紅魔館でメイドやってます   作:硴里りま

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分厚い本とメイド

転生から一ヶ月、仕事にも慣れてきて、当主様の威圧(?)にも動じなくなった。

そうして私は

 

 

「お嬢様!おはようございます!」

「当主様!朝ごはんお持ちしました!」

「ウィータ様!お掃除終わらせました!」

「書類手伝います!」

 

「「「仕事終わるの早いわ!!」」」

「はい!すみません!」

 

 

お仕事バカになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

日中の仕事をほとんど終わらせ、お嬢様の様子を見にいくことにした。

 

「失礼します、お嬢様」

 

部屋に入ると、お嬢様が勉強をする姿が目に映った。

偉いな、なんて思っているとお嬢様が手を止めてこちらに向き直った。

 

「ねぇ」

「はい」

「…貴方寝てる?」

「寝てますよ……?」

 

そんな質問を投げかけられる。

お嬢様たちは吸血鬼なので、午後からしか起きていない。

だが私は朝から昼にかけて掃除、書類整理等忙しいとできない仕事をそこでやるようにしている。

でも嬉しいことに私には底なし体力が備わっているらしく、軽く寝て起きたら体力が元通り、それどころか前日より元気になっている感じがする。

これも前世のおかげかな!(そんなわけがない)

だからちゃんと寝てる(大嘘)から大丈夫なのである(ドヤッ

 

「そう?ならいいのだけれど…」

 

そこから暫しの沈黙があり、お嬢様が勉強を再開した。

そこで私が部屋を出ようと、扉の取手に手をかけた。

 

「あっ、ちょっとまって!」

「はい、どうかしましたか?」

「2箇所ほど分からないところが…」

 

そう気まずそうに言ってくるお嬢様。かわいい。

 

「どこですか?」

「ここなんだけど…─」

 

そうして唐突な勉強会?が始まった。

 

 

 

「ありがとう」

 

またしても急にお礼を言われた。

 

「お礼を言われるようなことはしていません」

「…そう」

 

発言、ミスったかな。

気まずくなっちゃったよ。

 

「とりあえず、教えてくれてありがとう。また分からなかったら聞くわ」

「分かりました。それではまた」

 

そして今度こそ部屋を出た。

 

 

 

 

トサッ

 

 

 

 

自身の翼から本が落ちたことに気付かずに。

 

 

 

 

 

 

Remilia side

 

トサッ

 

何かが落ちる音がした。

その音の出所は先ほどまでメイドがいた場所で、そこに落ちていたのは分厚い本。

試しにその本を拾い上げてみると、7歳の私には少し重くて、本を開くまでには至らなかった。

支給しているメイド服にあんな本を入れられる収納は存在しないし、隠す場所といえば彼女の少し大きな翼だろう。

となると、こんな本をずっと翼に仕舞い込んでいたということになる。

そんなに見られたくない大切なものなのだろうか。

試しに開いてみようと表紙に手をかける。

 

「…あれ、開かない…?」

 

先程は重さで開かないと思っていたが、本当はそうでもないらしい。

接着剤でもつけてるのか、と、そう思った。

 

 

「…あとで会ったら渡しておこう」

 

そう思い、メイドの本をそっと箪笥に仕舞った。

 

 

servant side

 

 

たった今、私は厨房で朝食*1を作っている。

なんかお嬢様の部屋を出た時異様に体が軽くなった感触があったが、きっと気のせいだろう。

お嬢様関係かもしれないけどそんなわけが無い。

お嬢様があの間に何をするんだって話だろうし。

 

「…あ、血液の在庫が切れてる」

 

言ってて思う、こんなの前世で言う機会があっただろうか、と。

血液の在庫て。ってなってたよ絶対。

 

「メイドさん、おたま片手に固まってどうしたの?」

「!?ウィータ様どうしてここに!?」

「何故でしょうね(?)」

 

分からんのかい、と内心ツッコミをした。

 

「で、どうかしたの?」

「あ、あぁ血液の在庫がなくて…」

「あら、なら私とエヴァネスの分はいいからレミリアのにだけ入れてあげて」

「在庫はありませんよ?」

 

私がそういうとウィータ様は結構やばいことを言った。

 

「貴方の血液を入れるのよ」

 

 

その時の私は相当間抜けだったと思う。

 

 

「ほぉん」

 

こんな声を出していたんだから。

 

 

「う、ウィータ様正気ですか?」

「えぇ、正気よ」

 

と、そこに運悪くレミリア様がやってきた。

 

「どうしたの?」

「あ、いえなんでもございません!?」

「レミリア、吸血行為してみる?」

「みゃぁぁぁぁ」

「え、していいの!?」

「えぇ、このメイドでね」

「へ…」

 

お嬢様はめちゃくちゃ恥ずかしそうにした。

なにそれ。可愛いんだけど。私の主人可愛い。

 

「も、もっとおっきくなったらやる!」

 

あ、なんか助かった?

 

「そ、それよりこれ!私の部屋に落として行ったわよ!」

 

まだ顔の少し赤いお嬢様が私にぐいっと本を押し付けてきた。

それは、私が当主様の部屋で拾ったあの本だった。

 

「あ…ありがとうございます」

 

そして、結局今日の朝食に血液が入ることはなかった。

 

 

 

転生一ヶ月 天気晴れ

今日はお嬢様と殆ど1日を過ごした。ウィータ様の「吸血行為」という単語を聞いてから何故かずっとくっついてきていた。

ちょっとかわいいな、なんて思ったのはここだけの話だ。

くっついてきた可愛いお嬢様は私の持っているこの本を持ってきてくれた。

知らぬ間にこの本を落としていたらしいので今後気をつけようと思った。

そういえばこの本の表紙に『幻想郷紅魔館体験』と書かれていた。

昨日まではなかったのに今日急に現れた。本当にこの本は不思議だ。

そしてたぶんこの本には今日も何者かによる加筆が加わるのだろう。

 

 

追記*2

この本は幻想郷紅魔館体験という。

そして十六夜 優希にはもう能力が発現している。十六夜 優希はいつ気付くのだろうか。

*1
昼食という名の晩御飯…ですけどねbyメイド

*2
ぼやけた文字を解読するとネタバレになるからオススメしないよBy作者

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