犯罪シーン・無理やりな性的行為のシーンを含みます。
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工場は海のそばにある。
稼働していた頃は廃液を海に垂れ流し、煙突から光化学スモッグを吐き出し続けていた。 最もゴッサムにはそんな工場しかないため特段珍しいことではない 。 州の安全基準など このゴッサムにおいて最も意味のなさないことだ。
薄汚れた外観に 派手なデコレーションをしたのはもちろんジョーカーだ。
黒ずんだ 緑色の海と薄汚い灰色の空の下、悪夢のような派手なペンキで彩られた 工場は それだけで 異様さと恐怖を物語る 。
その上、半分焦げた様な蛇やピエロのハリボテが建物から飛び出している。 ディストピアじみた情景にため息が出る。全くあいつの美的センスはどうなっているんだ?
蝶番が壊れた扉は半分開いて動かなくなっている 。 俺は扉を蹴破った 。
中から異臭がする。 溶けたセルロイドの人形、 白い体に緑のかつらをかぶり 真っ赤なルージュ、手がマシンガンのジョーカーの姿を模したマネキン。 弾丸、爆発の後。 割れた風船、ちぎれたコンベア、 壊れた楽器。
火薬の匂い、 焼焦げた匂い、薬品の匂い、腐臭、 錆びた鉄のような血の匂い。
「 …ジョーカーいるのか? 」
あたりは静寂に包まれている 。 耳の内耳がざわめき、音を探す。
無音 。 俺の足跡とステッキの音だけがあたりに響いた 。
所々 崩れたり手すりが壊れたりしている階段を登りながら ジョーカーの姿を探す。
異臭は強くなる。
これは腐敗臭だ。 血と硝煙と肉の腐る匂い。
その先にジョーカーはいた 。
初めに見えたのは 白い首筋、それからしゃがみ込んだ 痩せた体、 薄汚れた 紫の燕尾服、頭はうなだれ 緑の髪がかすかに覗く 。
工場の中は薄暗く、 天窓からのわずかな 明かりが内部を照らしていた。 おそらく 元々はここに 大きな機械類が置いてあったのだろう。広々とした空間に彼はかがみ込んでいた 。
あたりはすっかり焼け焦げ、煤と黒ずんだガラクタが端に転がっている。
「 …ジョーカー」
話しかけるが返事はない。
俺は一度息を吐き出し、再び吸うと ゆっくりと歩き出した。
近づくたびに異様な匂いがする。
異臭は ジョーカーの手に持っているものから漂っていた。
…それは人の手の形をしていた。
黒いグローブをはめた 腐敗しきった人間の腕 。
見慣れた形のそれを抱えたままジョーカーは動かなかった 。
腕の切断面 はすでに腐食しており白い骨が見えていた 。ウジがわいて辺りにハエが飛んでいる。 溶けた肉がジョーカーのズボンに床にシミを作っていた。
「っ…おい、ジョーカー!」
俺は肩に触れてゆすった 。 反応はない。
腕を抱えたままジョーカーの体はぐしゃりと床に崩れ落ちた 。
…死んでしまったのか?
肩を掴んで体をひっくり返し顔を見る 。頬は痩せこけていて元々白い顔に血の気はなくカサついた唇はほんの少し開いている。
胸がわずかに上下していて、生きているのだと告げていた。
意識を失っているだけにすぎなかった。
「 全く! 世話が焼ける」
俺は ジョーカーを引きずると、元来た道を戻り始めた。
不安定な壊れた 手すりに捕まりながら 焼け焦げ争った後の工場を後にする。
状況からだいたい何があったのかは推察できる。
ここでバットマンを殺してしまったのだろう。 おそらく爆発で腕だけがちぎれて手元に残った。あるいはそれ以外の体の部分はバットマンの身内に回収されて手に入れることができなかったのだろう。 この男ならば ひとかけらの肉片も残さず死んだ相手の体を手に入れようと 墓荒らしでも何でもするだろうから正体に関しては知らなかったと思っていいだろう。
最も知っていたところで腕だけしか残っていなかったのかもしれないが。
それで俺が発見しなければ衰弱死するまで愛しい相手の腕を抱えてここにしゃがみ込んでいただろう 。 …バカなやつだ。
詳しい話は ジョーカーの体力が戻ってから聞くことにしよう。
俺はセーフハウスに戻るとジョーカーが抱えていた腕を分析することにした。 すでに肉はズルズルに腐っていたが DNA を採取する分には問題がなかった 。これだけずるずるに腐っていたとしても相当 鍛えていた腕だということだけはわかる 。
組織を採取しデータを取ってしまえば腐った腕などにもう用はなかった。 捨ててしまおうかと思ったが 薬剤で肉を溶かし、折れた腕と指の骨だけ手元に残した。
グローブに関しては バットマンのもので間違いがない。指紋の確認は残念ながら もうできなくなっていた。 腐敗した肉汁が染み出し グローブ自体ひどい状態になっていた。
最もDNAさえわかれば指紋の有無など確認する必要すらない。
俺はジョーカーが寝ている部屋へと入って行った。 闇医者が言うには脱水症状と衰弱してはいるものの外傷はなくしっかり休養を取れば大丈夫だろうということだった。
最もあれだけバットマンに執着していたジョーカーが目を覚ました時、まともな精神状態かどうかは分からないが。( そもそもこいつは普段だってまともな精神状態かどうかは分からないのだが)
目を覚ましたのは それから2日ほど経ってだった。 だがこちらの呼びかけには 一切 反応せず ただぼーっと目を開いているだけに過ぎなかった 。
病人食を唇に押し当てるが一向に食べる気配がない。
それでも1週間ほどしてなんとか立ち上がって自分の身の回りの最低限のことはできるようになっていた。
相変わらず食事はほぼ食べない。 こいつはもともと食が細いとはいえ、 こうも食べなくては回復するものもしない。 それでも点滴のおかげで なんとか体は持っている。当初の意識がなかった状態よりは遥かにましか。
暇が1日ぼーっとしていて、夜になれば窓に張り付いてシグナルを探している。
こちらの問いかけには 全く答えない。それでも名前を呼べば反応する分だけましか。
2週間が経ちDNAの分析結果が出た。やはりブルース・ウェイン、バットマンのもので間違いがない。 …やはり死んでいたのか。
確かにヤツとは色々なことがあった。 俺の邪魔をしてくることに腹も立てたし、ヤツ と対戦するのは 面白いと感じたこともあった。
俺の問いかけにまともに答えを出せるやつがほぼ存在しないためダークナイトの存在は暇つぶしぐらいにはなった。 退屈しのぎの相手としてはちょうど良かった。 そう…それだけだ 。
とはいえこの結果はジョーカーにとっては大問題だろう。 未だに少しも喋らずまともな反応が返ってこない。
俺はため息をつくとジョーカーの部屋へと向かった。
「夕飯にするか」
部屋はもぬけのからだった。 嫌な予感がする。
俺は窓の方を見た 。空が明るい。
「… 何故?」
そこには バットシグナルが映し出されていた。
何故? ブルース・ウェインは死んだ。それは間違いない。それなのに何故?
「ジョーカー…!」
そう遠くには行っていないはずだ。
くそ!忌々しい ! GPSでもつけておけば良かった 。
闇雲に探すのはあまりに効率が悪い。おそらくバットシグナルを見て外に飛び出したの だろう 。 ならば行き先はある程度 限られてくるはずだ。 AIコンピューターに監視カメラ画像を解析させ車で受信しながら探す。
ジョーカーと思われる人物の情報を入手し 急いでそちらに向かった。
歩きながらフラフラと裏路地を徘徊しているようだ。 車を止めて 受信情報を頼りに走り回る。
情報は市内の廃ビルの中 その人物がいることを示していた。そこで一旦 動きが止まっている 。ふらふらと動き回られていてはいつまでたっても捕まえることができないが 動きが止まったということは 行き倒れてしまったか何者か 殺されてしまった可能性がある。
最悪の事態を想定しながら俺は走った。
せせら笑う声。
数人の男たちが1人を押さえつけレイプしている。
このゴッサムにおいてはよくある光景だ。 吐き気がする。俺は被害者を除く全員をその場で撃ち殺した。
倒れた男たちの間から真っ白な体が覗く 。
喉と尻に押し込まれたペニスを抜くと虚ろな目で俺を見上げた。
血と精液で汚れた顔は事態が飲み込めていない様子だった。
「っ…ジョーカー !おい、 ジョーカー!」
殴られたり 押さえつけられたりしたアザ以外は特に目立った外傷はなく 骨が折れた様子も内臓を損傷した様子もない。 … 命に別状はなさそうだ。
俺はブレザーを脱ぐとこいつの肩にかけた。 いくら何でも裸のままにしておくのは気が引けた。
「帰るぞ…」
そう言うと、頷いて大人しくついてくる。
全く! こいつが被害者だなんて 笑えないジョークにもほどがある!
この程度の火の粉を振り払う力すらないなんて 一般人以下じゃないか。
これがスペードのエース、財界の道化王子と呼ばれた男の末路だなんて笑えない。
俺はセーフハウスに着くとすぐに こいつをバスタブに放り込んだ。
頭からシャワーをかけるとおとなしくうなだれている。
「 出ろ! 壁に背を向けて立て 」
ジョーカーはおとなしく俺の言うことに従った。
尻の双丘を撫でるとアヌスに指を這わす。
「じっとしていろ。 腹の中に出されたものを掻き出すだけだ」
指で穴を押し広げもう片方の手で 腹を抑える。
緊張するかのようにギュッと腹に力が入るのが伝わってくる。
「うっ …あぁ」
白濁が太ももを伝わって流れてゆく。 汚らわしい。
俺はシャワーで洗い流すとソープを泡立て念入りに洗って行く。
こいつの肌のぬくもりとソープの匂いと青りんごの匂いが入り混じってする 。白い肌は シャワーの熱で温まりほんのりとピンク色に染まっている。 泡で性器を洗ってやるとわずかにこいつの声が漏れた。
「ぁっ …ぅ …んぁ…」
正面を向かせると相変わらず虚ろな目をしているが、ほんのりと血の気の色に頬が染まってひどく艶めかしい。
「いい子にしてろ 」
亀頭の先を洗ってやれば ぬるりとした湿り気が手に触れる 。すでに性器は半立ちになっていて熱を帯びている。
「何だ興奮しているのか。さっきまであれあれほど男の物を咥え込んでたくせに … とんだ淫乱だな」
ジョーカーの舌が俺の口の中に侵入してくる 。心地よく口腔をなめ回し舌を絡ませる。
俺はジョーカーの顎を引き寄せ、やつの唇を味わった。
アヌスに指を押し込み腹の中をかき混ぜる 。やつは心地が良いのか指をぎゅうっと締め上げた。
びっしょりと濡れた服を脱ぎ捨てると、 足を持ち上げペニスを押し込んだ。
「うぁ …あぁ …あ」
白い腕が俺の背中に回る。
腰を揺らすたびに嬌声が上がり、 必死に抱きついてくる。
普段のイカレた言動を思えば、性行為中はずいぶんと可愛らしいものだ。
だが長くは持たなかった。
やつは一度精を吐き捨ててしまうと意識を失い、力なくだらんと俺にもたれかかった。 …全くいい気なものだ。これほど体力がない状態であれば仕方がないが。
俺の方も一度達してしまうと、やつの体を剥がし再び洗ってベッドへ放り込んだ。意識のないやつの相手などしてられるか。
ベッドで寝息を立てるジョーカーを尻目に俺は、今日の監視カメラの映像を解析していた。
映像にバットマンらしき人物の影が映っている。
…だがそれは バットマンではなかった。
少なくともブルース・ウェインのバットマンではなかった。
体型は一回り細身で動きに無駄が多い。 だがそれなりに訓練を積んできた人間だということはわかる。 スピードは早い。
その人物に心当たりがあった。
―ナイトウィング
ヤツがバットマンを継いだのか。
俺はグラスいっぱいのウイスキーを飲み干した。
さて、この事実をジョーカーはどう受け取るだろう。