シャッキーSぼったくりBSR・・・
たしぎたちから上手く逃げ出した俺はシャボンディー諸島13番CR(グローブ)にある酒場に来ていた。
「久しぶりだな。ここに戻ってくるのは。ただいま。母さん」
「あら?久しぶりね。ネミーちゃん。そろそろ来る頃だと思ってたわよ。」
酒場のドアを開けて中に入ると黒髪の美女がカウンターの向こうから微笑む。
黒髪の美女は、俺の母親でこの酒場、シャッキーSぼったくりBSRの店主。シャクヤク、通称シャッキーと呼ばれてる。
「貴方が所属したスペード海賊団の船長さん、ルーキーなのに凄いわね。あの三大勢力の一つ、王下七武海、トカゲの王、ハナフダを倒すなんてね」
「エースや俺たちのこと知ってるんだな。流石シャボンディ諸島一番の情報屋」
「うふふ。まあね。私はネミーちゃんや貴女たちスペード海賊団のファンだもの」
エースがハナフダを倒した事は、海軍としては世間に知られたくないのかニュースになってないはず。だが、母さんは当然のように知っていた。まあ当然だな。母さんはシャボンディ諸島一番の情報屋としても有名だから。
過去には父さんやロジャーさんたちが活躍した時代の大海賊の一人でもあった。
「もうすぐみんながこの酒場に来るから適当に作ってやってほしいんだ」
「ええ分かったわ。ネミーちゃんがお世話になってるもの。腕によりをかけて作っちゃうわ」
「ありがとう。よろしく」
仲間とこの酒場で待ち合わせしているので、仲間たちのために料理を頼むと、母さんは快く頷いてくれて料理を作っていく。
「少し聞きたい事があるんだ。子供の頃俺に女の子の友だちっていた事ある?」
「ふふふ。なあに?貴方にガールフレンド?残念な事にいなかったわね」
俺は料理中の母さんにずっと気になることを問いかける、すると残念そうに母さんは溜息を吐いていた。
「……」
母さんと同じで修行ばかりだった俺に友だち、ましてや女の子の知り合いはいないはず……ただ、何度か脳内に遮った記憶……顔がぼやけた女の子の事を思い出す。
「何か思い当たるふしがあるみたいね。言ってみなさい」
俺の腑に落ちない表情を見て母さんが問いかけてくれる。
「悪魔の実……能力で記憶や存在を消された話を知らない?」
「記憶や存在を消す……物騒な話ね。でもそんな話は聞いたことがあるわ」
俺の問いかけを聞くと、母さんは料理を作ってた手を止めて少し考える。すると眉を細めながらも話してくれる。
「本当かどうか分からないけど、とある国、ドレスローザでは沢山のおもちゃたちが自分がその人の家族や大切な人だと決死の剣幕で言ってるみたいよ。だけど不思議なことに言われた人たちは、そのおもちゃの記憶や存在を知らないみたい」
その人たちは家族や大切な人の記憶や存在を知らない……俺と同じだ。ドレスローザ。確か、新世界にある王国。愛と情熱と"おもちゃ"の王国。不思議なことにおもちゃが人間と仲良く暮らしてる国。
「その悪魔の実の能力は分かってるの?」
「ええ。当然よ。その悪魔の実は。ホビホビの実。名前は可愛いけど、能力はえげつないわ。ホビホビの能力者は触れた者をおもちゃに変え、おもちゃに変わった者はこの世から存在を抹消される。おもちゃにされた人の事をまるで最初からいなかったように何にも疑問に思わなくなるみたいよ。過去には多くの人の存在を消したとされる逸話がある最強最悪の実よ」
ホビホビの実……能力者に触れられるだけでおもちゃに変えられて存在を抹消される……母さんが言うように最強最悪の能力だ……
多分俺の記憶にある顔がぼやけた女の子もホビホビの実の能力者におもちゃに変えられたのかも知れない。そしてこの世から存在を抹消された……
ただ一つ疑問が残る……
「ホビホビの実……存在を抹消する……だったら何で俺だけ記憶が曖昧だけどあるんだ?」
「理由は分からないわ。ネミーちゃんの持ってる体質なのか……それとも覇気が強いからなのか……ただ伝説になってるぐらいだからネミーちゃんのように記憶があった人もいるのかもね」
俺の疑問に母さんなりの考察を教えてくれる。体質か覇気のおかげか……偶然なのか、必然なのか……でもよかった。曖昧だけど女の子の事を完全に忘れる事にならなくて。
「ホビホビの実の能力者は誰か分かる?」
「いいえ。流石の私も能力者が誰かまでは分からないわ。だけどね……悪魔の実の能力者と関係してる子は大体予想出来てるわ……」
ホビホビの実の能力者を聞くけど流石の母さんでも分からないみたいだ。だけどホビホビの能力者と関係がある人物は予想出来てるみたいで説明してくれた。
「何で怪しいかというとね……ドレスローザの国王が王下七武海、天夜叉、ドンキホーテ・ドフラミンゴだからよ。あの子は昔から可愛くないわ。新世界の裏社会では海賊や戦争を繰り広げている国に武器を売り激化させている
闇の
害虫を潰したような顔でドフラミンゴの名を吐き捨てる。自分も昔は海賊だったから他の海賊の事を嫌いと言わない母さんが、はっきりと言ったって事は、ドフラミンゴはエースや父さんたちのようなワクワクした冒険をするような海賊ではなく、恐怖や力で人を襲ったり国を支配するような海賊なんだろう。
「ドンキーホーテ・ドフラミンゴ……」
過去のドフラミンゴの手配書を受け取るとその名を呟いた。
短く刈り込んだ金髪にピアスを填め、特徴的なサングラスを掛けており、フラミンゴの羽を思わせるようなピンク色のファーコートを着用している。
手配書には3億4000万ベリーと書かれているが、今は王下七武海に入っているので賞金額はリセットされてる。
その賞金額は俺やエースよりも上だ。
ただそれはハナフダを倒す前の話。俺やエースは一日、一日成長してる。ただ……それはドフラミンゴにも言える事だ。手配書は所詮過去であるから。
「ドンキーホーテ・ドフラミンゴの仲間の一人にホビホビの能力者がいると考えてるわ。もちろん私の勘だけどね」
ドフラミンゴの仲間に顔がぼやけた女の子の記憶や存在を奪った元凶がいるのか……無意識に拳を握り力が入っていた。
「ありがとう。これから俺がする事が分かった」
「うふふ。お役に立てて良かったわ」
母さんに礼を言うと笑みを浮かべた。
俺はとりあえず顔がぼやけた女の子と深い関わりがあるシャンクスさんや赤髪海賊団に会わなければいけない……もしも母さんが教えてくれた悪魔の実の能力者が元凶で存在を消されて顔がぼやけた女の子を長年苦しめて泣かせたなら……ホビホビの実の能力者も……ドフラミンゴも絶対に許さない。
母さんとその後も話していると、エースとデュース以外の仲間が渡された地図を見て酒場に到着した。
「ネミット旦那!!聞いてくだせえ!」
「お疲れ。みんなの分頼んどいたよ」
「ありがてえ!……ってそれどころじゃねぇぜぇ!!エースの旦那が……エースの旦那が!!一人島に上陸したんだよ!!しかも……財布を持たずに!!」
やっぱり。あの状態でエースが我慢出来るはずもないよな。何となく予想は出来ていた。ただ予想外なのは飲食店に入るはずなのに財布を持たずに向かった事だ。相変わらず面白い船長だ。
勿論デュースの姿が見当たらないという事は能天気な船長を追いかけて行ったんだと思う。
「大丈夫だよ。デュースがエースを追いかけて行ったんだよな?」
「まあそうだけどよぉ」
俺の言葉に心配そうにしているスカル。
「いざとなったら大将からみんなで三日間逃げよう」
「無茶言うなよ!?」
「化け物のアンタと船長と一緒にすんな!!」
俺の無責任な言葉にスカルと仲間たちからツッコミを入れられた。
「賑やかな海賊たちね」
「ああ。良い奴らだよ」
「ネミットの旦那そちらの女性は?」
「俺の母親だよ」
「これはどうもネミットの旦那にはいつもお世話になってるぜ」
「うふふ。こちらこそ息子がお世話になってるわね。寄りをかけて作ったからお腹一杯食べて行ってね」
スカルと仲間たちが挨拶すると母さんも返す。
挨拶が終わると仲間たちも賑やかに机に用意されている食べのを食べたり、酒を飲む。
「懐かしい気配を感じて帰ってきてみれば……久しぶりだな。ネミット」
「ああ。ただいま……父さん」
扉から白髪の男が入ってきた。白髪の男は俺の父親であり、過去には海賊王の右腕で冥王と呼ばれた、伝説の海賊、シルバーズレイリー。
「ネミットの旦那の親父さん?……てことは……め……め……冥王レイリー!?」
「フフフ。ああ。キミたちがスペード海賊団か。息子が世話になってるようだな。だがその名で呼んでくれるな。今の私はコーティング屋のレイさんで通ってる。海軍に追われると面倒だ」
俺の父親と知ると”冥王”だと気づき驚きの声を上げる仲間たちに、父さんは笑みを浮かべて人の良さそうに話しかける
「お帰りなさい。レイさん」
「ただいま。シャッキー。ところでネミット。冒険の途中で帰宅するとは何のようだね?」
「ああ。父さんにコーティングをお願いしたいんだ」
父さんは母さんに返事を返すと、酒場に来た俺が何か用事があると考え問いかける。
俺の用事は船のコーティング作業を依頼しに来た。
海に潜るためにはコーティングをしなきゃいけない。
下手なコーティング業者に頼んだら途中でシャボン玉が割れて海の藻屑となる。
だから俺の知る限りこの諸島一番の腕を持つ父さん、コーティング屋のレイさんに依頼をしにきたのだった。
「やはり船をコーティングする依頼か。分かった引き受けよう。ただしお前も手伝いなさい。昔から私が船をコーティングするところを見てただろう?」
「ああ分かった」
父さんの言葉に頷くと仲間たちに視線を合わせる。
「俺は父さんと船に戻るよ。コーティングは三日間かかると思うからみんなは自由にしててくれ」
「了解だぜぃ!俺はコーティングした後の操作を知りたいから後でネミットの旦那に合流するぜぃ」
「ああ。分かった」
スカルの言葉に頷くと父さんと一緒に酒場を後にして船に戻る。
酒場を後にしたネミットとレイリー。
ネミットたちと入れ違いで、酒場に女軍曹が入ってきたのであった。
「やっと見つけました!!シルバーズ!!隠れるなんて卑怯です!!正々堂々真っ正面から逃げなさい!!」
「マジか……」
たしぎの二度目の襲来にスカルやスペード海賊団の仲間たちは溜息を吐き面倒くさそうにしていた。
「シルバーズ?貴女たち!!シルバーズは何処にいるんですか!?」
「相変わらずしつこい女海兵だぜぃ。ネミットの旦那の居場所?言うわけねえだろぅ」
「そうですか……ならば貴方たち全員捕まえて吐かせる事にします」
ネミットがいない事に気づくとスペード海賊団にネミットの居場所を問いかけるが当然言わない。
刀を構え睨み合うたしぎと、戦闘態勢で構えるスペード海賊団。
「貴女たち、店の中で喧嘩は止めてもらえるかしら?」
「そうですね。今ここで争ってもお店にご迷惑かけますよね。すいません。店員さん」
シャッキーは店の中を指さして迷惑そうに言うと、たしぎは慌てて刀を鞘に戻して謝罪した。
「ネミーちゃんの居場所よね?ふふふこの場所にいるわよ」
素直に謝罪するたしぎに好感を持ったのか微笑むとシャッキーはコーティングに向かったネミットの居場所を教える。
「……言うのかよ!?」
シャッキーが居場所を素直に言い、仲間たちは母親である彼女が素直に言った事でツッコミをいれる。
「心配しなくてもいいわ。あの人に鍛えられたあの子が簡単に負ける訳ないもの」
「……その言いようには不満がありますが、店主さん。情報提供ありがとうございます!」
シャッキーに礼儀正しく敬礼してたしぎはコーティングに向かったネミットを追いかけようと店を出ようとするが酒場に三人の美女が入ってくる。
「なんじゃ。小娘。妾の道を妨げるではないわ」
「す、すいません……今道をあけますね……貴方は!?」
たしぎは驚きの声を上げる。それもそのはず、目の前には三大勢力の一つであり、政府公認の大海賊、王下七武海、海賊女帝、ボア・ハンコックとその姉妹、ボア・サンダーソニアとボア・マリーゴールドがいたのである。
番外編のアンケート
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1 ウタとのデート回
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2 赤髪海賊団加入
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3 1.2両方
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