貞操逆転キヴォトスのなんかでっかくてエロいやつ   作:メシ屋

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初めての主人公視点が閑話ってマ?


二話更新の一話目です


閑話 VSユウカ 表

 

 

 

 

暖かい陽気の中、先生に渡す書類を確認しながらシャーレの部室への道を歩く。先生の負担を少しでも減らしたくて、我儘を言って引き受けた書類なのだからミスは許されない。なんというか、先生は書類仕事が苦手なようだし。

...うむ、完璧だな。満足。

それにしても今日は本当に天気がいい。こうも天気がいいと気分もよくなるというもんだなぁ。...まあ、少し暑いような気もするが

...少しネクタイを弛めるくらいいいだろ。リンもいないし、公的な場でもないんだから特に何か言われることもないはずだ。

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

シャーレの部室に到着し、挨拶もそこそこに何故か突然鼻を押さえて上を向きはじめた先生に書類の説明をしようとしたところで、扉の開く音がした。

 

「ん?早瀬か」

「エッッッッッッッッッッッッッッ!?!?!?!!!!!!!!!!」

 

音に振り返ると、ちょうど部室に入ってきた早瀬ユウカと目があった。彼女はミレニアムのセミナー会計を務めている非常に優秀な生徒で、常識のあるしっかりもの...のはずなんだが...

当の早瀬本人はなにかとんでもないものでも目撃したかのように驚いて微動だにしない。

...ひょっとして俺か?え、何かついてる?

 

「どうかしたか?」

「パイ⁉」

「パイ?...早瀬はシャーレの当番で来たのか?」

「ハイ!!」

「...そうか、先生はいい生徒を持ったな」

「イエソンナ!!」

 

...さっきからリアクションでかいな。こんな子だったっけか?

だが、やはり早瀬は気遣いのできるいい子だ。セミナーの仕事もあるだろうに、わざわざシャーレまで来てくれるとは。最初にシャーレに所属してくれたメンバーの中に彼女がいたのは、先生にとって僥倖だな。

 

「ふ、副会長がなぜシャーレの部室に...?」

「ん?ああ、俺もシャーレの仕事を手伝ってるんだよ。俺の方でできるだけ処理してはいるが、どうしても先生に目を通してもらったり、決裁をもらったりしないといけない書類もあるからな。手間をかけてしまうがこうして必要な分を分けて持ってきたんだ」

 

そう言って手に持った書類を見せる。

俺が全て処理できてしまえばいいんだが、そうもいかない。

 

「せ、先生、それはさすがに...副会長だって忙しいんですから...」

「うっ...やっぱりユウカもそう思う?」

「はい...」

「早瀬、これは俺が我儘を言ってやらせてもらってるものだから気にしなくていい。別にシャーレの仕事を全部やってるわけじゃないし、連邦生徒会の業務には差し支えないから問題ないさ。それに早瀬たちも先生を手伝ってくれているんだろう?頼りにしてるよ」

 

できるからやっているだけなのだから、本当に気にしないでほしい。何より先生には他にもっとやってほしいこともあるしな。

 

「で、先生、こっちが決裁の欲しい書類。こっちはゆっくりでいいから目を通しておいてほしいやつな。決裁の書類は今週中に終わらせておいてくれ」

「えぇ~なんか多くない~?」

「これでもできるだけ減らしてるんだよ。ほら、文句言ってないでがんばれ」

「ふへへへぇ~がんばる~」

 

...なんかふにゃふにゃしてるな?大丈夫か?

...やっぱりまだ多かっただろうか?

 

「...終わりそうか先生?やっぱり俺も手伝ったほうが」

「ユウカも手伝ってくれるし大丈夫だよ!まぁ、私だけだったらわかんないけど...」

「そうか?すまんな早瀬...迷惑をかける」

「いえ、この程度なんてことありません」

「そう言ってくれるか...ありがとう、早瀬は頼もしいな。調月が羨ましいよ。これからも先生のことを支えてくれると助かる」

「はい、任せてください!」

「いつもごめんね~」

 

そう言って早瀬に向かって手を差し出し、握手をする。

情けない限りだが、早瀬のような生徒がいてくれてよかった。先生にはあんなことを言ったが、やはりどうしても俺一人の力では限界がある。先生の力になってくれる生徒は少しでも多い方がいい。それが早瀬のようないい子なら尚更だろう。

早瀬も手を握り返してくれたし、これからも一緒に先生を支えていこう。それが生徒たちのためにもなるのだから。

...

...

...

長いな?そろそろ手を離してくれてもいいと思うんだが?それだけ強い想いということだろうか??うーん、これは...

頼もしい限り?

と、その時

 

「あっそうだ!」

「ッ!!」

「は、早瀬?どうした?」

「イエナンデモ!」

 

さっきからホントどうした??君そんな子じゃなかった気がするんだが?疲れてる?

 

「コーヒー入れてくるから二人ともソファに座って待っててよ!机のお菓子も食べていいよ!」

「え、いや俺は」

「いいから!ほらユウカも!」

「アッハイ」

 

先生がなにやら目配せをしている...早瀬を気遣ってやれということだろうか。やはり先生には生徒の不調などお見通しのようだ。さすがだ...

 

「隣いいか?」

「エッハイモチロン!?!!」

 

 

うーん、さっきから急に奇声をあげたり、かと思いきや微動だにしなくなったり...やはり無理をさせてしまっているのだろうか?

ただでさえセミナーの仕事もあるんだし、そこにシャーレの仕事まで加われば疲れるのも無理はない。

...先生に言ってもう少し俺の方に仕事を回してもらうべきか?ギリギリだがもう少しくらいは...

そんなことを考えながら、先生のお言葉に甘えて机の上のお茶菓子をいただこうと手を伸ばし...

 

これはっ!?和菓子屋ペロロ!?なぜこんなところに!?限定抽選のレア物がなぜ!?おぉ...結構作りはしっかりしてるんだな...フィギュアだからか?アイス屋コラボのぬいぐるみより丁寧な作り―――

 

はっ!?いけない、今は早瀬のことを考えなければ...

...直接聞いてしまった方が早いか?

うん、そうしてしまおう。

 

「時に早瀬」

「ヘェアッ!?ナニモミテマセンガッ!?」

「?何がだ?」

「イエナンデモ」

「?そうか」

 

ホントどうしたんだ君??なんかものすごい変な姿勢だったんだけど?まるで何かを覗こうとしてるような...

 

「そ、それでなんでしょうか!?」

「あ、ああ、先程は先生の手前ああ言ったが、本当に無理はしていないか?早瀬はセミナーの仕事もあって忙しいだろう?」

 

本人に直接は言い難いだろうから、もしそうなら俺から伝えるべきだろう。

 

「まあ、確かに大変ではありますけど―――」

「...やはりそうか。負担をかけてすまない、先生に言ってもう少し俺に回してもらうように」

「...エッ!?!ヤ、それはダメですっ!!!!」

 

と言いながら勢いよく立ち上がる早瀬。

 

え?どっち?遠慮しなくていいんだよ?

 

が、やはりどこか無理をしていたのだろう

立ち上がった早瀬は足をもつれさせて―――

 

「おっと」

「...え?」

 

倒れ込む早瀬を抱き留める。

間に合ってよかった...

 

「怪我はないか?やはり疲れが溜まって...早瀬?」

「フッフゥッハァッ...ァ!!」

 

その時ふと、早瀬の息が荒くなっているのに気づく

体調が悪いのか?

 

「息が荒いぞ...?本当に大丈夫なのか?」

「フーッ!!フーッ!!」

 

おいおい、これまずいんじゃないか!?

ちょっと尋常じゃないぞ!?

 

「おい早瀬!?しっかりしろ!一体どうしたんだ!?」

「...ハッハァッ...!...ハァッ!!...ハッ...ハーッ!ハァー...ッ」

 

 

クソっ!落ち着かせるにしてもどうすれば...!?

怪我をさせるわけにもっ―――

 

 

「―――おまたせ、ユウカ」

「ヒュッ!?」

 

...たった一言で、早瀬は止まった。あぁ、よかった...

 

「ごめんねーちょっと時間かかっちゃった!...どうかしたの?」

 

なにもできなかった自分が情けない...こんなんじゃ理想の先生にはまだまだ遠いな...

ってそんなことより今は早瀬だ。まともな様子じゃなかったが、大丈夫なのか?

 

「い、いや、俺は大丈夫だが...早瀬は大丈夫なのか?」

「あ...わ、わたしっごめっごめんなさいっ...、こんなっこんなコトっ」

 

どうやら落ち着きはしたようだが、顔が真っ青になってしまっている。かなり体調が悪そうだ...

 

「早瀬が謝ることなんてない。俺の方こそすまない...やはり無理をさせていたみたいだな」

「ううん、頼りっぱなしで無理をさせちゃってたのは私だからね。アスタは悪くないよ。ユウカ、ごめんね?」

 

...やっぱり先生には敵わないな...生徒を落ち着かせるくらい、俺にもできるようにならないと

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

その後、コーヒーをご馳走になってから帰路についた。

俺なりに早瀬を気遣ってみたけれど、本人は大丈夫の一点張り。

顔も青いままだったし、心配だ...先生は大丈夫だから私に任せてと言ってくれたけど...

後日見舞いにでも行くとしよう。

 

 

それにしても早瀬のやつ、過呼吸っぽくなりながらなんかめちゃくちゃ身体まさぐってきてたな...なんで?いやいいけどさ

実は余裕あったのか?でも顔真っ青だったしなぁ...

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

「アスタ...まさかその格好で出歩いてたんじゃないわよね?」

「...リン、ネクタイくらい別にいいと思うんだ。公的な場でもあるまいに」

「...どうしてボタンまで開けてるの?」

「暑かったんだよ...二つくらいよくないか?」

「いいわけないでしょ!!」

「えぇ...」

 

 

めっちゃ怒られた

 

 

 




こいつはたぶん土下座すればヤれる


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