Rebellion Fight of traitors   作:A.K

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また暫く間が空きますがこれからも当作品を宜しくお願いします。


chapter18「巨神再誕」

 一夏が沈んだ時、他の戦域……IS学園敷地内は激戦が繰り広げられていた。

 

 世界に存在するISは467。学園に存在する機体数は専用機などを含めて80。その一方でIF反統合軍は250体ほどであり世界の半数近くのISがこの戦場で飛び交っているといえよう。が、ISではなくIFや主任やレイヴンズネスト……更に複数の戦力を持って含めるならIS学園は180体程の戦力を有する事となる。

 

 反統合軍が使用する機体はラファール・打鉄・テンペスタ等の機体に加えて、韓国の新型量産機である宗主にその他の機体のコピーらしき機体や、ましてやブルーティアーズと思わしきもののコピーまで確認されている。ここまでの状況下で一応は領海内である日本政府は何も連絡をよこさない……まさかと思いターレスと早苗が戦闘領域外まで離脱して妨害電波の干渉から逃れ、緊急用ネットTVを起動させた。

 

 

「やはりそうか……!政府は俺たちを生かすつもりは無いってことか!」

 

 『現在IS学園にて反政府活動をとるメンバーが侵入、これに対して多国籍軍による大規模制圧作戦を実行中』と、ニュースで流れているのを見て今回の騒動には日本政府も関与している疑いもあると薄々予想していたが、事実を確認すると自衛隊も来ない訳が納得した。

 

 日本政府はIS学園を消し飛ばす。それだけの理由で用意周到な計画を実行に移している……日本政府も既に敵側についているとしてなんとかする方法は何も無い。自衛隊はこの作戦には反対したと思われるがその結果動きを封じられてしまったと決断する。

 

 女尊男卑社会の甘い汁を吸い続けようとする害悪達は以前からIS学園に干渉したりしたが最大のスポンサーとなった仙豆カンパニーが干渉を開始したため、原初のルールである国家のIS学園不干渉を完遂させられ日本政府は手を出すことが出来なくなった。

 

 故に思い通りにならないなら消してしまおうと考えたのだろう。だが直接手は出さない……国外からの戦力を使って滅ぼす……嘗てのこの国では考えないような狂った考えを持つとは思いたくない。現状のこの国は過激な女尊男卑政党が支配している。彼女達は織斑千冬と織斑秋人を崇めている為公共的に敗北させたのが憎くて仕方が無いのもあるだろうが、まさか秋人らが協力するとは想定外だ。

 

 

「早苗、急いで学園に戻るぞ!」

「はい……もしかしたら最悪、IS学園は放棄ですかね」

 

 この世界出身である早苗には辛いだろうに必死に耐えている、恐怖からか無意識に震える手を少しでも和らいでほしいと思いながらターレスは互いに手を握り共に飛び立った。数分後学園付近に到着した2人は専用機を展開した。ターレスはドートレス・ネオカスタムを、早苗は自らの役目の名を持つ白い機体……風ノ調を展開した。

 

 

「単一使用能力……『風の奇跡』起動。護るんだ……今度は私が護るんだ……!」

 

 

 確率変動式対災害風跳躍ノ騎士級『調』……それが早苗の機体コードである。

 

 この機種は二次災害を予測して、発生した際に高密度に圧縮した風を射出して被災者に対する救助活動を行うための機体だ。『調』はこれらの試作タイプとして設計されたものの完成型の先行指揮官機である。戦闘可能な広域観測型指揮官機……災害などにおける必要な救助要素を纏めた機体だ。

 

 単一使用能力『風の奇跡』は、天候を司る役目を持つ巫女としての力を応用した大気圏内超精密レーダー兼未来予測システム……大気圏内限定改良型ゼロシステムである。これは災害における大気圧などの変化や現在状況から予測できる確定された未来予測により瞬時に身体がとるべき行動を行わせるという奇跡的特性を持つブースト能力だ。

 

 空を翔る二つの流星となった2人は学園に未だに侵攻する統合軍の主力部隊がいる空域に突入した瞬間、両腕のサーベルラックからビームトンファーを展開し瞬間加速をしながらすれ違いざまにISには飛行ユニットを、航空機は主翼にビーム刃をねじ込み抉り斬る。

 

 IS2機に航空爆撃機5機及び戦闘機3機……合わせて10機撃墜したのを確認した所で脚部装甲を部分展開し、激しい衝撃波と暴風を巻き起こしながら空域から離脱した。

 

 各部に埋め込まれた小型トビダマとWA(風力変圧加速機関)ユニットが起動して一気に学園近くまで接近し瞬時に観測、地下避難シェルターの入口に固まっていた統合軍兵士達の死体を発見してその奥を索敵した。

 

 ターレスと共に瓦礫を退けながら移動してから数分、数メートル先から何かを切り潰すような音が響き破裂している様な音まで響く中声が反響する。

 

 

「これは貴様らが行った結果である……逃げたいだと?ハイリスクハイリターンは基本なのにそれを放棄するのか?愚か、実に愚か。馬鹿め……よしお前達は破顔して殺す事にした。年下も年上も男も女も仲良く殺してやろう

 

───────────────死ぬがよい」

 

 

 悲鳴と共に骨が砕けて肉が弾ける……それを淡々とこなすのはコウマだ。全身を血に染め、臓物が身体にかかりながらも素手で殴り仕留めて頭を破壊していく。機体も展開しないでただ純粋に殴り殺す事だけしか考えてない。だがその顔に浮かぶのはゴミを鼻歌を歌いながら軽く掃除するベテランの清掃員のソレだ。

 

 

「完全にキレてるな……しかし嗅覚保護が無かったら間違いなく俺でも吐くな」

 

「おじいちゃん、ストップですよ!」

 

 

 ジェネレーターを最大出力で抑えにかかったが、いかんせん筋力が可笑しいのでなかなか止められない。

 

 

「オーケー、オーケー。コイツが最後だからもう止めたから離してくれないか?」

 

 

 ターレスと二人がかりで羽交い締めにして動きを封じたが、既に最後の一人となった相手の顔面は崩壊しモザイク処理状態になっていた。大人しくなるのを確認すると早苗は両手を構えて入ってきた入口へと装甲を展開した。

 

 

「敵IS5機接近を確認、『対災器』使用の許可を求めます!」

 

「IF-0001の権限により許可承諾。起動を許可する」

 

 

 風ノ調のスカートアーマーが展開されていき周辺の大気を高密度に圧縮していながらその両目にターゲットスコープが展開されて照準が定まる。

 

【初回起動プロセス全行程スタート】

  背後にはシェルターの入口及び仲間は背後に退避済み、排除物質は既に確定済み。

 設定圧縮大気……調整完了。

 続けて超高密度低酸素炎上物質放出準備……クリア。

 爆縮反応方向指定……クリア。

 全行程プロセス完了。今発射より次回発射時プロセス省略許可完了。

【初回起動プロセス全行程完了】

 

 合わせた両腕の装甲がスライド展開し、手の甲に更に砲口のようなパーツが展開され赤い真紅の極小の塊を吐き出す瞬間に腕のWAユニットが起動した。

 

 

「高爆砲、解放……!」

 

 

 ガチッ、という音と共に通路内にある死体なども巻き込みながら爆風は焼き尽くしながら外へと排出された。

 高密度大気圧反応還元収縮爆裂砲……通称『高爆砲』と名付けられたこの装備は非常に高熱の空間の中で非常に酸素が無い中に一瞬にして空気を送り込むことで発生する爆発──バックドラフト現象──をより高密度にして爆発を一定方向に向けて放つという空間兵器である。

 

 これらの様な装備は対災害迎撃兵器として対災器という略称を与えられておりその性能故に特定の機体からの使用許可を申請しなければならない、正に対災害迎撃兵器としての危険性を表している。

 

 

 丁度侵入してきた敵3機は侵入直後に激しい熱と痛みに飲み込まれながらISコアを残して消滅した。爆炎の後には何も残らず欠片の存在も許さない……それを確認した3人はコアを特殊なボックスに収めながら直ぐにシェルター内部へと入った。

 

 シェルター内部は人はもう山田先生とバナージに天子しか戦闘可能メンバーはいなかったがそれでもあと少しで、他の生徒達の避難完了といったところだった。そして早苗とターレスは学園外で入手した情報を開示し互いに交換した。

 

「そうか……やはりこの世界の日本政府はIS学園を切り捨てるか」

 

「やはりって、前から予測していたのですか?」

 

「はい、山田教諭の言う通り私が社長として就任したあの時から常にあらゆる想定を予測しましたが、やはり日本政府は我々を潰すしかないという結果は出ました。だからこそ……このポータルゲートの開発と貴方の専用機……改造型ラファールの完成を急ぎました」

 

 

 黒い金属の淵に紫色に輝く膜が目立つケーブルに繋がれた建築物……ポータルゲートを見ながらコウマは返答をする。ポータルゲートはとある世界に存在するネザーゲートという転移装置を改造した物で、あらかじめ設定したエリアへと物資や人員を送るための転送装置。あらかじめ転送先にも設置する必要があるがあとは自由に移動できる。量子変換で持ち運びが簡単なのもあり災害派遣に役たてる代物だ。

 

 そしてラファール・リヴァイブカスタム・SP『ショウ・マスト・ゴー・オン』……山田真耶専用機は嘗ての実力を最大限に引き上げるために一部装甲を可変式展開装甲へと変更、更に新たに開発したラミネート・ヴァリアブルフェイズシフト……RVPS装甲を試験搭載、パイロットの保護を優先するためにIFの人体量子変換保護システムを使うことで装甲の増加と共に最大限の強化を与えた。銃央矛塵(キリング・シールド)の二つ名の為に更に4枚の有線式操作巨大盾にとある装備を二つと大型サブアームそれぞれ2本を接続させた。

 

 

「そして多次元世界の最高戦力の一部、新型IFの配備、ナインボール達無人ACなどの配備……全部この時のために用意したカード。アイツの復讐は邪魔させないし狂った運命も変えてやる、そしてふざけた奴らからまともな奴らは護り通す……唯それだけです」

 

 

 足元に転がる金属片を噛み砕きながら語る血染めのその姿は神にも悪魔にも見えなくもない狂人そのものだった。そしてその言葉に含めた覚悟も相当なものであることを山田真耶は理解した、守るために全てをかけるその狂気を。

 

 

「分かりました……色々言いたいですがこの際それは言いません。今は私たちに出来ることをやりましょう」

 

「さて……ここにいる生徒を全員避難させる!各員は持ち場につけ!」

 

 

 爆風と共に奥から攻め込んでくる敵の姿を捉えると、最後に残った生徒達を庇うようにそれぞれの機体を展開していく中、事態は確実に進んでいた。

 

 スッと足元からそう、この部屋の底から莫大なエネルギーの胎動がこの空間を突き破るのを察知した。身体はもう動いてしまっている。ならば他の者たちが生き残ることを優先させる。

 

 咄嗟に背中だけ展開した原王の増加スラスター内部の隠し小型アームを射出、ほかのメンバーや残った生徒達もポータルに押し込み転送させた……だが一つだけ確信してしまった。

 

「お前はこの世界をどうしたい?また……リセットでもするか?」

 

 

 神機を展開し真っ先に駆けてく中、小さく呟いた言葉は光を放ちながら現れた巨大な黒き腕が全てを砕く音に飲まれて消えた。

 

 

 

 ───────────────────────────────────

 

 ~IS学園グラウンド~

 

 

 『ターゲット補足、攻撃を開始する』

 

 

 航空機やISが飛び交う中でナインボール達はその手に持つ武器だけで確実に落としていく。

 

 ラファールが接近すると11機編成の部隊が取り囲み微妙にタイミングをずらしながらその手に持つハンドガンを非殺傷使用の弾丸で削っていきながらも、非固定ユニットに一斉に斬りかかり撃墜する。地上に落ちた機体はアンチスパイラルがアンチグレンラガンを纏い白百合を抜刀しながら峰打ちで無力化した後にレプリロイド状態のXが素早く回収していく。

 

 その中に見慣れないフレームを持つ機体が何体かいた。パトカーと同じ配色をした主に地上戦を想定した機体……IF-X03衛人である。警備隊や警察などで配備が予定されていた本機はIS犯罪等に対応するために対機動兵器用と対人及び対災OSの複合型のものを搭載しているために万能な良作品である。

 

 

「くそっ!!まだ出てくるのかよコイツらは!?」

 

「支援部隊がいるだけでもマシだモードレッド!……生徒が誘拐されてるのもあるが、急がなくては……!」

 

 

 そんな守人は基本的に警察などででも使える装備の強化発展型が多く主力武器である対ISスタンロッドブレードを装備したこの機体は2機だけ黒だけの色をした物と、灰色と赤が混ざった機体がいた。パイロットは円卓の騎士が1人……鉄のアグラヴェインに、同じく円卓の騎士である反逆の騎士モードレッドである。

 

 カンパニー警備支援部隊として参加していた二人はそれぞれのカスタムチェーンを施した機体を操り学園の警備隊とともにグラウンドで迎撃線をしていた。数分前まで亡国企業もいたが別のエリアの支援のために離脱していった。

 

 更に降下された戦車部隊やラファール部隊の中を駆け回る者が1人いた。橙色の道着を着た男……スーパーサイヤ人孫悟空である。彼はとある人物を探すために動き回っていた。

 

 

「な、何だあいつは!?戦車を持ち上げて投げてる!?」

 

「そのバケモノ何とかしなさいよ!」

 

「無茶を言わないでよ!」

 

「コイツら結構硬てぇな……!けどオラはまだまた戦えるぞ!……ネールと簪も行けるか?」

 

「はい、私も行けます!」

 

「少し……辛いけどやれる!」

 

 

 悟空の隣……ネール・エヌルフェルトと更識簪がそれぞれの機体を纏って戦っている。ネールは悟空の後ろに位置して背後からの攻撃に牽制を仕掛け、更に簪が広範囲の攻撃を行って戦車などの砲口を破壊し悟空がとどめを刺す。

 

 ネールの機体はイタリアのテンペスタの射撃型改修機テンペスタ・シューター。簪は打鉄超弐式である。

 

 簪は加具土命を広域形態で展開し、高熱によるダメージを与えつつネールの持つハンドレールガンが正確に打ち貫く。そして悟空はIS部隊の敵エースと思われる隊員を相手にインファイトをしていた。

 

「オメエらラウラを何処にやった!」

 

「教えるわけないでしょう、裏切り者をどう使おうが関係ないわよ!だけど……もう私たちの為の犠牲のとなるでしょうけどねぇ?」

 

「そんな犠牲、オラは……オレは認めねぇ……!」

 

 

 打鉄のデッドコピーである宗主は動きこそ少し遅いが装甲が厚く出力が高いのが特徴だ。だがそれ以外の性能が低いだけなのだがパイロットの力量で乗り切ってると言った方がいいだろう。徐々に地面にめり込む悟空だが負けじと掴み合った中で掌で気を解放し腕部装甲を破壊した。

 

 

「オラは……オレは怒ったぞぉ……ッ!この島にいる小さな命よ……この島を守るためにほんの少しだけオラに元気を分けてくれ!」

 

 

 この島に生きる小さな命たちから少しのエネルギーを借りて石ころほどの小さな光り輝く白い塊を作り空高く上がり、その塊をグラウンドに叩き込んだ。

 

 

「元気玉ぁぁぁっ!!」

 

 

 素早く離脱した簪達は閃光と共に起きた衝撃波にバランスを崩しながらも悟空の方へ移動していた。グラウンドには巨大なクレーターが出来てその中で先程までいた敵勢力は全て沈黙させられた。

 

 元気玉……それは北の世界の王である北の界王からさずけられた純粋なエネルギーを集め攻撃する必殺技だ。その破壊力は集めた時間に比例するため、今回は一瞬で集めたのでこの被害になった。

 

 圧倒的。ただ圧倒的な戦闘力……簪達は悟空たちが異世界の人物であるのを知っていはいたが、その戦闘は見たこともなかったので衝撃も大きい。人間が生身で空を飛びエネルギー弾を発射して鉄を砕き大地に穴を開ける、驚きの中悟空が近寄って来て我に返る。

 

「怖いか……オラが」

 

「は、はい……とても」

 

「ネールは…同じだな。それが正しい反応だ……オラは前にも言ったが地球人という扱いだけど宇宙人であるサイヤ人だ。この手はみんなをあっという間に殺しちまうほど危険なんだ……つま────」

 

 

 直後、甲高い音を上げながら光の柱がIS学園の地下から溢れ出しそこから巨大な腕が飛び出した。鋼の腕……赤き装甲に白きライン、人を模したその構造に見合ったスタイルにはまとわりつく様に光が膜となって覆う。

 

 カンパニーの隊員達は……統合軍は……世界は……見てしまった。

 

 ソレは美しくも恐怖を纏いて現れし巨人だった。

 

 かの少年は意識を失う前にありったけの思いを込めて一枚の召喚府を起動させた。そこから現れた『ソレ』はこの世界で散った無垢なる命の悲鳴に怒り、力なき者達の涙に悲しみ、涙と悲鳴を楽しむ者達に憎しみをもたらした。故にこのようなことをする者達を潰す為に力の一部を解放しながら現れた。

 

 全長200m推定重量100tオーバーの規格外の体を持ち。

 

 そしてエネルギー総量……無限。

 

 

 『イィィィデェェェオォォォンッ!!』

 

 

 【イデオン】またの名を伝説巨神イデオン。世界をリセットする力無限力イデの器にしてソレを扱う者。

 

 そして幼き命と無垢なる者達を救う者なり。

 

 

 

「い、イデオン……一夏が召喚したのか!?みんなこの場から離れるんだ!!」

 

 

 イデオンのその特徴的な頭のバイザーが光り出すとグラウンドに頭を向けるのを察知した悟空はすぐに避難指示をだして簪とネールもすぐに理解してグラウンドから離れた。ISコアはしっかりと回収済みだ。

 

 直後に全身を学園から出したイデオンが腕を交差して構えると、全身に細かな穴が開きミサイルが雪崩のごとくグラウンドに突き刺さる。この場にいた上陸部隊を狙っていたのだ。激しい叫びが響き今度は上空の攻撃部隊に向けて両腕を向けた、すると光がビームサーベルの如く伸び航空部隊を飲み込んでいったのだ。

 

 圧倒する力。正に神の怒りを統合軍は買ってしまったのだ。本来ならばパイロットがコントロールする筈だが、中には誰もいない……イデオンが自らパイロットを別の世界(幻想郷か極東支部)に転移させて自立稼働しているのである。

 

 その頭部の額のクリスタルには大破した黒い機体……破黒、そう織斑一夏が取り込まれているのだ。マザーホークに撃墜された一夏は吹き飛ばされた衝撃で海底から丁度避難シェルターのはるか下の地層に激突したがそのまま一夏は召喚符を起動。

 

 結果として一夏はイデオンに取り込まれたのである。一夏もこの世界の『器』であるが故に、損傷した器を補うようにイデオンが一夏を取り込んで一夏の行動を補助しようとしているのだ。

 

 

『オオオォォォォ……』

 

 

 一夏……今はイデオンが何かを探すように辺りを見回す、上空を旋回していた超大型戦闘機型戦艦であるマザーホークを確認してそっちの方へ飛んでいった。学園の校舎を粉砕しながら飛び出した音は憎しみや恨みを固めたような音を広げていた。

 

 壊滅した校舎の残骸を見上げる羽目になった悟空は、説明を求める二人の専用機持ちと警備隊達に説明をすることとなった。一夏が召喚した巨神……簡単に言うなら世界を文字通り何度もリセットした正真正銘の神である事を告げると頭を抱える事となった。ついでに神話の神々も実在している事もバラしておく。

 

 

「まあ、こんな所か……オラもアレだが一応異世界人って訳だけど今はラウラが誘拐されたことを解決しないといけない分かったか?」

 

「分かりました。だけどなんでラウラさんが誘拐されたんですか?」

 

『実に簡単かつ明快な答えとするなら、IS委員会等が過去に作ったコア利用型兵器の生体ユニットとして利用するためだ』

 

 

 地上からブースト移動してきたナインボールだったがその隣にはアドヴェントが浮かんでいる。それについては気にしないことにする……ナインボールの言った発言について補足の説明がされた。  

 

 日本IS委員会を壊滅させた始まりの戦闘の時に現れた生体兵器……あれは過去にIS学園と繋がっていた委員会過激派が作り上げていた災害兵器と呼べるものだ。あの後調べると何故かBOWと同じ反応を示していた事が判明、更に詳しく日本支部残骸のデータベースを調べるとこれらに似た物があと三種類存在していたことが分かった。

 

 一つは始まりの戦いであるIS委員会日本支部攻略戦の際に会敵した巨大な生体兵器。アレには人間ベースの脳にBOW由来の材質なども使われておりそれらをISコアで制御していたというものだったが、核を抜き取り光に還元する事で汚染をさせないように消滅する事で事なきを得た。

 

 二つ目は悟空たちが遠くから確認したあのマザーホーク。マザーホークは特殊な強化を施されているのか、パイロットを生体ユニットとして稼働させて規格外の機動力を生み出していると見られる。

 

 そして3機目……これには『オラクル細胞』と『ナノマシン』、更には『N-VTC』と呼ばれる装置を装備したISに纏わせるIS専用巨大ISというものだった。サイズは30メートル程でそんじゃそこらの装備では……IFでも厳しい相手だ。

 

 

「っで、それのパイロットがラウラって訳だ」

 

「神威……オメエ、その傷!」

 

「この程度なら……水をかければ問題ない」

 

 

 話の終に現れた神威は口の部分が消し飛び歯をむき出しにしながらも、かろうじて残っていた四肢で支えられている。その掌にはISコアが複数転がっている。イデの光の中で辛うじて手に入れてきたというのだ。

 

 だがその傷も量子空間から取り出した水のペットボトルから出した中身を振りかけると、湯気のようなものが吹き出しみるみると傷が塞がっていった。これは常時発動能力『覇者となる程度の能力』の応用で、生命体としてのスペックもはね上げるブースト能力により体から失った水分を取り込む事で新陳代謝を増幅し急激に体を治したのだ。更にオラクル細胞の恩恵もあり機能不全となることもなくすぐに痛みが引いた。

 

 

「さて、あのマザーホークが第2の生体兵器であることは間違いないからイデオンに任せよう。一夏はどうするかだと?心配ならアイツの元へ行けばいい、死ぬ覚悟があるならな……まあ行く前に話を聞いてくれ。今回より問題になるのは3号と仮称する多分ラウラ・ボーデヴィッヒを取り付けることで完成するやつだろう」

 

 

 故に既にこれ以上戦力を割く余裕はないと言ってもいい。そうも言っているようで一夏の元へ飛ぼうとしたメンバーは固まる。

 

 

「そもそもボーデヴィッヒの方が一夏より危険なことに変わりはない。一夏の生存能力を考えてみればボーデヴィッヒを優先した方がいい、今回は生徒を死なせるわけには行かないからな……我慢してくれ」

 

「すみません、山田先生達はどうしたんですか?それに遠くから見たんですけど早苗さんやターレスさんもいたはずなんですけど……」

 

「イデオンが出現した真上にいた転送装置にいたから緊急離脱を兼ねて押し込んできた。今この学園に残っているのは……ここにいるヤツらとバナージ、早苗、ターレスを除くカンパニー隊員と専用機持ちに加えて亡国企業だけだ。あとの奴らは避難させた……まあ勝手に残ったヤツもいるようだがな」

 

 

 遥か遠くでがっぷりと接戦を繰り広げるイデオンとマザーホーク、更にG・Tが近づこうとするがブロリーやフランに加えてベジータや咲夜等も生身で戦っているのをみてネール・イネルフェルトは本当の意味で魔窟の中に放り込まれているという実感を得た。

 

 

「他に確認されているのは、スカサハ師匠にクーフーリン、更に今上陸艦に乗り込んだジョシュア・グリントだな……他にも主任もいたんだが無人IS部隊を巻き込んで自爆して道ずれにしたようだからな……まあ本社からまた出てくるだろうな。あと……アグラヴェイン、ナインボール、X、悟空、ネール、簪はアメリカに行け……今なら日本の監視網も緩くなったはずだ。行動開始!」

 

 

 瞬時に悟空がネールとアグラヴェインを掴み飛んでいくと、ナインボールが簪とXを掴みあげて飛んでいく。近くにいた警備隊などもナインボール部隊に連れられて離脱して行った。この学園に残ったのはこれで約30人となった。

 

 

「さて……あいつらも行ったしやるか。モードレッド、本部に転移装置全機作動を連絡、それに加え現在攻撃されている企業支部にも転移放置を起動させろ」

 

「りょーかい!っで、ココは放棄すんのか?」

 

「仕方なかろう、こればかりは何ともならん。加えて奴らの目を欺く必要があるだろうし装置の取り付けも完了しているんだ、要はこれ以上は損しかないが商いは続けたい」

 

「まあその為の秘密生産施設だろ?じゃあやるぜ!」

 

 

 機体を解除したモードレッドが腕に取り付けた装置から信号を受信、世界各地にある命令コードが作動して転移装置は転移を、自動生産施設は作動を開始した。人がいなくてもカンパニーが存続できる為に予め用意した機械たちに後を任せるように企業社員も脱出を促すコマンドを入力した。

 

 

「本当に頼りになるなぁ……さて紫からのコードも承諾したしやるか原王」

 

 

 ガシャンと腕から取り付けるように展開した原王は、モードレッドを背中に載せて脚部のスラスターで飛び上がる。向かう先はイデオン、その頭の一夏を目指して進む。

 

 

「さて、あとは任せるぞお前ら」




凱は上陸艦に乗り込み仲間と共に奥へと進む、しかしその奥で見つけたのは変わり果てた彼女の姿だった。

次回「ハザード・ストラトス」

追記
もしかしたら番外編を書く可能性あり
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