ビビるくらい男尊女卑の世界で俺がハーレム築き上げるまでの物語   作:rikka

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005:あの世界の一般市民はどうやって生計立てているんだ?

 本当にホーリーネーションという国家は女性には地獄だが、男にとっては生きやすい国である。

 労働力として奴隷をかき集めて働かせても誰も文句は言わないし、女を囲っても同じくだ。

 

 だからこうして狭い小屋の中でキャンプベッドを所狭しと並べて、三人の女を侍らせている。

 

 イヌはもちろん、先日スタックから連れてきた青い髪のベリーショートのアイス、それにもう一人。

 くすんだ金の髪を後ろで束ねている女――スウィフという新入りもいる。

 

 俺がアイスを連れ帰り、採掘作業についてアレコレ教えている間にイヌがバッドティースに遠征した際に見つけた女である。

 

 最初はアイスの教育をイヌに任せて俺が行こうと思ったのだ。

 なにせ目的は、労働力確保という名分があってもその実質は女漁りとその身柄の買い取りな訳だからな。

 自分で動いた方が世間の目も良いだろうと判断していた。

 

 ただ、一度捨てた故郷という事もあって少々顔を合わせづらいと思っていた所でイヌが立候補してくれた。

 幸い、武器の扱いはともかくとして逃げ足は俺に並びつつあったので頼んでみた所、彼女を連れ帰ったというわけだ。

 

 小遣い――場合によっては身の危険を金で解決できるかもしれないと渡しておいた1万Catの中から6000Catを使って雇ったのだと言う。

 

 相場の倍もかかったので詳細を聞いてみると、なんと医療士なのだと言う。

 実際に包帯の巻き方など手際が良い。

 もし負傷したとしても彼女がいれば回復も早いだろう。

 

 ホーリーネーション市民の女という事もあって従順で、しかも今の待遇に感謝されている。

 イヌがいない間でアイスとも色々と仲良くなれたし全く問題はない。

 

「……旦那様」

「うん」

 

 問題はない。

 

 なかったハズなんだが……。

 

「実は、少々言いにくいのですが」

 

 俺の腕を枕にして寝る事に慣れてきたイヌが、身を寄せて耳元近くまで口を近づけて、囁く。

 

「……最近、このブリスターヒルで旦那様が悪目立ちされているようです」

「だよね」

 

 知ってた。

 まぁ、さすがにそうなるよね。

 

 端的に言えば、俺達は稼ぎ過ぎたようだ。

 単に皆の身体に無理させないように計画を立てて鉄鉱石を最高効率で掘り出して運搬、販売を繰り返すだけだったのだが、その儲けが相当な物になったのだ。

 

「目立たないように住居を変えたんだがなぁ」

「残念ですが、小屋を二つ持った事で却ってさらに注目を集めてしまったようです」

 

 今俺達が寝ているのは、便利な位置にあった教会横の小屋ではない。

 Yの字っぽい妙な形をした防具屋の裏手にある、売りに出ていた小さな小屋を買って俺達の寝所とした。

 

 まぁ、寝所というか女を囲う所というか。

 

 デカい建物の隅にあるので人目に付きにくく、本格的なハーレムの一段階目としては最適だろうと購入したのだ。

 

 前の小屋は本格的な倉庫になった。

 主に商品である鉄鉱石と食料の倉庫。

 

 あとは以前までキャンプベッドを敷いていた所を空けて、そこで適当に飯を食うだけの場所だ。

 

 …………。

 

 真昼間にムラッとした時にその時近くにいる誰かを引き込んだりするけどさ。

 

「やっぱり引っ越しかぁ」

「揃って移動するのであれば、私やスウィフはもう少し体力を付けないと危険ですね」

 

 反対側で寝ていたアイスが、イヌと挟み込むように身体を押し付けてくる。

 その後ろにはスウィフも。

 二人はともかくとして、なまじ技術を持っていたために苦労したらしいスウィフはアイスの背中にすり寄りながらウトウトとしている。

 まだ力仕事に慣れていないのだろう。

 

「だなぁ……」

 

 イヌは問題ないが、残る二人は遠出が少し不安だ。

 スタックに行った時もそうだが、ここらは人を襲うオオカミが巣を作ってくれている事が多いし、そうでなくても野盗が多い。

 

 最近ではダスト盗賊団という、クロスボウまで持ち出す野盗が出るらしいし。

 筋力……はともかくとして、移動力がそこそこないと厳しいだろう。

 

(少なくともパラディンらが巡回している範囲である事が望ましい。そうなると結局バッドティースかスタックの二択になるな……)

 

 一応南のスタックが最有力候補だ。

 だが、その更に南に行くとハブというほぼ捨てられた都市があると耳にした。

 

 廃墟だらけで碌に住める所もなく、万屋(よろずや)と化した酒場と故買屋組織のアジトがあるだけ。

 だからこそ、金さえあればある程度好きに出来ると噂になっている。

 実際、その場所は傭兵が(たむろ)しているらしいし……とはいえ女連れ込むのはさすがに危険か……。

 

(傭兵なりなんなりで戦力が安定すれば、ハブにも手を伸ばしてみたいところだけど……)

 

 ハブにはホーリーネーションの町で住めなくなったり、あるいは追放されてしまった人間が暮らしていると聞く。

 

 さすがに女はそういないだろうけど、上手く立ち回れば安価な労働力や将来の戦力候補が集められるかもしれない。

 

 とはいえさすがにこれは先の話。

 まずは安定して暮らせる場所が必要だな。

 

「うん。ちょっとこっちで引っ越し場所を探してみるよ」

「では、また旅に?」

「スタックまでなら前も行ったし、なんならあそこの旅装屋は仕入れが良かったから新しい地図が手に入る可能性もある」

 

 食料も資金も、一度新入り二名の装備を整えたりこの小屋買ったりで減った分も回復しているし当面の間は問題ないだろう。

 食料に関しては前よりも余裕がある。

 

 確かにこの町でもハーレムは作ろうと思えば作れるんだろうけど、落ち着かないんじゃ意味がねぇ。

 綺麗処を侍らせるだけじゃ意味がないんだ。

 暮らしに一切の不安を抱かず綺麗所を並べて左団扇の爛れた生活。

 

 これこそが俺の目指すハーレムなんだよ!!

 

 好意の有無!? この世界なら安定の後に付いてくるわ!

 まずは女を揃えた上でそれを支えるだけの金!! 家!!! 金!!!!

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

「……最初は不安だったが、御主人様の下での暮らしは悪くない」

 

 ズゥが四人目の女探しも兼ねた引っ越し先の調査に出掛けて三日。

 

 生活が安定した上でズゥとも良好な関係を築いたためか、オドオドしていた当初とはうって変わったアイスが、共に食事を取っているイヌやスウィフに話しかける。

 

「ああ、暴力を振るわれる事がないだけでも安心できる。身の安全に関しても、最大限配慮してくれてるし……」

 

 それに対してもっとも日が浅いが、もっとも口調が砕けているスウィフが肯定する。

 彼女は現在、身体を鍛える意味も込めて鉄鉱石の運搬役をアイスと交代でバックパックを背負う役目なのだが、それとは別に荷物を持たされていた。

 他の二人よりもやや多めの医薬品の数々である。

 

 包帯はもちろん骨折に備えた添え木のセットも渡され、更には万が一に備えてキャンプベッドも追加で持たされている。

 これは普通の女――この国での女ではありえない事だ。

 女に便利な物を与えるというのは、明言されているわけではないが暗黙のタブーとなっている。

 

「問題はご飯とかだなぁ。今は全部店で売ってるものを買うだけだからいいけど」

「……食事も含めて女の家事や所作が気に入らなければナルコに魅入られたと見なされ、教会の審問官の前まで引っ張られる。……ここでは珍しくない光景ですからね」

 

 ホーリーネーションの男にとって、女が自分に不快を感じさせた時点でその女は怠惰であるとして罰するのは常識なのだ。

 

 イヌ達三人の女が恐れているのは、主人であるズゥが気前よく不満の一切ない主人であるからこそ、その境界線が不明な事であった。

 

 今の暮らしは悪くない。

 本当に、本当に悪くない。

 それはここにいる三人の共通認識であり、ズゥがいない時に話題に出る事は多々あった。

 

 ベッドがまだ作れないために小屋の中に敷いたキャンプベッドで夜を過ごしているのだが、身体に掛ける布すら与えられない生活を体験している三人からすれば十分過ぎるほどに快適である。

 

 水を飲みたいと恐る恐る要求してみればグラスやカップどころか樽で買ってきて『好きな時に好きなだけ飲んでいい』と言ってくれるし、時には酒すら与えてくれる。

 

 設備が不足しているために家事は掃除と洗濯くらいしかなく、そのためCatを稼ぐためにキツい採掘作業に従事しなければならない事が辛いと言えば辛いが、それでも大抵ズゥが共にやってくれるために精神的な負担はない。

 

 今の生活を手放しいつどうなるか分からない暮らしに、あるいは激しい暴力と凌辱を伴う支配の中に戻る事が何よりも怖かった。

 

「とはいえ、旦那様の気性からして突然放り出されるという事はないでしょう。気にかかる事があれば、まずそれを口にされるハズ」

「……あぁ。何も言っていないのに3000Catもの大金を払う人だからな」

 

 稼いだらしい男の相伴に与らせてもらうだけのつもりだったアイスは、突然ウチに来てくれと言って大金が入った袋を惜しげもなく渡してきた今の主人の姿を思い出す。

 

「とにかく、ズゥ様がいない今は留守を預かるのが私達の仕事でしょう。大量の食料を貯め込んでいる倉庫小屋の見回りや施錠のこまめな確認をしながら、これまで通り採掘を続けましょう。貯蓄を減らすことがあれば、ズゥ様だけでなく周囲からどう見られるか」

 

 スウィフはイヌから『今よりもいい生活が出来る』と言われて付いてきた身だ。

 半信半疑ではあったが女性の――それもホーリーネーションの女にしてはやや小奇麗にしていて、鞭や殴打の傷跡が見えない彼女の誘いに、縋る想いで乗ってブリスターヒルまで歩き通した。

 

 その生活に偽りはなく、だがまだズゥという男に心まで許していない彼女は、だからこそここで少しでも仕事を作り、自身に労働を課さなければならないと考えている。

 

―― ドンドンドンドンッ!

 

 その時、突如として扉が強く叩かれた。

 主人のズゥではない。 

 ズゥならまず声をかけてくるし、こんな乱暴な叩き方はしない。

 

「申し訳ありません、夜分にどちら様でしょうか?」

 

 三人の中でなかば代表のようになっているイヌが応対する。

 

『ここを開けよ! 審問官である!』

 

 女たちの身体が、小さく震える。

 

 この国に住まう者――特に女からすれば最も恐ろしい存在が、そこに来ている。

 イヌでさえ身が(すく)みそうになるが、今は一人で生きているのではない。

 

 今この場にはいないが、明確に雇い主であるズゥの庇護下にあるのだ。

 

 いきなり理不尽に鞭打ちの刑罰を処される事はまずない。

 

 かといって待たせれば本当にそうなる可能性が出てくる。

 念のために聖火の経典を懐に入れて、扉を開ける。

 

「夜分遅くのお務め、お疲れ様です。オクランの兄弟」

 

 お決まりの言葉を投げ返ると、審問官――確かにその装備をしている男は中の様子を見回してフンッと鼻を鳴らす。

 

「ここには女しかいないのか?」

「申し訳ありません。主人であるズゥは現在スタックへと出ており、我らはその間の仕事と留守を任されております」

 

 確かにホーリーネーションの人間である事を示すために、聖火の教典を取り出す。

 金がなくてイヌ達は当初これを買う事が出来なかったが、それぞれを雇った際にズゥは食料と共に真っ先にこれを渡していた。

 これこそ正しく、この国で女が身を守る物の一つだからだ。

 

「……ふん。確かにお前達はオクランの姉妹のようだ。だが同時に、お前達には主人の稼ぎをあてに堕落を始め、ナルコの闇に囚われつつあるという嫌疑がかけられている」

 

 祈りを捧げて下を向いていたイヌの顔が小さく歪む。

 最も恐れていた物が顕在し始めた事に気が付いたのだ。

 

 すなわち――他者の(ねた)みが形になり始めている。

 

 主人であるズゥはそれにかなり気を付けていたし、だから定期的にバーなどで多くの人間に酒や食べ物を振舞ったりして多くの人間に好感を持たれるように動いていた。

 

 だが、それでも止まらない。

 

 特にズゥという男の振る舞いを見て、彼がどういう男かを理解したホーリーネーションの女――既にズゥが手の伸ばせない、一般的(・・・)な男の支配下にある女達。

 

 彼女達がズゥの下にいる自分達に、時折鬱屈した目を向けていた事をイヌは知っていた。

 だが自分達もホーリーネーションの女であるために、外で迂闊な事は口に出来なかったし、対策を取りようがなかったのだ。

 

 誰が何を吹き込んだのか。

 問いただしたい所ではある。

 だがそれを口にすれば、審問官に攻撃の材料を与えるだけだろう。

 

「我らが主人より、過ぎた恩恵を受けている事は自覚しております。それゆえ主人の期待を裏切らぬ証として真摯に労働に励み、ナルコの闇より――」

「そう言うのであれば、いいだろう。不在の主人に代わり、オクランの審問官として貴様らに仕事をくれてやる」

 

 審問官の視線が自分達の腰元に下がる。

 正確には女の身体ではなく、その腰に下げている武器へ。

 

「……なんなりと」

「よろしい。では明日より、主人が戻ってくるまでの間――」

 

 

 

「お前達は警備隊の補助として、近隣の獣の駆除を手伝え」

 

 

 

「その働きによってお前達を、ナルコの闇から遠ざけてやる」

 




スウィフの発音地味にムズイな

都市連合の町まで足を延ばした所、MOD入れた事ないのに突然、JRPGフェイスの美少女NPCが二人現れて反射的に仲間にしてしまった。
ズゥのデータの中に一体何が起こっているんだ……
それはそれとして本当にKenshi世界にいそうなレベルで可愛いキャラ造詣でびっくりしています
今からでも別データでMOD入れようかな……
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