食文化研究部のうまし日々   作:naogran

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メニュー1・食文化研究部へようこそ

モコ太郎「皆ー!おはようモコー!」

 

グルメ界隈で人気を馳せている人気YouTuber・モコ太郎。

 

モコ太郎「今日は北海道にあるのどか牧場直営、卵屋さんに来てるモコー!」

 

のどか牧場〜たまご直売所〜。ここは2024年に開業。日本では珍しい平飼いによる飼育を行っている。広いスペースで自由に動き回る事で体力が付き、病気に強く健康に育った鶏から取れる、箸で摘める位にプルプルで濃厚な卵が話題になっている。

 

モコ太郎「早速こちらの新鮮な卵で作ったオリジナル卵かけご飯、生オムライスを作っていくモコー!この卵を見て欲しいモコー!黄身が掴めていると言う事は、良い卵の証拠モコー!まず卵を混ぜて、次に調味料を入れて、ご飯を入れて混ぜるモコー!後はケチャップを掛けたら、生オムライスモコー!」

 

特製生オムライスの完成。

 

モコ太郎「はい!では早速頂きたいモコー!」

 

生オムライスを一口。そのお味は・・・

 

モコ太郎「・・・・・」

 

感想はサムズアップ。

 

モコ太郎「とってもデリモコー!」

 

 

 

 

 

 

そんなモコ太郎の動画を仰向けになりながら見てる1人の少女。

 

少女「うわっ!」

 

スマホをうっかり落としてしまった。

 

少女「痛っ・・・」

 

落としたスマホを拾って時間を見る。

 

少女「あ、もうこんな時間か。」

 

現在の時刻は夕方6時10分。

 

少女「ご飯作ろ。」

 

 

 

 

今日のメニュー『生オムライス』

 

材料(1人前)

 

ごはん・・・160g

卵・・・1個

ウスターソース・・・小さじ1

オリーブオイル・・・小さじ1

トマトケチャップ・・・小さじ1

パセリ・・・適量

ミニトマト・・・適量

 

 

 

 

キッチンで生オムライスを作る。玉ねぎを微塵切り。鍋でスープを沸騰させる。炊飯器を開けて炊き立てのご飯の香りを堪能する。

 

少女「ん〜。良い匂い!後は卵っと。」

 

 

 

 

先程見たモコ太郎が作った生オムライスと同じ生オムライスが完成。

 

少女「頂きます!」

 

生オムライスを実食。

 

少女(これが生オムライス!うんうん!美味しい!)

 

スープを飲む。

 

少女(じゃあこれを・・・一気にかき込む!!)

 

生オムライスを一気に口にかき込んだ。

 

少女「はぁ〜。幸せ〜。」

 

 

 

 

 

 

翌日の都内の大学。夕方になり少女が下校する。

 

彼女の名前は『河合まこ』。高校卒業と同時に上京、一人暮らしを始めた大学1年生。性格は至って静か。出来るだけ周りに波風を立てないよう淡々と暮らしている。そんなまこの心を踊らせてくれるのは、料理とご飯。だがまこは1人で外食はした事がない。実家に居る時は親と一緒に行く事が当たり前だった。今は毎日自炊。一緒に食べに行く友達は居ない。1人ご飯は少し不安だが、そう言うのを経験してた方が良いと思っている。

 

まこ(気弱な私に力を貸して!私の心の中のモコ太郎!)

 

彼女を支えてくれるのが、心の中のモコ太郎。

 

 

 

 

1軒のレストランの店内を覗く。店内は多くの客で繁盛してる。

 

まこ(この店はちょっと1人で入り辛いし。別の店にしよう。)

 

 

 

 

次は行列の出来るレストラン。

 

まこ(人多いから止めとこ。)

 

 

 

 

次に訪れたのはたかお食堂。

 

まこ「ソースカツ丼美味しそう・・・」

 

このお店の看板メニューのソースカツ丼のサンプルに惹かれてる。

 

男性客「ごちそうさん!」

 

店主「毎度ありがとうございます!」

 

この店の店主と思われる女性が、ソースカツ丼のサンプルに見惚れてるまこを見た。

 

店主「ん?あ、ごめんなさいね。今日はそのソースカツ丼売り切れちゃって。」

 

まこ「うわあああ!?ち、違います!ち、ちょっと見てただけで!す、すぐ帰ります!」

 

店主「あら。」

 

まこが早歩きで帰って行った。

 

???「女将さんごちそうさま。」

 

店主「毎度。英太君、何時も来てくれてありがとう。」

 

英太「ん?どうかしたの?」

 

店主「さっきソースカツ丼を見てた子がすぐに帰って行っちゃって。」

 

英太「ふ〜ん。ここのソースカツ丼、看板メニューで人気だからね〜。」

 

 

 

 

 

 

河川敷の橋。

 

まこ「結局・・・ダメだった・・・折角モコ太郎の力借りたのに、私の心のモコ太郎貧弱過ぎるよぉ・・・別に普通にお店入れば良いだけなのは分かってるんだけど・・・」

 

彼女の小学校時代は友達が沢山いて、毎日新しい事の連続だった。だが成長するにつれ、新しい事に挑戦して小さな失敗をしてしまうのが恐ろしくなって、深い人間関係を築かず、淡々とした現状維持の生活を送るしかなかった。

 

まこ(まぁ、そう言う平坦な日々は嫌いではないんだけど・・・)

 

 

 

 

 

 

数日後の大学。

 

先生「今日の講義はここまで。各自この部分復習しとくように。」

 

まこ(次の講義一連飛ばしだ。何処で時間を潰そうかな?)

 

 

 

 

 

 

一方別の場所では、3人の女子大生がサークル制作を事務員に申請してるが。

 

事務員「だーかーら。サークル作るには定員が4人必要って言ったでしょ?君達が作りたいって言う食文化研究部だっけ?前も3人で申請して来たから却下したじゃん。」

 

大学事務員の太田まゆみ。

 

しのん「だってー!人集まらないんですよー!3人でも良いじゃないですかー!」

 

大学生の小川しのんが喚いてる。

 

まゆみ「ダメだって。規則なんだから。」

 

しのん「でもぉ!私達仲良しですよ!」

 

まゆみ「いや知らんがな。」

 

しのん「はぁ・・・でも、私達も何の策もなく来た訳じゃないんですよねぇ〜。ヘイつつじ!例の物を事務員さんに!」

 

つつじ「了解しました!」

 

大学生の比嘉つつじが1枚の封筒をまゆみに渡す。

 

つつじ「事務員さんこれ。お受け取り下さい。」

 

まゆみ「何これ?」

 

1枚の封筒を受け取った。裏を見ると『裏金』と書かれてあった。

 

まゆみ「えぇ・・・!?」

 

しのん「お金渡すのは流石にマズいと思ったので、中に金色の折り紙入れてます。どうぞ貰って下さい!」

 

まゆみ「いらんわ!」

 

しのん「え!?もしかしてオーロラ派ですか?」

 

まゆみ「そう言う問題じゃないから!ホラもう帰った帰った!」

 

しのん「何ですか何ですかー!じゃあ私達が楽しいサークルライフを送れなくても良いんですかー!?」

 

まゆみ「うん。」

 

しのん「このままちゃんと授業に出席して、テスト勉強もちゃんとやれって言うんですかー!?」

 

まゆみ「それはやりなよ。」

 

しのん「じゃあその為の息抜きに3人でもサークル作らせて下さーい!」

 

まゆみ「ダメだって。」

 

しのん「くぅ・・・もし叶うなら・・・もし叶うならこの閉じた目を開ける時、寛大な心を持った事務員さんが居る世界線になっててくれ・・・・・・チラ?」

 

まゆみ「ダメだっつってんだろ。」

 

???「お前らまーたやってんのかー?」

 

???「相変わらず作りたがるねぇ〜。」

 

そこに2人の男子大生がやって来た。1人は呆れ、もう1人は笑ってる。

 

しのん「英太ー!浩一ー!お願いだよぉー!2人も事務員さんを説得してー!」

 

英太「毎回俺達に助けを求めんなよ。」

 

男子大生の七海英太。

 

浩一「すみませんね事務員さん。しのんが迷惑掛けっぱなしで。」

 

男子大生の日下浩一。

 

 

 

 

 

 

交渉を諦めて廊下を歩く。

 

しのん「あーダメだったかぁ・・・」

 

つつじ「後もう一押しだったんですけどねぇ〜。」

 

くれあ「いや全然押せてなかったでしょ。」

 

女子大生の古舘くれあがツッコんだ。

 

しのん「英太と浩一が入ってくれたら申請出来てたのにぃ〜。何で2人共入ってくれないのぉ〜?」

 

英太「俺は姉が留守だから入ったら飯作る時間が無いんだよ。」

 

浩一「俺は色んなグルメ食うのに忙しいから無理。」

 

しのん「もぉ意地悪ぅー!」

 

くれあ「まあ取り敢えずサークルの事は置いといて、そろそろお昼時だからさ。お弁当食べようよ。」

 

つつじ「おーそうしましょそうしましょ。」

 

 

 

 

 

 

一方まこは、1人ベンチに座って弁当箱を開けた。

 

まこ「早起きして作ったそぼろ弁当。頂きまーす。」

 

 

 

 

近くでお昼を食べるしのん達。

 

くれあ「んでどうするの?サークルの事。」

 

しのん「ん〜そうだなぁ〜。取り敢えず知ってる人は全員声掛けたんだけどね〜。皆断られちゃった〜。英太と浩一にも断られてるし〜。」

 

英太「ほっとけ。」

 

しのん「やっぱビラ配りとかした方が良いのかな〜・・・?」

 

偶々近くのベンチに座ってそぼろ弁当を食べるまこを見付けた。

 

 

 

 

まこ「だし巻き卵も良い出来!花丸花丸〜♪」

 

だし巻き卵を食べようとした時、こちらを見てるしのんと目が合った。

 

まこ「・・・・・」

 

だし巻き卵を食べようとした。けどもう一度しのんの方を見てだし巻き卵を箸から落とした。何故なら、しのんから謎のダークオーラが溢れ出ていたからだった。

 

まこ(向こうの人凄いこっちを睨んで来てる!?何何何!?私何かしたっけ!?服は別に変ではないよね!?だし巻き卵がダメだった!?いや、私の事を見るなんて有り得ない!自意識過剰なだけ!って、見てるだけじゃなく近付いて来たーーーー!?)

 

しのんが睨みながらまこに接近。

 

まこ(何何何ぃーーーーーー!?)

 

まこに近付いたしのんがまこをジーッと見る。

 

しのん「もしかしてマコっち?」

 

まこ「え?な、何で私の個人情報を!?一体どなた!?」

 

くれあ「しのん。その子知り合い?」

 

浩一「お友達か?」

 

そこにくれあ達4人も来た。

 

しのん「うん!絶対知ってる子!」

 

まこ(また知らない人が・・・!)

 

しのん「ホラ私だよ!小学校の時一緒だった!」

 

まこ「・・・小学校・・・?」

 

 

 

 

幼少期のまこ『おしんこ遊ぼー!』

 

幼少期のしのん『いいよまこっちー!』

 

 

 

 

幼少期に一緒に遊んだ子を思い出した。

 

まこ「もしかして・・・」

 

しのん「思い出した!?そう!私小学校の時一緒だった小川しの・・・」

 

まこ「おしんこ!」

 

しのん「・・・へ?」

 

つつじ「おしんこ?」

 

くれあ「もしかしてそれ、しのんの小学生の頃のあだ名?」

 

しのん「え!?い、いや違う!!」

 

まこ「小川しのん!やっぱりおしんこだ!わあー!久し振りおしんこ!」

 

しのん「違う!くわないけど・・・止めて!昔のあだ名で呼ぶの止めて誰も知らないのに!」

 

黒歴史を掘り返されたしのんが全力で止める。

 

英太・浩一「ぷくくくく・・・・・」

 

つつじとくれあの後ろで英太と浩一が笑い堪えてる。

 

しのん「ちょっと!そこの男子笑わないで!!」

 

英太「お・・・おしんこ・・・!ぷくくく・・・!」

 

浩一「最近・・・すき家で食ったばかりで・・・草生え・・・!」

 

しのん「もう止めてーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

落ち着いた後。

 

まこ「一緒の大学だったんだね。私びっくりしちゃった。」

 

しのん「私も私も!マコっち最近どうしてた?」

 

まこ「最近・・・特に何も。そう言うおしん・・・」

 

しのん「・・・・・・・!!」

 

あだ名で呼ばないでと言ってるような顔でまこを見る。

 

まこ「し、しのんちゃんは最近どうしてたの?」

 

しのん「えっとね〜。丁度さっきこの2人と食文化研究部作ろうと申請して来たんだ〜!まあ却下されちゃったけど。」

 

つつじ「どうも比嘉つつじです。以後お見知り置きを。」

 

まこ「あ、はい。」

 

くれあ「私は古舘くれあ。初めまして。」

 

まこ「ど、どうもです。」

 

英太「俺は七海英太。しのん達と親友だ。」

 

まこ「は、初めまして。」

 

浩一「日下浩一だ!食べるの大好きな大学1年生だ!因みに英太とは幼馴染みだ。」

 

まこ「は、はい。えと・・・河合まこです。」

 

くれあ「宜しく〜。」

 

しのん「そうだ!さっき言ってた食文化研究部、後1人居れば申請通るんだ〜!まこっちも入らない!?」

 

まこ「え?」

 

しのん「部室も使い放題だし楽しいよぉ〜!」

 

まこ「えっと・・・その・・・私、サークルとか考えてなくて・・・だから、その・・・」

 

しのん「え?あ!ごめんごめん!ちょっと急だった。久し振りに会ったからテンション上がっちゃった。」

 

英太「まあしのんは気持ちは分かるけど。」

 

しのん「ねぇ英太!浩一!お願い!2人でも良いから食文化研究部に入ろうよぉー!」

 

英太「いやだから俺は姉が留守が多いから飯作る時間作りたいんだよ。」

 

しのん「それは分かるけど・・・」

 

浩一「俺は色々食うのに忙しい身だ。」

 

くれあ「浩一は自由だね。あ、そろそろ教室移動しておかないと時間ヤバいよ?」

 

しのん「オッケー!まこっちは次の授業何?」

 

まこ「私次の授業飛ばしちゃってる。」

 

しのん「そっかー!じゃあねー!」

 

ここで5人と別れた。

 

 

 

 

 

 

夕方。大学が終わり、まこが1人家路を歩く。

 

 

 

 

 

 

自宅のマンションに到着。

 

まこ「ただいま〜。まあ1人も居ないけど。まさかおしん・・・しのんちゃんが同じ大学だなんて思わなかった。」

 

帰宅してリビングにバッグを置く。

 

まこ(昔と変わらず元気そうだなぁ〜。まあ最初ちょっとびっくりしたけど、挙動不審になってなかったよね。テンパってちょっと変な事言っちゃったかも。)

 

ベッドの枕に顔を埋める。

 

まこ「やってしまった・・・つい小学生の頃のあだ名で呼んじゃったし折角サークルに誘ってくれたのにすっごい雑に断っちゃった・・・断るにしても他に言いようがあったかも知れないのに現状維持精神が邪魔を絶対嫌われたよ〜〜〜〜〜〜〜〜!謝ろうにも連絡先聞くの忘れちゃったし・・・こう言う気分が落ち込んだ時に限ってバイトかぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

バイト先の稲荷屋さん。

 

まこ「・・・・・・」

 

放心状態になりながら稲荷寿司を握ってる。

 

店員「まこちゃんお疲れ様。今日は上がって良いよ。」

 

まこ「ハ〜イ〜。」

 

 

 

 

 

 

バイトを終えて家路を歩く。

 

まこ「バイト疲れた・・・ご飯買って帰ろう。」

 

 

 

 

帰る途中、以前に見たたかお食堂のソースカツ丼のサンプルを見た。そのソースカツ丼は、12等分に切ったとんかつが千切りキャベツの上に船の形に乗っており、温泉卵とプチトマト1個がトッピングされている。

 

まこ(ソースカツ丼・・・やっぱり美味しそう・・・)

 

モコ太郎『グー!』

 

心の中のモコ太郎がまこにサムズアップして励ます。

 

???「あれ?もしかして河合さん?」

 

まこ「ふえっ!?」

 

不意に声を掛けられて驚いて後ろを向く。そこに立っていたのは、しのんの友達のくれあだった。

 

まこ「え、えあーっと・・・確か・・・」

 

くれあ「古舘。」

 

まこ「ふ、古舘さん・・・え、あ、何でここに?」

 

くれあ「何でも何も、ここウチのママがやってる店だから。」

 

まこ「え?そうなの!?」

 

くれあ「手伝いがてらバイトしててさ。調味料切れてたからスーパー行ってた所なんだ〜。ウチのお店美味しいよ?食べてきなよ〜。」

 

まこ「いや!えっと・・・」

 

くれあ「ん?」

 

まこ(ヤバい・・・!また現状維持精神が・・・折角誘ってくれたのに・・・でもまた失敗したら・・・ん?)

 

かなり不安になっていると、店内から流れる美味そうな匂いを嗅ぐ。

 

まこ「クンクン。・・・・た・・・た、食べてく!」

 

意を決して食べて行く事に。

 

 

 

 

 

 

たかお食堂にご来店。店内ではお客さんが多くて賑わっている。

 

くれあ「好きな所座ってね。」

 

まこ「う、うん。」

 

入口前の席に座った。すると横から。

 

???「あれ?河合さん?」

 

まこ「え!?・・・あ、えっと・・・七海君?」

 

英太「覚えててくれたんだ。」

 

隣に英太が座っている。

 

まこ「ど、どうしてここに?」

 

英太「材料切らしてしまってね。ここで食う事にしたんだ。ここ、俺と姉ちゃん常連なんだ。」

 

まこ「そ、そうなんだ。所で、お姉さんって・・・」

 

英太「ああ。ウチの姉は最近大学以外でも色々あってね。留守する事が多くてね。」

 

まこ「い、色々?」

 

英太「最近中学時代の友達と会ってからランチとか遊びに行っててね。」

 

くれあの母「あら。くれあのお友達?」

 

くれあ「うん。大学の子。」

 

くれあの母「くれあがお世話になってます。」

 

まこ「あ、いえ・・・その・・・こちらこそ・・・」

 

くれあの母「あら。何処かで会ったかしら?」

 

まこ「き、気のせいじゃないでしょうか・・・?」

 

くれあの母「あらそお?注文決まったら教えて下さいね?」

 

まこ「あ、ありがとうございます・・・」

 

男性客A「女将さーん!ソースカツ丼1つー!」

 

くれあの母「はーい!トッピングは、温玉と目玉焼きどちらにしますか?」

 

男性客A「じゃあ温玉で。」

 

くれあの母「はい。」

 

まこ(さっきの時に注文しとけば良かった・・・古舘さんは・・・キッチンの奥へ行っちゃったか・・・)

 

男性客B「こっちにもソースカツ丼2つ下さーい!」

 

くれあの母「はいはーい!」

 

男性客C「こっちにもソースカツ丼1つ!」

 

くれあの母「はーい!」

 

まこ「な、七海君。ソースカツ丼人気なんだね。」

 

英太「だろ?ここソースカツ丼、看板メニューで人気なんだよね。」

 

まこ「そ、そうなんだ。」

 

英太「俺もさっき頼んだから待ってるんだ。それに、人気過ぎて完売御礼が多いんだ。」

 

まこ「そ、そんなに・・・(折角お店まで入れたんだから・・・絶対食べて帰りたい!よぉーし!)」

 

左手を少し上げた。

 

くれあの母「ん?注文決まりました?」

 

気付いたくれあの母がまこの注文を聞く。

 

まこ「はい!えと・・・あの・・・そ、そそそ・・・ソースカツ丼下さい!」

 

くれあの母「ごめんなさい。さっき丁度終わっちゃって。」

 

まこ「あああああああ・・・・・!」

 

ソースカツ丼完売御礼。まこが絶望した声を出した。

 

英太「か、河合さん・・・」

 

そこにくれあが出て来た。

 

くれあ「ママー!厨房でお祖父ちゃん呼んでるー!って何かあった?」

 

英太「ようくれあ。」

 

くれあの母「お友達が注文したソースカツ丼、丁度売り切れちゃって。」

 

くれあ「あー。」

 

英太「河合さん、良かったら俺が注文したソースカツ丼譲ろうか?」

 

まこ「え?」

 

くれあ「待って英太。河合さん、私の賄いのソースカツ丼あるから。それ食べる?」

 

まこ「い、良いの!?」

 

英太「くれあ良いのか?俺のソースカツ丼譲った方が良いと思うんだが。」

 

くれあ「いいよいいよ。河合さん、トッピングで温玉か目玉焼き選べるけど。」

 

まこ「じゃ、じゃあ温玉で!」

 

英太「くれあありがとう。今度何か奢るから。」

 

くれあ「ありがとう。じゃあ待っててね。」

 

 

 

 

 

 

くれあがキャベツを千切りにする。くれあの母が油でとんかつを揚げる。

 

まこ「わぁー。」

 

英太「ん〜。とんかつを揚げる音。キャベツを千切りにする包丁の音。どれも美味そうな音〜。」

 

まこ「な、七海君って独特な感想を言うんだね。」

 

英太「料理ってのは作るだけじゃなく、作る時の音も楽しむ。通称音グルメも俺の楽しみなんだ。」

 

まこ「お、音グルメ・・・?」

 

くれあの母が揚がったとんかつの油を切る。くれあが炊き立てご飯を丼に盛ってソースと千切りキャベツを乗せる。くれあの母がとんかつを12等分に切って、丼に乗せる。その上に温泉卵を乗せて、更にこれでもかと言う程のソースを掛ける。仕上げにプチトマト1個乗せたら完成。

 

くれあ「河合さん。英太。お待たせ。」

 

まこ「あ!」

 

英太「お!」

 

くれあ「はいどうぞー。」

 

ソースカツ丼が来た。

 

まこ「・・・・・!」

 

大ボリュームにまこが感動してる。

 

英太「ん〜。良い香り〜。」

 

くれあ「じゃあごゆっくり〜。」

 

まこ「あ、ありがとう!よし、頂きます。」

 

ソースカツ丼を実食。とんかつを食べると、サクサクとした音が身体中に伝わる。

 

まこ「・・・・!!!」

 

次にご飯をかき込む。温泉卵を割って黄身をとんかつに染み込ませて食べる。

 

まこ「ん〜〜!」

 

英太「あ〜。この衣はサクサク。中はジューシー。サクサクとした音とジューシーな肉汁が食欲を掻き立ててくれる。温泉卵に付ける事でとんかつとご飯にコクが増して美味い。プチトマトの酸味がとんかつの油を中和してくれる〜。やっぱりここのソースカツ丼美味いな〜。そして味噌汁は安心する〜。」

 

食レポしながらソースカツ丼を食べる。

 

 

 

 

ソースカツ丼2人共綺麗に完食。

 

まこ・英太「ごちそうさまでしたー。」

 

完食!よく食べました!

 

くれあ「河合さん。英太。食べ終わったならそのお皿下げちゃうね。」

 

まこ「あ、ありがとう。」

 

英太「ありがとうくれあ。」

 

くれあ「あーそうそう。今日あの後しのんが・・・あ、おしんこだっけ?」

 

英太「ブッ!」

 

まこ「しのんちゃんだよぉ・・・」

 

英太「くれあお前・・・もう止めてくれよ・・・」

 

くれあ「あはは。ごめんごめん。あの後しのんがずっと河合さんの話しててさ。連絡先聞くの忘れたって喚いてたよ。」

 

 

 

 

しのん『もう一度チャンスをくれーーーー!』

 

 

 

 

まこ「本当!?私も連絡聞いとけば良かったって思ってて!」

 

くれあ「お!じゃあ教えておこうか?」

 

まこ「お、お願いします!」

 

英太「じゃあ折角だし、俺と浩一の連絡先も教えておこうか?」

 

まこ「あ、ありがとう。」

 

くれあ「しのんって、小学校の頃はどんな子だったの?」

 

英太「俺も気になってた。あの子妙に昔の事話してくれないんだよね。」

 

まこ「えっと・・・何か何時も走り回ってて・・・」

 

 

 

 

 

 

幼少期のしのん『遅いよまこっちー!あ!とんぼー!』

 

幼少期のまこ「ああ・・・ま、待ってよぉーー!」

 

 

 

 

 

 

くれあ「あはは・・・子供の頃からそんな感じなんだ・・・」

 

英太「昔の浩一みたいだ・・・」

 

 

 

 

 

 

夜になり、たかお食堂から出た。

 

英太「ふぅ〜。食った食った〜。」

 

まこ「き、今日はありがとう。ソースカツ丼凄く美味しかったよ。」

 

くれあ「本当!?良かった〜!」

 

まこ「・・・・・・あ、それじゃ。」

 

くれあ「うん!気を付けてね。」

 

英太「じゃあなくれあ。」

 

くれあ「うん!またね。河合さん、また大学で!」

 

まこ「え?・・・・・うん!また!ん?」

 

バイクのエンジン音が聞こえた。そのバイクに英太が乗ってる。

 

英太「河合さん。じゃあな。」

 

まこ「あ、うん。またね七海君。」

 

英太はバイクで家路を走る。

 

 

 

 

 

 

帰宅したまこが、部屋のベッドで仰向けになってる。

 

まこ「美味しかったな〜。お店入って良かった。古舘さんと七海君優しかったし、おしんこも連絡先知りたいって。嫌われているって、私の気にし過ぎだったかも。またって古舘さん言ってたし。じゃあねって七海君も言ってたし。おしんこ、食文化研究部作るって言ってたっけ。そこなら色んなご飯食べたり、色んな料理出来るのかな?小学生の時みたいにまた色んな新しい事に出会えるかな?」

 

スマホのLINEを開き、しのんにメールを送信した。

 

『しのんちゃん?私まこ、古舘さんに連絡先聞いたよ』

 

『うおおおおーマコっち!!会いたかったぜ!!』

 

しのんからテンション高い返事と変なスタンプを受信した。

 

『今日なんか色々ごめんね』

 

『ん?何が???よくわかんないけど大丈夫!!!』

 

まこ「静かな毎日が好きだけど、ちょっと位変わっても・・・良いよね!」

 

『今日言ってたサークルなんだけど私入っていいかな?』

 

彼女はしのん達が作る食文化研究部に入る事を決意した。

 

 

 

 

 

 

翌日の大学。まこが登校すると。

 

しのん「おいっすマコっちーー!」

 

まこ「うわああ!?」

 

後ろからしのんに抱き付かれた。その後ろにくれあ、つつじがやって来た。

 

まこ「びっくりした〜。しのんちゃんか!」

 

しのん「聞いてよ聞いてよマコっち!マコっちが入部してくれたお陰でサークルの申請出来た!」

 

つつじ「っで。もう部室の方も入って良いらしいので。一緒に行きませんか?」

 

まこ「わ、私も行って良いの!?」

 

くれあ「勿論!同じ部員なんだし!」

 

英太「お。揃ってるなー。」

 

そこに英太、浩一、1人の女子大生もやって来た。

 

まこ「あ。七海君も日下君も入るの?」

 

英太「ああ。河合さんが入るって言ってたし。」

 

浩一「遅かれながら入る事になりました〜!」

 

まこ「そっか。ん?そちらの人は?」

 

英太「ああ。俺の姉ちゃん。七海稜子。俺達に釣られるように食文化研究部に入部する事になったんだ。」

 

稜子「あなたが河合まこちゃんね?英太から聞いているわ。英太がお世話になっております。」

 

まこ「は、初めまして。河合まこです。」

 

しのん「よーし!じゃあ皆で部室にしゅっぱーつ!」

 

 

 

 

 

 

部室がある場所へ歩く。

 

しのん「おお!見えてきた見えてきた!」

 

部室がある場所は、校舎から少し離れた部室棟。

 

浩一「おっほー!立派な建物だな!」

 

しのん「ちょっと校舎から遠いけど広くて良いでしょ!」

 

くれあ「私達の部室ってどの辺り?」

 

つつじ「1階の左端です。」

 

まこ(ここが部室・・・!ここで皆と料理したり、皆でご飯食べたりするのかな?兎に角これで、美味しいご飯がいっぱい食べれる!)

 

しのん「よーしこれで!部室でテキトーにだらだらする大学生活を送れるぞーーー!!」

 

まこ「へ?」

 

英太・浩一・稜子「ほえ?」

 

まこ「だらだら・・・?食文化研究部の活動は・・・?」

 

しのん「ん?言ってなかったっけ?食文化研究部のサークル名、ダミーネームなんだけど。」

 

まこ「へ・・・?」

 

英太「お、お前まさか・・・だらだらしたいが為に部室を設けたのか・・・?」

 

しのん「そうだよ。その為にこのサークル作ったんだけど。正直に言ったら申請通らないんで、テキトーに食文化研究部って名前にしただけなの!」

 

まこ「じゃあ・・・ご飯とかは・・・?」

 

しのん「ん〜。まぁ、お腹が減ったら食べても良いよ。兎にも角にもマコっち!食文化研究部へようこそーーーー!!」

 

全員「・・・・・・」

 

しのん「・・・・・・ようこそーーーーーーー!!」

 

英太「2回も言ったな。」

 

つつじ「イエーイ。」

 

浩一「ノリに乗ってんな。」

 

食文化研究部と言う名のダミーサークル設立。まこの大学生活が始まった?

 

『END』




         キャスト

      河合まこ:嶋野花
     古舘くれあ:加隈亜衣
     小川しのん:青山吉能
     比嘉つつじ:乾夏寧
     太田まゆみ:福原綾香

      七海英太:安田陸矢
      日下浩一:榎木淳弥
      七海稜子:岩田陽葵

     くれあの母:前田愛
        先生:仲村かおり
       男性客:綿貫竜之介

      モコ太郎:もえのあずき

次回・料理したいかも
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七海英太(ななみえいた)

声-安田陸矢



モデル・知念英和

髪型・青髪ウルフ

私服・白い服、青いジャケット、紺色のジーンズ、白いスニーカー

性格・ツッコミ、クール

愛車・MT-03

まこ達と同じ大学に通う男子大学生。
大学生になったと同時に同じ大学に通う姉の稜子と2人暮らしを始める。
幼少の頃に料理好きの稜子の影響で料理を始めた。
同級生の日下浩一とは小学校時代からの幼馴染み。
浩一が仲良くなった小川しのん達が立ち上げた食文化研究部に後に入部する事に。
高校時代は料理教室を1年間通った経験がある。
高校時代に二輪免許取得している。
休みの日は稜子とツーリングする事がある。
姉にあやかってSNSでツーリングを投稿している。
黒烏龍茶が大好き。




日下浩一(くさかこういち)

声-榎木淳弥



モデル・渡辺碧斗

髪型・金髪ロングヘアー

私服・黒いシャツ、白いパーカー、黒いジーンズ、赤いスニーカー

性格・元気

まこと同じ大学に通う男子大学生。
同じ大学生の小川しのん達と仲良くなり、まこが入った後に入部した。
七海姉弟とは小学校時代からの幼馴染み。
現役フードファイターの両親を持っており、幼い頃から大食いで太らない体質。
高校生の妹もおり、彼女も大食い。
妹と一緒に大食いYouTubeやっている。
食べるのは好きだが料理は苦手。




七海稜子(ななみりょうこ)

声-岩田陽葵



モデル・露崎まひる

髪型・黒髪ポニーテール

私服・白い服、青いジャンパースカート、黒いパンプス

性格・優しい、元気

愛車・ソリオ バンディット、Vストローム800DE

英太の姉で大学2年生。
元デパート食堂コックの祖父母の影響で料理が好きになった。
英太と浩一に釣られるように食文化研究部に入部した。
サークルのお姉さん的存在。
SNSを使って料理やレシピを投稿している。
高校時代に二輪免許取得し、現在は普通免許と大型二輪免許持ってる。
サークルの女子が好きで、現在義妹募集中。
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