ライファン[LIFE FANTASY]〜抜忍人生第弍録〜   作:モノイクロ

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3のお話

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした! アイゼンさん!

 また、来ますね!!」

店の扉を開け、退店しようとするライナ。

去り際に感謝の言葉をCafé Mokuの主人、アイゼンにすると彼は洗い物しながらチラッとライナを見るがそれ以上は何もなかった。

ライナ曰く作業員時代からあんな接し方であったらしい。

 

 

 

「うーん! 面白い話が聞けて楽しかったよ!」

「そうか、俺もこの国の美味いものを知れて良かった。

 特にあのコーヒーという飲み物は良かった。」

「あはは。

 おかわり頼もうかどうか悩んでたもんね」

「まあ、金欠だから流石に止めといたがな。」

「ふふ、その為には作業依頼こなしてお金貯めないとね。」

「ああ。」

 

「それにしても、忍者か~。

 初めて聞いたよ。

 そうゆう職業もあるの。」

「まあ、裏で色々と動くものだから、周知されるようなものじゃない。

 話した仕事内容もそんなものだったろう?」

「そうだね。 

 詳しくは教えられないって言ってたし。」

「知ると面倒ごとになることもある。

 しかし、まあ、暗殺などもしてきたと言った時、そんなに驚かなかったな?」

「いや、驚いてはいたよ?

 でも、陽ノ本(ひのもと)はまだ、内乱してるのは知っているし、生き物を殺してるって言ったら私だって依頼内容で魔物を討伐したりもしてる…。

 依頼内容の中には人間の盗賊とかの退治だってあるんだし…その人の要る環境や状況…時代によっては殺傷もおこっちゃうんだろうね。」

「…なるほどな。」

「ああ!でもでも!

 お金のためとかそうゆう理由で簡単に人殺しをしたりとかは絶対絶対ダメだとは思ってるからね!?

 クロまる君もやっちゃダメだよ!?」

「しねーよ。」

「あはは、そうだよね。

 忍者の主な仕事は諜報活動って言ってたもんね?」

「…。

 ああ…普通はな…。」

 

 

 

 

 

店から出て話し合いながら歩く二人。

自然と中央広場に向かっていた二人はそこで立ち止まる。

 

「さてと、じゃあ、わたしは友達のところに向かうね。」

「ああ、いろいろと世話になった。

 友人の所に行った後はどうするんだ?」

「うーん…とりあえず、その子の家に1日泊まらせてもらうかな?

 その後は当初の目的だったフリーリアに行くよ。」

「そうか、その街に何かあるのか?」

「別にそうじゃないけど…実家があるからね。

 ちゃんと帰れる時には帰っとかないと。」

「実家か…。

 良い両親か?」

「え? まあ、いいんじゃないかな?

 こんな放浪娘がいつ帰ってきてもおかえりって言ってくれるし。

 わたし、家族、大好きだもん。」

 

屈託のない笑顔に本心からの愛情の言葉。

その姿を見た黒四円は少し目が遠くなるがすぐに意識をライナに向ける。

 

「そうか、大事にしてやれよ…。」

「う・うん…。」

しかし、寂しそうに笑いながらそう言う彼の姿には大きな哀愁が漂い、大事にしてやれという言葉に大きな重さをライナは感じた。

 

 

「えっと…クロまる君はこれからどうするの?」

「俺か…?

 とりあえず今は、ギルドに戻り、もう何件か仕事をこなし、日銭を稼ぐが…。」

自分でそう言った黒四円だが少し考え、空を見上げる。

 

「そうやって生きて…何をしていけばいいんだろうな…。」

「目的がないってこと?」

「ああ。

 カフェで話したと思うが俺はもう、抜け忍…里の掟では見つかれば始末されるような存在だ。

 目立つことは出来んからこの国で偉くなったりなどは出来ない。」

「そっか…。」

「まあ、元々立身出世なんて興味がないからな。」

「そんな危険な状況になっちゃうのに、なんで里を抜けちゃったの?」

「…。」

 

カフェでの話題の時に自分が里を抜けた忍ということはライナには伝えた黒四円。

しかし、何故に抜けたかはライナにまだ伝えていない。 

理由としては聞かれなかったからだ。

彼女が他の話題に気を取られていたので。

そしてライナは彼が抜忍という事を思い出し、何故危険を犯してまで里を抜けたのか改めて理由を聞いてみたが黒四円は黙っていた。

 

間が少し空いたが黒四円が口を開いた。

 

「別に…忍生活ってのも窮屈でな。

 自由になりたかったんだよ。」

「えぇ…本当にそんな理由なの?」

「きついもんだぞ?

 毎日毎日、修行と任務の繰り返し。

 あんな風にコーヒーという美味な物を口に入れたことなんて片手で数えるほどだった…。

 遊んだ経験も正直記憶にない。」

「うーん…そう言われる確かに…。」

苦い表情をする黒四円を見て、気の毒に笑うライナ。

そして、閃くライナは黒四円に提案する。

 

「それじゃあさ、今はそれが生きる目的でもいいんじゃないかな?」

「なに?」

「今まで我慢してきた分、美味しいもの食べたり、遊んだりするっていうのでいいんじゃないかな?

 したい事が見つかったらとりあえずしてみるとか!

 楽器を弾いてみたいとかだったら、わたし教えてあげるよ~。」

怪しい勧誘をするようにライナは提案し、黒四円は少し考える。

 

「いいかもな…。」

「え!? 演奏に興味あるの!?」

「いや…それは今の所ないが…。」

「…そっか。」

一瞬本気で嬉しくなるがすぐに落とされたライナ。

ちぇ~っと不満を漏らしながら黒四円の話を聞いていく。

 

「食を知ることは好きだと今回のおまえとの食事で改めて分かれたし、色々なもの食べていくというのはいいかもな。」

「そう? それなら良かったね。」

 

「後は遊びか…。

 うーむ…。」

「あははっ。

 そんな真剣に考えなくても、遊びなんだから、思いついたことをぱぱっとやってみたらいいんだよ。」

「そうゆうものか?」

「そうゆうものだよ。」

真面目に考え込む黒四円がおかしかったのかクスクスと笑うライナ。

 

そして、笑い終えた後、彼の眼をみて再び話し始める。

「それじゃあ、わたしは友達の家に向かうね。」

「そうか。」

「会って1日も経っていないけど、珍しいお話も聞けたし、すごく楽しかったよ!」

「そうか。

 俺もライナに会えて良かったよ。」

「そ・そう?

 そんな風に言われるとなんだか照れるな///。」

顔を紅潮させ、照れるライナ。

見られると恥ずかしいのか、顔を手で覆い、逸らした。

 

「それじゃあな。」

「あ・うん! 

 君の物語に精霊のご加護がありますように!」

「ああ、アンタの旅に武運を…。」

 

お互いのこの未来(さき)に労いの言葉をかけ、2人は分かれる。

 

 

 

 

 

(えへへ、やっぱり旅っていうのはこうじゃなきゃね!

 それにクロまる君とは職業一緒だし、またお仕事一緒にしたりするかもね。)

危ない街なのだが彼女は楽しい予感を巡らせながら軽い足取りで友人宅へと向かうのであった。

 

 

 

 

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