ライファン[LIFE FANTASY]〜抜忍人生第弍録〜   作:モノイクロ

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29のお話

 

 

 

 

「でかい根が出てる、足元気をつけろ。」

「う・うん…ありがと。」

森の中、男女2人が整備などされていない道を進む。

 

黒四円(こくしまる)とライナ。

2人は大盤堕(おおばんだ)や強盗団・ラピテリオの亡骸を一通り供養し、クワール街へと戻る帰路を進んでいた。

 

真夜中の暗い森の中を進むのは危険である。

夜行性の危険な魔物が動き始めるのもそうだが、とにかく進みづらい。

足元などは基本、目の前の小枝なども見えづらくなり体に当たってしまう。

そして、溝や崖などに落ちてしまえば命に関わるかもしれない。

 

しかし、向かっていて知れたことだが、街との距離がそんなに離れている訳ではない。

歩いて2時間近く…。

多少体力を使うが、まだ安全な街の中に戻った方が良いと考え、暗闇でも目の効く黒四円は自身が先頭に立ち、ライナに逐一障害物などを知らせて帰り道を進んでいた。

 

 

「遺体の首、燃やしたまま帰っちゃってるけど、大丈夫かな?」

「拓けた中央に穴を掘って、その中で燃やしたんだ、燃え移ることもないだろう。

 骨は拾えないが…後はこれで十分なんだろう?」

「そうだね。」

黒四円は持っている布袋を指し、ライナに確認すると彼女も納得の表情を浮かべる。

その袋には亡くなった者達が身に付けていた物が入っている。

それを教会に持っていけば、神父やシスターが祈りを捧げてから処理をしてくれるらしい。

 

作業者の様に証明カードを所有する亡骸は、ギルドに持っていけばその後の処理を行い、家族などの近しい者達にも知らせがいく。

洞窟や道すがらなどで遺体を見かけたら、そうやって供養してあげれば良いとライナは黒四円に教えてあげた。

 

最もクワール街の街中で教会など見かけた事はないので、今回はライナの実家がある、フリーリアにて処理してもらうことになっている。

 

「荷物になるが頼むぞ。」

「うん、まかせて!

 わわっ!?」

「っと。」

会話に気をとられ、ライナはでこぼこした道に足をとられ、転びそうになるが黒四円は咄嗟に受け止めてあげる。

「あっ///」

「大丈夫か?」

「う・うん…ありがと/// 。」

偶発的とはいえ異性に腕で抱き止められ、至近距離で話しかけられてしまい、顔が赤くなっていくライナ。

咄嗟に人1人支えられる逞しい行動も今の彼女には惚れていく加点対象でしかなかった。

かなり緩い加点であるのだが…。

 

(わあーーー/// ク•クロまる君…!/// 力強いよ…/// 。

 見ただけじゃそこまでじゃなさそうなのにお腹で支えてくれてる腕が堅い! やっぱ、鍛えてるんだ!

 よくよく考えたら、わたし、クロまる君の事、弱いって言っちゃてたけど…全然そんな事なかったよ。 討伐専門のベテラン作業者さん達と同じかそれ以上だったかも…。

 普段実力を隠して、いざって時に戦って勝っちゃえるなんて、何処の物語の主役さんなのー!)

「おい、どうした? やはり、足でも捻ったか?」

「へっ? い・いやいやいや!何でもないよ!///」

彼女が内心ではしゃぎ、中々自分の足で立とうとしないライナを心配する黒四円。

声を掛けられて我にかえり、赤面しながら手をブンブン振り、離れるライナ。

 

「そうか、街の外壁が見えてきた、もう少しだから気張れよ。」

「え? あっ…。」

黒四円の助言を聞きながら、足元に気を付けて進んでいたライナ。

彼に言われ、ようやくクワール街の一部が見えてきているのに気付いた。

 

「ほんとだ。」

ほぼ無法地帯のような街ではあるが、人と住める所がある場所に戻ってこれて少しほっとするライナ。

「…。」

しかし、黒四円の背を見るとふと思ってしまった。

(もう…会えなくなっちゃうのかな?)

 

 

3日前に友人のフレイヤから帰宅の報せがあり、彼女は明日、その友人に護衛をしてもらい、実家があるフリーリアという街へと送ってもらう予定になっていた。

元々、彼女はクワール街に立ち寄るつもりはなく、本来であれば今頃、実家で両親や姉妹・弟と共に食事でもしながらゆっくりしていただろう。

 

だが、海の向こうの異国から来た、黒四円と出会い、クワール街という危険な街で下りると知り、彼女は心配して付き添った。

そして、彼と同乗していた馬車の馬が盗まれたり、友人が護衛をしてくれるが仕事があるから4~5日彼女の家で待機など、すぐに帰れずにこの街に滞在しなければならない理由ができていってしまった。

 

しかし、その影響があったから、彼と共に過ごす時間も出来た。

採取依頼やCafé Mokuやポベロンの案内。

朝ご飯を作って食べてもらったこと。

(あの朝ご飯も、助けてもらったお礼の一環だったんだよね。)

 

そして、今回のこの騒動。

彼女の大切なもののひとつ。

祖父母の思いが詰まったバイオリンの奪還。

(わたし…2回も助けてもらったんだよね。)

片手で数えられる交流しかしていないが彼女にとっては十分過ぎるほど思い出に残る内容である。

 

 

(わたし、クロまる君のこと全然知らない…。)

時折彼は、影を帯びた雰囲気を醸し出し、何かに悲しんでいるように見える。

家族のことや大盤堕(おおばんだ)が人を殺した時にも感じられたあの影のある姿…。

 

彼女は物語(人生)を聞きたい性分である。

その為、こういった謎めいた者の物語(人生)にはどうして気になってしまう。

 

(会えなくなっちゃうかもしれないなんて…やだな…。)

表情の変化が乏しく、無愛想で冷淡そうに見えるが情と優しさはしっかりと持ち合わせている謎めいた彼にライナは惹かれてしまっていた。

 

 

 

「ほら、行くぞ。

 また、木の根がむき出しているから気を付け……ん?」

黒四円が先に進もうとするとライナは彼の服の片方の袖口を掴んでいた。

「…あっ!?」

「どうした?」

「あぁ…えっと…その…。」

咄嗟にやってしまい自身が驚くライナ。

続きの言葉が出てこずに言い淀む。

 

(どど・どうしよう!?

 何でもないって言う? でも、それだと街に着いたらお別れになっちゃう…!

 お付き合いを申し込む?  いやいや!会って間もないのに成功するわけないし、そもそも、まだ違うでしょわたし!?

 そーじゃなくて、えーと…。)

「…? なんなんだ?」

「うぅ…えっと…お礼を…。」

「礼? 今回のことでか?」

「そっそう! また、助けてもらったからお礼しないと!」

ライナは咄嗟に思いついた言葉で場を繋げる。

 

「いや、別にいいぞ。

 そもそも、俺と一緒にこの街に降りなければおまえはこんな目にあわずに済んだかもしれないし、間接的に俺が原因だ、礼なんて気にするな。」

「だ・ダメだよ! そんな不義理なこと…。

 それにクロまる君が原因なんて、そんなこと言わないで…。」

「むぅ……しかし、礼って言ってもなにをする気だ?」

「へっ? それは…。」

「確か、友人を連れて明日発つんだろう?

 前みたいに朝餉(あさげ)は無理だろうし…。」

「えぇと…お夕飯でも…。」

「そんな急な……材料あるのか?」

「…なかった気がする。」

「もう、日も落ち切っていて、食料品が売っている店も閉まっていると思うぞ?」

「うぅ…。」

彼が金銭的な物は受け取ってはくれないことをライナはよく知っている。

ご馳走を振る舞えることも現時点では出来ない。

 

(うぅーーー! どこか空いてくれてたらなー!

 あの街じゃ空いてるところなんて、もういかがわしいお店しか…。)

そう考えると1つだけお礼の仕方を今思いついた彼女。

はっきり言って思い切りすぎる考えだと思う。

下手をすれば滅茶苦茶引かれるかもしれない。

 

しかし、今は黒四円との繋がりが欲しい。

彼にも忘れられないような記憶に残る繋がりを…。

 

(ク・クロまる君もやってみようって言ってたし…/// わたしも彼となら全然…///。)

自分がやってみたらと言った恥ずかしい提案。

ここに来る途中に黒四円が言ってた他愛ない冗談の行為。

 

「そ・その…/// クロまる君///。」

「ん?」

顔を真っ赤にしながらライナはお礼の提案を言うのであった。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「そんで? そんな目にあってその子が怖がっているから、今夜一晩だけ一緒にいといてやると?」

「…ああ。」

「…///。」

 

街に戻ってきた黒四円。

とりあえず、一晩泊めてくれると言っていたマラリアが経営する宿屋・ポベロンへと戻ってきていた。

赤面しているライナを連れて。

 

「………。」ジト目

「…?」

「絶対ヤるだろ、あんたら?」

「っっっ!? 〜〜〜/////。」

疑いの目を黒四円に浴びせ続け、核心を突くことを言うとライナの顔はさらに赤くなり、俯いてゆく。

 

マラリアは察した後、ため息を吐きながら葉巻を用意し、それに火をつけた。

「あんたらがどういう仲になったか知らないが、ヤルんなら泊まらせないよ。」

「む? 今夜も泊まりに来いと言ってくれたじゃないか?」

「寝泊まりするだけって意味に決まってるだろうが!

 何でアタシがアンタらが絡み合った後の部屋の掃除なんてしなきゃならないんだい!」

「からっ!!!/////」

 

ラピテリオの情報を買った時にマラリアから一泊させてくれるという約束を覚えていた黒四円だが泊まる部屋の用途がそんな理由で変わるのなら利用させないとマラリアは強く言う。

釈然としてない彼だが、元々、最初に利用しようと来た時も情事目的なら帰れと言われたこと思い出す。

「そうか…。 それじゃあ、何処に行くべきか…。」

頭を掻き、弱る黒四円。

絡み合うと言われ、うぅっと湯気を出しているライナ。

 

「娼館区画なら、ヤリ部屋を貸す宿なんていくらでもあるんだから、そっち行きな。」

「そうなのか。 うーむ、しかし、金が無い。」

「そんなの知るかい。」ふぅ〜

マラリアも知っているが彼女から情報を買った際に有り金を全部、払ってしまっているのである。

ライナも実家のある都市のフリーリアに戻った際にそこのギルドで働いて次の路銀を貯めようとしていた為に彼女の手持ちも少しばかりしかない。

 

「しょうがない、人気の無さそうな…裏路地とかでするか。」

「ぅえええぇぇぇーーー!!!???

 ちょっと待って!ちょっと待って! 裏路地って、お外でえっちなことするって意味!?///。」

「そうだが、駄目か?」

「ダメっていうか!特殊すぎるっていうか!

 普通は室内で2人っきりでするものでしょ!!!/////。」

真っ赤なライナに叫びながら詰め寄られ、たじろいでしまう黒四円。

 

昔、彼は逃げる敵のくの一を数名で追って捉えた後、性的拷問を行なっていたこともある。

(まあ、あれが一般的とは言わないが外でするのはおかしいことか。)

尾行対象の男女2人が人気のない所でいきなりし始めた所を何回か見たこともあるのだがライナが声を荒げている様子を見て、自分の認識がズレていることに気づく黒四円。

 

「とは言ったもののどうするんだ? お前さんが寝泊まりしている場所だって、友人の家なんだろう?

 そこでも良いっていうならそれでいいが。」

「ダ・ダ・ダ・ダメに決まってるでしょーーー!!!///

フ・フレイヤちゃん家で…そんなこと!///。」

「アンタら!!! いつまで人の宿で騒ぐつもりだい!!!」

「「っ!?」」

痴情のもつれの五月蝿さに我慢できずにマラリアは怒鳴った。

 

「ったく、こんな夜中にぎゃーすかぎゃーすかと…!

 客も寝てんだから静かにしな。」

「す・すまない。」

「ぅぅ…すみません///。」

「ったく…! 待ってな…。」

そう言うとマラリアは受付奥の私室へと行き、数分後に手に1枚のカードを持ってきた。

そして、受付台に置いてあるメモ用紙に何か書きこみ、その2枚を黒四円に差し出す。

 

「これはなんだ?」

「アタシの知ってる奴が経営している店さ。

 娼館区画で開いているから、そういう目的で利用も出来る。

 アタシ筆跡の紹介文も渡したから、金はいらない筈さね。」

「何、良いのか?」

「無論貸しだよ、そこは意外と高い店なんだ。

 ったく、貰いすぎた情報料の代わりに一晩泊まらせて帳尻合わせようとしたってのに…。

 今度なんか、頼みごとするから今後とも寝泊まりはウチを利用するんだよ? いいな、若造。」

「商売上手いな…了解だ、婆さん。」

「そんじゃ、とっと行って、2発でも3発でも10発でも好きなだけ盛ってきな。」

「そ・そ・そんなにしませんよ!///。」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

同衾館(どうきんかん)・アカレンガ

クワール街の娼館区画で指折りに人気の宿泊所であり、個人で身売りしている者や娼館の子達と店外で会う時に利用する者達がおり、それはかなりの裕福層にあたる。

 

名前通りに赤みのかかったレンガで主に作られた西洋館風の大きな建物であり、洒落たアンティーク店に見えるが淡いピンクの灯りに照らされ、アダルトな風貌も見てとれる。

この店に来た男女にプレイルームを提供するのがここの主なサービスだが、一応、娼婦や男娼達も揃えられている。

 

そのアカレンガの一室。

淡く甘いような色使いであるが貴族が暮らすような豪華な部屋。

赤い大きなソファに白い大理石のテーブル。

その上にはピッチャーに入った飲み水と各種の酒のボトルなどのサービス。

そして、その後ろには大きな大きなキングサイズのベッドが置かれていた。

 

「この地の貴人、金持ち達がどういう暮らしをしているか分からんかったが、多分、こんな感じだろうな。 桃の色は流石に抜けているだろうが。」

部屋を物珍しそうに見る黒四円。

 

いつもの服装ではなく、バスローブを着ている。

先程、部屋についている風呂で体を綺麗にしたばかり。

いつもは手拭いを濡らしてそれで拭くか、川の水で洗う程度の黒四円。

そもそも、陽ノ本(ひのもと)では風呂というのは珍しいものであり、金持ちか温泉が沸いている地にでも行かなければ、暖かいお湯で身を清めることなどそうそう出来ることではない。

(お湯で体を洗って浸かるなんてしたことなかった…あんなに気持ちいいものだったのか。)

ホっと息を吐き、うとうととした感覚が出てくる。

実にリラックスした状態であった。

 

 

 

そして、現在、風呂場では…。

(しっかり洗わなきゃ! しっかり洗わなきゃ!!!)

ライナが必死で髪を洗っていた。

(ううぅーーー! フレイヤちゃん家に居たときは濡れタオルで体拭いてただけだったからなー!

 最後にお風呂入ったのって、港の街の公衆浴場ぐらいだから、絶対臭うよーーー!)

とても、リラックスとは程遠い心持ちで洗浄タオルを石鹸で泡立て、次は体を隅々まで洗う。

 

 

 

 

 

「はあーーー…疲れた…。」

妥協出来るぐらいまで自分の体を洗い終えたライナは浴槽に浸かり、落ち着きを取り戻していた。

水を両手ですくい、その水面を見る。

「お風呂から上がったら、クロまるくんと…///。」

想像すると顔が熱くなり、すくった水を顔にかけ、顎近くまで湯船にはいる。

 

(うう~恥ずかしい…///

 男の人とのそういう経験って、いったいいつだっけ?

 2人目の彼氏との時が初体験だったから…5年前ぐらいかー///。)

 

 

 

~~~

 

 

 

「そ・その…/// クロまる君///。」

「ん?」

「よかっ…たらなんだけど…その…か・からだで…お礼…します…///。」

「………。」

クワール街まで帰る最中、意を決してライナはお礼の内容を口にした。

 

聞こえなかったわけではない。

言葉の意味を理解するのに数秒の時間を割き、そしてひと息吐いて、黒四円は口を開く。

 

「行きすがらに言ったあれは冗談なのだが?」

「わ・わかってるよ。

 気に病んでたわたしを元気つける為に言った冗談なんでしょう?」

バイオリンを盗まれ、取り返すという危険なことに巻き込んでしまい、気にしていたライナ。

落ち込んでいる彼女を元気つけるために軽い冗談で黒四円は、取り返した礼に夜伽(よとぎ)…つまりエッチの相手をしてくれと頼んだのである。

 

「でも、お礼も出来ずにこのままお別れなんてやだよ…。」

「だからって体を売るような真似するのか?」

「ぁう~…で・でも~…。」

「あのなー…おまえ、生娘なのか?」

「ち・ちがうよ?

 お付き合いした経験は2回あるし、は・初体験だってしたことあるよ///。」

「そ・そうだったのか…。」

そう言われ、黒四円は失礼ながら驚いてしまった。

卑猥な話が絡めば、顔を赤らめ、動揺するので男性経験など無縁。

手つかずの花のように純心な女性と思い込んで見てしまっていたことに黒四円は内心反省する。

 

「と・ともかく、無理に礼なんてする必要はない。

 そんなことする必要は…。」

「…。」

(これは…。)

顔を赤らめ、うつむいているライナ。

それを見て、黒四円はある事に気づく。

 

「でもね…このバイオリン、ほんとのほんとに大事なものなの…。

 それを取り返してくれたクロまる君には感謝してもしきれない…お礼をしたいの…。

 でも、今の私には時間もお金も物もないの…。

 だから…お願い…。」

熱を帯びた瞳で見つめられると確信になる。

(惚れられたんだな…。)

この体でのお礼も覚えていてもらい、次に合えるきっかけ作りだと察する。

 

 

彼は、女性と付き合った経験はない。

 

忍には色香で異性を惑わす(すべ)があり、女性は男性を、男性は女性を誘惑するのである。

目的は敵方の者を身も心も心酔させ、情報を抜き取り、場合によっては暗殺するため。

 

黒四円もその術を心得ており、何度か相手方の女性をその気にさせたことがあるのでそういう心情が見ればわかる。

そして、その気持ちを最悪な形で裏切ったことも…。

 

(馬鹿だな…こいつ…。)

 

彼は、女性と付き合った事はない、術を知っているだけだ。

こうゆう、目で見つめてくる女性がどういう心境なのかを…。

 

(俺は知らない…この心境がどんな感覚なのか…。)

 

 

 

熱を帯び、真っ直ぐ綺麗な彼女の瞳を見るとやるせない気持ちになる黒四円。

顔を見上げ、目を閉じ、深呼吸をすると口を開く。

 

「良いのか?本当に抱いて?」

「っ/// はい…!///」

「俺は、女と付き合う気…ましてや伴侶を持つ気は、生涯ない…。」

「えっ?」

「そういう関係に期待せず…ただ、お礼や遊びっていう目的になるんだぞ?」

「…。」

「それでも後悔しないっていうんなら、受け取らせてもらう。」

「っ…!」

 

ライナは唇をグッと紡ぐ。

正直、彼女自身もどういう心境なのかわからない。

悲しいのか、悔しいのか…。

それでも彼女は黒四円の体に抱きつく。

 

「うん…お礼…貰って…///。」

「…わかった。」

そのやりとりをし、お互い抱きしめ合った後に黒四円達はポベロンに向かったが断られ、現在のアカレンガへと繋がるのであった。

 

 

 

 

 

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