冥王の息子   作:侍魂

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第2話 赤髪と赤髪の娘

「レイリーさん!?」

 

酒場に赤髪の男の人が入ってきて父さんに気づくと驚きの声を上げる。

 

「シャンクスか。久しぶりだな」

 

「そうですね」

 

「立ち話しもなんだ。何か食べていきなさい」

 

「じゃあ失礼しますね」

 

赤髪の男は父さんの目の前の席に座る。

 

「キミの噂は色々聞いてるよ赤髪。随分と暴れてるようじゃないか」

 

「よしてくださいよ。レイリーさんやロジャー船長と比べたらまだまだ餓鬼ですよ」

 

椅子に座り酒を飲みながら話す父さんと赤髪の人。

 

「父さん、この人は?」

 

「ああ。この男はシャンクス。私と同じでロジャーの船に乗り冒険した船員(クルー)だ」

 

知り合いなのかな……気になり質問すると驚くべき答えが返ってきた。

 

「俺は海賊見習いでしたけどね」

 

ゴールドロジャーの船員凄い人が来たな。父さん以外のロジャーさんの船員に会うのは初めてなので驚く。

 

「レイリーさんこの子は?」

 

「この子は私とシャッキーの息子だ」

 

「そうか息子ですか!……レイリーさんの……息子!?」

 

「ははは!そんなに驚くことか?」

 

シャンクスさんの驚きように面白そうに笑っていた父さんは酒を一口飲む。

 

「レイリーさんの子供、お前の名は?」

 

「俺はネミット」

 

「ネミットか。良い名だ」

 

俺が名前を言うと優しい笑みを浮かべて褒めてくれた。

 

「父さん以外のロジャーさんの船員に会うのは初めてだ。凄いな」

 

「アンタ分かってるわね。そうよ!シャンクスは凄いのよ!あっお姉さん!ジュースありがとう!」

 

「うふふ。良いのよ」

 

いつの間にかカウンター席に座っていた赤と白のツートンカラーの髪の女の子はお礼を言いながらジュースを飲んでいた。

 

「えっと……キミは?」

 

「私はウタ!シャンクスの娘で赤髪海賊団の音楽家よ!」

 

シャンクスさんの娘、ウタは胸を張り自己紹介する。

 

「ウタ!?どうしてここに!?みんなと待ってろって言っただろうが!」

 

「だって船でお留守番するの暇なんだもん!」

 

「はぁー全く」

 

ウタは頬を膨らませて不機嫌そうに言い、シャンクスさんは手を顔に当てながらため息を吐く。

 

「驚いたよ。まさかキミにも娘がいたとわな」

 

「まあ訳ありですけどね」

 

驚いている父さんの言葉にシャンクスさんが曖昧な返事をする。

 

「ネミット、ウタちゃんにこの島を案内してあげなさい」

 

「うん。分かった」

 

「ええー」

 

頷く俺とは反対に不満そうなウタ。

 

「俺はレイリーさんと話してるからお前も子供同士遊んでこいよ」

 

「はーい」

 

「ネミット。ウタの事頼んだ」

 

「ああ。任せて」

 

シャンクスさんの言葉に頷くとウタと酒場の外に出る。

 

「ネミット。これから何処に遊びに行くの?」

 

「そうだな。遊園地(シャボンディーパーク)に行こう」

 

「へえーこの島に遊園地なんてあるんだ~でも私、遊園地に行って喜ぶほど子供じゃないから」

 

ウタは興味がなさそうに振る舞ってるけど、瞳を輝かしていた。素直じゃないのかな……

 

「子供って俺と同い年ぐらいだろう?良いから行こう!!」

 

「ちょっと!!手離してよ!!」

 

ウタの手を掴んで引っ張っていく。

 

シャボンディパーク・・・

 

シャボンディー諸島は<ヤルキマンマングローブ>という樹の集まり。

樹は全部で79本。

その一本一本に施設があって、79の島で成る島をシャボンディー諸島っていうみたいだ。

樹には一本一本に番号が書いてあって、ちなみに母さんが営業している酒場は13GR(グローブ)にある。

 

歩きながらウタに説明していると、目的地の32~34GRにある遊園地(シャボンディーパーク)に着く。

 

「大きい……」

 

ウタは遊園地の広さに驚いていた。

 

「ネミット、早く行こうよ!!」

 

「ああ」

 

さっきまで乗り気じゃなかったウタは俺の手を引っ張り遊園地の中に入っていく。

 

「ネミット……も、もうすぐ頂上だよね?」

 

「ああそうだよ」

 

最初のアトラクションはジェットコースターに乗る。

 

「うわぁぁぁ!!!!」

 

「きゃぁぁぁl!!!」

 

ジェットコースターが頂上に着くと一気にスピードを上げて俺とウタの悲鳴と共に落下していく。

 

「あーあ楽しかった!次のアトラクション行こうよ!!」

 

「うん行こう!」

 

俺とウタは次のアトラクション、バイキングやその次のアトラクション、空中ブランコに乗り楽しんでいく。

 

「ネミット!!」

 

馬の形をしたメリーゴーランドに乗り笑顔で手を振るウタに柵の外で見ていた俺は手を振り返す。

 

「私ね……私の歌でシャンクスや赤髪海賊団の人たちや世界中の人たちを笑顔にしたい」

 

「そっか……良い夢だな。応援するよ」

 

観覧車に乗っているとウタが自分の夢を教えてくれる。

 

「ありがとう。ネミットの夢は?」

 

「俺の夢は世界中を旅したい。父さんたちみたいに世界をこの目で見てみたい」

 

「だったら私たちと行こうよ!シャンクスには私が頼んであげるからさ!」

 

俺は首を横に振る。

 

「今の俺じゃ足を引っ張るよ……もっと、もっと強くなってそれから一人で旅に出るよ」

 

「そっか……分かった」

 

観覧車が地上に降り外に出ると暗くなりはじめていた。

 

「そろそろ暗くなってきたな」

 

「そうだね……ネミット……最後に私の歌を聴かせてあげる」

 

帰ろうとするとウタが目を閉じて歌い出す。

 

「どうだった?」

 

「今まで聞いた事ないほど上手だったよ」

 

今まで聞いたことない程上手くて、感想を聞かれたけど上手く言えない。ただ一つ言えることはそれだけウタが歌うことが大好きなんだろうって事が伝わる。

 

「えへへ!ありがとう。でも当然だよ。私は赤髪海賊団の音楽家で将来は歌姫になるんだから!」

 

「ああ。本当に上手かったよ。俺の船に欲しいくらいだ」

 

「……!?ウタ離れろ……ぐは!?」

 

嬉しそうに笑いながら自信満々に言い放つウタ。そんな彼女にいつの間にか俺たちの側で歌を聞いていた海賊の一人がウタに手を伸ばす。

慌てて助けようと手を伸ばすが殴られて地面に倒れる。

 

「ネミット、助けて!」

 

「待ってて。絶対に助ける」

 

ウタの助けを呼ぶ声を聞きすぐに立ち上がり腰に装備されていた刀を抜刀し構える。

 

「生意気にも俺様とやる気か?餓鬼が!お前たちそいつを殺せ!!」

 

「はい!!船長!!!!」×4

 

ウタを攫ったあいつの船員が船長の命令で俺に襲いかかる。

 

「はぁ!!!!」

 

迫り来る船員に一太刀入れ倒す。

 

「こ、このガキ、強えぞ!!」

 

「囲め!!袋叩きだ!!」

 

「死ね!!くそガキ!!」

 

四人のクルーは俺を囲み剣を振り下ろす。

 

「こっちだ!!ウスノロ!」

 

「ぐっは!!」×4

 

勢いよくジャンプして空中を飛び、囲んでいた船員たちを飛び越えると、大きい声で叫び俺の声に気づいた船員たちが振り向くが、時すでに遅く四人を切りつけ倒す。

 

「後はお前だけだ!」

 

「一億二千万の賞金首……ジョン・スミス様を舐めるなよ、くそガキ!!」

 

船長に斬りかかるが簡単に剣で受け止めらしまい、殴られ地面に倒れる俺の胸ぐら掴まれた。

 

「俺様を舐めやがって!くそガキが!!」

 

「ネミット!?止めて!!誰かネミットを助けて……シャンクス!!」

 

視界が歪んできた……ウタの声が聞こえる……ごめんキミを守れなかった……いや……守るんだ!!

 

シャンクスside・・・

 

「あいつらいつまで遊んでるんだ」

 

「ネミットがいるから心配ないと思うが息子たちを迎えに行こうか」

 

レイリーさんと昔話に夢中になり気づくと辺りは暗くなる。

全くこんな時間まで遊ぶなんてとんだ非行少女と非行少年だな。

見聞色の覇気を使い、ウタたちの気配を読み遊園地に着くと、海賊が少年を掴みボコボコに殴り娘が泣きながら手を掴んで止めようとしていた。

 

「レイリーさん」

 

「あいつはルーキーのジョン・スミスだな」

 

「……!?レイリーさん……」

 

俺の娘と友だちを傷つけて許さねぇ。スミスに近づこうとするとレイリーさんが俺の腕を掴み止める。

 

「私の息子を舐めないでくれたまえ」

 

「嘘だろ……あの若さで覇王色の覇気を……」

 

「ふふふこれは鍛えがいがありそうだな」

 

ネミットが威圧するとスミスの野郎が気絶して倒れた。

隣のレイリーさんを見ると嬉しそうにしていた。

 

「すまない。遅れてしまったようだ」

 

「シャンクス!!レイリーさん!!ネミットが!!」

 

俺は泣いているウタを、レイリーさんはボロボロで気を失っているネミットを抱えて酒場に戻る。

 

***

 

「なぁネミット。一緒に海に出ようぜ」

 

「そうだよ!シャンクスもこう言ってくれてるし行こうよ!」

 

「モテモテだな我が息子よ」

 

「流石レイさんと私の息子ね」

 

包帯でぐるぐる巻きにされている俺を勧誘するシャンクスとウタ。父さんと母さんは嬉しそうに笑っていた。

 

「誘ってくれてありがとう。でもごめん俺はまだ弱い……だからもっと強くなってから海に出るよ」

 

「えーえ行こうよ~」

 

「そうむくれるなって。立派な考えじゃないか」

 

首を横に振り考えを伝えるとウタは不満そうにしていたが、シャンクスさんは笑いながら俺の頭を撫でてくれた。

 

「俺はもっと強くなって父さんやシャンクスさんみたいに必ず海に出るよ!!」

 

「ああ!また会おう!ネミット」

 

「ネミット……ネミー……また会おうね……」

 

手を振るシャンクスさんに振り返す。

ウタは近づき……俺の頬にそっとキスをした……

 

「あ、ああ。またな!!」

 

ウタとシャンクスさんは船に乗り大海原に旅立って行った。

 

「あらあら。私、おばあちゃんになっちゃうわね」

 

「揶揄わないでよ母さん」

 

揶揄う母さんにむくれながら抗議する。

 

「寂しくなるな」

 

「そうだね。でも何時か必ず会えるさ」

 

「そうだな。この先海に出たのなら出会うこともあるだろうな」

 

いつかウタたちと会える予感がしていた。

 

「ネミット。これは私とシャンクスからのプレゼントだ」

 

宝箱を持ってくると箱を開け中には不思議な模様の果物が入っていた。

 

「これって……悪魔の実?」

 

「お前が倒したジョン・スミスの乗る海賊船から奪っておいた。当然お前に受け取る権利がある」

 

「悪魔の実か……ありがとう」

 

悪魔の実、食べると海に嫌われてカナヅチになって泳げなくなるデメリットもあるけど、強い能力が手に入りメリットの方が大きい。

食べるか、食べないか……おいおい考えよう。

そっと宝箱の蓋を閉じた。

 

***

数年後……俺と世界中の人の記憶から女の子の存在が消えた。大切だった思い出のはずなのに何も思い出せない……

 

 

 

 

ジョン・スミス

 

一億二千万ベリーの賞金首

 

シャボンディ諸島に辿り着いたスミス海賊団船長。

ウタを攫う。助けようとしたネミットをボコボコにするが無意識に発動した覇王色で気絶する。

ネミットとウタを酒場に送った後、海賊船をシャンクスとレイリーに襲撃されボコボコにされてしまい宝を奪われる

 

スミス海賊団船員

 

スミスの船員。同じくボコボコにされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタsideの話

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