Rebellion Fight of traitors   作:A.K

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コウマ「クリスマス?ああ本部爆破作業の日だろ?」

ソーマ「もうそんな時期か……」

リンドウ「よーし、さっさと終わらせようぜ」

聖「あの、コウタさん?クリスマスとは……アレではないですよね?」

コウタ「アレは違うから、赤いおじさんがプレゼント持ってきたりするやつだからね!?」

グラーフ「(本部爆破作業!?)一体みんな誰と戦っているんだ?」

アリサ「こんなのクリスマスじゃなーい!!」

その日ヨーロッパ本部が爆発した。


  これは本編のちょっと先の未来のお話である。


specialchapter3「一夏と鹿島とグラーフとAGのクリスマスナイト」

 12月25日クリスマスというのは一般的だろう。だが2075年にはそれもすっかりアラガミに食い尽くされて今や、やっているのは一部の上流階級か、極東支部やアメリカ支部にロシア支部ぐらいだ。

 

 但し『3人を除いては』の話だが。

 

 

 ヨーロッパフェンリル本部、数年前までは各支部から絞った資源で贅沢なクリスマスを過ごしていた。

 

 が、今はどうだ?あちこちのモヒカンが現れては、私欲に使って肥えた倉庫を略奪する本部基地より外に追い出された一般住民たちが「ヒャッハー!!」とか「見ろよ七面鳥だぜぇー!!」とか叫んでいるのを本部基地の一般住民たちも楽しんで一緒に騒いでいる。

 

 その先頭にはいつも同じ三人の男がいた。

 

 鼻眼鏡をかけてサンタの格好をした真っ白なバスターブレードを持っているのは「ソーマ・シックザール」。

 頭だけハンニバル化させてサンタ帽子をかけているのは「雨宮リンドウ」。

 最後の1人は織斑一夏を養子として引き取った人でもありながらも神でもあり、それでも尚神を喰らう者になった「神威コウマ」だ。実際には神どころかありとあらゆる生命体の祖先という不安定な存在である。

 

 

「メェェリィイイイイイクリスマスゥウウウウウ!!」

 

「お前らの恥ずかしい写真をばらまいてやるよ」

 

「こぉーーーーんなに酒たらふく溜め込みやがってよぉぉ……ケチケチするなよぉぉぉ!!」

 

 

 上からコウマ、ソーマ、リンドウである。コウマは一夏の能力で構造を組み替え特定の脳波で爆破可能にした、ニトログリセリンを固めた塊を本部の凝りに凝った派手な装飾部分に向けて投げつけて爆破している。

 ソーマは本部の汚職高官のあんなデータやこんなデータから得た写真をばら撒き、リンドウは酒蔵から取り出した高いお酒をみて絶望して虚無に呑まれていた。

 

 

「き、来たぞー!!奴らが来たぞー!!」

 

「極東の破壊魔だー!!」

 

「逃げろー!!」

 

 

 ヨーロッパ各支部の神機使い達が恐れをなして逃げている。

 

 

「ヒヨッコ共がぁぁ……そんなに逃げるのが好きかぁぁ!?」

 

 

 コウマは逃げ惑う神機使いにニトログリセリンをぶん投げつける。

  直後に響く爆発と悲鳴、それに交じる高笑い。燃え盛る大地に空から突き刺さるニトログリセリンの塊。というかさり気なくコウマは空を飛んでいる。舞空術を使っているのだ。

 

 

「貴様らそれでも人類の盾であり矛である神機使いかぁぁぁぁ!!!」

 

「ギャアア!!」

 

 

 ぶっちゃけ言うとヨーロッパの神機使いはほとんどポンコツに近いほど弱い。三年前に2人鍛えたが目の前に残っている男女がそうだ。

 

 

「今年こそ、日本でクリスマスを過ごしてもらいますよ先輩!」

 

「リンドウさんもソーマさんも何やってるんですか、毎年ま……リンドウさん今年も虚無になってるのね」

 

 

 チェーンソー型神機を操る青年『フェデリコ・カルーゾ』、今ではブーストハンマーとなっているハンマーパーツの原型であるハンマー型バスターブレードの使い手である女性『アネット・ケーニッヒ』の2名である。

 

 

「まぁた、お前らしか残らなかったのか?」

 

「そうですね……今年は何持っているんですか?」

 

「ニトログリセリンの塊」

 

「何やってるんですかー!?また一夏さんですか!?」

 

 

 さり気なく本部の装飾部分に向けて投げつけておく、すかさずフェデリコがつっこむ。

 

 

「ソーマ博士、リンドウさんはそのままでいいんでk……って消えてる?」

 

「携帯式ギャレオリアロードで帰った。税込19,800fcだ、オンラインショップで販売しているぞ。いわゆる長距離ジャンプ装置だな」

 

「なにそれ欲しい」

 

 

 互いに軽口を叩きながら既に互いに神機を構えている。その目は極東支部の戦士の目だ。

 

 

「腕は訛ってないよなお前ら?」

 

「今年は一夏さんとは戦えない事が寂しいですね」

 

「今度は鎮守府に遊びに来いよ、歓迎するからさ」

 

 コウマはありとあらゆる試作型形態のありとあらゆる神機を展開し、フェデリコもチェーンソーの歯を回し始めた。

 

 

「ソーマ博士、今度遊びに行った時に訓練を承っていいですか?」

 

「……俺の訓練はきついぞ?あといい加減ズボンを履け」

 

「いいじゃないですか、動きやすいですからー!」

 

 

 ソーマは苦笑しながらバスターブレードを構えている。アネットもバスターブレードを構えた。

 

 

 

 直後に響くは衝撃波。それによって『画面』が砂嵐になって何も映らなくなってしまった。

 

 

『という事ですので、我々が今年のサンタをやる事になっています』

 

「またやってるのかコウマさん……」

 

「て、提督さんは何をしているのですか!?」

 

「Admiralは元気だなぁ……」

 

 

 その部屋には3人+1機がいた。しかし部屋と言ってもスキマ空間に作った部屋である。

 

 

 1人はご存知インフィニット・ストラトスの主人公である織斑一夏。

 二人目は練習艦《香取》の妹である香取型2番艦である《鹿島》。三人目はドイツ艦で艦これ世界で初めての未完成艦であるドイツ空母Graf Zeppelin級1番艦 正規空母《Graf Zeppelin》である。皆からはツェッペリンやグラ子に普通にグラーフ等と言われている。

 

 この2人はクラス担任決定戦の時に発生した時空の歪みで、平行世界の海域から極東支部に転移してしまった艦娘だ。その後アンチスパイラルが原因であることが判明した。どうやらスカルブレイクの衝撃波が平行世界の自空間に穴を開けてしまい《アビス》を形成したようだ。

 

 4体目は次元商人《AG》。その正体は多次元世界の人物『ジ・エーデル』の集合体である。現在はロボットボディの中に本体が入っている。

 

 

「フェンリル本部と極東支部ってすごく仲が悪くてさ、毎年毎年襲撃しているんだよ」

 

「ニトログリセリンを投げてましたけど!?」

 

 

 ニトログリセリンとはイタリアの学者アスカニオ・ソブレロが初めて合成したものであり、かのノーベルが開発したダイナマイトの原料にもなる。非常に危険で少しの振動でも大爆発を引き起こすのだ。

 

 

「アレは俺の能力……『構造を組み替える程度の能力』を使ったんだよ」

 

「構造を組み替える程度の能力……?」

 

 

 鹿島もこの一夏たちの所属する鎮守府にいれば、特殊能力や人型機動兵器を目にしているが一夏の能力は実際のところ一度も見たことがないのだ。

 

 

「そのまんまだよ、物質や現象の構造を任意で組み替えてしまう能力なんだ。例えばこの雑草は『呼吸で二酸化炭素を吐き出す』が、能力によって『1日に適量の可燃性の液体を呼吸と共に分泌する』ということが出来る」

 

 

 一夏は何故かスキマ空間に浮かんでいた雑草を一枚抜きながら説明し、指先をライターに組み替えて火をつけた途端、雑草はボッ!という激しい音と共に消滅した。 

 

 

「イチカもAdmiralもこの国は不思議だな……、副作用とかはないのか?」

 

 

 グラーフがふと思い出したように言った。デメリットが無い能力は考えれば何も無いのだ……例外はあるけど。

 

 

「能力によってはあるぞ、けど構造を組み替える程度の能力は組み換え内容によってエネルギー消費が激しいんだけど、俺の心臓が特殊だから意味無いんだよなぁ」

 

 

 忘れがちだが一夏はサイボーグだ。しかもギャラクシー船団の技術なども取り入れたことによって外見は完全に生身だ。それを動かすエネルギー等は全て心臓の超螺旋エンジンで動かしている……能力で使用するエネルギーも、殆どが超螺旋エンジンから生み出して、残りは食事で生み出していたのだ。

 

 

『一夏様の心臓は超小型の超螺旋エンジンを埋め込んでいますからなぁ……!』

 

「それってシモンさんたちも使っている永久機関ですよね?」

 

 

 「綺麗な光だったなぁ〜!あ、だけどコジマは怖かったです……!」と鹿島は呟いていた。そんな時、ふと思い出したように一夏はAGに質問をした。

 

 

「まあね、それよりAG。クリスマスなんだから服装はないのか?」

 

『申し訳ありません……私、サテライト拠点の子供たちとクリスマスパーティの準備をしていたので用意出来なかったのですよ』

 

 

 AGは極東支部の外部居住施設《サテライト拠点》のお手伝いをしている。

 始まりは第一部隊所属の元ロシア支部所属の第二世代神機使い『アリサ・イリーニチナ・アミエーラ』が、何でもかんでも一人でやろうとして過労で倒れたために、AGが補助でサテライト拠点の住み込みのお手伝いになったのだ。

 

 

 困ったな……やはり『これ』を使うのか?

 俺はお燐達に渡された『コスチューム』が入っているクローゼットを見つめた。

 

 ~回想、地霊殿にて~

 

 

「一夏、今夜のプレゼント配りやるんだよね!」

 

 

 クリスマスパーティを終えて明日の朝食の準備を終えた頃、大きな袋を持った火焔猫燐が来た。

 

 

「お燐か、どうしたんだその袋?」

 

「ふっふっふ……ジャーン!」

 

 

 袋の中身を渡されて一夏は驚いた。この衣装を作るために彼女はこの所、夜更かししていたのだと理解した。

 

 

「これは……いいのか?」

 

「本当は私も行きたいけど、さとり様やお空も皆を寝かせないといけないからね。だから……」

 

 

 気が付けば2人はキスをしていた。5秒ほど経ったあと顔を赤くしながらお燐は一夏を見据えて言った。

 

 

「言ってらっしゃい……一夏!」

 

「みんなを頼むよ、お燐!」

 

「あたいに任せな!」

 

 

 一夏達は公私を分ける。IS学園でも休日以外はベッタリしないようにしているが、お燐は特に控えめにして休日の夜しか一夏に甘えない。だが彼女はそれで満足していた……一緒にいるだけで幸せなのだから。

 

 

 ~回想終了~

 

 

 やるしかないのだという覚悟を決めてグラーフを呼んだ。

 

 

「グラーフ、ちょっと来てくれないか?」

 

「どうしたんだイチカ?」

 

 ~キング・クリムゾン!結果だけが残るッ!!~

 

 

 クリスマスパーティに合わせて、鎮守府においてある真ゲッタードラゴンはクリスマスカラーに早変わりしていた。

 ゲッタードラゴンの部分はサンタの格好をし、竜の頭と胴体はモミの木のクリスマスツリーを意識して鎮守府一同と周辺の鎮守府や地域住民で取り付けた飾りに覆われていた。

 

 

 そんなラバウル鎮守府の憲兵所。そこに彼らはいた。

 

 

「よし、プレゼントはこれだな?」

 

「お前らも大変だな……」

 

「リョーマもやったのか?」

 

「グラーフか、お前も……その格好なんだ?」

 

 憲兵所には夜勤の憲兵の他にも、ゲッターチームの竜馬や弁慶もいた。 その姿はサンタ衣装……今回は彼らの手伝いで一夏たちは来たのだ。憲兵の1人が何処かの殺戮者に非常にそっくりなのだがそこは気にしていない。

 

 

「何って、これはトナカイだろう?クリスマスといったらサンタにトナカイは王道ではないのかAG?」

 

『そうですよ、やはりこれがなければやってられませんよ!』

 

 

 彼らは全員サンタの格好をしていた。その場には一夏たちもいたのだが二名ほど姿がおかしかったのだ。

 

 

 一夏はサンタクロースの格好をして普通だ。

 

 問題なのは残りの3名なのだ。

 

 

 鹿島とグラーフはトナカイを意識した格好をしていたのだ。頭はトナカイの角を模した被り物、服は所々にふわふわの毛玉がついた胸元が空いている茶色の縦セタ、白と茶色の水玉模様のミニスカ……お燐は何をしたかったのだろうか?

 

 問題なのはAGである。どう見たってサンタのソリなのだ。しかし舐めることなかれ、どうやらこのソリ……《いがみ合う双子のスフィア》を搭載する事で質量保存の法則を超えた進化を遂げた機動兵器ジェニオンの技術を取り込んだ多目的ユニットであるのだ。

 

 

「外見はただのソリですね?」

 

『鹿島様、このソリはジェニオンがジェニオン・ガイへ、さらにジェミニオン・レイになるように三段構造の変形が可能なのです!そこら辺のソリと同じ素材ですがその汎用性は桁違いですぞ!』

 つんつんと興味津々で鹿島はソリを触っていた。

 

 

『その為、このソリには擬似スフィアを搭載しております……ところで弁慶様、隼人様はどこへ?』

 

「隼人なら……荻風の所だな。荻風は夜が怖いからな……もちろんある程度のプレゼントを配って今日は彼女の所に泊まるらしい」

 

「隼人さんが?珍しいことがあるんだな……そういえば弁慶さん、號さん達は?」

 

「號、渓、凱ならカミナとヨーコにキタンもつれて、オルコット家にご招待されてるぜ、まさか凱とあの嬢ちゃんがくっつくとはなぁ……!」

 

 凱と言えば、2番目の真ゲッターのパイロットチームでは真ゲッター3を担当、真ゲッタードラゴンでは真ゲッターポセイドンのパイロットでもある整備士だ。

 

 なぜセシリアとくっつくのかは後ほどわかるだろう

 

 

『……そこは仕方が無いですな、カミナ様もしっかりしてますから大変なことにはならないでしょう』

 

「そうだな、さて今日来てもらったのはこのラバウル鎮守府のサンタの任務だ。指定された部屋のクリスメスプレゼントを無事に送り届ける……『ちょっと待ってください』どうした鹿島?」

 

「弁慶さん、川内さんは夜になると騒がしくなると聞いているのですが……」

 

「川内……あいつはサンタを信じてるからな、この鎮守府の半数の奴がサンタを信じている……まあ実在するにはするんだけどな」

 

 弁慶が実在するにはすると言ったのは、今現在のサンタは存在を維持するだけでもひと苦労なのだ。因みにIS世界のサンタクロースは既に消滅していた。彼は人の思いを形にした概念なので存在を否定されれば消滅してしまうのだ。

 

「まあやるからには全力で尽くすぞ……さあ全員作戦を開始するぞ!作戦名は《夜間特殊配達任務ヲタッセイセヨ!》」

 

 

 

 

 ~駆逐艦寮~

 

 

 音もなく姿も見せずにソリは移動していた。次元力で動く為、無音移動が可能なのだ。

 

 

「静かだな……」

 

『現在時刻はマルマルイチマル、川内様も今日はぐっすりでございます』

 

「レーべも彼女には随分驚かされたらしいしな」

 

「……ふぁぁ〜」

 

「鹿島さん、大丈夫かい?」

 

「流石にこの時間は応えますね……」

 

「Admiralは次の日になる前に終わらせるからな……そういえば、少し前まではシャチクといわれてたらしいがイチカは何か知らないか?」

 

「それな……あの人って仕事になると非常に休まなくなるんだ。俺達極東の神機使いって、フェンリルっていう会社の地方支部である極東支部の社員でもあるんだ」

 

「そうだったのか」

 

「いわゆる部隊長は、部長とかそういう所だ」

 

「部長……知っているぞ、何時も部下にバカモーン!と言っているのだろう!」

 

「合ってるちゃあ合ってるな(ドヤ顔初めて見たな)、そのランクは最もランク高いところで1から下にかけてランクが変わる。それに仕事の内容も変わるんだ……俺は幻想郷支部第一部隊隊長だから実質的な他部隊の指揮権も持っているけど、管轄では極東支部の第一部隊の方が上だな」

 

「ランクで何か変わるのですか?」

 

「事務仕事も肉体労働の量も桁違いに変化する……特に第一部隊はトップクラスに高く、複数の調査レポートを片付けないといけないんだ。しかもあの人は地下のプラントやコロニーの生産状況、試作武器の開発やそれに伴う資源管理、各戦闘地域の資源調査、それらの全てを常に1人でまとめていたんだよ」

 

「……その時の顔はどうなっていたのかわかるか?」

 

「ソーマさんやカミナさんから聞いたけど無表情で、無呼吸かと思うほどの呼吸回数だったらしい。それに……公私を分けるって話じゃなかった。私的時間が調べたら一時間にも満たないようなんだ……」

 

 

 さらには話しかけても無視、酷い時では話しかけた瞬間に無差別攻撃を仕掛けるなど、仕事にすべてを注いでしまっていたために付いたあだ名は「社畜」。

 それはフェンリルへの社畜ではなく、極東支部という一つの『地域社会への奉仕のみを喜びとする最強最悪の家畜』という畏怖を込めていた。

 

 

「信じられないな……Admiralがそこまでやるなんて」

 

「あの人なりの救えなかった人への懺悔なんだよ『自分がどうなろうが知ったことではない、これから生まれてくる新たな命と今ある子供たちが、安心して未来を夢見ることができるようにすることが俺の懺悔だ。死する事も出来ない化け物の唯一無二の社会貢献。故に邪魔をするものが現れたら見方も敵も排除する』そう言っているし、今でもそれは変えてない」

 

 

 その場の空気が重くなった……艦娘は殆どコウマ自身の過去を知らない。その思考概念が非常に歪んでいるのも知らなかったのだ。

 

 

「だけど、霊夢やここにいる皆と会う度に社畜としての存在は薄まって今では前よりマシにはなっている……っと、ここだな?」

 

 朝潮と霞の部屋についた……一夏は静かに着地、起こさないように部屋に侵入し体内のセンサーでトラップがないか調べた。

 朝潮型は非常に寝てる間に少しの衝撃や声を聞くだけで起きてしまうので、前もって調べたプレゼントを机に置いた。

 問題は霞だった。セントリーガンが所々に配置されていたが、ミラージュコロイドを生成してやり過ごしプレゼントを配って部屋を出た。

 

 2人もプレゼントを配っているのだ。

 

 

「……あの2人にはきつかったかな?」

 

『いずれ知る事になるのですから、一夏様に非はないと思いますよ?これで折れるようならば、アラガミやバイドにBETAという規格外生命体相手にはまっ先に死にますからね』

 

 そんな他愛もない話を続けていると二人が戻ってきた

 

 

「二人はどこをやったんだ?」

 

「私たちは浦風と谷風の2人のところだ」

 

「何故か4の字固めで寝てました」

 

 

 4の字固めで?よく寝てられるな

 

 

「とりあえず、軽巡の方も行くか?」

 

「先に一つ言っていいですか?」

 

 

 鹿島が覚悟を決めた目で話しかけてきた

 

 

「……なんだ?」

「私たちはここに来て、1度も後悔はしていませんよ?」

 

「だけど後悔するかもしれないぞ?」

 

「その時はその時だ、覚悟は決めるさ」

 

 

 グラーフも続けて言った。一夏は心配をしていた自分が馬鹿になった。やはり来たばかりよりは成長をしていたのだと改めて認識したのだ。

 

 

『やはり皆さんに感化されてますね……』

 

「そうだな……!」

 

 

 一夏が笑顔でAGと会話をしていたのが分からなくふたりはキョトンとしていたが笑みを浮かべソリに乗った。

 

 

「まだ私たちの仕事は残っているのだろ?」

 

「どんどん入って朝までには終わらせましょう♪」

 

「悪い悪い、俺も本腰入れるか!」

 

 

 一夏は自分に構造を組み替える程度の能力を使用した。肉体を世界の子供がイメージするサンタクロースの姿に変えた。

 

 

『それでは次元ソリも最大稼働で行きますよ!』

 

 

 それまでは3人が乗るのがギリギリだったのに、突如巨大化して人がつかむ縄が展開された。

 

 

『では、グラーフ様鹿島様、縄を掴んでください。今から次元力を使用したフィールドをお二人の足元に展開します。これを使用したらお二人の脚力に次元力を足したスピードで動くようになります』

 

「つまり私達はトナカイさんですね、うふふ♪」

 

「トナカイをやる事になるとは……Bismarckが聞いたらどんな反応か楽しみだな!」

 

 

 2人が縄を掴んだ途端に、2人の足元に次元力の膜ができていた。ローラースケートのローラーの役割を果たすのだ。

 

 

「まぁそれはそれで面白いことじゃないかね?」

 

「イチカも本物のサンタクロースではないか」

 

 

 一夏も言葉使いが世間のイメージしたサンタの言葉であった。

 

 

「ほっほっほ……では」

 

『張り切って出発!』

 

 

  老人のような太い声になった一夏とAGの声と共に、2人も走り出した。

 

 入口から飛び出たソリは、空中を浮遊して空を突き進んでいた。

 

 

「私たち空を飛んでますよ!」

 

「グラーフ、軽巡寮に向かってくれ!」

 

「いいだろう!」

 

 

 軽巡寮に突入し、階段を浮かんで突き進みながらも3人はプレゼントを配っていった。

 

 

 グラーフは川内型の部屋に入っていた

 

 

「ええっと、これとこれとこれだ」

 

 

 川内の赤黒の殺戮者なりきりセットに内心なんだこれと考えながらも残り2名のプレゼントも置いた。

 

 

「す……し」

 

「……寝言か?」

 

 川内の声が聞こえて振り向くと、そこには鼻ちょうちんをスリケン状にして白目を向いた川内がいた。

 

 

「ニンジャ、殺すべし!」

 

「イヤッー!」

 

「グワーッ!?」

 

 

 あまりの光景に思わず叫びながら地獄の仏突きを繰り出したグラーフは悪くないと思う。

 

 

 一方で鹿島は軽巡寮の中に作られていた練習艦の部屋に入った。その中は自分と姉である香取の部屋であるが、この時間なら既に消灯も消えているはずだったのに何故か灯りがついていた。

 

 

「鹿島、来たの?」

 

 

 眠そうに「遅かったじゃないか」という音声を電源を切って消したPSPを持っていたのは、オリーブ色の長髪を乱し銀縁眼鏡をかけていた艦娘、香取型練習艦1番艦《香取》である。

 

 

「香取姉、はいクリスマスプレゼント!」

 

「え……あ、そうか今日はクリスマスだったわね。まだやるのでしょう?頑張ってね」

 

「あ、そうでした……じゃあまた朝で!」

 

 

 香取はトナカイの服装をしていたのには触れなかった。ふとプレゼント箱を見ると特徴的なマークがあった。

 

 

「あら、これはフェンリルの……コウマ提督ったらまた徹夜しているのかしら?次会った時はビシッと言わないと……!」

 

  フェンリルマークは極東支部隊員の手作りである証でもある。さらにどこの部隊の物か分かるように、部隊ナンバーが付けられているのだが「01」「B」「C」の記号で誰が作ったのかがわかってしまった。

  トリプルナンバーはコウマしかいなかったのだ。

 

 

「まったくあの人は……心配してる人がいるのに無茶しますね」

 

 

 直後「ふみゃ!?」とすっ転んだのか変な声をあげた鹿島が、心配になったがちゃんとやれるだろうと心の中で思った。

 

 その後も順調に事を済ませてクリスマス作戦を終わらせた。

 

 

 

 翌朝鎮守府はお休み期間なので極東支部に来ていた為、朝から極東支部は賑やかだった

 

 

「提督、また徹夜していましたね!?」

 

「だけどよかったろそのイヤリング!」

 

「そ、それは……って話をそらさないでください!」

 

「提督ーこの武器作っていい?」

 

「ジェノサイドガンは辞めろよー」

 

 

 香取に送られたクリスマスプレゼントはフォールドクォーツでできたイヤリングであった。

 が、コウマは徹夜をしていたのがバレて追いかけられていた。

 夕張が特殊兵器の開発書一式を見せて、ジェノサイドガンと呼ばれた武器を作っていいか聞いていた。

 

 

「久しぶりね榛名、兜くんとさやかと仲良くやれたかしら?」

 

「お久しぶりですジーナさん!榛名は仲良くやれました!」

 

 

 ある所では、榛名と極東支部の精鋭である隻眼のスナイパー『ジーナ』が仲良く喋っていた。

 

 

「永琳様、昨日は姉がすみせんでした!」

 

「久しぶりに泊まったから輝夜も楽しんでいたけど、依姫も泊まればよかったのに……」

 

「仕事がありましたのですみません、またコウマは無理していたのですか?合法ショタを抱きしめたいです」

 

「相変わらずの発言で何よりね」

 

 

 月の都のお偉いさんである綿月依姫が師匠である八意永琳と会話をしていたが、ショタコンという性癖を当たり前のようにさらけ出す弟子にため息をついていた。

 

 

『では鹿島さん、こっちを向いてもらっていいでしょうか?』

 

「うふふ、これでいいですか?」

 

『バッチリです、一時間以内に印刷が終わりますのでその時に持っていきますね?では足柄さんと響さんお願いします』

 

「私の魅力を教えてあげるわ!いくわよ響ちゃん」

 

「うん、私も頑張るよ!」

 

 ボルフォッグが艦娘たちの冬のコーディネート写真を収めていた。傍らでは花果子念報の記者『姫海棠はたて』がプリントをしていた。

 

 

「こんな大仕事に就き合わせてくれてありがとねボルフォッグ」

 

『ふふ、たまには現場で撮りたての写真をプリントするのも悪くないでしょう?』

 

「ボルフォッグ、私達はなにかやることはないかい?」

 

「ルネさんとキタンさんは彼女たちになにか暖かい飲み物をお願いします」

 

「わかった、キタン急ぐよ」

 

「わーってるよ、お金は俺が持つから急ぐぜ!」

 

 

 ルネとキタンもサンタの格好をしていてるがみんながサンタの格好をしているのだ。犯人はコウマだ。夜更かししていた理由が大量の衣装作りであったのだ。

 

 

「竜馬提督ー!プレゼントありがとうネー!」

 

「しれー!このお菓子美味しいです!」

 

「へへ、気に入ってくれてよかったぜ!」

 

 

 竜馬が送ったのは、手作りのお菓子と花飾りであった。意外にも竜馬は手先が器用だった。

 

 

「陸奥!サンタさんからのプレゼントだぞ!」

 

「あらあら、良かったわね」

 

 

 長門が貰ったのはリスの刺繍をしたマフラーだった。これを作ったのはジェフリー艦長だ。

 

 

「うう喉が痛い……けどプレゼントが嬉しい!」

 

「また何かやってたんじゃあないですか?」

 

「そうかなぁ?那珂はなにもらった?」

 

「前から欲しかった衣装だよー!」

 

 

  川内が赤黒の殺戮者のなりきりセットで、神通は『ストレスがたまった時の解消法』という本、那珂は前から欲しいと思っていたダンスの衣装だ。

 選んだのはカラードのリンクスであるオッツダルヴァである。本人はちょうどその頃水に沈んでいた。

 

「この朝潮……大切にします!」

 

「『びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛ケーキの作り方』か……今日作ろうかしら」

 

 

 朝潮がアイルーのぬいぐるみを、霞がタイトル名が逝かれてるが美味しいケーキのレシピを収めた本を貰っていた。

 

 

 ~幻想郷の博麗神社~

 

 

 博麗霊夢はお茶をすすっていた。

 

 

「暖かいわねぇ……」

 

 

 その手には毛糸の手袋が付けられていた

 

「本当ね、彼には女子力で負けるわ〜」

 

「年季が違うとでも言うべきね」

 

 

 その隣には八雲紫と風見幽香がいた。勿論手袋が付けられていた。

 

 霊夢には博麗の紋章が付いた紅白の手袋、八雲紫には開いた傘の刺繍が入った紫色の手袋、風見幽香には向日葵などの四季の花の刺繍が入った手袋が付いている。

 これもコウマが作ったものであった。

 

 

「それにしても、一夏のケーキは美味しいですね」

 

「藍様ー遊びましょうよー」

「はいはい、ちょっとまってね?」

 

 

 藍は式である橙に呼ばれながらも、一夏が送ってくれたケーキの味を楽しんでいた。

 

 

 この神社は今日も時を刻んでいく、最も近くて最も遠い世界の住民が来た時の記憶もここで刻まれて、霊夢はいつかまた彼らと会えることを願った。

 

 

 

 ~守矢神社~

 

 

「ターレスさん!バルバトスです、バルバトスのプラモですよ!」

 

「よかったな、なら早速作ろうか?」

 

 

 ターレスと早苗はさっそくイチャついてる。最新のガンダムシリーズの機体のプラモが贈られていた。

 

 

「そういえば、神奈子と諏訪子は?」

 

「神奈子様と諏訪子様は日本神話の皆さんと忘年会ですよ?」

 

 

 神話の神も大変だなと思っていた。何処かで「ふぉおお!?」と聞こえていたがいつものことだった。

 

 

 ~地霊殿~

 

 

 トントンと包丁で切る音が響く。体に優しい味噌汁の匂いが漂う……台所に立つのは一夏と鳳翔に、神機使いである藤木コウタと間宮だった。

 

 

「……これくらいでいいな、すみませんお二人方も手伝って下さって。コウタさんもわざわざ来てもらってすみません!」

 

「一夏さんの味付けも勉強になるので私は構いませんよ?」

 

「今度伊良湖にも教えて貰って構わないでしょうか?」

 

「いいですよ、おせちだったらコウタ先輩が得意ですよ?」

 

「おせちだったら任せとけ!それと後輩の手伝いをするのは先輩として当たり前だろ?」

 

「素敵な先輩ですね♪ではおせちのお手伝いもお願いできますか?」

 

「いいぜ!最近は教導ばかりで暇なんだよ」

 

 

 元々コウタは料理はあまりできないと思われていたが、実はかなり勤勉だったのでメキメキと実力をつけて和食専門のプロになっていたのだ。

  最近では新人研修を引き受けることが多い為、実戦配備から離れているのだ。

 

 

 そろそろお空が突っ込んできて、勇儀も顔を洗って束とさとり、シモンとニアがお燐を背中に載せてくるだろうと一夏は予想をつけていた。

 

 

「一夏ー!!」

 

 

 予想どうりに一夏に飛びつきてきたお空は左手にダイヤの指輪を付けていた。

「何だ何だ?今日もタックルしてるのかい?」

 

「朝から元気だねお空ちゃんは」

 

 

 勇儀の首にはサファイアのネックレスが、束にはトパーズのネックレスが付けられていた。

 

 

「お空、朝から五月蝿いですよ。一夏は徹夜明けなんですから」

 

「今日はいいだろう。贈り物をされて嬉しくない奴はいないさ」

 

「皆さん、今日もおはようございます!」

 

「一夏〜衣装は役に立った?」

 

 さとりが注意をしながら入ってきて、今日はいいだろうとシモンが微笑みを浮かべて諭し、ニアが朝の挨拶をすると、お燐が昨日の衣装の話をする。お燐はルビーの指輪を左手にしていた。

 因みにこいしは妖怪の山にいる。

 

 何の変哲のない賑やかな朝が始まったのだ。

 

 

「今日も忙しくなるなか……まぁ悪くない」

 

「一夏、何かあったの?」

 

「いや、なんでもない……そういえば昨日の衣装だけど……!」

 

 

 こうして今日も賑やかに始まるのだった




コウマ「今年も残すとこあと1日となりました」

一夏「今年も色々ありましたけどこうしてやれることを幸せだと感じています」

霊夢「来年もよろしくお願いします!」
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