名前が決まり、名前で呼ばれることも増えた。
そんな私には凄く小さな悩みがあった。
「名前に反応できない!」
そう、『優希』に反応できないのだ。
「どうしたの優希」
「ちゃんと話聞いてる時とかじゃないと名前に反応できなくて…」
両親が何処かに消えたと察したらしいお嬢様はもう勝手に玉座に座っている。
その横にいたことを忘れて叫んだから、お嬢様は驚いた顔をした。
名前に反応できなくて困ることはたくさんある。
まず、他人の呼びかけが聞こえない。
例えば「もう終わりだよ」という呼びかけがあったとする。
名前で呼ぶと人は皆少し反応しやすくなるだろう。
だけど私にはそれがないから中々反応できない。
「誰かに呼んでもらい続けるしかないんじゃない?」
「…ですよね」
こんなアホな悩みあってたまるか。
心の中で悶えていると、紫色の何かが近付いてくるのが見えた。
とげとげだけど触れば意外と痛くない。
なんとも言えない可愛さを持ち合わせたまるっこいの。
「…紫うにちゃん?」
「みー」
紫うにちゃんのご登場だ。
「
「いいよ、でも私はきゅうりじゃないよ」
私はきゅうりという野菜…じゃなくて、優希という(元人間の)吸血鬼なんだから。
そういえば、紫うにちゃん他の子よりも言語能力高いような気がする。
みんなみーしか言わないのに紫うにちゃんはきゅうりとかお湯とか言えるし。
「そういえば優希、この子はなんなの?」
「私のお部屋にいつもいるお友達です」
「
赤子みたいで可愛い!!
お嬢様は紫うにちゃんを撫でると、昨日と同様、笑顔を私たちに向けてくれた。
紫うにはほかのうにとは違って少し柔らかく、触るのが楽しい。
針が刺さったりせず、ただもふっとしている。
「…名前とかないの?」
「あ、名前…決めてませんでしたね」
まぁ、今は決める必要がないのでまたいつか決めていこうと思う。*1
「みー?」
そこに、別のうに、私の管轄の黒ウニ妖精軍団のリーダー、ソルがやってきた。
指示を聞きにきたと言ったところだろうか。
周りには数匹の黒うにを引き連れて私のところまでふわふわと飛んできた。
「
そんなソルに紫うにちゃんは怯えているようだった。
ソルも、何も言わずに威嚇している。
と、思ったら。
ドスッ
ソルが紫うにちゃんに乗っかり、下に落とした。
「ソル!?何してるの!?」
落とされた紫うにちゃんの目には涙が溜まっていた。
慌てて私が抱っこすると、ソルがまた攻撃しようとしたので、お嬢様が鷲掴みにした。
どうして敵対したのか、どうして紫うにはなす術なく下に落とされたのか。
うに妖精の謎は深まるばかりだ。
「ソル、警備は私の部屋以外、分かった?」
「…み」
悲しそうに、そう鳴き声を溢すのだった。
「…紫うにちゃんって嫌われてるの?」
「いえ、今日初めて顔合わせさせたので、そんなことはないと思いますけど…何故でしょうね」
転生4ヶ月17日 天気
本日、紫うにちゃんが外に出た。
そこでソルが紫うにちゃんを虐めるようなことをした。
紫うにちゃんを守るべく、一度私の部屋以外を守るように指示を出した。
これからも続くようなら野に放つつもりだ。
紫うに妖精の属性は毒、他の妖精に忌み嫌われる存在だ
豆知識
なんたら録には性別がある。
どの変化が気になる?
-
紫うにちゃんの変化
-
なんたら録の変化
-
地下室の変化
-
優希の変化