異常事態。由々しき事態。異様な状況。異常な事態。尋常でない事態。普通じゃない事態。異例のこと。異例の事態。特例…
状況を形容する言葉が出ても解決案は出てこない。
愛車の影に隠れ、ひたすらに打開案を思案する。
逃げてもコイツが撃たれて死ぬ可能性がある。正面からやった所で死体が一個増えるだけ。
諦めかけた時、ミニクーパーからガソリンの刺激臭が思考をクリアにさせる。
出たのは最も「
チャンスは一度きり。
呼吸を整え、彼女を担ぎ、銃を撃つべき所に向ける。
奴らは近づいて来ている。
今しかない。
駆け出すと同時にハンドガンの引き金を弾く、放たれた弾丸は流れ出したガソリンに火をつけ、その火はミニクーパーへと駆け寄る。
火がミニクーパーの元へ辿り着いた瞬間、爆炎が辺りを吹き飛ばす。
私たちは固い地面に叩きつけられた。
身体が痺れるように痛む、それでも、任務は完了。
……100点とは言えないが、十分だ。
しかし限界だった。
意識が闇に落ちていく中、サイレンの音が遠くで滲む。
寝かせてくれ、もう何も考えたくない…
苦痛と疲労が私の視界を黒く覆った。
月が空に昇った頃、やっと目を覚ました。
柔らかいベットの上で。
それも『シャーレ』の『先生』のおまけ付き。
「なんだぁぁあぁっっ!?」
“うるさい”
「うるさい。じゃねえよ!」
“まあ落ち着いたら?”
「…」
“そうそう、上手上手”
「…一体なんなんだ?」
絶対何かあるはず。
聞き出してみせると、密かに決心した。
まず一番に聞くべきは撃たれたアイツの事だ。
心理戦を仕掛けるのもまどろっこしい、単刀直入に聞き出す。
「あの子はなんだ?知っているのか?」
さて、どう答える?
探る様に、威嚇する様な目つきで先生の返答を待つ。
ベットの上でヒリついた空気と穏やかにゆるゆるとした空気が触れ合う。
一瞬の間の後、先生はヒラヒラと手を振りながら余裕そうな手振りと表情で答えた。
“う〜ん…まぁ、彼女がどういう存在なのかは説明できるよ”。
余裕ぶった態度が癪に障るが、それよりも先生の口から語られる話に期待していた。
さあ蛇が出るか、何が出るか。
踊りだす心のワクワクが止まらない。足が無意識でビートを刻み出してしまった。
“まず私の事について知ってるかな?”
「確か偉い奴が任命した弱っちい凄い奴だっけ?」
あの日の新聞は覚えている。
記事一面、アイドルの様に全面を覆う先生の姿。
びっしりと隙間に埋め尽くされた文字が伝えようとする神話の様に語られる指揮能力の高さ。
“はは…正解、で弱っちい理由は君たちと外から来た人間は『ヘイロー』がないからなんだ。まあ正確には違うけど”
そう言って先生は頭の上を指し、くるくると指を回す。
「詰まるとこ…あの子は異世界から来たってか?」
がんばるぞーい