夏油傑と小さくなった名探偵   作:蠅頭

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第3話

 

「うーん。ここら辺のはずなんだが……」

 

 夜。月明かりが照らすコンテナばかりがある港で夏油は一人散策をしていた。

 いや、一人というのは正確ではない。空には多数の飛行が出来る呪霊が徘徊している。

 まるで百鬼夜行の様相である。空には虹龍等も飛んでいる。

 

「おーい!」

 

 そんな夏油に空から声をかける者が居た。

 

 それは人型だ。だが腕の部分が鳥の翼に変わっている。

 黒いローブを来た人物だ。皮膚には縫い目が多数着いており痛々しい。くすんだ水色の髪を持ち、左の瞳が青、右の瞳が灰色のオッドアイだ。

 

 呪霊──真人が夏油の前に着陸する。

 

「こっちにいたよ。なんか倒れてるけど」

「ありがとう。真人。案内してくれ」

「オッケー」

 

 夏油は跳躍し、コンテナの上に飛び乗る。数十メートルの跳躍ぐらいは呪力による身体能力の強化があれば容易だ。

 真人の案内の元、夏油は夜の港をかける。

 

 この真人も当然、夏油の呪霊操術で操っている呪霊だ。

 原作にて羂索が取り込んだからか、転生夏油の手持ちの中に居たのである。

 夏油の手持ちの中では数少ない自我を持つ呪霊だ。人間への危険性は無いのか、と思われるが夏油が命令を下している限り問題はない。

 普段は暇なときに夏油と共にゲームをしている。

 

 数分後、夏油と真人は倒れている女の元に辿り着いた。

 

「真人、これは生きてるかな?」

「生きてるよ。まだ魂が残ってる」

「そうか」

 

 夏油は空を飛ばせていた呪霊を仕舞い、代わりに四足歩行の犬にも似た大きな呪霊を出す。

 夏油が女を持って犬呪霊に乗せ、歩き出す。

 

「さてさて。どうしようかな」

 

 ここから先の事を一切考えてない夏油は、どうしたものかとニヤリと笑うのだった。

 

 

 

 ■

 

「すっげー! ここが東都水族館かぁ!」

 

 少年──元太というまだ小学一年生の声が響いた。

 

 ここは東都水族館の入口前。そこに少年探偵団と阿笠博士、江戸川コナンと灰原哀が来ていた。

 

「あ、見て! お坊さんも来てるよ!」

「え?」

 

 歩美の声に釣られて、コナンも振り向く。

 其処には袈裟を着た見覚えのある顔をした男──夏油傑とオッドアイの女性が歩いていた。

 夏油はこちらに気づき、いい笑顔でコナン達に近づく。

 

「やぁ、コナン君。久しぶりだね」

「ど、どうも、夏油さん」

 

 ただ一度会っただけの仲であるというのに夏油はそれはそれはいい笑顔で挨拶をする。

 

「君たちも東都水族館に遊びに来たのかい? 子供達を連れて……いやぁ、元気そうで何よりだよ」

 

 どことなく胡散臭さを出しながら、夏油は言う。

 

「え~と、そちらの方は?」

 

 コナンが前は連れていなかったオッドアイの女について尋ねる。

 

「あぁ。彼女は……なんていうのかな。記憶喪失でね」

 

「「記憶喪失~?」」

 

 少年探偵団の子供たちが一様にオウム返しをする。

 

「記憶喪失って、本当? それなら警察に連絡した方が……」

「警察は駄目!」

 

 と、オッドアイの女──記憶を無くしたキュラソーは強く拒絶する。

 

「……と、このありさまでね。まぁ取り敢えず記憶が戻るかもという事で彼女が倒れていたここに来たんだ」

 

 その一言に、コナンは違和感を抱いた。

 まるで倒れていた場所から移動した様な言い草だ。何故移動したのかが問題だ。

 ただ倒れていた彼女を見つけたというのなら、素直に救急車を呼べばいいはずだ。それで話は終わる。

 だが倒れていた彼女を介抱した上で警察にも消防にも連絡をしていないように受け取れる言葉回しだ。

 

「そうだ。もし君たちさえよければ、彼女と一緒に遊んでくれないかな? お金は私が出そう」

 

「任せてください! 少年探偵団として困っている人を見捨てる訳にはいきません!」

「そうかい。ありがとう」

 

 かくして、夏油とキュラソーを連れての東都水族館巡りが始まった。

 

 道中、コナン達は楽しんだ。射的をしたり、観覧車に乗ったり。

 だが道中トラブルが発生してしまった。観覧車に乗っているキュラソーが頭痛を訴えたのだ。

 そして唐突に酒の名前を言い始める。そのことにコナンは嫌な予感をした。記憶喪失の女に酒の名前──黒の組織の幹部と同じ名。

 

 キュラソーは倒れ、救急車に乗って運ばれてしまった。

 

 そこで夏油は別れた。これ以上居ても警察に迷惑をかけてしまう、と。

 

 

 

 ■

 

 

 その日の夜。東都水族館で異常事態が起こった。

 東都水族館の空を軍用ヘリが飛行しているのだ。当然、米軍でも自衛隊のでもない。黒の組織が持つ兵器の一つである。

 軍用ヘリは機関銃を観覧車に向けて放つ。弾丸の雨によって観覧車の軸が壊れ──観覧車は動き出してしまう。

 

 なんというある種コミカルな事態にその場に居たコナン、安室透、赤井秀一はどうにかするべく手を打つ。

 

 赤井秀一は持ち前のスナイパーでヘリのローターを狙撃し、飛行不能にまで追い込む。

 コナンは博士が開発したボール射出ベルトからボールを巨大化させて放ち、更に伸縮自在サスペンサーを使い安室と共に止めようと動く。

 だが、それでも観覧車は止まらない。

 

 このままでは未曾有の災害となる──コナンが絶望しかけた時横から一台の重機が走る。

 

 クレーン車だ。クレーン車が観覧車に向かって突進しようとしている。

 

 

「いやぁ。原作通りの展開ってやっぱつまらないじゃん? 原作介入するなら、どうせなら派手に行かないとね」

 

 そこに夏油が介入した。

 

「特級呪霊鎧武者。一級呪霊晒し首。観覧車を止めろ」

 

 クレーン車が突進すると同時に二体の巨大な呪霊が観覧車を止めようと動く。

 

 一体は十メートルはあろうかという巨体を持つ、武者鎧を纏った鬼に近い容姿を持つ人型の呪霊だ。

 この呪霊は劇場版呪術廻戦0にて登場した呪霊であり、東堂葵達の前に現れた呪霊だ。何故か特級呪霊として転生夏油の手持ちにあった。

 もう一体は一級呪霊だ。こちらも劇場版呪術廻戦0に登場した呪霊であり、夏油傑が高専に宣戦布告しに来た際撤退時に出した一つ目の呪霊だ。

 

 鎧武者が下から、晒し首が上から観覧車を止めようとする。

 

「なにが──」

 

 クレーン車で突進したは良いものの思ったより衝撃が来なかった事に記憶を取り戻したキュラソーが驚く。

 

「はいはーい。回収しに来ましたよー」

「なっ」

 

 そこに腕を翼に変形した真人がキュラソーを回収しに来た。

 足を変形させクレーン車のドアを解放し、足を触手のように変えキュラソーを掴む。

 そのまま羽ばたき空の彼方へと飛び、キュラソーと真人は消える。

 

「そろそろか」

 

 夏油はそう言うと鎧武者と晒し首を戻す。すると観覧車は完全に止まるのだった。

 

 




執筆速度遅い方なので続きは大分先です
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