「いけ!ファイアボールだ!」
「お姉ちゃん、MPが足りないから打てないよ?」
「それじゃ、普通に殴ったらどうだ?」
おらっと気合を入れてボタンを押し相手に
「だめです、先生!あの敵はシリーズ屈指のぶっ壊れボス!物理攻撃無効なんです!」
テレレーと画面からゲームオーバーの文字とともに流れてくる。
「まじか、そうだったんだな。失敗だ。」
「まぁ明らかに魔法使いの見た目してたからね、わからないのはしょうがないよ先生。」
今俺は、ミレミアムサイレンススクールの部活の一つ、ゲーム開発部に来ている。
たまにはと、新作RPGを買って持っていたら「先生がプレイしているのを見せて!」とモモイに押し切られてしまったのだ。
一応生徒たちに買ってきたものだったんだが。
「それにしても、全然勝手がわからない・・・この人生、全然ゲームをしてこなかったからな。」
「確かに先生、全然ゲームとかやんなそうだもんね。」
「ボードゲームとかならやってたぞ?それでもガキの頃だけどな。」
「なら、今からみんなでしますか?」
「そうですね!アリスもそれがいいと思います!」
「よし、みんなで魔王を討伐だぁー!」
ということで、ミドリの提案でみんなでボードゲームをすることになった。
やるものは先ほどやっていたRPGの作品をもとにした人生ゲームのようなものだ。
人生ゲームだったらなんとかできそうだ。
小さいころから流行りものに疎くて、周りによく合わせられていたな。
そんなことを考えていると、準備が終わったようだ。
さいころを回す順番が決まりモモイ、アリス、ミドリ、俺の順番となった。ユズはゲームマスターをしてくれるようだ。
「じゃ、私が最初~」
モモイがさいころを回した。
「1,2,3,4,5!」
「早速バトルマスだね。さいころで1,2,3がでれば勝ちだよ。」
「さいころだね!よ~っし、えい!」
ころころと周り、数字がさしたのは4だった。
「残念、4だね。外した場合はダメージを負うよ」
うぎゃ、とリアクションをし、自分の手元にあるダメージ計算カードに記入する。
といった感じでゲームは続けられた。
______________________
「次はミドリの番だね。じゃあ、サイコロお願い。」
「はーい。」
ボードゲームも終盤に入ってきて、最後の街に皆さしかかった。
コロコロのサイコロが回る。6だ。
「・・・5、6。よし。えぇっと、お色気マスだね。『次の番の人にセクシーポーズ!』」
「次の番の人は・・・先生だね。」
地雷を踏んでしまったようだ。
「み、みどり?無理しなくていいんだよ?軽〜くなんかしてくれれば・・・」
「そ、そうだな。誰かのモノマネしてみる、みたいなことでもいいんだぞ?」
皆で頑張ってフォローするが、ミドリが黙り込んだと思ったら顔をあげ
「・・・や、やってみる。」
変な空気になってしまったが、緑が準備を始める。
「ちょっと待ってて。」
そういうと、別室に移動してしまった。
しばらくして。
「た、ただいま・・・・」
帰ってきたミドリは、以前着ていたメイド服を着ていた。
その姿のまま何やらポーズを決め始める。
「せ、んせぃ・・・どう?」
ポーズが決まったミドリは、前屈みになり少し膨らんだ谷間をこれでもかと強調して見せてくる。
その姿はまさしく色気のあるポーズだった。
「お、オーケー、ミドリ。バッチリだ。着替えてきていいぞ?」
「うーん・・・めんどくさいし、このままでやる。」
メイド服ミドリが参戦した。
そして俺の番になった。
「じゃ、じゃあ、俺の番だな。」
現在俺は運が良く1着だ。このままさっさと勝ってしまおう。
「また6だね先生。えっと、『協力マス。前の番の人を膝に乗っける!』・・・だって。」
地雷をまた踏んだ。
「はぁ、まあ慣れてるからな。タバコ臭いかもだが許してくれ。」
「私は全然いいよ。先生。」
そういうとミドリは胡座をかいていた俺の真ん中に座り、背中を預けてくる。
「お、おい。ミドリ?」
「なぁに?先生。いつもしてるじゃん。」
ほんのりいい香りが残ったメイド服は、俺の感情を昂らせた。
「ん〜!ミドリばっかり先生とイチャコラしおってぇ!えいっ!」
モモイが気合を入れてサイコロを振った。
「2、3、4・・・おっ、『出航マス。魔王城マスの5マス前までテレポートだ!』だって。」
「おぉ!一気に進んだ!」
このゲームちょっとバランス崩れてないか?と疑問に思うが、気にせず進む。
「アリスの番です!魔王を倒すのは勇者の務め!えい!」
「『接着マス。今肌が触れ合っている人たちは2回休み!』あらら、じゃあ先生とミドリは休みだね。」
そんなマスもあるのか・・・いよいよバランスが・・・。
「接着、だって先生。もっとくっついちゃおっか。」
「あー!もうミドリ!先生にくっつきすぎ!私も!」
「わ、私もくっつきたい・・・」
ミドリがさらに密着したのを皮切りに、モモイ、ユズも俺にくっついてくる。
「先生、私だけをみててね?」
「なんでミドリばっかり!ね?ユズ。」
「も、モモイもミドリもいつもくっついてるし、私だって・・・」
あぁ、こうなってしまったか・・・と天を仰いで諦めた。
皆が自分で争っていることに若干危惧していると
「やった〜!ゴール!魔王を倒すのは勇者アリスです!」
「「「「え?」」」」
「ちょ、ちょっと待ってアリス!私の番は!?」
「え?みなさん先生にくっついてましたよね?お休みなのでは?」
「私はくっつきマス踏んでないよ?」
「よくみてください!」
ピッとアリスは力強くあるマスを指差す。
『接着マス。今肌が触れ合っている人たちは2回休み。』
「これはくっつきマスだけの話じゃないんです!つまりは・・・」
「私も休み判定!?」
ミドリとモモイはガクッと膝をついた。
「負けてしまったなぁ。んじゃ、今のマス位置的にアリス、俺、モモイ、ミドリの順番で順位が決まるな。」
「えっとじゃあ、アリスの勝ち。」
「やりました!先生!報酬をください!」
「ん?何が欲しいんだ?あまり高価なものはダメだぞ?」
勝利したことを褒める意味を込めて、優しく撫でてやる。
「そうですね〜、じゃあそのまま撫でてください!」
そろそろと撫でる手を止めようとすると、とても悲しい顔をするので止めることができなかった。
シャーレに戻ってくる頃には、疲労で右手を上げることができなくなっていた。
この作品の表記タイトルは主に二つ。
「進展:」と「日常:」という感じに分けてます。
日常が1話完結の先生と生徒のなんかわちゃわちゃやるやつ。
進展が物語の進む話と思ってくれれば。
日常に挟まる物語が進む話を適度に投稿できたらと思います。
といっても日常回が全く思いつかないので、
「この生徒の話書いてほしい!」等あればコメントお願いします!
参考にします。