返してジョッキを掲げ、それに口を付けてグビグビ飲み干す。

 

 …………。

 

 おろ?

 

「どうした、姉妹。全員に奢ったんだ、酒が駄目でも肉くらいかぶりついてくれ。それとも、もう腹が一杯かい?」

 

 その中で一人、何も口にせず小さく縮こまっている女がいる。

 珍しい、蒼みがかったウルフカット風の髪をした娘だ。

 

「……女も、口にしていいのかい?」

「当然、全員に振舞ったんだ。店主、ミートラップをこっちにも頼む」

「少々お待ちを!」

 

 身体つきは出会った頃のイヌとそう変わらない。

 普段あまり食事にありつけず、あの手この手でどうにか飢えを凌いでいる典型的なホーリーネーション市民の女だ。

 

 …………。

 

 いけるか?

 

 いや、オクラン教の影響を受けているならイケルイケル。

 

「名前、聞いてもいいか?」

 

 女の子は少し怯えたように小さく震える。

 ……もうちょい段階踏むべきだったか。

 飯より先に酒だったな。

 とりあえずジョッキを差し出す、彼女はオズオズと受け取る。

 

「俺はズゥ。バッドティースで生まれて、今はブリスターヒルにいる」

「……アタシは――」

 

 

「アイス。アイスって言います」

 




女の子に酒飲ませて酔っぱらった所で声をかける技術を磨く主人公()
多分慣れてきたら「どしたん、話聞こか?」とか言い出す
もしホーリーネーションじゃなくシェクに転生してたら角折られてたんじゃねぇかな

そしてアイス
いつも大体ハブスタートだったので、早い段階でいつも仲間にする子ですな。

ぶっちゃけデフォだと特に特徴のない女性キャラなんですが、名前から毎回なんとなく青系の髪色に変更してしまう。
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