偉大なる航路を航海し数ヶ月が経つ……
「エースちゃーん愛してる!」
「ネミットちゃんは俺が貰うぜ!!」
俺とエースは囲まれて愛の告白を受けていた。
「エース……モテモテだな」
「お前こそな!こんなむさい男共にモテても全然嬉しくねえ!!」
実は違って、高額の賞金がついたエースと俺の首を狙う賞金稼ぎの男たちが襲撃をかけてきたのである。
「炎戒・火柱!!」
近くで戦うエースを横目で見ると自分を中心に激しく燃え上がる火柱を発生させて囲んでいた賞金稼ぎたちを一網打尽にしていた。
俺も負けてられないな……ハーデスを構えて取り囲む賞金稼ぎたちを睨み付ける。
「天の羽々斬!!」
円上に切りつけると賞金稼ぎたちはバタバタと倒れていく。
「うるさいですね。静かに読書が出来ないじゃないですか。無粋なお客さんには出ていってもらいましょうか」
「油断しすぎだぞ!エース!ネミット!」
俺とエースの背後を狙おうとしていた賞金稼ぎたちを音もなく銃撃するミハールとサーベルで切りつけるデュース。
「ありがとう!」
「すまねえ!」
俺とエースは礼を言いながらも襲いかかる敵を殴り倒していく。
「この銃、格好いいな!
「おう!お前分かってるじゃねえか!俺の愛器なんだ!」
髑髏のマスクをはめた男、スカルに大切にしていた銃が褒められた事に賞金稼ぎは嬉しそうにしていた。
スカル本人は海賊ではないと否定しているがスペード海賊団の船員で情報屋。
過去に色々な海賊船に乗り見習いをしていた、スカルの情報力を買いエースが誘い仲間になった。
「でもな、こいつは開発中止になっていんだよ。なぜかって?それはな……こうすると撃てなくなるからさ」
「嘘だろ!?」
スカルは銃の先端を持つと撃てなくなり、その隙に自身の銃で撃つ。
武闘派が多いスペード海賊団の中で知的なデュースとミハールとスカルは頭脳組と呼ばれ、中にはインテリ組と呼ぶ船員たちもいる。
「船長と副船長に続け!!」
「おばちゃん舐めるんじゃないよ!!」
手長族の剣士、ガンリュウ、オニカサゴの魚人族の少年、ウォレス、紅一点のおばちゃんのコック、パンシーたちは目の前の賞金首たちを撃退していく。
スペード海賊団の船員の殆どは世間ではみ出し者ばかりだけど、エースは血筋や種族……そんな事は気にせずに心根で選ぶ。
船員たちはそんなエースの人柄に惚れ仲間に加わった。
「ネミット!!一気に終わらせんぞ!!」
「ああ!!」
「炎戒・風火玉!!」×2
エースが周囲に炎を発生させて、俺が風を操り風の球体を作り出して目の前の炎に放つ。
放たれた風の球体と燃え上がる炎は融合して、風の球体は激しく燃え上がりながら賞金稼ぎたちに当たり船の外まで吹き飛ばす。
「へへへ!やったな!ネミット!」
「ああ!」
俺とエースは笑みを浮かべながら拳を当てた。
「来るな!!」
生き残った最後の賞金稼ぎの男は俺たちの仲間、巨大なオオヤマネコのコタツに追いかけ回されていた。
「グルルルル!ニャーン♪」
「可愛い声出すのかよ!?」
賞金稼ぎはツッコミを入れながらも海に落ちていった。
コタツは意外なことに唸り声以外は可愛い声をだす。
「ご苦労だったなコタツ」
「ニャーン♪」
コタツがエースに近づくと顔をこすりつけ甘え、エースはそんなコタツの頭を撫でる。
「逃げろ!!」
賞金稼ぎたちはエース率いるスペード海賊団には勝てないと理解して自分たちの船に一目散に逃げていく。
「俺たちの勝ちだ!!野郎共!!宴だ!!」
「おぉ!!」
エースの号令に俺たちは酒や飯を並べて宴を開始する。
「うめえな……ZZZ……」
「食べながら寝るのかよ!?」
エースが食べながら寝ていたのでツッコミを入れる船員たち。
「何だ、飯中にツッコミを入れて騒がしい奴らだな」
「お前の所為だよ!!」
エースは船員たちの騒がしさに目を覚ますと呆れながら食事を再開する。
船員たちも更にツッコミを入れていた。
「賑やかだな……」
エースを囲み賑やかに話す船員たち。
俺は盛り上がるみんなから遠くに座り酒を飲みエースの手配書を見て異常に賞金が上がった訳を考える。
火拳のエース……賞金二億ベリー
仙人のネミット……一億
「よお、そんな隅っこで何黄昏れてるんだよ?」
「デュースか……ありがとう。エースの賞金が異常に上がってる理由を少し考えてた」
デュースが食べ物を持ってきてくれたので礼を言いながら考えていることを伝える。
「エースの賞金か……確かに町を襲ったとか無いのに可笑しいな……まあ大体予想が出来てるけどな」
俺とデュースの視線は盛り上がりの中心にいる我らの船長に向かう。
エースと俺の賞金は偉大なる航路を航海するルーキーたちと比べると異常に高い。
賞金が上がるのは政府が危険だと判断したからだ。
町や人を積極的に襲ったり、海軍を襲ったり……だけどエースは自分からは襲ったことがない。
せいぜい海軍が襲撃してきたので撃退したぐらいだ。
多分異常に上がる理由は……異常な強さを持っているエースがロジャーさんの息子だと考えて警戒してるんだと思う。
ロジャーさんが処刑された時代、海賊王の子供が生まれた噂があり、海賊王の血筋を残さないためにその年に生まれた子供たちを血眼にして探してたと聞いたことがある。
俺については簡単で名前から父さん、冥王の息子だと気づき上げた。
「海軍だ!!」
宴を楽しんでいたスペード海賊団の船員が叫ぶ。
霧が深く周囲を見づらいが、海を確認すると<MARIE>と描かれた1隻の海軍の船が俺たちの船に接近していた。
「デュース。海軍の船が一隻な訳がない。後は頼む」
「ああ。任せろ」
デュースに指示を出してエースたちに合流する。
「お前が火拳のエースだな?」
「アンタは?」
「イスカ少尉だ。火拳、アンタを捕まえにきた」
背中に正義と描かれたコートを羽織った朱色の髪の女海兵、イスカがエースに名乗りを上げる。
「エースの旦那!!そいつが釘打ちだ!!」
イスカの名前を聞くとスカルは驚きの声を上げていた。スカルの驚きから多分あの女は有名な海兵何だと思う。
「イスカ……鳥みたいな名前だな」
細剣を構えるイスカに狙われている筈であるエースは呑気に呟いていた。
「それで火の身体の俺を倒そうってかい?」
「お望みとあらば蜂の巣に」
イスカの細剣から繰り出される突きは覇気を纏ってないので身体を火に変える事が出来るエースを傷付けることは出来ないはずだが、迫力であのエースを怖じげさせて避けさせた。
「釘打ちのイスカ……確かに鋭い剣技だ」
「見物とは余裕ですね。シルバーズ」
イスカの突きを見て感心していると空中から海兵が走ってきて刀で斬りかかってきた。
俺は攻撃を避け目の前の襲撃者を見ると驚くべき人がいた。
「たしぎ!?何で偉大なる航路に……?」
女海兵の正体は、東の海、ローグタウンで知り合い戦った、たしぎ軍曹だ。
「慣れ慣れしく私の名前を呼ばないでください!!貴方を追いかけてきました!!シルバーズ……貴方を捕まえ、最上大技物12工、ハーデスを回収させてもらいます!!」
「そっか……たしぎも来たんだな……でもこのハーデスは渡せない……父さんから預かった大切な刀だ」
俺はハーデスを鞘から引き抜く。
俺とたしぎは接近すると刀同士をぶつけ合い激しく斬り合う。
たしぎは距離を取り刀を構えた。
「斬時雨!!」
地面を素早く蹴り爆発的なスピードで動き俺の身体を切りつける。
「速いな」
「何故死なないですか!?」
たしぎは身体を切りつけて血の一滴も出ない俺に驚きの声を上げる。
「俺は悪魔の実の能力者だ。切られた感触はあるが痛みはないよ」
「剣士との戦いで能力を使うのはずるいです!!」
「俺たちは海賊だ。聖人でも相手をしてるのか?それに覇気を覚えた方が良いと前に言っただろ」
俺が食べた悪魔の実、ヒトヒトの実・動物ゾオン系・モデル幻獣種は自然と一体化になる事が出来る。
不敵に笑いながら答えるとたしぎは悔しそうな表情をしていた。
「ウォーターアロー!!」
左でハーデスを逆手で持ちながら右手をたしぎに向け、船の外にある海水を操り空中には多くの海水で作られた矢が待機してそのまま放つ。
「……!?
たしぎは素早く動いて避けながら俺に斬りかかるが、風を操りバリヤーの様にして刀を弾く。
「六式か……聞いたことがある……海軍に伝わる武術か。たしぎ、強くなったな……」
六式……海軍に長年伝わる武術で父さんも昔に戦ったことがあるらしい。
数ヶ月で習得したたしぎの努力や頑張りを思い浮かべ微笑む。
たしぎは矢を避け、避けれない矢は弾くが数が多く近づけない。
「……やっぱりか……デュース!!」
「大丈夫だ。ミハールには指示をしてある」
霧で見えないが見聞色の覇気で進路先に四隻の海軍の船がいることが分かる。
俺の声に頷くデュース。
「うわぁ!?」
「どうやら間に合ったようだな」
海兵の悲鳴が聞こえる。デュースは勝ち誇った笑みを浮かべていた。
海軍の軍艦が前に回り込み俺たちの船を包囲しようとしてる事は読んでいたので岩石が多い場所まで船を進ませた。
夢中で俺たちの船を追いかけてきた海軍の船は霧の深さで進路に岩石がある事に気づかず当たってしまい沈没した。
「ちっ!?」
「どうした?逃げるのか?」
エースは舌打ちをしながら剣を鞘に収めたイスカに問いかける。
「バカ野郎!!助けに行くんだよ!!!!たしぎ!!」
「はい!!イスカ少尉!!」
怒鳴ると迷いもなく海に飛び込み部下の海兵を救助に向かう。
たしぎも少し遅れ海を駆けていき飛び込んだイスカに続く。
「へえー」
「嬉しそうだな」
「ああ!ああいうお人好しは嫌いじゃねえな……ネミット、頼む」
「分かった。任せろ」
イスカとたしぎの行動に嬉しそうにしていたエースは俺に指示を出す。
エースの考えに頷くと海水を操作して空中に浮かせ海の中にいたイスカたちを海軍の船まで運ぶ。
「火拳!!次は必ず捕まえる!!私たちを助けた事を後悔するぞ!!」
「何時でもかかってきな。俺は逃げも隠れもしねえ!!」
イスカの宣戦布告にエースは胸を張りながら笑みを浮かべながら答える。
「シルバーズ!!今度は私が必ず捕まえます!!」
「ああ。またな。たしぎ」
俺もたしぎの宣戦布告に答える。俺たちは船を進ませてイスカたちから逃げていった。
GL7支部……
「ゼット大将。すみません。火拳、仙人、並びにスペード海賊団に逃げられました」
「実力が足りずすみませんでした」
イスカとたしぎは自身たちが所属する海軍
「気にしなくていいぜ。奴らは手強いとスモーカーから聞いてる。特に仙人のネミットがな」
ゼットは気落ちする二人を労う。
ゼット……海軍最高戦力である四大将の一人、黒鬼のゼットと呼ばれ、先代の大将である黒腕のゼファーの息子である。
ちなみに新人時代の同期であるスモーカーの頼みでたしぎはこのGー7の支部に配属されたのである。
「ゼット先輩……弁当作ってきました」
「アイン。いつも美味しい弁当ありがとな」
「い、いえ//」
頬を赤らめながら弁当箱を手渡す、青色の髪の女、アイン大佐。
アインはゼットの笑みを見て指をもじもじとさせている。
「さっさとゼット大将に告白すればいいのにな」
「うるさいわよピンズ」
同期のピンズ大佐の小声に鋭い言葉で言い返すアイン。
「ゼットさん、お願いがあります。もっと強くなりたいんです。シルバーズを捕まえられるように」
「ああ!弁当が食べ終わったらみっちり鍛えてやるぜ」
「はい!お願いします!」
美味しそうに貰った弁当を食べているゼットにたしぎは深く頭を下げ宿敵の顔を思い浮かべながらお願いする。ゼットは快く頷き、たしぎはもう一度頭を深く下げると拳を握る。
***
物資を補給するためにネミットたちはとある島に上陸していた。
「ネミット……?ネミット!!てめえ!!何もんだ!?」
「俺か?俺はハナフダ。王下七武海のハナフダ。仙人は俺が殺す」
大きな肉食恐竜の姿に変化したハナフダの手にはボロボロのネミットが握りしめられていた。
ウタsideの話
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