ブルーアーカイブ外伝『バウンサー』   作:綴師

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R−18的要素有り
問題すぎて投稿に葛藤したわ…


狼来

「…ミユキったら意外…てか躊躇なく…」

「うっせ…」

 

互いの体温で火照った空間に、湿った無音のBGMが流れる。

切り傷のあるミユキの背に視線を這わせながら、ふと己の存在意義を問う。

同じ高校生なのに守られていてばかり。

それなのにどうして__

 

「…さっきはやかましかった癖に」

「考え事。ほっといて」

「あっそ」

 

そっけないが、繋がれた手は離れない。

ミユキの指が、無意識に翔亜の手を撫でる。求めるように。

 

「…ミユキ、くすぐったい」

「もう少しだけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「満足した?」

翔亜の問いかけを無視して、ミユキはキッチンに向かう。

 

「ねえってば〜」

「そうだな」

ミユキの返事はあっさりとして、素っ気ない。

 

包丁を取り、無造作にカブを刻み始める。

視線は、天井の染みに向いていた。

 

そんなミユキの姿に、翔亜は少しだけ苦笑を浮かべた。

 

そして、誰も無関心だった。

___ミユキが包丁で切った指から滴る血にも、微かな異臭にも。

 

 

 

 

 

 

 

「…ポイントマン及び、突入チームはサーモグラフィーを装着」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇミユキ、少し寝るね……できたら起こして…」

「……ん、ああ?」

 

ミユキも同じ事を考えた。

 

違和感。煙。

微かな薬品の匂い。

めまい。だるさ。

 

事象が点でバラバラになっている。

 

「マズった…」

「なぁに…?」

 

悟った時には全てが遅かった。

それと同時にドアが悲鳴をあげながら蹴破られた。

「大人しくしろ!ガキどもっ!」

 

(せめて…コイツさえあれば…)

咄嗟にイナから渡されたアレを胸元に忍び込ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてさて…ここまで簡単に行くとは…」

「大人げねーな」

 

固い地面の上で身動きは取れない。

頭に響く鈍痛が拘束具代わりか。

 

 

「さてさて、あと数時間もすればお前らは回収されますからね。それまで大人しくしなさい」

「…なあ、コイツと話がしたい。やらかしはしねーからよ」

 

「…まあ多めに見ましょうか」

 

 

「なに…?」

「口開けろ」

「こぉ…みゆひっ!?」

 

ミユキはいきなり、唇を押し当てた。

強引に、何かを託すが如く。

 

2人の身体が倒れ込む。

床に背中が触れる寸前、翔亜の上にそっと覆いかぶさった。

ぬくもりが入り混じり、繋ぎ止める。

 

お互いが求めるように受け入れあう。

 

 

「下の口もほぐしとけよ!」

「やっべ〜、カメラ回ってんのかよこれ」

 

ギャラリーの下品な野次が飛び交う。

だが、奴らは気づいていない。

 

翔亜の口の中に小さな金属の塊(切り札)が押し込められた事を。

 

 

「…合図したらそれ使え。いいな」

「…うん」

 

 

 

 

 

「さてさて…少しだけつまみ食いといきましょうかね?ねえ皆さん」

兵士たちが、嫌な笑いを浮かべながら近づく。

 

その足音と、地面に落ちた服の音が乾いて聞こえた。

 

「さてさて…愉しませてもらいますよぉ」

兵士たちは2人の少女に酔っていた。

 

「…ねえミユキ____」

「………『撃て』」

 

合図と共に翔亜の口内から小型の拳銃が彼女の手元に収まる。

「おやおや…デリンジャーですか、そんな豆鉄砲じゃどうしようも…」

 

銃身から出たのは銃弾では無かった。

眩い閃光と轟音が辺りを包んだ。

予想外の閃光に襲われた兵士たちに混乱と罵声が飛び交う。

 

 

「__逃げ____とあ___かまう____」

「うわああああああ!」

 

ミユキの微かな声を聞いて、翔亜は闇の中へと姿を消した。 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさいごめんなさい……」

 

何もできなかった。また守られた。

呼吸の仕方さえ忘れて、自戒の言葉を吐露する。

後悔。無力感。嫌悪。

膝を抱え震える翔亜の中を犯す。

 

 

「はぁ…こういう時に限って銃がないんだね…」

掠れた独り言(自殺願望)に、上から軽やかな声が降ってきた。

 

「銃がご入用で…?お久しぶりですな同志!」

「イナ…さん!?」

 

 

 

 

 

 

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