緩やかな流れの川、砂利の上に立つ金髪の少年と黒髪の少年は目の前の相手を睨む。
「火拳!!」
やや癖もある黒髪とそばかす。ゴーグル型の装飾されたオレンジ色の帽子を被る少年、ポートガス・D・エースは痺れを切らしたのか先に動きを見せる。
右手に膨大な炎を集めて目の前の相手である金髪の少年に放つ。
「ウォーターシールド」
「っち!やっぱ簡単に防ぎやがるか」
エースは苦い顔をしながら悪態を吐く。
それもそのはず目の前の相手である紫色の衣服を着て、緑色のズボンをはく、金髪の少年、シルバーズ・ネミットは自身の悪魔の実の能力を使い川の水を操作してエースのあだ名の由来である火拳を余裕の表情をしながら防いだからである。
「火銃!!」
「ウォーターアロー!!」
エースは両手を指鉄砲のように向けると火の弾丸を連続で放つ。
ネミットは冷静に迫り来る火の弾丸を認識すると川の水を操作して矢に変え放たれた火の弾丸全てに放つ。
水矢は全ての弾丸を貫きながらそのまま勢いよくエースに向かう。
直撃すると思われたが……
エースは自身に迫る水矢を神経を鋭くさせて紙一重で避けた。
「見聞色の覇気か。流石だ」
「ああ。お前のおかげだ。ありがとな」
ネミットが褒めると、エースは訓練に付き合い指導してくれているネミットに頭を下げて礼を言う。
「だけどな。勝負は別だ。今日こそ勝たせてもらうぜ!!」
不敵な笑みを浮かべながらエースは殴りかかるが簡単に拳を受け止められてしまった。
「こんだけ至近距離なら簡単に避けられねえだろ……ネミット、俺の全力を受けてみやがれ!!……火拳!!!!」
受け止められた反対の右腕を構えそのまま炎を放つ。
直撃したと思われたが……
「化け物かよ……」
「見聞色の覇気をもっと極めれば避けられるさ」
目の前を見ると無傷なネミットの姿が確認出来る。
どうやらネミットは掴んでいた手を離すとそのまま見聞色の覇気を使い至近距離から放たれた火拳を避けたようだ。
あり得ない物を見た様子のエースに不敵な笑みを浮かべて言い放つ。
「次は俺の番だ」
「痛ぇ!?俺の身体火なのに!?武装色の覇気か!?」
エースが反撃しようとするが、ネミットは
武装色の覇気を纏わせて右の拳を鋼鉄させて殴る。
メラメラの実を食べ、身体を火に変えることが出来るエースだが武装色の覇気を纏った拳で実体をとらえられ殴られたので悲鳴を上げた。
「今日の訓練はこれで終わろうか」
「ああ」
ネミットが笑みを浮かべながら訓練の終了を告げるとエースも頷く。
「ネミットみてえに上手く覇気使えねえな」
「俺は小さい頃から父さんに鍛えてもらったからな。コツコツ頑張るしかない」
訓練が終わりネミットはタオルで身体の汗を拭いていると、エースが呟く。
苦い顔をするエースに昔を思い出しながら自身の考えを伝える。
「そうだよな」
「俺から見てエースは前より覇気を使えるようになったと思う」
ネミットは訓練を始めた頃を思い出し呟く。
精度は低いが武装色と見聞色の覇気、2種類の覇気を纏わせる事が出来るようになった。
二種類の覇気を習得出来たエースの恵まれた才能を感じた。
「覇王色の覇気はどうやって使えるようになるんだ?」
「覇王色か。生まれたすぐに使える人もいるみたいだけど才能が必要だ」
「才能……」
ネミットは問いかけに目を閉じて考えると答えるとエースは呟いた。
「才能は大丈夫。最初に言ったけど覇気を習得したいなら自分の力を信じること。後は……」
「後は何だよ?」
「そのうち分かる」
自分が父親から教えられ覇気を習得する事が出来た理由を教え最後の理由は曖昧にしながら足下を進めた。
「そのうち分かるって……おい!待てよ!!教えてくれねえのかよ!?」
答えが返ってくると期待していたエースはずっこけ立ち上がるとネミットを追いかけた。
ネミットside
最後の答えをしつこく迫るエースに曖昧な返事をしながら別れ他の船員たちと同じように食料を集めることにする。
「悪いがお前を狩らせてもらう」
無人島にある森の中を歩くと目の前には数匹の猪が俺を獲物として狙う。
左の腰に差してある鞘からハーデスを引き抜き構えた。猪は一斉に襲いかかる。
「大量だな。そろそろみんなの所に戻るか」
襲いかかってきた猪じゃ相手にならない。
目の前には仕留めた猪たちが倒れていた。
仕留めた猪を持つと別々に食料を調達するために別れた船員たちと合流するために目を閉じて意識を集中した。
見聞色の覇気で島全体を把握する。
この気配は……やばい!?近くの船員に仲間とは違う強い気配が迫り慌てて合流するために走る。
「何でてめえがこんな所にいるんだ!?」
スペード海賊団の船員である髑髏のマスクをはめた男、スカルの目の前には全身黒ずくめのマスク着用した大男がいた。
無言で手に持つ黒い鎖に繋がれた鎖鉄球を放った。
キーン!!
「大丈夫か?」
「すまねえ!!ネミットの旦那!!」
ネミットがたどり着くとスカルに放たれた鎖鉄球をハーデスで弾く。
「ネミット旦那!!そいつは王下七武海……トカゲの王……ハナフダだ!!」
「七武海、こいつが……」
偉大なる航路後半、新世界。新世界では四人の大海賊たちがまるで皇帝のように君臨している。
その名も四皇。
過去に出会ったシャンクスさんもその内の一人。
四皇を抑えるために海軍本部と政府公認の七人の大海賊、王下七武海。
ハンコックも七武海の一人。後、目の前の男もか……
話に戻るけど三つの勢力を三大勢力という。
その三大勢力の内一つが崩れると世界のバランスが崩れ大変な事になるみたいだ。
「お前が仙人か?」
「ああ。俺はシルバーズ・ネミットだ」
「そうか……ならば死ね」
鎖鉄球を放ちすぐにハーデスで弾いた。
「ネミットの旦那!助太刀に入るぜ!!」
「スカルはあっちの方にいる船長を呼んできてくれ……こいつ……強い」
「ネミットの旦那でもか……分かった。死ぬなよ!ネミットの旦那!!」
スカルの言葉に首を横に振り命令をすると、スカルは指差した方角にいるエースを探しに行ってくれた。
「何で俺たちを狙う?」
「お前たちじゃねえ。仙人……お前が目的だ」
「俺?」
「俺の趣味は悪魔の実の収集。特に
「ああ。知ってる」
ハナフダが言うようにこの世界に同じ悪魔の実は二つも存在しない。
例えば俺が食べた、ヒトヒトの実・幻獣種・モデル仙人やエースが食べたメラメラの実。
誰かが食べてしまったらその悪魔の実が欲しくても無理だ。
ただ一つ例外があるとしたら悪魔の実の能力者を殺せば良い。
悪魔の実の能力が死ねば何処かで悪魔の実が生まれるみたいだ。
「それで俺を殺して奪おうってつもりか?」
「ああその通りだ」
「悪いけど俺は死ねない……世界をこの目で見てみたい。それに……あいつの行く先を見届けたいから」
「だろうな……ならば力尽くで殺す」
ハナフダは鎖鎌を俺に投げるがネミットはハーデスで弾く。一度鞘に戻し構えた。
「居合……死桜」
すれ違い様にハーデスを引き抜き数回切りつけたが全くダメージがない。
ハナフダは巨大な肉食恐竜の姿に変わり堅い鱗がネミットの攻撃を弾いたようだ。
「お前も悪魔の実の能力者か……」
「俺はリュウリュウの実・古代種モデルティラノサウルスを食べた恐竜人間……さぁ……パーティーの時間だ」
俺に巨大な恐竜の姿をしたハナフダが襲いかかった。
エースside
「今回も負けたのか?」
「うるせえ!次は負けねえよ!」
「ふっ。今のお前じゃ勝てねえよ。そんな事はお前も分かってるんだろ?」
「ぐっ!」
デュースの確信突いた言葉に俺は言葉を詰まらせた。
(まぁこの短時間でネミットが言ってた覇気を使えるようになったのは流石だけどな)
「何だよ?」
「いや、何でもねえよ。頑張れよ船長」
「おう!」
俺はネミットを超えて、くそ親父と互角だった海賊を倒しこの世界に名を残してやる!そうすれば……俺は……
「エースの旦那!!デュースの旦那!!」
「どうしたんだよ?そんな慌ててよ?」
「スカル何かあったのかよ?」
慌てて走ってきたスカルに問いかける俺とデュース。
「ネミットの旦那が!!」
「……!? スカルはあいつらを集めろ!!デュース!!お前は付いてこい!!」
「ああ。了解」
未熟な見聞色の覇気を使い近場を探ると弱ったネミットの気配を感じた。
俺はデュースとスカルに指示を出して駆け出す。
「ネミット……?てめえ!!何もんだ!?」
「俺か?俺はハナフダ。王下七武海のハナフダ。仙人は俺が殺す」
エースとデュースが駆けつけると目の前には巨大な肉食恐竜をしたハナフダが体から血が流れ意識を失うネミットを握りしめていた。
「エース……こいつ七武海だ……」
「関係ねえよ……仲間からその汚い手を離しやがれ!!」
(こいつ……無意識に覇王色を……)
エースの怒鳴り声に微かに威圧されたハナフダ。
「神火・不知火!!」
両腕を勢いよく振り抜き、二振りの炎の槍をハナフダの巨大な手に放ち突きさすと、炎上し掴まれていたネミットは解放された。
エースはネミットを受け止めた。
ハナフダは軽く手を振るうと炎上していた火は鎮火される。
「デュース!!ネミットの事頼んだぞ!!」
「おう!!」
ボロボロのネミットを船医であるデュースに治療を頼む。
デュースは船長の言葉に頷くと治療を開始した。
「悪いがうちの副船長は返してもらったぜ」
「ふん。お前を殺してすぐに仙人を取り返す」
「やれるもんならやってみやがれ!!十字火!!」
エースの言葉にハナフダが言い放つと、エースは言葉を返しながら動く。
両手の人差し指を交差させて十字架を連想させる火柱を放つ。
「その程度の炎効かんな」
ティラノサウルスの姿をしたハナフダは尻尾で火柱を薙ぎ払う。
「だったらこいつならどうだ!!」
「遅い!」
「ぐは!!」
エースが次の攻撃に移ろうとするがハナフダが接近し巨大な手で殴りつける。
「覇気か……」
「覇気を知っているようだな……仙人もそうだがお前らルーキーは能力者だからといって油断しすぎだ。この先の海、新世界では仙人やお前らルーキーが使えなくても、能力者の天敵である覇気を当たり前のように使える。過信しているお前ら能力者たちはこの先の海じゃ絶好の標的になるのさ」
ハナフダは能力者であるエースとネミットを馬鹿にしたように自信満々に言い放つ。
(仙人……お前らルーキー?……)「フッ」
ハナフダの言葉に違和感を覚えたエースは先程ボコボコにされた副船長を思い出して軽く笑みを浮かべた。
「火拳。気でも触れたか?」
「いや、すまねえな。俺もお前もあいつにすっかり騙されちまったと思ってな」
「何を言ってる……」
エースがいきなり笑った事に動揺するハナフダ。だがエースは自分や目の前の強敵が副船長の思惑道理に運ばされた事を知り笑ったのである。
「いいや何でもねえ…ハナフダ……お前は俺にぶっ飛ばされるんだからな!!」
「やれるならやってみろ」
「上等だ。受けてみやがれ……火拳!!」
エースは武装色の覇気を纏わせて火の拳を放つ……その威力は今までの火とは違い凄まじい勢いで燃え上がり、更に威力が強く恐竜の姿をした巨体なハナフダを簡単に吹き飛ばす。
「俺の怒りの炎はもうお前如きじゃと止められねえよ」
エースが目の前を見ると意識が無くなり能力が解けて人間の姿に戻ったハナフダの姿が見られた。
エースは三大勢力の一つである王下七武海、ハナフダを下したのであった。
「せ、船長が負けた!?」
「命までは取らねえ。さっさと船長を連れて消えな」
「ひ、ひいー!?」
エースとハナフダが戦闘を行ってる間に到着したハナフダ海賊団の船員たちは船長が負けた事に絶叫した。
エースの言葉に船員たちは我に変えると悲鳴を上げながら船長であるハナフダを背負い無人島から船を全力で動かして脱出して行った。
***
スペード海賊団は宴をしていた
エースは酒を飲んでいるネミットに話しかける。
「お前わざと負けただろ?デュースから聞いたが傷も深くねえしな」
「……ああ。重たい一撃は受けないように避けたよ。七武海との戦いは必ずエースを強くしてくれると思ったから」
「全くお前たまに腹黒い所あるよな」
悪びれた様子もないネミットに呆れるエース。
「そうか?エースを信用してるからだ。それに」
「それに?」
「大切な人を守りたい……その想いは必ず力になる」
「確かにな……」
ネミットが言いたいことを理解したエースは大切な義理の弟を思い出しながら頷く。
「ネミット。もしかしてお前は大切な人を守りたいと思った時に覇王色の覇気を使えるようになったのかよ?」
「ああ。大切な子。その子を守るために覇王色の覇気を使ったみたいだ……でもその子の顔が思い出せない……男の子なのか女の子さえも分からない」
「ネミット……」
悲しそうに顔を曇らせたネミット、エースは言葉を詰まらせた。
「大丈夫だよ。航海を続ければ必ず会えるって信じてる」
「そうだよな……ネミット!ハナフダを倒したことを祝おうぜ!!宴だ!!」
ネミットの言葉に陽気な笑みを浮かべると大量の肉を口に運ぶ。
「ああ。でも寝るなよ」
「zzz~うお!?」
食べながら眠るエースはネミットの言葉に目を覚まし驚きの声を上げた。ネミットは船長の様子を見て笑みを浮かべながら酒を飲む。
ネミットたちは宴を楽しむ。
「火拳!!観念しろ!!」
「シルバーズ!!今日こそ貴方を捕まえます!!」
「面倒くさい奴らがきたな……」
「確かにな」
出航する準備をしていると海軍の船が現れた。エースは見知った顔を見て面倒くさそうにしていて、ネミットは苦笑いする。
「野郎共!!出航だ!!全力で逃げるぞ!!」
「おう!!」×全員
エースの号令に船員たちは返事をして船を進ませ海軍から逃げていった。
ウタsideの話
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