先生殿がまた死んでおられるぞ! 作:大事なのは選択ではなく諦めない心
・ケイちゃん可愛い
何度言っても良い。ジェリコの古則にもそう書いてある
・掲示板民のケイちゃんの外見イメージ
目がピンクのアリスで止まってるのが多数派です
・カイテンジャーは盾、まとめてリアクターボルテッカ 等
草。掲示板民も割と躊躇なくそうします
480:名無し生徒A
カイテンロボ、爆散!
481:名無し生徒A
何しに来たんだお前らァ!!!!
482:名無し生徒A
でもゴリアテ1体道連れにしたから……
あとの2体もダメージはしっかり受けてるみたいだし
483:名無し生徒A
マジだ。よくやったお前ら!
484:名無し生徒A
神速の掌返し
485:名無し生徒A
だがせっかくのデコイがいなくなった!
り、リアクターボルテッカのチャージは……
486:ケイちゃん
あと15秒です!
487:名無し生徒A
アカン!
あっちのレールガンのほうが絶対速いぞ!
488:名無し生徒A
うおおおお! アリスを守れ!
489:ケイちゃん
先ほど自分達でそれは厳しいと……
490:名無し生徒A
できらぁ!
491:名無し(臨戦)
このチャンスを逃したらあとは押しつぶされるだけだ!
やるぞ!
展開したスーパーノヴァの砲口に光が収束していく。
あと15秒。それだけの時間を稼ぎきれば城壁にも等しい敵の隊列を丸ごと削り切る、必殺の勇者の剣が振り下ろされる。
齎す敵への被害を考えれば余りにも破格の短さ。
敵の攻撃はそれよりずっと速い、という不都合な事実から目を逸らせば。
残り14秒。2体に減り、手負いとなってもいまだ健在な
狙いは
「させるかぁ!」
盾を構えた
勇者を襲うはずだった鉛の雨は直前で押し留められる。
「ホシノみたいには……いかんな、クソ!」
しかしそれも僅かな間のこと。頼もしく堅牢に見えた盾は瞬く間に拉げて弾き飛ばされた。
当然、残った弾丸は身体で受け止めるしかない。
「■■……!」
「怯むな! 続けろ!」
仲間のひとりが自分を庇って負傷する様を見たアリスが思わず駆け寄ろうとするのを制してゴリアテの方を見れば、どちらも頭部の大砲が発射準備を終えており今まさに発射されようしているところだった。
舌打ちしたあと衝撃に備えて歯を食いしばる重装の生徒だったが、その身を吹き飛ばされることはなかった。
「ブーム! で、合ってたっけ?」
突如、片方のゴリアテが頭の部品をスパークさせたかと思うと、味方のはずのもう一方へ向けて砲撃。
横から撃たれた形になるもう一方のゴリアテは誘爆でもしたのか頭部が丸ごと吹き飛び、砲撃を行うことも叶わず倒れ伏した。
「通信機能がないならつければいい!」
味方を砲撃した方のゴリアテをよく見れば、如何にして接近したのか。肩に
「ありがとうヴェリタス……え、もう限界? オーケー。コイツは用済みだ!」
残り9秒。装甲の隙間に
「さて、バレた状態で隠れるのはさすがに無理だよな……ははっ、死ぬかも」
傭兵の生徒は直ちにロボット兵士に取り囲まれ一斉射撃を受ける。ダメージを可能な限り減らすよう立ち回っているが、長くは保たないだろう。
数秒後に勇者の光の剣が全てを薙ぎ払ってくれる事を前提とした、半ば特攻のような行動だった。
「■■■……」
「……アリス」
「わかって、います!」
唇をぎゅっと引き結んで、アリスはレールガンのチャージを続ける。
残り6秒。焦りの概念でもあるのか、ロボット兵士達の壁が列を乱し、波のようにアリスの方へ押し寄せてきた。
「アリスちゃんの邪魔は……」
「させない!」
「私の怒りの弾丸をくらえー!」
アリスを除いたゲーム開発部の面々とシャーレのメンバー、ついでに爆散したロボットから這い出したカイテンジャーも加わり、押し寄せる波を片っ端から削り取っていく。
狙ったわけではなかったが、倒れたロボット兵士の残骸が積み上がり、後続の兵士がそれに躓いて動きを止めたところをまた仕留められる、という循環が発生し、本来の処理能力以上に敵の波を食い止められていた。
「チャージ完了」
「思ったより早……」
「違う、来るぞ!」
声が同じせいか。
何人かが一瞬、気を緩めてしまう。
そこへ、敵の白い少女が手にしたレールガンを最大出力で放った。
ロボット兵士の残骸を巻き込みながら、シャーレのメンバーを吹き飛ばし、ゲーム開発部の面々へ襲いかかろうとしたその瞬間、拉げた盾を拾い上げた重装の生徒が再び立ちふさがる。
当然、威力はゴリアテの機関銃の比ではない。
おまけに受け止める側も負傷している。
一瞬で盾もろとも吹き飛ばされるかと思われたその時。
「先輩!」
「お前……」
ほぼ同じタイミングで前に出ていた
普通に考えればふたり掛かりになったところで結果は変わらない。盾を構える2人も、普段ならそう考えるだろう。
だが押し寄せる敵、仲間の負傷、数秒後の反撃のチャンスと、それを潰すように放たれる攻撃……目まぐるしく変わる状況の中、深く考える暇もなく咄嗟にした行動だった。
残り1秒。眩い光が2人の視界、盾のない部分全てを埋め尽くした。
同時に襲ってくる、速度違反のトラックと正面衝突でもしたかのような衝撃。
全身が炎で炙られているような感覚に襲われながら、歯を食いしばり、盾にしがみつく。
離せばアリスの攻撃が中断させられるだけでなく、既に負傷している重装の生徒は死んでしまうかもしれない。後輩だって無事では済まないだろう。
「こ、のおお!」
「おおお!」
燃えるような感覚が強くなる。2人とも必死だった。
故に、機関銃で拉げるような盾がレールガンの直撃に耐えている事に違和感を覚える暇はなかった。
「そ、逸らしやがった……」
「マジか……」
衝撃から解放されたと同時、仲間達が呆気にとられたようにそんな事を呟くのを聞きながら、2人は意識を手放した。
「やはり、お前か」
その様子を見ていた白い少女も呆然と呟く。
「クトゥ──」
「光よ!」
ただしそちらの呟きは、勇者の雄叫びと光の剣の唸りにかき消され、誰の耳にも届かなかった。