いけませんヒューゴお兄様、それはえっちすぎます 作:まさみゃ〜(柾雅)
◉月○日
最近、インターノットでとあるプロキシの名前を見るようになりました。
パエトーンが消えてから千面相が捕まり、名だたるプロキシに関するニュースで未だに賑わっています。
そんな中で名前を見かける事が多いというのは凄いことです。
そろそろ杖も新調したところでしたし、その試運転として巷で話題のプロキシを利用するのも良い機会です。
という事で早速今日、明けの明星お姉さん経由で依頼を出しておきました。
噂のプロキシは結構腕に自信があるようなので難易度を高めの依頼にしておけば他の有象無象は勝手に離れてくれるでしょう。
◉月×日
狙い通り受けてくれました。
依頼の内容はホロウ内での落とし物探索の為の案内役です。
私の落とし物ではありませんが、いくつかあるバイト先の後輩が以前に偶発的に発生したホロウで落とし物をしてしまったのでそれの探索です。
直接お会いする事はありませんでしたが、案内役のとても可愛らしいボンプ越しに通話するというのは貴重な体験でしたね。
◉月◎日
今日以外に何度か私用でホロウに入った事があったのですが、やはり以前のプロキシの案内を体験すると1人での探索や購入したキャロットでは快適さがありませんでした。
今回の探索結果:モッキンバードのことが載った新聞記事、未使用のエーテル弾とそのカートリッジ
◉月▽日
久しぶりに白祇重工の名前を見ました。
どうやら以前に関わっていた場所で再び事件のようです。
インターノットで言われている通り呪われているのでは?
それと今日は久しぶり元後輩と遊びました。
何かと構ってあげたくなるほど可愛らしい子です。
ただ、パエトーンの話になると少々はしたないほど荒ぶりますが。
以前から思っていたのですが、どうしてこの子からは懐かしい匂いがするのでしょうか?
その依頼人は僕たちが会った依頼人の中でも特異な部類の人物だった。
パッと見て喪服のような装いに、脚が悪いのか一本杖をついている。
依頼内容ではホロウでの落とし物探しであり、本人が探索するという事だったから肉体的に健康的な人物かと思っていた。
それはリンも同じで、彼女とイアス越しに出会った際に心配の言葉がこぼれていた。
「あー……本当に君が探索を? えっと……鼠蹊部の黒子さん」
『ええ、問題ありませんわ。実は右脚とこの杖、ただの偽装なんです。あと私の事は気軽にセレーネ、とお呼び下さいプロキシさん』
そう言いながら彼女は隠れている右脚を見せるようにスカートを軽くたくしあげる。
その瞬間リンに眼球を抉られるかと思ったほどに強い力で手で目元を覆われた。
ただ、義足を見せるためだったようで、リンの許しで僕の眼球はすぐに解放された。
「……ただの義足では無いんだね」
『勿論です。それにこの杖も……』
彼女が手に持つ杖から細長い直剣の刃が見える。
ただ、依頼主が問題ないというのなら雇われている身としてはその判断を信頼するしかないだろう。
「分かった。ただし、依頼内容的にはそこまで会敵が無いように案内するからね」
『ええ、構いません』
いざ彼女がエーテリアスと戦闘を行う事になると、僕たちの心配は杞憂だったと分かる。
ただのファッション用にデザインされた様に見えてその実は戦闘用の義足。
片方の脚はまだ生身である為本来なら不安定で激しく動けないはずなのにそれを感じさせない身のこなし。
そして仕掛け武器の一本杖と何処に忍ばせていたのか現れる、エーテル弾を発射する小型ドローンやピストル。
僕たちの知り合いにも引けを取らない戦闘技術だ。
「見た目は何処かのお嬢様みたいなのにすごいねお兄ちゃん……」
「ああ、そうだね……」
『……なるほど。流石は巷で話題になっているだけはありますね、プロキシさん。明けの明星お姉さんが知り合いで助かりました』
落とし物を回収したセレーネさんがそう呟く。
話題に上がっていた事は初耳だったけれど、明けの明星お姉さんと知り合いだから彼女にはある程度こちらの情報があったのだろう。
確かめる様にそう呟く彼女は何処か嬉しそうだった。
『今回は案内ありがとうございます』
「それはどういたしまして」
まだホロウの中だが、今のところエーテリアスの出現する気配はない。
だからなのか、セレーネさんは僕達に頼み事を言ってきた。
「それはここでなければいけないのかな?」
『ええ、あまり人の耳の多いところで話したくない内容なので』
「……そうだねしばらくはエーテリアスが出現しないだろうし構わない」
すると、セレーネさんが1枚の写真を見せてきた。
その写真には仮面をつけたオッドアイの男性。
『この人を探して欲しいんです。あ、私に合わせる必要はありませんよ?
見つけたらどんな様子だったか私に伝えて貰えば充分ですので』
よくよく写真を観察すれば、その写真の人物は以前インターノットで見かけたモッキンバードと名乗る怪盗だと思い出す。
彼女と何か関係があるのだろうか?
『もちろん依頼ですので相応の対価はお支払いいたします』
「いや、この程度ならそこまで大金にはならないと思うよ。それで期限の方は」
『期限は……特にないですね。とりあえずは見つけて私に連絡してくれるまで』
「分かった。っとそれじゃあそろそろホロウを出ようか」
『受けていただきありがとうございます。それでは脱出の案内もお願いしますね』
後日、何故かセレーネさんから定期的にお金が振り込まれるようになった。
流石のリンも怖くなってメッセージで連絡を取ったが返信は[(`・ω・´)b]としか返ってこなかった。
とても……怖い。
実はカラオケに行ってビビアンに【なのです☆】を歌わせてた
次回未定