いけませんヒューゴお兄様、それはえっちすぎます   作:まさみゃ〜(柾雅)

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セレナの日記14-1/あの時見送ったはずの彼女(上)

 ◉月○日

 なんとなくヒューゴお兄様がプロキシ様のビデオ屋いる様な気がしたのでビデオを借りるついでに確認しに行きました。

 ただ、タイミングが良いのか悪いのか、入れ違いでした。

 お店に来たのでとりあえずドキュメンタリーもののビデオを借りました。

 

 店内には僅かにヒューゴお兄様の使用していた香水の残り香があったので流石は私の勘です。

 

 ◉月◇日

 オークションの招待状が届いていたので気まぐれに参加したら生のヒューゴお兄様と出会うとは思いませんでした。

 仮面をつけて華麗に登場するシーンは興奮を抑えるのが大変でした。

 と言うか仮面で素顔が隠れているヒューゴお兄様なんかえっちではありませんか????

 いえ、えっちではありませんね、どすけべです。

 思わずスマホを取り出して激写してしまいました。

 カメラロールを見返すと登場時のヒューゴお兄様が悪い笑みを浮かべているのに後から気付きました。とても美味しいです。

 

 と言うかあの場にハルトマン叔父様がいらしていたのですね。

 プロキシ様と競り合っていたのは少々驚きでしたが。

 ……プロキシ様、流石に普段着であの場は少し場違いでは?

 今度似た様な機会があった場合可能であれば私が着飾らせていただきましょうか。

 

 ◉月◎日

 私は激怒しました。

 かの邪智暴虐なる市長様を除かなくては……いえ、そこまでではありませんね。

 保険として動いてほしいと言うお願いでしたが、元々は断るつもりでした。

 しかし、ヒューゴお兄様の計画を完璧に遂行させるためと言われてしまえば断れません。

 あ、思い出しただけであの犬っころにもムカついてきましたね。もう少し手加減というものをして欲しいです。

 もう少し力が強ければ本当にヒューゴお兄様の心臓が破壊されていたと思いますよ?

 

 それはそれとしてついに!私は!!ヒューゴお兄様と!!!再会いたしました!!!!

 我ながら完璧な登場かつヒューゴお兄様の妹であるという自己紹介ができていたと思います。

 何せ皆様が口を開けて驚いてくださいましたからね!!!!

 

 それとナイスタイミングでしたよ予定外のエーテリアス。

 塵のように死になさい。

 


 

 市長殿から丁度いい助っ人がいると聞いてから少し恐怖心があった。

 理由は分からない。

 彼が言うにライカンのことでは無いが、それでも俺が知っている人物だと言う。

 

「……おい、ヒューゴ。何をぼさっとしている」

「……黙れ。お前には関係のない事だ」

 

 その恐怖心を奴への苛立ちで誤魔化す。

 そうだ、今は俺のすべき事を優先しなければ。

 

 

 エーテリアスの殲滅を終えてビビアンたちと合流する。

 どうやら俺たちで最後だったらしい。

 長い戦闘でどうやら店長殿に疲労が見える。

 もう少しの辛抱であるため我慢していただきたいが……あまり不確定要素は作りたくない故に一度休憩にする。

 幸いな事に、何故かは分からないが予定よりも早くこの階層へ到達出来た。

 

 ビビアンを見る。彼女は自身の憧れであった人物への興奮でまだ息が荒い。

 邪兎屋のご友人を見る。彼女は休憩をとりつつも警戒を行なっていない。頼もしいな。

 店長殿を見る。ビビアンの介抱もあってか顔色が良くなった。

 ライカンを見る。奴も邪兎屋のご友人と同じく休憩をとりつつも警戒を怠っていない。

 

「……フゥ」

 

 一息吐くと不意に嫌な気配がした。

 慌ててビビアンを見ると彼女の背後に討ち漏らしていたのかエーテリアスの凶刃が迫っていた。

 

「ビビアン!!」

 

 俺とライカン、アンビー殿が一斉に彼女の背後にいるエーテリアスへ攻撃を仕掛けるが……これでは間に合わない!!

 

「──全く、油断は禁物ですよ。ビビアンさん?」

 

 エーテリアスの攻撃がビビアンに届く寸前、どこか聞き覚えのある声が聞こえた。

 よく見るとエーテリアスの胸から直剣が生えてきている。

 エーテリアスの背後に誰かが居る。

 

「セレーネ……さん?」

 

 ビビアンが呟くと同時にエーテリアスが霧散し、彼女を助けた人物が現れた。

 まるで喪服を連想する様な、しかしゴシックなドレスを見に纏う女性。

 瞼を閉じるその顔に俺は見覚えがある。

 しかし、俺の知る過去がそれを否定する。

 

「ええ、私です。しかし……ごめんなさい。私は本当はセレーネと言う名ではありませんの」

 

 瞼が開かれる。

 その瞬間、俺とビビアン、そしてライカンは固まった。

 

「ヒューゴと同じ瞳……!?」

 

 ライカンの呟きに彼女は笑みを浮かべる。

 そして直剣を鞘に仕舞うと彼女はあの名前を口にした。

 

「顔見知りの方がいらっしゃいますが改めて自己紹介を。

 私はセレナ・ヴラド。そこに居るヒューゴ・ヴラドのです♡」

 

 彼女は自身の頬に手を当ててそう言い放った。

 ……は?




ついに感動の再会
次回未定

【蛇足】
セレナは妹と言ったつもりだった。
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