無理やりな性的行為のシーンを含みます。
3
早朝からニュースは バットマンのことで持ちきりだった。どのチャンネルを回しても 昨夜の バットシグナルと バットマンが解決した事件 のことで溢れかえっていた。
街頭インタビュー は 興奮した民衆の声を放映していた。
『これでゴッサムは安泰だ。』
『 俺たちのスーパーヒーローが死ぬわけない。』
『今頃アーカムのディランも震え上がっているに違いない !』
バカバカしい。何も知らぬ連中がお祭り騒ぎをしているのは滑稽でもある。…そもそも バットマンがいてゴッサムの治安が良くなったことなどあったか?
ジョーカーは食い入るようにテレビを見ていた。 そして特番が1本終わった頃、テレビを消しソファーにゴロンと横になった。 うつろな表情に震える肩。こいつもまた気がついたのだ。
…これは俺たちの知っているバットマンではない。
ナイトウィングの新しいバットマンなど認められるものか。
俺は書斎にガラス瓶を取りに行った。
「ジョーカー」
実はゆっくりと起き上がり俺の方を見た。
瓶を手渡す。大きめの瓶の中には白い欠片が入っている。
「お前をここに連れてきた時、持っていた腕の骨だ。 DNA鑑定の結果はバットマンのもので間違いない。ひどい腐敗で肉は溶け、グローブはダメになってしまったから残っているのは骨だけだ。持っていろ 」
瞳孔が開き目の焦点が合う。震える手でジョーカーは瓶を受け取り、抱きしめた。
「 …ダーリン ……オレのバットマン …愛してる」
それはこいつがここに来てから初めて喋った意味のある言葉だった。
瓶を抱えソファーで泣き伏せては疲れて眠り、また目を覚ましては泣く。
それを繰り返しながら、やがては日が暮れて行く。
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痛いほどの強い光にオレは目を覚ました。
…ここはどこだ?片付いた部屋、趣味の悪い黒緑のカーテンと片付いて生活感のない、物や家具はそこそこあるのにどこか殺風景な印象の部屋。 ああそうだ思い出した、リドラーのセーフハウスだ。相変わらず クソつまんねえ部屋をしてやがる。
どうして俺はここにいる?記憶の糸を辿ろうにも、頭の中はこんがらがってまるでゴルディアスの結び目みたいになっちまって滅茶苦茶だ。絡み合った思考と記憶の糸はとてもほどけそうにない。何故ここにいる?オレは今までどうしていた?
窓の外から強い光が差し込んで目が焼けそうだ。
…あぁ、そうだ光だ。光を見たんだ。思い出した。
こんなに目を焼くほど強い光ではなかった。
闇を照らす月明かりだ。 このゴッサムの空を覆い尽くす高化学スモッグで埋もれた夜の分厚い雲に映し出された月明かりだ。 大きくぼやけていて コウモリの影を映している。オレの愛しいダーリン。バットマンを呼ぶシグナルだ。あそこに行けばバッツに会える。 あそこに行けば俺の愛しいバットマンがいる。
そうだ、そうに違いない。バッツが死んだりするもんか。 バットマンが死んだりするはずがない。
……死んだ?死んでしまった…そんなことあるはずがない。
オレは一体何を考えて……記憶はさらにさかのぼろうとするがその途端に頭の中に 危険信号が発せられたかのようにひどい頭痛がする。思い出さなくては、思い出さなくては…思い出すな!思い出すな!思い出すんじゃない。
爆発音、血の匂い、力強い抱擁、バットマンの腕、滴り落ちる血…だめだ、頭が割れそうだ。
いつものように人質を取って愛しのバットマンを呼び出して、やつを怒らせるため 目の前で殺害して、それからいつもの楽しい追いかけっこ、いろんなトラップや楽しい仕掛けで、きっとあいつだって楽しんでくれていたはずだ。
最後に俺が捕まってやつに首を絞められて吊るし上げられて、息ができなくって首を圧迫され 凄まじい力で、このまま首の骨をへし折られて死ぬんじゃないかと…怒りに満ちた表情の愛しいバットマンの姿をすぐに 間近で見ながら死んでいくのだとオレは思った。何という激しい怒り、暴力的な正義、唸る獣のような低い声、力強い二の腕。その怪物のような姿でオレを押さえつけオレをむしゃぶり食うように殺してほしい。指の食い込みが苦痛を訴え 喉がミシミシと音を立てているのが骨を通じてわかる。酸欠の脳はめまいを起こしたかのように視界が歪み始め耳鳴りが始まる。 体が痙攣しているのがわかる。オレが息絶えるその瞬間までその激しい怒りに満ちた瞳でオレだけをまっすぐ見てくれているのだと思うと体中に歓喜に満たされる。
あぁバッツィ…バッツ…オレの……
体が落下してゆく。 それは何十メートルも何百メートルもあるかのように感じた。永遠の 暗い 谷底に落ちていくような感覚。 最も実際はバットマンが手を放し、せいぜい 2〜30cm下の床に落ちただけにすぎないが。
「はぁ…はぁ……はぁ」
気道が開き急に肺に入ってきた空気が一気に意識を引き戻す。
黒い大きな影がオレを覆い隠す。その大きな腕が、しっかりとした大きな手がオレの顔の方に伸びていく。
「ジョーカー…」
その声には先ほどの激しい怒りはなく、低く落ち着いていてどこかしら慈愛を含んでいた。
指先が頬に触れる。自分が涙を流していたのだと その時に気がついた。 最もこれは生理的なものだろう。
だがそれをバットマンはどう理解したのだろうか……
「ジョーカー 聞いてくれ。 最近よく考えるんだ。 お前と私のこと 我々が最後にどうなるのかを、このままでは殺すか殺されるかだ。聞いているのか?私は生きるか死ぬかの話をしているんだぞ、死ぬのは私か…それともお前か。こうまでいがみ合う理由は分からない。 ただ 私はお前を殺したくないんだ。 私の…この手で…」
グローブ越しにバッツの体温が感じられた。 頬がほんのりと温まる。
その触れられた 体温が心地よく、オレはその手を払いのけることができなかった。
コウモリの正義にむさぼり喰われて死ぬのならオレはそれでも良かった。
オレがどんなに愛していたのかバットマンは分かっていない。
だからバッツ、お前が先に死ぬのは絶対にダメだったんだ。
…その後どうなったんだっけ…体中が痛い。
覚えているのは 抱きしめられた体温。 低くて落ち着いたあいつの声。 爆発音。滴り落ちる血。…それから…それから、どうなったんだ?オレは最後にあいつと何を話した?思い出せない。 思い出せない。 痛い…痛い…痛い
バットシグナルが見えた時、オレは歓喜した。
生きている!バットマンが生きている!そうだ死んだりなんかするものか!オレはバットシグナルのところに走って行こうとした。あそこに行けばあいつがいる。きっと誰だかが騒ぎを起こしていつものように暴れているに違いない。 こんなにもお前のことを恋焦がれているのにオレ意外と遊ぶなんてあんまりじゃないかバッツ。誰だか知らないがオレの姿を見ればそいつのことなんかほったらかしてオレを見てくれるだろう?なぁバッツ?
オレは走った。 走って走ってバットマンの姿を探した。
だがそこにいたのは オレのコウモリではなかった。
浮かび上がる シルエット。それはコウモリの姿をしていて…だけど あいつじゃなかった。 オレの愛しい コウモリはもっとたくましい腕をしている。 重量感のある重々しい パンチでクズどもを殴り飛ばし、圧倒的な強さと恐怖と怒りに満ち溢れている。低い唸るような声。何もかもが完璧だった。
あいつより高い声あいつより細い腕、無駄が多い身軽な動き。
間違えるはずがない。あいつが持っていた深い闇はそこにいなく、表面だけ真似た紛い物がそこにいた。
まっすぐに育った歪みのない素直な子供、 あいつが一時期連れ回していたガキだ。
激しい怒りもなければ絶対的な正義もない。 ただ浅く薄っぺらく表面だけを真似たあいつのレプリカ。
目の前が真っ暗になってゆく。
吐き気がする。 体がグラグラとする。ここにオレの居場所はもうない。
今すぐこの場から立ち去りたかった。サイレンの音、人の声、何もかもが煩わしい。
聞きたくない見たくない。耳を塞いで目をつぶって、それでもこの嫌悪感は消えることはなかった。人が通らないところ音が聞こえないところにオレは必死で逃げ込んだ。気持ち悪い…もう何もかもが嘘と偽りになってしまった。 気持ち悪い。
自分がどこにいるのかよくわからない。目をつぶって 必死で肩で息をしている。 呼吸が苦しい。 胸が苦しい。このまま息絶えてしまいたい。
不意にガヤガヤと人の声がした。 オレは うっすらと目を開ける。数人の男たちがオレを指差して話していた。その中の1人が オレの胸ぐらを掴む。どうやらそいつと後ろにいる 1人はオレに恨みがあるらしい。会話の内容を理解しようとするが 思考力は低下しきっていて、おまけに奴らがひどく 早口で大声で喋るため、うまく聞き取れない。最も俺に恨みを持っているやつなんてそれこそ何万といるだろうから心当たりが多すぎるが。一人が背後から 俺を抑え込み もう一人がこのシャツを破る。 にやにやとした笑いから これから何が起こるのか 大体想像がついてしまう。このゴッサムにおいてはよくあることだ。一人が下をオレの首筋に這わす。ナメクジがあったかのように気持ち悪い。 口をこじ開け無理やり炭酸飲料を流し込む、セックスドラッグ入りだというのは 明白でおかしな味がする。
「ゲホ…ゴホッ!」
「こいつ 吐き出してんじゃねぇ!!」
腹と顔 一発ずつ 殴られ、再び無理やり瓶を口の中に突っ込まれる。喉の奥まで突っ込まれた瓶から空っぽの胃にドラッグが流れ込む。 気持ち悪い…
奴らはせせら笑いながら、俺のズボンを無理やり剥ぎ取った。 地面に押し倒される。 踏みつけられて うつ伏せにされて今度は尻の穴に無理やり瓶を差し込まれた。 腸内に炭酸が流れ込んでいく。背中に尻にドラッグ入りの炭酸をぶちまけられる。
「俺に先にやらせろよ !この間の女はお前が先にやっただろ!」
「チッ、お前が尻の方を犯すなら俺は口をやる」
髪を掴まれ口を無理やり、こじ開けられて喉の奥までペニスを押し込まれる。口の中いっぱいに雄の匂いがして吐き気がする。 オレは 首を振ったが、頭を無理やり抑え込まれ 髪を引っ張られ さらに奥へ奥へとペニスを押し込まれる。息が苦しい。
「そんなに俺のものがいいか!?」
頭の上から 男の声がする。
違う!吐き出そうとしているだけだ。だが首を振っても舌を使って吐き出そうとしても相手を喜ばすだ。いや、いっそのこと早く終わってしまえば口を開放される。
もう一人の男が尻を掴み上げる。
ドラッグ入りの炭酸水で濡れたそこは男のモノをすんなりと受け入れた。
内臓に異物が入っていく感覚がたまらなく不快だ。こちらも拒絶しようと動けば男を喜ばせるだけだろう。 …気持ち悪い。
乱暴にピストンをされ内臓の中からいたぶられる。こういうことは力任せに早く動けば快楽を入れられるものではない。気持ち悪い…
…しばらく我慢していれば…
だいたいレイプされるのなど 一度や二度ではない。こんなことはよくあることだ。
体を貪られる、そんなことは大したことではない。バッツは俺が絶えず加害者だと思っていたかもしれないが実際はこんな風に貪り食われたことは何度もある。 初めての殺しがいつだったのかは定かではない。 オレを貪り食おうとする連中を殺してずっと生きてきた。人間ってのは案外思いの他、簡単に死んじまう。オレが殺してきた人間も、もし殺さなかったとしても せいぜい寿命がほんの少しばかり伸びていただけに過ぎない。だいたい人間の死亡率は100%だ。 生きていたのが今日までだとしても10年先だとしても大して変わりはない。あいつは本当に分かっていただろうか?死は絶えずオレのそばにあった。死神は絶えず俺の周りを右往左往としていた。 人間はあまりにあっけなく簡単に死んでしまう。オレが誰かを殺しても、誰もオレを殺せなかった。
初めてだったんだ。オレが真剣に向かい合い、またオレに答えてくれたのは。
バッツ、お前だけだったんだ。その肉体をその意志の強さをその正義を愛していた。
突然の銃声、悲鳴。
口と尻を犯していたペニスがずるりと抜ける。
ぼやけた視界で 辺りを見回す。
見覚えのある姿が目に飛び込んできた。
「…ジョーカー !おい、 ジョーカー!」
その瞳は怒りと嫌悪感をあらわにしていた。
死体を蹴り飛ばし、踏みつけてリドラーはオレの元にやってきた。
腕を掴み上体を起こす、確認するように体を見ている。 この男の目は雄弁だ。怒り、嫌悪感、安堵、感情はすぐに表層に現れ、移ろい変化し言葉を喋る。本人は至って沈着冷静で倫理的、理論的で聡明だと思っているから、あまりにもオレから見れ滑稽だ。激情家でコンプレックスの塊で自己顕示欲があまりにも強く、その癖自己肯定感は最悪に低い。劣等感と自己顕著欲と謎に対するこだわりが服を着て歩いているみたいな男だ。
一通りオレの体を見て無事を確認してから、こいつは 小さくため息をついた。
嫌悪感 や怒りよりも安堵の方が大きかったらしい。少し気まずそうな表情を浮かべた後、上着を脱いで俺の方にかける。
苛立ちを隠そうともしない 声色で一言、
「帰るぞ」
と言った。
車に揺られて帰るのがひどく気持ち悪い。 先程 無理やり飲まされたドラッグ入りの炭酸水と胃液が混ざり合って胃の中で暴れているように吐き気がする。
セーフハウスに帰るとすぐに風呂に連れて行かれ乱暴な手つきで体を洗われる。怒りと苛立ちを隠す気はないようだ。散々弄ばれた体からその痕跡を消そうとしてるように覚えた。
…あぁ、今頃になってドラッグ効いてきたみたいだ。触れられた部分がひどく熱く敏感に反応する。
「いい子にしてろ 」
そう言いながら リドラーはオレのペニスを洗う。触れられればそこはすぐに反応し、すでに半立となっていた。
「何だ興奮しているのか。さっきまであれあれほど男の物を咥え込んでたくせに … とんだ淫乱だな」
支配欲と嫉妬と侮蔑の含んだ瞳でオレの方を見てくる。こいつは本当に分かりやすい。己の感情を隠そうともせず、その癖自分自身でどのような感情を相手に持ち合わせているのか全く理解していない。 こいつがオレに向ける目はくるくると変化する。分かりやすく激しいその感情をこいつ自身は全く理解していない。 こいつほど自分自身のことを理解していない人間はむしろ珍しいのではないだろうか。その支配欲に満ちた瞳が心地よかった。自分がどんな欲を持っているのか全く理解していない様は滑稽で愛しい。
オレはこいつに口づけた。
ぬるま湯とソープの匂いと触れられた心地よさ。行為に及んだのはもしかしたらセックスドラッグのせいだけではなかったかもしれない。
目を覚ませば 体中がきしんで悲鳴を上げている。
テレビで昨日のバットマン出現のニュースをやっている。 それは俺に現実を突きつけた。どいつもこいつも目が節穴だ。バットマンとナイトウィングの違いもわからないのか。しばらく ニュースを見ていたが あまりのバカバカしさにオレはテレビを消した。それでもオレはやはり信じたくなかった、あいつが死ぬはずがない。
だが それも部屋に入ってきたリドラーの一言で簡単に打ち砕かれてしまった。
扉の開く音がする。
手には白いカケラが入った瓶を持っていてそれをオレに渡す。
「お前をここに連れてきた時、持っていた腕の骨だ。DNA 鑑定の結果は バットマンのもので間違いない。ひどい腐敗で肉は溶け、グローブはダメになってしまったから残っているのは骨だけだ。持っていろ」
現実はあまりにも残酷で無慈悲だ。
「 …ダーリン ……オレのバットマン …愛してる」
そう言ってオレは泣いた。
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夕闇の空に明かりがともる。 それはゴッサムの人々にとって希望の光であり、また今までならば ジョーカーにとって憧れの存在のアイコンでもあった。
…だがそれは意味をなさなくなってしまった。
バットシグナルの存在に気がついたジョーカーはカーテンを閉め、瓶を抱え耳を塞ぎソファーにうずくまっていた。
今日もまたナイトウィングもとい新しいバットマンが街を飛び回っているのだろう。
…くだらない。
あの筋肉バカは最終的には力で解決しようとしてしまうのが難点だが少なくとも俺の出した謎々に答えるぐらいの知能は持ち合わせていた。対戦相手としてはまあ悪くはなかった。
俺がいかに素晴らしい謎を提供しようとも まともに答えられる人間がいないのではあまりにもつまらない。
出会った当初に比べれば、幾分打算でヤツと遊んでいた節は俺にもある。
正直に言ってしまってあのブルース・ウェインのバットマンのいないゴッサムにこだわる必要なんてあるのか?
カーテンの隙間からうっすらと見えるバットシグナルと騒々しい街の音と サイレン。
…ゴッサムが急にひどくつまらない街に感じた。
酒でも煽りたくなってキッチンへと向かう。
途中でソファーから喘ぎ声が聞こえた。 骨の瓶をテーブルの上に置き眺めながらペニスをいじっているジョーカーの姿が見えた。
「あっ …バッツ…はぁ……バッツィ…バットマン」
俺は一度書斎に戻り、ソファーにあゆみ寄ると声をかけた。
「随分といい光景だな」
ハッとしたように 俺の方を見る。それは昨日までの焦点の合わない目ではなかった。
「 手伝ってやろうか ジョーカー」
ジョーカーの隣に回り込み睾丸へと手を伸ばす。 鷲掴みにし、ペニスをしごき上げれば、快楽に声をあげる。
「ぅ……ぁあ…バッツィ…バッツ……ぁう」
すでに亀頭は先濡れしている。 俺は手元に銀色の棒を取り出した。 尿道ブジーだ。
やつの表情がこわばる。
「ぅっ…ぁああ !」
ペニスを掴むと尿道に向かってゆっくりと突き刺していく。
「じっとしていろ。痛い思いはしたくないだろ?」
いやいやと奴が首を振る。 生理的な涙と荒い吐息が聞こえる。
根本までしっかり差し込んだところで、ほんの少し引き抜き再び根元まで押し込む。 表面の凹凸が刺激し射精に似た快楽を与える。
「ひっ !ぁぁああ!」
「 どうだ?ここを引っかかれるのは心地よいだろ 」
やつは 顔を真っ赤にしフルフルと首を振る。
「 お前に合わせてやってるんだ。 下準備ぐらいは自分でしろ」
そう言って ローションを投げて渡す。
自らズボンを脱ぎ 震える手でローションを塗り込んで行く。足を開き俺に 媚びるように 指をアヌスに突っ込む。
良い格好だ。
俺は ジョーカーに覆いかぶさり 一気にペニスを差し込んだ。
「ひっ、あぁああ!」
汗ばんだ肌は吸い付くようである。
前立腺を刺激しながらゆっくりとピストンを始める。
「いっ、ぁあ …う… バットマン …バッツィ」
ジョーカーはうなされたように バットマンの名前を呼んだ。
「 お前を抱いているのは誰だ? 言え!」
この後に及んでまだその名前を口にするのが何とも腹立たい。
「 …リドラー」
「…そうだいい子だ」
ジョーカーの唇を塞ぎ、口腔を蹂躙し舌を絡めむさぼり味わった。
奥までペニスを押し込み ピストンを強め快楽をやつの体に叩き込む。
快楽は絶頂まで高まり、精液を吐き出す。
やつもオーガニズムを感じているのだろうか、 尿道をふさがれ射精することは叶わず四肢を絡め嬌声を上げる。
生理的な涙がこぼれている。 俺は奴の体からペニスを抜いた。
「ぁあ …う…リドラー……」
奴の性器にはまだブジーが収まっている。
俺は一気に引き抜いた。
「 うぅ …あああぁぁー !!」
精液が溢れ出し流れ落ちる。 尻からは俺のものが溢れ出し、太ももを白く濡らしている。ビクビクと震える白い身体。
実にいい光景だ。
翌朝 、ジョーカーは 骨の瓶を抱えたままうずくまって動こうとしなかった。 呼びかけると気怠そうに目を開けこちらをチラリと見るだけでそれ以上反応しようとしない。
少し乱暴に抱きすぎただろうか。点滴こそ打つ必要はなくなったがまだ何とか動けると言った状態だ。
テレビをつけようとすれば すぐに消してしまった。 おそらくニュースを見たくないのだろう。 新しいバットマンなどこいつには到底受け入れられるものではなく、その名を聞くのも悍ましい紛い物でしかない。
「 なあ、しばらく ゴッサムを離れて旅行にでも行かないか 。」
夕食のスープをすするこいつの前で俺はそう言った。
「 お前も当分何かをする計画もないだろう。気晴らしに出かけないか? 」
正直に言ってしまえば 少しの間ゴッサムから離れて今後のことを考えたかった。 ダークナイトのいなくなってしまったここは、本当につまらないただの犯罪都市だ。 俺には謎さえあれば良い。
それはけしてこの都市に限ったことではなく、良質な謎さえあれば世界中どこだって構わない。 そもそも犯罪にこだわる理由なんかない。ここを離れて身の振り方を考えたかった。
こいつ自身はどうだろう? バットマンを盲信的に愛していた男だ。俺に言わせれば こいつ自身の勝手な思い込みでバットマンを見ていたに過ぎない。 勝手な偶像を頭の中に思い描き追いかけていただけだ。盲信と恋心で認識を誤っていたに過ぎない。正しいバットマンの姿などやつには見えていなかった。そもそも結局のところ、こいつはバットマンの正体すら知らなかったわけだ。愚かにもほどがある。
だがこの男は俺の出す謎を解くぐらいの知性は持ち合わせているし、こいつ自身が建てる計画の独創性・行動力・柔軟性は俺なりに評価している。
今のジョーカーをゴッサムに置いていけばそれこそゴミようなゴロツキに潰され殺されてしまうのは目に見えて分かった 。さすがにそれは避けたい。
最もこいつが行きたくないと言ってしまえばそれまでなのだが。
…そもそも 今の段階で 俺の話を理解できているかどうかが怪しい。言葉もほぼ喋らないのだから。もう少し回復を待つ必要があるか。
スープを飲み干すとこいつはまっすぐ俺の方を見た。
「 …いいぜ」
そうして一言そう言った。
その目と受け答えは精神の回復を意味していた。
少なくとも 最低限の判断はできるほどに回復している。
「なら、 明日の昼から出かけるぞ。 準備しておけ」
最もこいつが必要なものは骨の瓶ぐらいだろうが。
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瓶を抱きしめては声を上げて泣き疲れて泣き止んで、また泣く。
それを何度繰り返しただろう。
バットマンが死ぬ。 そんなことあるのか?
オレにとって死というものは何の重さも示さなかった。目の前で人間が簡単に死んでゆく。 オレが意図したこともあれば、せずとも 死んでしまうこともある。きっと自分が死んでしまう時も今まで見てきたように あっけなく 何の意味もなく死んでいくのだろうと思っていた。
オレは自分が生きているという感覚が希薄なのだろう。死は絶えず 身近にあったはずなのに生きるということは自分からはるかに 離れた遠いことのように感じた。 それは日常的に味わってきた暴力に対して自分に振るわれているという感覚がなく、またその暴力を振る 相手を殺してしまっても自分が暴力を振るったという感覚がない。 きっと自分が殺しても、殺されても、自分自身何も感じないように思われた。
バットマンと出会うまでは。
バットマンと対峙し 追いかけられ 戦っている その時だけが生きているように感じた。 意味のない世界に初めて意味ができたように思えた。
色のない世界が美しい 極彩色に染まっていった。
バットマンとともにいるその時だけがオレは生きていた。
だからきっとバットマンのいない世界は永遠に灰色で、生きていても死んでいても意味がない。一体何の罰ゲームだ?オレが生き残ってお前が死んでるなんて。
人間の生き死にになんて大して意味はない。 すました顔をして自分の手を汚さないで オレよりもっともっとたくさんの人間を殺しているやつなんて実際は相当数いる。澄ました顔した政治家や一見善行そうな宗教家、搾取している側なのに いかにも思いやっていますという顔した金持ちなんかに。目の前で人を殺しているか自分も他人も見えないところで人を殺しているかの違いだけだ。
絶対的に揺るがない信念を持ったやつなんて、そうそういない。
だからお前に出会った時、心底 胸が打ち震えた。
目に見えるものだけを追いかけるお前が愚かしくも愛おしい。
初めて生きていると感じた。
お前の魂を愛していた。
オレはお前といがみ合っているつもりなんてなかった。お前がオレを殺すと決めたのならオレはきっと受け入れた。どちらかが生きるか死ぬか殺すか—殺されるかならさっさとオレを殺せばよかったのに。
瓶の中の小さな骨を眺める。
あぁ、この小さな骨は小指の先の骨だ。オレの首を絞めた指の、頬に優しく触れた指の、抱きしめてくれたその指の骨。
自分の指先を眺めた。 小さいかけらのような 骨だと思ったがしっかりとした太さがある。 自分の小指の指先とバットマンの小指の骨の太さはほぼ一致する。そうだ ここに血と肉と血管と筋肉と皮膚と爪がのっているのだ。
…何だオレよりずっと 太いじゃないか……
指先を眺め オレはまた泣き出した。
「 なあ、しばらく ゴッサムを離れて旅行にでも行かないか 。」
翌日の夕食時 リドラーが そう言い出した。
バッツの いなくなってしまったゴッサムに一体何の魅力がある?
バットマンが ナイトウィングとすり替わってしまっても気づきもしない愚かな連中 しかいないこの街に…。
窓の外の様子を見るのすらもう嫌だった。正直今すぐ出て行ってしまいたい。愚か者しかいないこのゴッサムから。
「 …いいぜ」
ただそう 一言 答えた。
夜が明ければオレたちはここから出て行く。
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