【完結】空飛ぶ雛と飛べない鳥~ヒナの親友だった少女が狂い彼女の敵になって壊れる話~   作:詠符音黎

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11.二年ぶり二回目の劇場開幕

 

「わぁ……凄い数……」

 

 アビドス自治区の砂漠――今はカイザーコーポレーションに買われているらしいから正確には元だけど――にあるカイザーの基地北方にいる部隊をスコープ越しに見て、私は思わずこぼした。

 

『カイザーPMCの増援を発見。一個大隊の規模です、委員長、クイナさん』

 

 アコちゃんが通信で教えてくれる。

 一応アコちゃんとも同学年なんだけど、彼女は昔から風紀委員会に掛かりっきりって感じだからヒナが一緒にいないときは積極的に関わったことないんだよね。

 でもとてもいい子で優秀な行政官なのも知っているし、別に関係としては良好寄りでもあると思う。なんかたまに敵意を向けられる事もあるけど良好寄りのはず。

 そんな彼女の報告を聞いて、私はちょっと嫌な顔をした。

 

「大隊……じゃあ五百人ぐらいはいるって事じゃん……こんな場所にあんだけ用意するとか、さすがカイザーPMCって感じだぁ」

「ん? クイナ、カイザーPMCについて知ってるの?」

 

 ――あ、やば。

 

 私は思わず言ってしまったことに内心慌てる。

 が、それを表に出さずスコープを覗いたまま表情は変えずに返す。

 

「まーねー、詳しいわけじゃないけどいろいろ勉強している中の流れで。私だって強くなるために結構頑張ってたんだよ?」

 

 嘘は言っていない。ただ重要な情報を歯抜けにしているだけだ。

 さっき先生がしてたテクニックをこんな応用をすることになるなんて、先生に感謝しないとね。これが大人の知恵なんだなぁ。

 

「そうなのね……変わらず頑張り屋ね、クイナは」

「ヒナだってそうでしょそれはー。私なんてヒナに比べたらまだまだだって」

「そうかしら? 私は私にできる事をしてるだけなんだけれど……」

『……あの、お二人で仲良くするのはいいんですが委員長。カイザーPMCの大隊もこちらを発見したようなので、そろそろお願いします』

 

 と、そこでアコちゃんがちょっと困った様子で言ってきた。

 近くを見るとイオリちゃんとチナツちゃんも似たような感じである。

 しまった、久々にヒナと一緒にいられる時間になった訳だからついやってしまった。

 

「ごめんね二人共……」

「い、いや……お二人の仲の良さは知ってるので……しかし、なんで私まで……」

「…………」

 

 イオリちゃんが言ってる横でチナツちゃんが「彼女はともかくなぜ自分まで」みたいな事を言いたそうな表情をしている。

 あ、自由意志じゃなかったんだ彼女らの参加。

 

『せっかく委員長が反省文の代わりに、ということにしてくれたんですから、愚痴はそこまでにしましょうね? それにクイナさんが一緒にいるんですから風紀委員会としてもっと背筋を正しましょう。彼女は本来部外者なので』

 

 最後の言葉になーんかちょっとトゲを感じた気もするけれど、まあいいか。アコちゃんだし。

 

「はぁ……じゃあ、やりましょうか。私もまだ風紀委員会の仕事が残ってるからさっさと片付ける。誰一人、先生には近づけさせない」

「そうだね。一緒に頑張ろう、ヒナ」

「ええ、そうね……じゃあ――」

 

 彼女は私に答え柔和に微笑み、そして次は敵軍に向けると、一瞬で表情を風紀委員長としての威圧感のある顔に切り替えた。

 

「――行こう」

 

 その一瞬で、ヒナは敵に接近、彼女の《終幕:デストロイヤー》がカイザーPMCの大隊の前線を薙ぎ払った。

 

「ええい! こうなれば私も覚悟を決めた! 行くぞーっ!」

 

 その後にイオリちゃんがヒナに続いて前線に突っ込んでいく。

 私はその後ろ姿を見ながら、私はちょっと思った事があって口にした。

 

「えっと……ねえチナツちゃん。念の為の確認なんだけど、イオリちゃんってスナイパーを自称してるんだよね?」

「……はい」

「だよね……でさ、私ちょくちょく思ってたんだけれど……なんであの子、いつも前線に突撃してるの?」

「……それは、イオリだからとしか」

 

 まあまあ諦めが入っているのが分かる言い方だ。彼女は一年だけれど、既に苦労が多いんだろうな……強く生きて欲しい。

 

「じゃあ、私はここから大物を狙っていくから、チナツちゃんも行ってらっしゃい。大丈夫、ちゃんと背中は守るから。……私の腕前の効く範疇でだけれど」

 

 先輩らしい事を言ってみたけれどちょっと自信がなくなってしまったので、最後に私は軽く付け足した。

 前回ここの慢心もあって失敗したようなものだから、自分を戒めていかないとね。

 

「分かりました、お願いします」

 

 するとチナツちゃんは微笑み頷いて、大暴れしているヒナとイオリちゃんのところに向かっていった。

 一方で、私は移動せず、砂上で比較的しっかりしているところに《シアターカーペンター》を設置し、私もまた砂漠に伏せて片方の目でスコープを覗き、もう片方の目で全体を見渡す。

 

「……大型のロボット兵器にクルセイダー戦車がそれぞれ五つ程、ってところかな……ヒナなら問題ないだろうけど、でも彼女にいらない労力を使わせるのは許さないよ。あの子、本当は面倒臭がりなんだから」

 

 最初に狙うのはヒナに一番近いロボット兵器。狙う場所はこいつに関しても頭なのは変わりがない。

 人と同じ形をしている以上、構造上頭部が重要な役割を果たしているのは一緒だ。

 

「すぅー……」

 

 息を止め、集中力を研ぎ澄ませる。そして、最適なタイミングを見計らい、私は引き金を引いた。

 対戦車ライフルの轟く発砲音と伏せても体に響く反動からすぐ、弾丸はロボットの頭部を軽く吹き飛ばし、一発で行動不能にした。

 

「……よし!」

 

 今度は、当たった。今回も初弾を外したらどうしようかと思った。

 外したら外したでそこから平静を保つ訓練を兼ねる事になっていたけれどヒナの前でそれは格好悪いからしたくないので良かった。

 私はその調子で周囲の敵を殲滅していく。命中率はだいたい七割と言ったところ。

 ただ外れた弾も相手の動きを制限するのに効果を発揮して、ヒナやイオリちゃんの対処を助ける事になっている。

 いい流れだ。

 

『お見事な射撃ですね、クイナさん』

 

 と、そんなときアコちゃんが私に通信で言ってくれた。さっきと違ってそこにトゲは感じない。

 

「ありがとう。ただ、ヒナのあの暴れっぷりと比べたらずっと見劣っちゃうよ」

『……それはさすがに比較対象が悪いと思いますよ?』

 

 今度はまあまあ呆れの入った声だ。まあアコちゃん、ちょくちょく私がこの手の事言うの聞いてくれてるからもう飽きてる節すらある。

 

「……でも、ヒナは私の目標だから」

『はぁ……クイナさんのそういう愚直なところ、嫌いではないですが……それはともかく、敵データの解析完了しました。おまたせしましたね』

 

 アコちゃんがすっと仕事モードの笑顔に切り替わって言った。

 なるほど……じゃあ、この戦闘ももう終わりかな。カイザーPMCの皆さんは可哀相だけれど。

 

『皆さん、偵察データを共有します』

 

 瞬時に、私達の元に敵大隊の完全なデータが共有された。残存戦力、配置、地形や使用装備に至るまで。

 戦いで最も重要なのは情報だ。この点において、アコちゃんは風紀委員会で最も重要な役割を担っていると言える。

 そして、アコちゃんが掌握した戦場において、ヒナの強さはより手が付けられないものになる。

 

『……覚悟して』

 

 アコちゃんのデータに基づき、ヒナがトリガーを引く。そのワントリガーで、残存していた敵兵力の半数が壊滅した。

 これが、キヴォトス最強の一角であり、私の一番の友達、空崎ヒナなのだ。

 さらにそこにイオリちゃんとチナツちゃんの間髪入れぬ追撃が入る。私もまた、既に逃げようとしていた敵兵を着実にみんな狩っていく。

 風紀委員会――主にヒナのそのあまりにも格が違いすぎる武力にとうとう戦意を喪失したのか、カイザーPMCの大隊は撤退を始めた。

 だけどそれを許す私達じゃない。少しでも残せば先生に被害が及ぶかもしれない。ならば一兵たりとも逃さない。それが、私とヒナの意志だ。

 私はそのためにまず先頭を行く敵戦車を確認する。次にその一番近くを後から追いかける敵兵やロボット兵器の位置関係の確認。さらに主に私達に背を向けて逃走している彼らが逃げ込もうとしている先との距離、経路、周囲の環境条件等といった諸々の状況をアコちゃんからもらったデータで整理する。

 これらすべての情報を複合し、私はとある一点に照準を合わせる。

 そこは、戦車の左後方を走っている二人の兵士の十五度右斜め上、横の距離にしてだいたい二ノッチ分くらいの位置。

 

「……すぅ」

 

 軽く息を止め、一瞬だけ手ブレを制御すると、私はすぐさま射撃した。

 それから少しの間を置いて、私の弾丸は兵士二人の腕を抜き、そのまま戦車の後方エンジン部分に着弾、火を吹かせて動きを止めた。

 これにより、逃走のために移動していたPMCの大隊残兵の動きが混乱により一瞬停止する。

 これは、ヒナにとってはあまりにも致命的だった。

 

『実力を行使する』

 

 即時、ヒナの圧倒的火力によってカイザーPMC大隊は全滅。私達の勝利となった。

 

『……グッドショット、クイナ』

 

 ヒナが通信で静かに笑って言ってくれた。

 彼女の言葉に私は同じ様にニヤリと笑って返した。

 

「ヒナこそ、さすがだね」

 

 私達が作戦を完了してから少し、先生からヒナに向けて連絡が入った。

 アビドスの生徒がカイザーPMCの施設に侵入し、目標を達したらしい。

 私は良かったと胸をなでおろした。そして、それはヒナも一緒だった。

 

 

   ◇◆◇◆◇

 

 

 先生のために風紀委員会と一肌脱いだ後の夕方、私はゲヘナの正門前の階段に座り込んでいた。

 ヒナはまだ風紀委員会の仕事があるからと学園に残っている。

 いつもなら私も訓練があるし、仕事が終わった後のヒナを疲れさせちゃいけないよね、と一人で帰っていた。

 でも、今日はなんだかヒナの帰りを待っていたかったのだ。

 

「……クイナ?」

 

 すると、私の待ち人の声が後ろからしてきた。

 私は微笑みながら振り返る。

 

「お疲れヒナ。夜中にならないなんて、なんだか思ったよりもずっと早かったね」

「アコが、今日の残りは自分がやるから先に帰ってって……なるほど、そういうこと」

 

 ヒナが振り返った先には風紀委員会が使っている教室の一つが見える窓がある。

 私もつられて見ると、そこには遠いけどちゃんとアコちゃんだと分かる人影が、慌てて背中を見せて去っていくのが見えた。

 

「……今度、私も感謝を言わないとね」

「そうね……私も、いつもアコには感謝しているわ」

 

 私達は二人して同じ様に頬を緩める。

 そして、その後私はすっと立ち上がってヒナに言った。

 

「じゃあヒナ、久しぶりに一緒に帰ろうか」

「……ええ」

 

 私達は二人で並んでゆっくりと歩いていく。会話はなかなか始まらなかった。

 でも、それで良かった。一年生のとき、まだお互いにしがらみがなかった頃もこんな感じだったから。

 ヒナも私もおしゃべりに慣れていなくて、何を話していいか分からず手探りで過ごしていたあの頃。

 今この時だけ、あのときに帰れている、そんな気分にすらなっていたから。

 

「……私達、もう三年生なのよね」

 

 すると、ヒナが最初に口を開いてきた。

 私は軽く、でもゆっくりと頷く。

 

「うん……つまり私とヒナが出会ってから二年ってわけで……なんていうか、あっという間だったね」

「ええ、本当に。でも……私とクイナが一緒にいられた時間はきっと、合計しても一年に満たないんでしょうね」

 

 ヒナはそう言うと今度はゆっくりと俯き、そのまま視界を上げないままになる。

 彼女の長く綺麗な髪の毛に表情は隠れているけれど、きっと暗い顔をしているんだろう。最強の風紀委員長としてではなく、一人のヒナとしての顔を今、二人っきりの夕暮れの中で出しているのだ。

 ヒナの根っこはとても自己評価が低いタイプだけど、風紀委員会としてその顔を人に見せる事はまったくない。ただ、私にだけ見せてくれる、私だけが知っている本当のヒナの姿だ。

 

「……そうだね。私達、思ったよりは一緒にいないよね」

 

 一方で、私は空に浮かぶ夕暮れを見上げるように顔を上げて言った。

 自分じゃ確認できないけれど、私も正直、まあまあ情けない顔をしていると思う。

 だって夕日が目に刺さる程眩しいのに、私は顔を下げる事ができないから。もし下げちゃったら、私の情けない涙がこぼれだしちゃうかもしれないから。

 

「でもさ……ヒナは今、頑張りたい事を全力で頑張れてるんでしょ? だったらさ、私にとってはそれが一番嬉しいんだ。だから、気にしなくても、いいんだよ」

 

 彼女と一緒にいられないのは、私が情けないから。

 私が駄目な子で、ヒナがなんでも話せるぐらいに安心できる子じゃないから。私が……輝き続ける彼女の姿に耐えられないから。

 ゲヘナ学園だけじゃなく、キヴォトスでも指折りの生徒として数えられる彼女の姿は、今目にしている太陽よりもずっと眩しくて、見る事ができなくて、近づけなくて。

 つまりは、やっぱり私がヒナと並べないのがいけないんだ。

 でもヒナは、そんな私を“親友”なんて呼んでくれている。なら、私は自分を磨き続けながら、とにかく彼女と並び笑い合える、そんな子になりたいという気持ちはより強くなっていく。

 だって私は、ゲヘナ学園を卒業して、いつか大人になっても、ずーっと、永遠に友達で……親友でいたいから。

 

「だからさヒナ。ヒナはこれからも気にせず頑張ってよ。ただ、これからはたまにこうして息抜きをするようにしよう? もう三年生で、今までお互い一人だった時間に比べたら少ないけれど……それぐらいは、もういいんじゃないかな、って。そう、思うんだ」

 

 私は頭を下げて足を止め、ヒナにそう笑いかけて言った。

 涙は、なんとか落ちなかった。

 ヒナも顔を上げて歩みを止めて私の方を見る。彼女もまた、落ち着いた顔になっていた。

 

「でも私が……あんまりにも誰かを特別扱いをすると、きっと迷惑が……」

「……いいよ、別に。ヒナに迷惑をかけられるなら、それでも」

 

 再び俯いていたヒナに、私は言った。

 これは間違いなく本音だ。彼女はもしかしたら私が無理しているって思うかもしれないけれど。でも、今の私には気持ちを伝えるには、これしかできない。

 

「だからさ……また、よろしく」

 

 私はそう言ってヒナに手を差し出す。

 彼女が手を取ってくれるかは、正直分からなかった。もし取ってくれなかったら、それは私が悪い。きっとそうだから。

 

「ええ、改めてよろしくね、クイナ」

 

 でも、ヒナはそんな私の手をためらわず取ってくれた。

 それから私達は互いの分かれ道が来るまで、そうやってそっと手を繋いだまま歩いた。

 まるで普通のお友達同士の帰り道のように、優しく。

 

 

   ◇◆◇◆◇

 

 

 私は心のどこかで、クイナに嫌われているんじゃないかって怖がっていた。

 クイナは私のすることをなんでも応援すると言ってくれた。

 でもじゃあ、私は? 私はクイナのすることを応援できているのだろうか?

 答えは否だ。だって、私が風紀委員会で忙しくし始めてから、私は彼女が何をやっているのかちゃんと知らないままここまで来てしまったんだから。

 当初の目的である『雷帝』の暴政を打倒し、ゲヘナに自由を取り戻してからも私は風紀委員会の仕事に専念した。

 元々ゲヘナのために頑張りたかったからそれはあまり苦じゃなかったし、やりがいも感じていた。

 でも、時折ふと、私は一番大事にしなくちゃいけない人を蔑ろにしてるんじゃないかって、そんな事を思っていた。

 

 地羽クイナ。

 

 私に友達という存在の素晴らしさを教えてくれた子。いつも優しくて、私の事を応援してくれている、頑張り屋で自己評価がとても低い、そんな女の子。

 彼女が私の知らないところでいろいろと努力をしているのは知っている。どんな努力かは知らないけれど、きっとそれが彼女の打ち込みたい事なんだろう。

 でも、そう考えると、やっぱり私は、彼女にとってなんなんだろうって……つい、悪い方向に見てしまうのだ。

 あのときは友達だったけれど、今は本当にそうなんだろうか? という、ネガティブな見方を。

 とりわけ三年生になってからは、そんな考えがどうしても頭から離れなかった。ただでさえ深夜までかかるぐらいの激務に加えてそのせいで、最近は彼女が応援してくれている風紀委員長という仕事にも疲れを感じるようになってしまっているのが現状だ。

 正直、できるなら引退してしまうのもありかなってなっているぐらいには。

 

 ――だから今、私はとある目的のために慣れない政治にまで介入したのだけれど、一体どうなるかしらね……。

 

 ともかく、私は頭から離れない怯えを否定したくて、クイナは今でも友達なんだと思いたくて、だからあえてこの前彼女の事を『親友』なんて呼んだ。どうにか、自分を安心させるために。

 卑怯なやり方だと我ながら思う。こんな手を使うなんて、私も万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)のタヌキ共のことを言えないのかもしれない。

 そして……そんな手を使いながらも、もしかしたら否定されるかもしれない、そんな恐怖を持っていたけれど、彼女は肯定してくれた。それは私にとって嬉しかった。

 でも、そこから先には踏み込めなかった……今日また、こうして一緒に帰っている、このときまでは。

 私は今、とても嬉しかった。またクイナとこうして、普通の友達らしい事ができているのが。

 そして、それはきっと、先生のおかげだ。

 あの人のびっくりするぐらいにまっすぐな姿が、私達の関係を動かしてくれたんだろう。

 先生……あの人は、とてもいい人で信頼できる、そんな大人なんだなって、今、私は強く感じていた。

 

「……どうにか、お礼がしたいわね」

「ん? 何か言ったヒナ?」

「いいえ……ちょっと幸せが口からこぼれただけ」

「もう、何それ」

 

 ちょっと誤魔化しつつも私とクイナは互いに笑い合う。

 それから私達は、夕日も沈んで月が見えてきたあたりでお互いに分かれ、それぞれ別の道を歩いていった。

 

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