冥王の息子   作:侍魂

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第40億話 ウタside

シャボンディ諸島に赤髪海賊団の海賊船、レッド・フォース号が到着する。

船内には紫色の瞳をした赤色と薄いピンク色のツートンカラーの髪の少女、ウタが船長と副船長の会話を隠れながら盗み聞きをしていた。

 

「悪いな少し町を見てくるぜ」

 

「ああ。物資の補給は俺たちがやっておく」

 

私たち赤髪海賊団は船を止めてシャボンディ諸島に到着した。 

私の父親で赤髪海賊団船長のシャンクスは副船長のベックマンさんに一言言って船を下りると何処かに行く。

 

「怪しい……」

 

シャンクスがみんなを連れずに一人何処かに行くのは余りない……殆どない……何時もみんなの中心にいて誰かと買い物に行く……

こういう時コソコソしている男の人の行動は知ってる。女の人だ。よし跡をつけよう。

 

「よお!ウタ!何処に行くんだよ?」

 

赤髪海賊団船員の一人、赤い鼻の男、バギーが馬鹿でかい声で私を呼びかける。

 

「しっ!」

 

「あっ?ああそういう事か。シャンクスの馬鹿野郎の跡をつけてんだな」

 

声を出すとシャンクスにバレそうだから手を使ってジェスチャーで伝えるとバギーは何度か首を振って頷きながらシャンクスを馬鹿にする。

 

 「バギー、船長にその言葉づかい直した方がいいと思う」

 

 「うるせえ!あいつとは兄弟分なんだからいいんだよ!」

 

大好きなシャンクスを馬鹿にされたから頬を膨らませながらジト目で言うとバギーは自慢げに話す。

シャンクスはあの伝説の海賊王、ゴールドロジャーの元船員だ。やっぱり凄いなシャンクスは!

ついでにバギーもその時から一緒にいたみたい。

あっ!見失う!?

 

「はいはい、分かった、分かった」

 

「分かればいいんだ……って!?無視すんなや!!ゴルァ!!」

 

私はそのままシャンクスの跡を追いかけていく。バギーが後ろで叫んでたけど何時もの事なので気にしないでおこう。

 

「へえーシャッキーのぼったくりバー……ぼったくりバー!?」

 

跡をつけていくと酒場に入っていく。看板を見るとヤバめな店。シャンクスを止めないと。

慌てて店の中に入って行く。

 

「いらっしゃい。あら?可愛いお客様ね。よかったらどうぞ」

 

「ありがとうお姉さん!わ、私は騙されないから!!」

 

「うふふ!バレちゃったわね!」

 

「ひい!?やっぱりぼったくられるんだ!?」

 

「冗談よ!こんな可愛い子から取らないわ。私がぼったくるのは可愛くない悪名高い海賊たちからよ」

 

よかった。綺麗なお姉さんが優しい人で私ははほっと胸を撫で下ろしながらカウンターに座る。

 

「父さん以外のロジャーさんの船員に会うのは初めてだ。凄いな」

 

金髪の男の子、ネミットがシャンクスを褒めてる。そうよ!シャンクスは凄いの!

あの海賊王の船にも乗ってたし、世界最強の剣士、ミホークとも互角に戦ってるんだから!!

 

「アンタ分かってるわね。そうよ!シャンクスは凄いのよ!あっお姉さん!ジュースありがとう!」

 

「うふふ。良いのよ」

 

私がお礼を言うとお姉さんは微笑んでくれた。

お姉さんは優しい、それに綺麗だし。

ここのオレンジジュース凄く美味しい。

 

「えっと……キミは?」

 

「私はウタ!シャンクスの娘で赤髪海賊団の音楽家よ!」

 

戸惑うネミットの問いかけに自信満々に自己紹介してあげた。

 

「ウタ!?どうしてここに!?みんなと待ってろって言っただろうが!」

 

私の存在に気づいたシャンクスは驚いてる。

 

「だって船でお留守番するの暇なんだもん!」

 

「はぁー全く」

 

私の言い分にシャンクスは呆れてる。

怪しいからつけてきたのは内緒にしとこっと。

 

「驚いたよ。まさかキミにも娘がいたとわな」

 

「まあ訳ありですけどね」

 

レイリーさんに言いづらそうに話すシャンクス。

実は、私とシャンクスは本当の親子じゃない。

私が住んでいた島は悪い海賊に滅ぼされてしまい宝箱の中に隠れていたらそのまま運ばれてしまった。

島を襲った海賊たちを赤髪海賊団が倒して宝箱を開けたら私が入っていた。

赤髪海賊団のみんなは驚くけど、シャンクスが"これは何かの縁か"と言い私を赤髪海賊団の音楽家として、そして娘のように育ててくれた。

 

「ネミット、ウタちゃんにこの島を案内してあげなさい」

 

「うん。分かった」

 

「ええー」

 

レイリーさんの言葉にネミットが頷く。

私はシャンクスと離れないといけないので不貞腐れる。

 

「俺はレイリーさんと話してるからお前も子供同士遊んでこいよ」

 

「はーい」

 

私の不貞腐れた顔を見てシャンクスが苦笑いしながら頭を撫でてくれたので渋々頷く。

 

「ネミット。ウタの事頼んだ」

 

「ああ。任せて」

 

シャンクスの言葉にネミットが頷くと私に声をかけて一緒に酒場から出ていく。

 

 

「ネミット。これから何処に遊びに行くの?」

 

「そうだな。シャボンディパークに行こう」

 

私の質問にネミットは少し目を瞑り考えると大きな観覧車を指差す。

 

「へえーこの島に遊園地なんてあるんだ~でも私、遊園地に行って喜ぶほど子供じゃないから」

 

楽しそう……とは思ったけど素直に言えずについ憎まれ口を呟いてしまった。

 

「子供って俺と同い年ぐらいだろう?良いから行こう!!」

 

「ちょっと!!手離してよ!!」

 

そんな私の言葉をネミットは気にせずに笑みを浮かべながら手を掴んで引っ張って行く。

 

シャボンディパーク・・・

 

ネミットは歩きながらこの島、シャボンディ諸島について色々説明してくれて目的地の32~34GRにある遊園地シャボンディパークに着く。

 

「大きい……」

 

遠くからでも分かったけど目の前で見ると思ってたより大きいテーマパークだ。

 

「ネミット、早く行こうよ!!」

 

「ああ」

 

私はどんな乗り物があるのかワクワクしながらネミットの手を引いて遊園地の中に入って行った。

 

「ネミット……も、もうすぐ頂上だよね?」

 

「ああそうだよ」

 

最初のアトラクションはジェットコースターに乗る。

 

 

「うわぁぁぁ!!!!」

 

「きゃぁぁぁl!!!」

 

ジェットコースターが頂上に着くと一気にスピードを上げて私とネミットの悲鳴と共に落下していく。

 

「あーあ楽しかった!次のアトラクション行こうよ!!」

 

「うん行こう!」

 

私とネミットは次のアトラクション、バイキングやその次のアトラクション、空中ブランコに乗り楽しんでいく。

 

「ネミット!!」

 

馬の形をしたメリーゴーランドに乗り笑顔で手を振ると柵の外で見ていたネミットが手を振り返してくれた。

 

「私ね……私の歌でシャンクスや赤髪海賊団の人たちや世界中の人たちを笑顔にしたい」

 

「そっか……良い夢だな。応援するよ」

 

観覧車に乗る私とネミット。

私が自分の夢を教えてあげるとネミットは応援してくれた。

 

「ありがとう。ネミットの夢は?」

 

「俺の夢は世界中を旅したい。父さんたちみたいに世界をこの目で見てみたい」

 

お礼を言いネミットの夢を聞くと世界中を旅する事みたいだ。

 

「だったら私たちと行こうよ!シャンクスには私が頼んであげるからさ!」

 

私たちと航海に出たらネミットの夢も叶うしそれに一緒に旅が出来たら楽しそうだと思う。

 

「今の俺じゃ足を引っ張るよ……もっと、もっと強くなってそれから一人で旅に出るよ」

 

「そっか……分かった」

 

私が誘うと申し訳なさそうにしながらネミットはゆっくり首を横に振りながら私たちと行けない理由を教えてくれて残念だけど納得した。

観覧車が地上に降り外に出ると暗くなりはじめていた。

 

「そろそろ暗くなってきたな」

 

「そうだね……ネミット……最後に私の歌を聴かせてあげる」

 

ネミットが帰ろうとすると息を大きく吸い目を閉じて歌い出す。

 

「どうだった?」

 

「今まで聞いた事ないほど上手だったよ」

 

「えへへ!ありがとう。でも当然だよ。私は赤髪海賊団の音楽家で将来は歌姫になるんだから!」

 

歌い終わり感想を聞くと上手と褒めてくれた。照れながらも自信満々に赤髪海賊団の音楽家と自分の夢を宣言する。

 

「ああ。本当に上手かったよ。俺の船に欲しいくらいだ」

 

「……!?ウタ離れろ……ぐは!?」

 

いつの間にか側で聞いていた海賊たちが私に手を伸ばし、ネミットが助けようとしてくれたけど殴られてしまった。

 

「ネミット、助けて!」

 

「待ってて。絶対に助ける」

 

私が助けてと叫ぶと、ネミットは腰に装備していた刀を構える。

 

「生意気にも俺様とやる気か?餓鬼が!お前たちそいつを殺せ!!」

 

「はい!!船長!!!!」×4

 

四人はネミットに襲いかかる……私は最悪の状況を想像してしまい目を閉じてしまう。

 

「はぁ!!!!」

 

ネミットの気合いの声と海賊の叫び声が聞こえ恐る恐る目を開けた……凄い……ネミットが海賊の一人を切付け倒していた。

 

「こ、このガキ、強いぞ!!」

 

「囲め!!袋叩きだ!!」

 

「死ね!!くそガキ!!」

 

残った三人はネミットの強さに驚き警戒すると囲みそのまま襲いかかった。

 

「こっちだ!!ウスノロ!」

 

「ぐっは!!」×4

 

ネミットは勢いよくジャンプして空中を飛び、囲んでいた船員たちを飛び越えると、大きい声で叫びネミットの声に気づいた船員たちが振り向くが、時すでに遅く三人を切りつけ倒す。

 

「後はお前だけだ!」

 

「一億二千万の賞金首……ジョン・スミス様を舐めるなよ、くそガキ!!」

 

船長に斬りかかるが簡単に剣で受け止めらしまい、殴られ地面に倒れたネミットの胸ぐらを掴む。

 

「俺様を舐めやがって!くそガキが!!」

 

船長が胸ぐらを掴んだネミットの顔を何度も殴りつける。

 

「ネミット!?やめて!!誰かネミットを助けて……シャンクス!!」

 

泣きながら殴る手を止めようとするけど止まらない。

ネミットは血を流しながら意識を失う。

 

「ネミット……ごめんね私の所為で……」

 

「大丈夫。俺に任せて」

 

泣きながら謝罪すると意識を取り戻したネミットが微笑んでくれた。

 

「貴様!!俺様を舐めるなよ!!」

 

「ネミット!?」

 

「ウタ……キミは俺が絶対……守る」

 

剣を首筋に振り下ろした船長。

ネミットが睨みつけると船長の意識を失い同時にネミットも力尽きる。

 

「ネミット!?ねえ?しっかりしてよ!!ネミット!!」

 

私は慌ててネミットに近づいて呼びかけるけど返事がない。

 

「すまない。遅れてしまったようだ」

 

「シャンクス!!レイリーさん!!ネミットが……ネミットが!!」

 

「大丈夫だ。私の息子はこの程度では死なぬよ」

 

シャンクスとレイリーさんの名前を叫ぶ私が。

レイリーさんは安心させるように微笑みながらネミットをおんぶしてくれる。

よかった。ネミットが無事で……シャンクスも私をおんぶして私とネミットは二人に運んでもらい酒場に戻る。

 

「ウタ、俺とレイリーさんは少し野暮用があるからネミットの事頼んだぞ」

 

「うん!分かった!ネミットの事任せて!!」

 

シャンクスの言葉に頷くと治療をされベットで寝ているネミットの横に椅子を置いて座った。

 

「ありがとう……私を守ってくれて……」

 

ベッドで眠るネミットに礼を言いながら頭を撫でる。

 

「孫の顔が早く見れそうね」

 

「シャッキーさん!?」

 

「うふふ冗談よ」

 

「全くもう//」

 

私を揶揄うネミットのお母さんに怒るけど悪びれた様子もなく謝られる。

でもネミットと結婚//良いかも//

顔を赤くしながら将来を想像してるとシャッキーさんだけじゃなくてレイリーさんとシャンクスの生暖かい視線で見ていたことに気づかなかった。

 

「シャッキー、余り揶揄ってやるな」

 

「ついウタちゃんが可愛くてね。それよりもレイさん。私も行ったほうが良いかしら?」

 

「いいや。私とシャンクスだけで大丈夫だ。私たちの子を怪我させた海賊たちに落とし前をつけてやるとしようか」

 

「ええ。私の分も頼んだわよ」

 

シャンクスとレイリーさんは酒場を出て行った。

 

***

 

「なぁネミット。一緒に海に出ようぜ」

 

「そうだよ!シャンクスもこう言ってくれてるし一緒に行こうよ!」

 

シャンクスは包帯だらけのネミットを船に誘い、私もネミットの手を握りながらもう一度誘う。

 

「モテモテだな我が息子よ」

 

「流石レイさんと私の息子ね」

 

ネミットを誘う様子を見てシャッキーさんとレイリーさんは嬉しそうにしていた。

 

「誘ってくれてありがとう。でもごめん俺はまだ弱い……だからもっと強くなってから海に出るよ」

 

「えー行こうよ~」

 

「そうむくれるなって。立派な考えじゃないか」

 

ネミットの考えは聞いていたので結果は分かってたけどもう一度振られたので口を尖らせるとシャンクスは頭を撫でてくれた。

 

 

「俺はもっと強くなって父さんやシャンクスさんみたいに必ず海に出るよ!!」

 

「ああ!また会おう!ネミット」

 

ネミットは力強い瞳で宣言した。シャンクスは嬉しそうに微笑むと手を振る。

 

「ネミット……ネミー……また会おうね……」

 

「あ、ああ//またな!!」

 

ネミーの頬にいつか再会出来るようにそっとキスをした。

私とネミーの頬は赤く染まりながらも再会を約束して別れる。

 

「ネミー……」

 

ネミーと別れ船が進んでいくとついにシャボンディ諸島が見えなくなる……シャボンディ諸島の方角を見つめながら座っているとシャンクスが話しかけてくる。

 

「ウタ……寂しいのは分かるがもう泣くな」

 

「シャンクス……」

 

シャンクスは涙を流す私の頭を優しく撫でてくれる。

 

「航海をしてれば出会いや別れもある……」

 

「シャンクスもあったの?」

 

「ああ。尊敬していたロジャー船長との別れだ。俺とバギーを育ててくれた父親のような存在だった。ロジャー船長が処刑された日俺たちは一日中泣いたよ」

 

私の問いかけにシャンクスは大切な人を亡くした事を思い出して表情を曇らせる。

 

「シャンクス……」

 

「だが生きていれば必ず会う事が出来る。俺とレイリーさんがこの島で再会出来たようにな」

 

シャンクスは再会した元船員のレイリーさんを思い出して笑みを浮かべる。

 

「そうだね……私世界一の歌手になる!再会した時までに素敵な女性になってネミーを惚れさせてやるの!」

 

「そうか。それは頑張らないといけないな」

 

私の夢とこれからするべき事を胸を張って宣言するとシャンクスは微笑んでくれた。

 

「それでね結婚式にはシャンクスが私と腕を組んで歩くんだよ!」

 

「そうか。ならうちの大切な娘の花嫁姿を見るまでは死ねないな」

 

幸せな未来を想像しながらシャンクスと話す。いつかの再会を願いながら。

 

数年後……

 

私たち赤髪海賊団は東の海フーシャ村で出会った男の子ルフィと別れた後、東の海にある音楽の国、エレジアに来ていた。

 

「素晴らしい!キミの歌は世界の宝だ!!是非このエレジアに留まってくれ!!国をあげて歓迎する!!」

 

エレジアの国王ゴードンさんは私の歌を褒めてくれて留学を進めてくれる。

今は用意してくれたホテルで休んでいる。

 

「随分楽しそうだったな。ここで歌ってる時」

 

「うん……」

 

私が歌った時のゴートンさんや他の人たちの表情を思い出す。

 

「俺たちの前で歌うより大勢の前で聴いてもらった方が楽しかったりしないのか?」

 

「そんな事ないって……」

 

「なあ?ウタ。この世界に平和や平等なんて存在しない」

 

「うん?」

 

「だけどお前の歌声だけは世界中の人たちを幸せにすることが出来る」

 

「何言ってるの……?」

 

「良いんだぞ。ここに残っても。世界一の歌い手になったら迎えに来てやる」

 

「馬鹿!!歌の勉強とシャンクスたちと離れるのは……」

 

私は怒鳴り部屋を飛び出していく。

 

「ウタ……」

 

そんな走り去る後ろ姿をシャンクスは悲しそうに見つめていた。

 

「シャンクスの馬鹿!!」

 

エレジアの夜の海に向かって大声で叫ぶ。こんな事しても意味はないけど今の私にはこれぐらいしか思いつかない。

 

「お嬢ちゃん随分と荒れてるわね」

 

「少し嫌なことがあって……お姉さんたちは?」

 

緑色の髪の女の子を連れた緑色の髪のお姉さんが話しかけてきた。

 

「私はモネ。こっちが妹のシュガーよ。私たち姉妹は旅行中なのよ」

 

お姉さんは微笑みながら自己紹介してくれて、シュガーちゃんは近くにいる。

 

「貴方がウタちゃんね?」

 

「どうして私の事を知ってるの?」

 

「貴方のことはエレジア中で有名よ」

 

「そうなんだ」

 

私の問いかけにお姉さんが答えてくれる。エレジアでは私の名前は有名になってるみたい。

 

「有名な貴方の歌を是非聞かせてほしいわ」

 

「うんいいよ!!」

 

お姉さんの言葉に頷くとさっきの事を忘れるために息を吸って全力で歌う。

 

「素晴らしい歌声ね。起きなさい。シュガー」(シュガーが眠らされるなんて……この子の力はやはり若様の計画の障害になるわね)

 

歌を聞いて眠ったシュガーちゃんの肩を揺すり起こすお姉さん。

 

「お姉ちゃん計画を実行するの?」

 

「ええ。お願いするわね」

 

「うん分かった」

 

シュガーはウタに触れる。するとウタの姿は人形に変わる。

 

「えっ?私、人形に!?戻してよ!!シュガーちゃん!!」

 

「貴方が誰かはもう分からないけどうるさいわね。契約よ。声を出さないで」

 

ウタの叫びをシュガーは迷惑そうな表情で見るとそのまま呟く。

 

「ギーゴ!ギーゴ!」(えっ!?声が出ない!?待って!!)

 

「じゃあね。貴方とはもう二度と会わないと思う」

 

ウタはシュガーの命令の所為で声が出なくなり、人形からは壊れたオルゴールのような音が流れる。

 

「シュガー。ドレスローザに帰るわよ」

 

「分かった。お姉ちゃん!!」

 

「ギーゴ!ギーゴ!」(お願い!!私を元に戻して!!)

 

ウタの叫びも空しくシュガーとモネはエレジアを去る。

 

「ギーゴ!ギーゴ!」(そうだ!!シャンクスなら!!)

 

「なぁバギー。何で俺たちは音楽の国エレジアにいるんだ?」

 

「知るかよ!お前が音楽って面じゃねえ事は知ってるがな」

 

「確かにな。バギーの赤鼻は芸術的で面白いけどな」

 

「俺の鼻を馬鹿にするんじゃねえ!!派手にむかつく奴だぜ!!」

 

「そうかそうか。船に戻ろうか」

 

「無視するんじゃねえ!!」

 

シャンクスとバギーはウタの存在を忘れ騒ぎながら船に戻ろうとする。

 

「ギーゴ!ギーゴ!」(シャンクス!!私だよ!!ウタだよ!!)

 

歩くシャンクスとバギーに必死に呼びかけるウタ。

 

「バギー!凄いぞ人形が動いてるぞ」

 

「お前に懐いてるんじゃねえか?」

 

「それは嬉しいがすまない。旅を急いでるんだ」

 

ウタの叫びも空しくシャンクスとバギーは人形を気にせずに素通りして船に戻る

 

「ギーゴ!ギーゴ!」(誰も私の事を覚えてない……嫌だよ……誰か助けてよ……ネミー……)

 

ウタはシャンクスたちの船に忍び込み乗り込むと悲しい壊れたオルゴールの音色が海に鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタsideの話

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