一
ケリィ・レズナーはラジオから、ガレージの中で、デラーズの演説を聞いた。
月では、誰もがそれぞれの場所で、聞いただろう。街中でも、自宅でも、基地内でも。当然、地球にも、届いているだろう。届いていなかったら、デラーズは道化もいいところだ。だがケリィは何処かで、聞こえていない奴がいるのなら、自ら届けてでも、無理に聞かせてやりたい、とは思っている。
演説の内容は、実は余り覚えていない。
熱。それだけが、伝わっていた。デラーズの、熱だ。熱を失っていない。あれから、三年も待ち、それでも尚、熱がある。
ケリィは、左腕を失ったときに、その熱も失った。
片腕でも、モビルスーツは動かせる。だが、それなりに改造しなければ、十全とは、とても言いがたかった。戦争が終わり、宇宙に漂う、くず鉄のようなモビルスーツを回収するときも、無意識に、左手を使おうとして、歯がみした。以前は無意識に出来ていたことが、もう出来ないのだ。
ジオンに属したことも、無意識のうちにだった。連邦とジオンの、どちらが正しいと思って、比べたことはない。それを理由に、属したわけではない。スペースノイドの自治権にも、さほど興味はなかった。
父も母も、とっくに死んだ。家族もいない。誰のために、戦っている、というわけでもなかった。だから、軍に属しているのは、自分の居場所を探していただけだ。居場所があったなら、別に連邦軍に属しても構わなかったが、宇宙に住む者は大概が、いつの間にか、ジオン公国に組み込まれるのを、当たり前に感じていた。
宇宙で、小競り合いがあった。小競り合いの情報は、入ってくる。どちらかが撃破されたのなら、それは商いになる。それを狙って、ジャンクを拾いに行く同業もいたが、ケリィはもう、そういったサルベージには、興味がなかった。
ガレージで、或いはジャンクヤードで、機械をいじくっている。
フォン・ブラウンは、雨など降らない。貴重な水資源を、景色のために無駄にはしない。風は、ただ都市内の空気をかき回し、循環させるだけの、ゆるやかなもので、野ざらしにしても、それほどジャンクは傷まない。一生分は集めている。だから一生、ジャンク屋でも構わなかった。
誰か雇えばいいのに、と珍しくラトーラが、口を挟んできたことがある。一度だけだった。一人で、作業しているケリィを見るのが、しのびなかったのか。聞く耳は、持たなかった。この作業は、孤独でいい。ケリィは、そう思っていた。趣味のような側面、もあるのだ。
ヴァルヴァロの修復は、完全に趣味だった。直ったとして、売る気もない。自分が乗る、というなら、動かす可能性はあるかも知れないが、乗ってどうする、というものでもない。
デラーズの演説にも、乗る気はなかった。ジオニズムという、スペースノイドの自治権確立など、最初からケリィには、理解出来ていない。ただ、戦っていれば、それで済んだ。相手が連邦でなくとも構わなかった。そこに志も思想も、必要なかった。
熱。あの時は、ただそれだけがあった。今は、ない。
大尉にまで昇進し、モビルアーマーを任されていた。ビグロである。ヴァルヴァロは、ビグロに似ている。より有機的で、生き物に似た造形だったが、システムは余り変わっていなかった。ただ、全体的に改良は施されている。
これも、試作機だろう。連邦も試作機は多く造るが、大抵はガンダムをひな形に量産しており、それは間違いなかった。ガンダムは、正解に違いなかった。ジオンは、試作機を多く造り、正解をずっと、捜していたように思える。
あだ花が、多すぎた。敗北したのも、それが原因ではないのか。
それとも、敗北した側はみな、あだ花として扱われてしまうのか。デラーズ・フリートはまだ、自分たちを、あだ花とも雑草とも、みなしてはいない。諦めていない。だから、宣戦を布告したのだ。わざわざ、やらなくても良かっただろう、宣戦布告だった。
自分たちは、テロ組織ではない。ジオンの一部である。そうとでも、言いたかったのか。それは思想であり政治であり、やはりケリィはそこに、自分の居場所があるとは、思っていない。
それでも、デラーズの演説以来、ケリィは気が滅入ることが多くなっていた。
熱。まだ熾火のように、僅かに見え隠れする。敗北し、脱落したが、死んでも構わないと当たり前のように受け入れていても、敗北したいと思って戦場に出たわけでは、無論、ない。
家で、酒は呑まなくなった。ラトーラがいることさえ、気が滅入る原因になってくる。つい、乱暴な口を利いてしまうかもしれないと、ケリィなりに、気を遣っていた。身勝手ではあるが、愛しているには違いないのだ。傷付けたくは、なかった。
幾ら呑んでも、酔わなかった。熾火も、消えなかった。
今更、自分に、何がやれるのだ。ただの未練ではないか。
ガトーが単身で訪ねてきたときのことを、思い出す。デラーズの演説を聞く前に、ガトーは種火を仕込んできていた。戦場で轡を並べられる、相手。互いに信用出来るという相手は、ケリィはガトーしか知らない。向こうもそう思っているかなど、それも当然、分からなかった。
三年で、気持ちは落ち着いたのだ、と思っていた。落ち着いて、いたのだ。それが今、かき乱されつつある。ヴァルヴァロのことも、背中にのしかかるように、後押ししてきている。完成させたいと、思っている。だが、あれは兵器である。実戦で使えて、初めて完成だった。そうは思っていても、今はまっさらな趣味でしかなかった。
ガトーが訪ねてきたことで、それが濁った。別に恨む気はないが、邪魔をされたのだ、と思わないでもない。昔の仲間に、久しぶりに会うのも、悪いことではないし、会いに来てくれたのは、ただ嬉しい、ともケリィは思った。
ガトーの置き土産。気持ちの乱れが、それだった。しかしそれも、自分の中の問題でしかない。恨みに思うほどのことではない。それでも、やはり酒に逃げてしまう。外で、一人で、呑んでしまう。薄い酒も濃い酒も変わらず、今ひとつ、酔えない。
あと、一年。あるいは二年先。それなら、乱れなかっただろうか。
それとも十年先なら、自分の中には、もう熾火すら、残ってはいなかったのか。左腕を失って尚、失われていないものなど、残っているのか。想像も、出来なかった。想像できるのは、老いて死ぬまで、ジャンクをいじっている、自分の姿だけだった。もう一度、戦場に出ている自分など、想像が出来ない。
路地裏。高架下。足を向けたのは、気まぐれだった。
喧嘩をしているのが目に入る。喧嘩というよりも、一人が三人に挑みかかって、その癖、簡単に弾き飛ばされていた。鼻っ柱が強い、と言うよりも、自棄になっている。
どうでもいい、光景だった。足を止めて、眺めてしまったのは、その一人が、連邦の制服を着ていたからだった。宇宙での小競り合いの結果、連邦の強襲揚陸艦がフォン・ブラウンに入港している話も、耳にしていた。あれは、デラーズ麾下との、最初の交戦だろう。ガトーがやったのかどうかまでは、当然、分からない。だが、サラミス級二艦は沈められ、アルビオンという名の艦だけが、這々の体という形で入港した。
そのアルビオンの、乗組員だろうか。まだ若い。連邦の制服のままとは、迂闊なのか、それとも、月を舐めているのか。しかも、士官であるのも分かる。月には、ジオンに同情的な者が多い。連邦軍が相手なら、そして難癖でも付けられる状況というなら、ああなるだろう。
ただ、見ていた。楽しくもない。殴られている方の、体の線が細い。相手が一人でも、連邦の乗組員は、歯が立たなかっただろう。
それでも、とにかくしぶとい。三人に代わる代わる、一方的に殴られている、というのに、全く屈する様子がない。気持ちだけではなく、持久力がある。筋力は必要ないが、持久力はモビルスーツ乗りに必須である。だから、モビルスーツ乗りだろうと思った。
遂に立てなくなっても、まだ意識は失っていない。無理に、意識を、引き留めているのかもしれないが、体は、ついてきていない。制服の胸から、記章を剥がされ、嘲笑われていた。
記章が、投げ捨てられている。持ち帰って自慢しようなどとは、思わなかったらしい。しばらく待ったが、連邦の士官は遂に意識を失い、動かなくなった。
記章。拾い上げた。連邦のモビルスーツ乗りが着ける、記章。
ジオンの記章は、とうの昔に捨てた。左腕と、一緒に。自分はただ、昔、そうだったというだけで、今は、ジオン軍でもなんでもない。ただのジャンク屋の親父、でしかない。この小僧は、まだ戦えるのだろう。何も失っては、いない筈だ。もしくは、失って、荒れたのか。失うものは、誰にでもある。他人には分かりにくくとも、それはある。自分の左腕など、分かりやすいだけだ。
この小僧には、まだ戦う理由、があるのだろうか。あるのなら、また、モビルスーツに乗ればいい。どんな機体かは知るよしもないが、どんな機体であろうと、パイロットがやれるというなら、それだけで、戦い続けられる理由にはなる。
助けてやろう、と思ったのは、気まぐれだった。自分が失ったものを、まだ待っているのかもしれないという、相手への、羨望がそうさせたのかもしれない。
また、戦えばいい。自分にはもう、出来ないことが、やれるのだから。
ケリィはそう思った。思った時には、意識を失った小僧を、抱え上げていた。
※
ラトーラが不機嫌そうな、いつもの憂鬱そうな顔をして、小僧が、目を覚ましたようだと、ケリィに伝えてきた。ケリィは、大きめのジャンクを、重機で動かしていたところだったから、ラトーラに任せよう、と勝手なことを決めていた。
昨夜のは、気まぐれでしかない。ベッドにまで、寝かせてやっていたのも、気まぐれだった。親切心では、ない。
ラトーラは、小僧の世話など、しなかったようだった。上着も羽織らずシャツ一枚で、小僧は飛び出してくる。それほど、怪我を負った、という風でも、なかった。やはり、モビルスーツ乗りは、それなりに、体が頑丈に出来ている。シャツの下にある筋肉も、鍛えたものであることは、見て取れた。
小僧は、何が何やら分からない、という顔をしている。それは、そうだろう。重機を止めて降りたが、説明してやるべきかどうか、迷った。別に、理由があって助けた訳ではないのだ。気まぐれをしたことの説明を、他人にしたいとは思わなかった。
朝からの作業は、さほど進んではいない。
飯の前に、気になっていたものを、動かしたかっただけだ。
「……小僧、腹は減っているか?」
油の着いた手を、水で洗った。油は、水を弾いて、落ちない。当たり前だった。手にこびりついたオイルではなく、水で落ちる程度の汚れを、洗い流しただけだった。自分の手に着いた汚れなど、水などでは、本当には落ちない。こびりついたままだ。
連邦の小僧。返事は、なかった。まだ戸惑っている。
「顔を洗え。それから飯にする」
それだけを、ぶっきらぼうに言った。小僧の名前など、訊かなかった。
自分の名前は、自ら名乗るべきなのだ。他人に問われてから、言うなど。名乗らなければ、小僧は小僧のままで良かった。その方が、楽でもある。そのまま、気にもせず家屋の中に入った。あのまま、帰ってくれれば、それでいいともケリィは思った。
家の中で、ラトーラはやはり、不機嫌そうだった。何かを、警戒しているようでもある。あの小僧を拾ってきたことが、不安なのかもしれない。
「……誰なの、あの人は」
「知らん。喧嘩で伸びていたから、拾ってみただけだ」
「あなたが、そんなことをするなんて、思ってなかったから」
「気まぐれだ。助けたというわけでも、ないさ。それに、助けてやるほどの怪我もなさそうだ。連邦のやつもそれなりに頑丈に鍛えている。余計な、世話だったかもしれんが、俺がそういうことをしては、何か不満か?」
ラトーラは返事をしなかった。
いつも、憂鬱そうな顔をしている。何故、俺に惚れたのだろう、とケリィはたまに考える。分かるはずがなかった。自分がラトーラを受け入れているのも、分からない。ただの女、で済ませられない物がある。それが何かは、やはりケリィには言葉に出来ない。この三年、口で言う言葉にしてしまうと、常に間違ってしまう気がしていた。自分にはそういうところがある。だから、ぶっきらぼうに思われる。
ラトーラも、人に何かを伝えるのは、下手だった。
そういうところが、合ったのかもしれない。
小僧がおずおずと、入ってくる。ラトーラは、飯の用意は素直にやった。客として扱うと決めたようだった。コーヒーまで用意している。大した飯はないが、ケリィにとっては、客ではない。もてなす理由は、何もない。
まだ、小僧は戸惑っていた。本当に、小僧だ。士官学校を出たばかりだろう。実戦の経験も、それほどないだろう。ガトーが地球で、かき回すような真似、をやったらしいから、その場にいたとしたら、警戒態勢に入って配備されるぐらいは、やったのかもしれない。戸惑っているが、妙に肝が据わっている。
少し揉み上げれば、それなりにはなるかもしれない。それなりに、までもしてやれなかった、ジオンの学徒兵を思い出す。少しずつ、実戦に馴らしていく。そんな真似は出来ない局面で、戦場に出すしかなかったのだ。ソロモンは墜ちたのだし、学徒兵も、無駄に死んだ。ゲルググなど与えられても、戸惑ったばかりだっただろう。
余り、動員数は確認していない。動員が多くなった、という印象しか、当時のケリィにはなかった。そして自分が、左腕を失ったのを補うように、学徒兵が戦線に送り込まれ、自分は治療を余儀なくされ、そのまま、一年戦争は終わっていた。最後にはかなりの数が動員され、そしてやはり、無駄に死んだのだろう。
もう、ジオンの学徒兵などいない。いたとしても、一年戦争を掻い潜ったというなら、それは一人前だった。ガトーが奪ったという、ガンダム試作二号機サイサリスの存在は、また戦争になる、という気配を感じるのに充分だったが、学徒兵がいるのは、連邦の方なのだ。
そんなものは、勝手にやればいい。そう思うことで、考え過ぎないようにした。
「……お前は、脱走兵か?」
いきなり、言ってしまっていた。別に確証などない。挑発に近い。
返事がない。ただ、脱走兵とは、思わなかった。それなら自分から、記章など捨てている。何を答えていいのか、戸惑っている様子だった。やはり、ただの小僧だ。脱走兵でも、まだ士官でも、どうでもよくなった。
飯を食べ終わり、席を離れた。ラトーラはコーヒーを運んできていたが、小僧と同席して、のんびり呑もうなどとは、思わなかった。小僧は食事にも、手を付けてはいないのだ。
「連邦の士官には口に合わんか? ……晩飯は俺の分だけでいいぞ、ラトーラ」
言い捨てるようにそう言って、外に出た。
地球だから、宇宙だから、というのはそれほど飯に関係はない。それなりのものは、コロニーで育成していたし、収穫もある。比べてみて遜色はないだろうが、気持ちの上では、やはり宇宙で作られた食べ物は、味気なく感じるものなのだろう。
地球の飯は旨い、とケリィもいつか感じた。味に余裕があるのだ。宇宙で作った食物には、どこか数字の帳尻を採ろうという、浅ましさに似たものを感じる。土も、水も、合成したもので、それだけで農作も牧畜も、工業製品を作るのと変わりはなくなる。例えば湖があったとして、魚はまず、いない。消毒され水量が管理された、ただの景観物だ。
ソロモンの近くに、テキサスコロニーというのがあった。ケリィも、何度か作戦上の理由で、寄ったことがある。旧世紀の、西部開拓風という、変わったコンセプトで作られた場所だったが、偽物、という気持ちが強く沸く、逆に不快な場所だった。人も大して、住んではいない、廃棄されたような場所で、やはりそれは、下手に地上に寄せただけ、という理由で忌避されたからだと、ケリィは思っている。
スペースノイドは、精神的に飢え続けているのだろう。元は、地球の民なのだ。地球で作られたものを腹に入れる、そういうことでしか満たされない、飢えだ。
だからあの小僧が食わない、と自分が感じている、というわけではないだろうことも、分かっている。だが、飯にまで気を遣ってやる義理はなかった。
仕事は、やりかけだった。そちらに、集中すべきだった。きまぐれに拾ってきた小僧のことなど、どうでもいいと片付けるべきだ。
ジャンクのネジを、インパクトドライバーで締める。歯科医が歯を削るような、甲高い、やかましい音がする。この仕事を始めた時には、耳障りだったが、もう馴れてしまっていた。
小僧が、顔を見せた。無視している。どうでもいいと、思うことにした。
「……昨日は、どうも」
昨日の礼を言っている。助けたときに、意識はまだ残っていたのか。それなりに頑丈な体を、やはり造っている。
「自分は、コウ・ウラキ。モビルスーツのパイロットです」
名乗っていた。それでも、やはり、小僧だった。
「何故、脱走兵になった? 戦うのが怖くなったのか?」
「脱走などしていません。ただ、自分のせいでモビルスーツが壊れたのが」
「くだらんことを気にしおって」
モビルスーツが壊れるなど、戦場では当たり前のことだった。そんなことを気に病むというのは、やはり小僧だった。機体に何のダメージもなく、戦場を掻い潜れるなど、戦っていないも同然なのだ。
「……地上戦設定のままで、宇宙に出しました。自分の我が儘で、無駄に壊したような、ものなのですよ」
「俺は、お前がまだ生きてることに驚いてるよ」
地上戦設定のジャイロ設定で、無重力空間に出たら、間違いなく、撃破される。ケリィの常識では、そうだ。それで生き残って、ここで、こうして、戯れ言をほざいている。
運がいいのだろう。連邦にいる者はいつだって、運がいい。
「やめちまえよ。そうするなら早いほうが、いいぜ、小僧」
「それが出来たら」
「逃げてたように見えたぜ、昨日の様子は。だからそのまま、逃げちまえばいいんだ。お前みたいなのは、すぐに死ぬ」
学徒兵。何も出来ずに墜とされていたのを、思い出していた。
ただ、数を増やして動員すれば、勝てるとでも思ったのだろうか、あのギレン・ザビという男は。ケリィは、ドズル麾下であった。ドズルは「戦争は数だ」と言って、憚らなかった。だがそれは一人前の兵士という意味であって、それに応えて、学徒兵などを動員したのであれば、現場のことなど、何も分かっていなかったのだ、ギレンは。ドズルとて、まさか学徒兵など回されるとは、思っていなかっただろう。
ザビ家はやはり、何かがズレていた。一族同士で、かなり大きな食い違いが、起きていた。それは、勝手にすればいい。だが、それが現場に影響したのでは、戦っているこちらとしては、堪ったものではなかった。
左腕。
学徒兵を庇って、失った。たまに、そう思う。庇う意味など、なかった。自分が、本当にそうしたのかも、自信がない。単に、連邦軍に、痛烈な打撃を与えられて、左腕一本だけで、たまたま命だけはが助かった、というだけかもしれない。何にせよ、そこにいた学徒兵の操るゲルググは、不安定な挙動のまま、胴体を撃ち抜かれて爆裂し、撃墜されたのだ。
小僧ども、第三章「フォン・ブラウン」の始まりだ。ここからは冒頭で出て来てそのまま二章も出て来なかったケリィ・レズナーという男と、コウ・ウラキという小僧の物語となっていく。みんなケリィ・レズナーのことをもう忘れている可能性も高いが、そのときは思い出してやってくれ。小僧ども、まだまだ物足りないぜ。