球詠 「野球って楽しいよね!」   作:てこの原理こそ最強

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内容の濃い練習ができたGW最終日。待ちに待った練習試合を行った結果...

 

大鷲  8○      新越谷  3●

新越谷 6●       藤和   4○

 

結論から言えば両方敗けてしまった。今回芳乃の意向により試合は茄子と葵はベンチスタートで進んだ

 

 

 

 

 

 

 

大鷲戦、先発は理沙。初回は球を低めに集め打たせて捕るピッチングで0点に抑えることに成功した

 

その裏、1番希がヒット、2番菫がバント、3番珠姫、4番怜の2人がタイムリーを放ち一気に2点。後続も続き初回で3点先取することができた

 

ただ早くも2回、3回で理沙が打ち込まれ計5点を取られてしまい逆転を許してしまう。その裏に1点を返すも4回は両校0点に終わる

 

5回表に1点追加点を取られなおもピンチを背負うも、バックに助けられ追加点はその1点で凌ぐことができた。こっちも追加点をと意気込んだが結局0点で次の回へ

 

6回表からマウンドには理沙に代わって息吹が立つ。息吹は初マウンドだったためか緊張のあまり制球が定まらずヒットを連発されるも、センターを守っていた怜のファインプレーとゲッツーで0点で収まった。しかしその裏、新越はまたも点を縮めることはできなかった

 

7回表、息吹の制球は良くなったものの急速に慣れた相手に連打を浴び2点失点しまう。その裏に逆転勝ちを狙うも早々にツーアウト。ただ代打で出た茄子がツーベース。その後これまた代打で出た葵が初級からホームランを放ち2点返すも追撃はそこまでとなった

 

「「...」」

 

「すごいって!私なんて1試合10失点は当たり前だったし!」

 

「さ!すぐ次の試合できるんだからへこんでる暇ないよ!」

 

ピッチング練習をし始めて最初の練習試合でこれだけの大量得点を許してしまった理沙と息吹は明らかに気を沈めていたところを詠深が慰めるも芳乃が次の試合があると急かす

 

 

 

 

 

続いて藤和戦、いつものパターンで初回に1点を先制。追加点はなかったもののその裏から4回まで先発の詠深が好投し0点に抑える

 

ただ新越谷側も初回の1点から後追加点を奪えない状態で詠深が味方のエラーなどあり5回、6回で計3点を奪われてしまった

 

そしてここで逆転できなければ後がない7回表。ここまでヒットのなかった理沙が1戦目に取られた大量得点も含めて汚名返上とでも言いたげに7球を粘り8球目で執念のヒット。いつもの温和な理沙からは見慣れないガッツポーズも飛び出した

 

ここに芳乃は茄子を代走で起用。その起用に応えた茄子が盗塁、その速さに驚いた捕手が送球を逸らし茄子はそのまま三塁に進んだ。その状況で芳乃は次のバッターが白菊ということで悩んだ末にスクイズを選択。ただ白菊は特訓不足だったのか2球続けてこれを失敗。最後はヒッティングに変えたのだが空振りに終わる

 

続く詠深にもスクイズを指示。すると詠深は珠姫とのコソ練の成果で1球目で成功。自身はアウトになってしまったものの無事に茄子を帰すことができた

 

そして続く息吹には葵を代打に出し、そんな葵は1戦目と同様1球目の直球を狙い2戦連続ホームランの記録を残した

 

2アウトながら1点差とすぐ手の届くところまで追いつきそのまま逆転ムードだったのも束の間、希が塁に出たものの続く菫が変化球に手を出してしまいセカンドフライでゲームセットとなった

 

「みんなお疲れ様ー!」

 

「最後菫ちゃん惜しかったわね」

 

「焦って手出しちゃいました...」

 

「そもそもは私が打たれちゃったせいだし...」

 

「それを言ったら私達も大事な場面でエラーしちゃったし」

 

「帰ったら1000本ノックと先生がおっしゃっていました...」

 

「みんな打球強いわよね...前進だと思ったら後ろだったり...」

 

「私はサインが多すぎて頭が追いつかないぜ...」

 

「それも含めての練習試合だよ!大会までには覚えておかないとだし、場面によっては1球ごとに緊張する間もないくらいサイン出すからね!」

 

全ての試合を終えて先生方が挨拶を行ってる最中に詠深達は軽い反省会をしていた

 

「そんな中茄子と葵はすごいよな〜」

 

「そう?」

 

「そうでしょ。茄子は代打で出たらツーベースに」

 

「代走で出たら2盗塁」

 

「葵ちゃんなんて代打で出て2戦連続ホームランだものね」

 

「ホントなら4回か5回あたりからは出れるので最低でも1試合3ホーマーは狙ってるんですけどね」

 

「それは4番としての立つ瀬がなくなるな...」

 

「頑張らないとですね!キャプテン!」

 

「プレッシャーかけないでくれ...」

 

「みなさーん、お待たせしました。最後の挨拶に行きましょう」

 

『はい!』

 

最後に来てくれた2校に挨拶を済ましてバスが出るのを見送った

 

「ではこれで合宿を終了とする」

 

「試合結果は残念だったけど格上相手でも通用することがわかっただけでも大きな収穫だよ。大庭さんからは何かありますか?」

 

「はい。みなさんお疲れ様でした」

 

『お疲れ様でした!』

 

「おそらく今日はみんなそれぞれ反省点があると思います。ただそれが見つけられるのも練習試合なので今日の反省点を次の試合では改善できているように明日からの練習に励んでください」

 

『はい!』

 

「じゃあ最後に先生」

 

「みなさん、部活も大事ですがそろそろ中間テストが迫ってきました。勉強も計画的にやるようにしてくださいね」

 

『はーい』

 

「私は嫌だー!」

 

藤井先生からテストが近付いていることを知らされ勉強が苦手な稜が大声を上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん、茄子ここわかんな〜い」

 

「お兄ちゃん、葵はここが」

 

「はいはい、1回解いてみてから質問しような」

 

「ねぇねぇ蓮くん、これってさー」

 

「あーこれはな」

 

「「なんでこの女がここにいるのお兄ちゃん!」」

 

「ん?」

 

藤井先生に注意された通り茄子と葵が勉強を蓮に教えてもらっている中で、1人家族ではない者が混ざっていた

 

「だってアタシも中間あるし」

 

「じゃあ1人で勉強したらいいんじゃないですかー?」

 

「そうだそうだー。わざわざここに来る必要ないじゃーん」

 

「1人でやっても飽きちゃうんだもん。その点蓮くんなら最後まで面倒見てくれるし。それに()()()()来て何が悪いってのよ」

 

「グハッ!」

 

白井 莉子。野球の名門校、梁幽館の3年で去年から蓮とお付き合いをしている。ちょくちょく遊びに来てはいるものの超絶兄LOVEの茄子と葵からしてみれば恋敵のようなもので莉子のことを敵視していた

 

「2人とも遊んでないでちゃんと勉強しな。成績落ちて部活禁止になっても知らないからな」

 

「それはマズい...ここは一時休戦だね...」

 

「致し方なしだね...」

 

「一体何と戦ってるんだか」

 

「でも2人とも成績いいんだよね~。羨ましいな~」

 

「当然!お兄ちゃんにま・い・に・ち!教えてもらってるので!」

 

「毎晩付きっきりでね!」

 

「いいな~。ねぇ蓮くん、早めに同棲しない?」

 

「「はぁぁ!!?」」

 

「まだそのつもりはないって何回も言ってるだろ。少なくとも俺が大学を卒業してからだ」

 

「ちぇ~」

 

((ほっ...))

 

「ほら、いい加減勉強しろ。しないなら俺は母さん達の手伝いに行くからな」

 

「「やります!」」

 

蓮が少し脅しをかけたところで茄子と葵はようやく勉強に手をつけ出した

 

「そういえば蓮くん、コーチやってるんだって?」

 

「あぁ」

 

「アタシの時は断ったのに」

 

「それは何度も謝ったじゃんか。勉強に専念しないとだったし家の手伝いもあったんだから」

 

「まぁいいけど。じゃあ茄子ちゃんと葵ちゃんの学校が相当手強くなるってことでしょ?」

 

「どうだろうね。どの子もそもそもポテンシャルは高かったからそうなるかもしれないし。まぁ実際やってみないとわかんないけど」

 

「確かにそうだね。私も頑張ろ!」

 

「じゃあとりあえず中間でへましないように頑張らないとな」

 

「わ、わかってるよ~...」

 

新越と違って梁幽館は部員数何十人を誇る超強豪校。勝負はベンチメンバーを勝ち取るところから始まっている。莉子はベンチメンバーにすら選ばれたことがなかったため、本人にとってこれが最後のチャンス。絶対にメンバーに入ると決心していた

 

「お兄ちゃん、ここ~」

 

「はいよ」

 

「お兄ちゃん、ここなんだけど」

 

「はいはい順番な」

 

茄子と葵も中間で酷い点数を取らないように蓮のことを頼りながら頑張って勉強した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ~詠深。中間どうだった~?」

 

「ふっふっふ。来ると思ったよ」

 

中間テストが終わり結果が出たことで稜は白菊を引き連れて詠深の元にやってきていた

 

「じゃーん!」

 

「嘘だろ...仲間だと思ってたのに!」

 

「文武両道...尊敬します...」

 

「稜チャン...?マサカ赤点ナンテ取ッテナイヨネ...?」

 

「それは大丈夫...」

 

「なーんだ。稜ちゃんが大丈夫ならみんな平気だね」

 

「おい!どういう意味だよそれ!」

 

赤点はなかったとは言えギリギリ回避ぐらいの点数だった稜は詠深を同志だと決めつけその結果を見に来たのだったが、予想に反して詠深は学年31位と好成績だったことに稜は気を落とす。それに加えブラック芳乃が出現したが稜が赤点は免れたことを知ってすぐ退散した

 

「あれ、みんな集まって何してんの?」

 

「茄子ちゃん葵ちゃん」

 

「そうだ!2人は中間どうだったんだ?」

 

「テスト?まぁまぁだったかな」

 

「ん~。でも高校に入って初めての点数がこれじゃお兄ちゃんに怒られちゃうかも」

 

「おーおー、そんな酷い点数だったのか!ちょっと見してみ!」

 

「いいけど」

 

集まっているのを廊下から見た茄子と葵がやってくると稜は詠深と同じように2人にテストの結果がどうか聞く

 

「どれどれ。はぁ!?学年11位と20位!?」

 

「まぁ稜ちゃんに比べたらまだまだな点数だったかな~。ところで稜ちゃんはどれくらいだったの~?」

 

「お前ら謀ったな!?わかってて言ったろ!」

 

「え~なんのこと~?葵達わからないな~」

 

「性格わっるいわねあんた達...」

 

「何を言うの息吹ちゃん。茄子達は稜ちゃんが自信満々に聞いてきたからどれだけいい点数取ったのか気になっただけで~」

 

「そうそう。それ以外の意味なんてないよ~」

 

「うわ~ん!」

 

耐えられなくなった稜は走って教室を出て行ってしまった

 

「2人ともやりすぎだよ~」

 

「まぁ稜ちゃんもそのつもりで来たと思うから自業自得かもね」

 

「それにしてもみんなすごいわね。私もそれなりに勉強したと思ったんだけど全然できなかったわ...」

 

「そうなの?授業ちゃんと聞いてればある程度は大丈夫だと思うんだけど」

 

「芳乃と同じこと言わないでよ...」

 

「私も授業はきちんと聞いているはずなのですが...」

 

「じゃあわからないところをわからないままにしちゃってるかもね」

 

「茄子達はお兄ちゃんにも教えてもらってるからわからないところは質問しまくってるよ」

 

「なるほど。参考になります」

 

「とにかく赤点は誰もいないだろうし、練習に集中できるね」

 

「そうだね!今すぐにでも投げたいよ!」

 

「テスト期間中部活休みだったものね」

 

テスト期間も終わり今日からまた練習再開となった

 

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