食文化研究部のうまし日々   作:naogran

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夏が過ぎ、秋の季節が訪れたある日。

しのん「事務員さーん!鍵取りに来ましたー!」

まゆみ「おお。食文化研究部。はい鍵。」

部室の鍵を渡した。

まゆみ「いつもお勤めご苦労様。」

しのん「お勤めではないのですが・・・」

英太「刑務所みたいに言わないでくれます?」

まゆみ「あ、そうそう。大学祭何か出し物するの?」

しのん「え?あー、全然考えてませんでした。」

まゆみ「大学祭の出店届、来週までだからね。」

しのん「・・・因みにそれって儲かりますぅ?」

英太「おい?」

まゆみ「過度な儲けを出すのは禁止。」

しのん「えー?なあんだー・・・」

まこ(大学祭か・・・)


メニュー9・出店してみますか!

部室で大学祭の会議を始めた。

 

しのん「と言う訳で、大学祭どうする?」

 

つつじ「やるとしたら、料理出すって事ですよね?」

 

なな「だよね。」

 

くれあ「料理かぁ。」

 

稜子「でも飲食の料理出すの大変よ?」

 

英太「色々仕込みしなきゃいけないし。」

 

くれあ・しのん・英太「うーん・・・」

 

まこ「あ!私、大学祭やってみたいかも!折角の食文化研究部だし、良い思い出になりそうかなって・・・」

 

しのん「まあ私はOKかなー?皆はどお?」

 

浩一「モチのロン!俺も賛成だ!」

 

なな「はいはーい!やりたーい!」

 

つつじ「私はやぶさかではないですね。」

 

くれあ「大変だとは思うけど、皆がいいなら私も出店の賛成かな?」

 

英太「だな。」

 

しのん「はい分かった!それじゃあ皆でやってみますかー!」

 

全員「おーーー!」

 

しのん「それでは、早速役割を決めます!まずあじm・・・」

 

くれあ「味見役とか言わないでよ?」

 

しのん「・・・料理班!くれあ、まこっち、英太、稜子さん!」

 

まこ・くれあ「りょうかーい!」

 

英太・稜子「OKー!」

 

しのん「設備班!つつじ、なな、浩一!」

 

つつじ・なな「はーい!」

 

浩一「イエッサー!」

 

しのん「そしてこの私!スペシャルコーディネーター兼味見役!」

 

くれあ「やっぱり味見じゃん!」

 

英太「お前食いたいだけだろ!」

 

まこ「味見役はいいとして、スペシャルコーディネーターって何するの?」

 

しのん「スペシャルをコーディネートしまーす!」

 

英太「そのまんまかい!」

 

くれあ「サボりたいだけじゃないよね?」

 

 

 

 

 

 

家路を歩くつつじとななと浩一。ななは鼻歌を歌いながらウキウキで歩いている。

 

なな「〜〜〜〜♪」

 

つつじ「ななウキウキですね。」

 

浩一「大学祭が楽しみだもんな。」

 

なな「そうなんだよー。それにお店出すんだよ?そりゃウキウキするよー!」

 

つつじ「まぁ気持ち分かりますけど。」

 

なな「でっしょー?〜〜♪・・・ん?」

 

ウキウキしてるなながある事に気付いて立ち止まった。

 

つつじ「ん?どうかしましたか?」

 

なな「ひつじちゃん、浩一、今気付いたんだけどさ・・・」

 

つつじ「はい?」

 

なな「出店って事はさ。」

 

浩一「おう。」

 

なな「もしかして、接客がある?」

 

つつじ「まぁ、そりゃあるでしょうね。」

 

浩一「出店だから当たり前だ。」

 

なな「うわあああああああああ!!!」

 

恐怖心が最高潮になって後ろの電柱に隠れてしまった。

 

なな「完全に見落としてたーーーーー!!!」

 

浩一「いや気付くの遅えよ。」

 

なな「どどどどどどどうしよう!!!私接客なんて無理だよ!!!!!」

 

浩一「お前落ち着け。」

 

つつじ「初対面の人ばかりですしね。まぁ、ななは裏で手伝ってくれれば大丈夫ですから。」

 

浩一「縁の下の力持ち役に抜擢しておくぜ。」

 

なな「うう・・・でも、私1人だけ接客出来ないって何か忍びないって言うか・・・」

 

つつじ「ふむ。それじゃあなな、一緒に初対面の人と話す練習してみますか?」

 

浩一「俺も協力するぜ。」

 

なな「え?手伝ってくれるの?」

 

つつじ「勿論です。親友が困ってるなら、助けるのは当たり前の事です。」

 

浩一「同じ部員なんだし。」

 

なな「ひつじちゃん・・・浩一・・・!ありがとぉーーーーーー!!!」

 

つつじ「うぎっ!」

 

浩一「ぐ、ぐるじい・・・!!」

 

ななに強く抱き締められて苦しむ。

 

 

 

 

 

 

夜。まこが家でモコ太郎の動画を観てる。

 

モコ太郎『皆ー!もうすぐ学園祭シーズンモコねー!』

 

まこ「モコ太郎、私の大学に来てくれたらなー。それにしても、大学祭どうしよう・・・折角やるならちょっとレシピにしたいけど・・・」

 

モコ太郎『今日紹介するのは・・・これ!プリチーカレー!』

 

ピンク色のカレー。

 

まこ「うわぁ・・・流石にコレはぶっ飛び過ぎだよ・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日の夜。まこが材料を買ってたかお食堂である古舘家にお邪魔する。

 

まこ「こんばんはー。」

 

しのん「お!まこっち!おいっすー!」

 

くれあの母「まこちゃん!こんばんは!」

 

英太「お、来たか。」

 

稜子「待ってたよ。」

 

まこ「2人はもう来てたんだね。」

 

くれあ「ママー!今日はあれだから!」

 

くれあの母「ああ。大学祭の試作品を作るんだっけ?」

 

くれあ「そう!だからちょっとキッチン貸してね。」

 

 

 

 

キッチンで試作品を作った。

 

まこ「お待たせしました。ど、どうぞ。食文化研究部特製カレーです。」

 

試作品のカレーを味見役のしのんに提供した。

 

しのん「うむ!ん〜。ん〜。この香りクミンかな?良い自家製カレーの粉を使ってるねー。」

 

まこ「えっと、市販のカレールゥだけど。」

 

しのん「お!このにんにく。一欠片丸ごと使ってるの中々挑戦的。」

 

英太「それらっきょうなんだけど。」

 

くれあ「いいから早く食べて。」

 

しのん「それでは!」

 

カレーを一口食べる。

 

しのん「・・・成る程。この舌にピリッと鼻腔にツンッと来る感じ。例えるなら・・・カレー!!」

 

稜子「まあカレーだもんね。」

 

くれあ「もうしのん!真面目にレビューして!」

 

英太「お前やる気あんのか?」

 

しのん「ごめんごめん。冗談。ただ真面目にレビューするにしても何と言うか・・・」

 

まこ「普通過ぎる?」

 

しのん「うん、まあ。」

 

くれあ「でもそれ私も思ったんだよね。」

 

英太「じゃあ何か少し捻った物を足すか?」

 

稜子「食材来ると予算とか嵩みそうだね。」

 

くれあ「じゃあレシピの方を捻る?」

 

まこ・くれあ・しのん・英太・稜子「うーん・・・・・」

 

しのん「お!」

 

くれあ「どうかした?」

 

しのん「フッフッフ。良い事考えた。よーし!ここはスペシャルコーディネーターに任せて今日は解散!」

 

まこ「えええ!?」

 

くれあ「大丈夫?」

 

 

 

 

 

 

翌日。食文化研究部の部室にお客さんが来た。

 

しのん「皆ー!早速スペシャルゲスト連れて来たよー!」

 

さくら「皆ー。こんにちはー。」

 

まこ「さくら先輩!?」

 

農業サークル部長の児玉さくらを部室に招いたのだ。

 

くれあ「何でさくら先輩が?」

 

さくら「君達、学園祭で出店やるんだって?」

 

英太「ああ。でもちょっと難航してて。」

 

さくら「実は、うちのサークルの野菜使って貰えないかなーって。」

 

稜子「え?良いのさくら?」

 

さくら「うん!」

 

くれあ「あ、いやでも・・・それってどんな交換条件でしょう?嵐の中漁に連れて行かれたり・・・」

 

さくら「しないよ!」

 

英太「ベーリング海のカニ漁船?」

 

さくら「ただ単純に野菜を宣伝して欲しいんだよ。うちの野菜、市場とかに卸してるから。」

 

まこ「市場・・・そんな事までしてるんですね。」

 

くれあ「でも、在校生で作った野菜でカレーとかインパクトあるんじゃない?」

 

まこ「あ!じゃあゴロゴロ野菜のスープカレーとかどうかな!」

 

英太「スープカレー!良いなそれ!」

 

稜子「そうだね!野菜の旨味を活かすならスープカレーが適任だね!」

 

さくら「お?じゃあ決まり?」

 

まこ「はい!野菜ありがたいです!」

 

稜子「さくらありがとう!」

 

さくら「いえいえ。」

 

くれあ「コーディネーターやるじゃん!」

 

英太「見直したぜ部長様!」

 

しのん「えへへー。でしょでしょー?」

 

くれあ「じゃあ後はお肉か・・・」

 

まこ「冷凍の奴沢山買えば安く済むけど・・・」

 

さくら「お肉買うなら、面白い所知ってるよ!行ってみる?」

 

しのん「面白い所?はいはーい!行きたいでーす!」

 

さくら「じゃあ今から行く?」

 

まこ「お、お願いします!」

 

 

 

 

 

 

一方のつつじ、なな、浩一は人気が多い場所に立っていた。

 

なな「ううう・・・・・・」

 

浩一「この場所が良いな。」

 

つつじ「良いですね。じゃあ接客に向け、人に話し掛ける練習をしましょう。」

 

なな「えええ!?まさかこの中の誰かに!?」

 

つつじ「はい。」

 

なな「無理・・・無理だって!!」

 

浩一「心配するな。皆同じ大学の学生なんだし。それにこれは、お前の人見知りを克服する為の特訓でもあるんだから。」

 

なな「でででも・・・何て話し掛ければ・・・」

 

つつじ「教室の場所でも訊けば良いんじゃないですか?」

 

なな「で、でも怖い人に話し掛けちゃったらどうしよう!!デコピンされるかも知れないし!!違う大学の教室に案内される意地悪とかされたら!!」

 

浩一「頭の中極端過ぎ。」

 

つつじ「さっさと行って来て下さい。」

 

 

 

 

 

早速ななを1人にさせた。つつじと浩一は後ろの柱に隠れて観察してる。

 

なな「中々踏ん切りが・・・でも何とか会話出来るようになるって決めたし!よし!!」

 

早速1人の女子大生に話し掛けてみる。

 

なな「あ、あの・・・」

 

女子大生A「はい?」

 

なな「え、え、えっと・・・い、い、今暇、してますか・・・?」

 

女子大生A「・・・・・?」

 

なな「だ、だ、大丈夫、ですよ・・・?怪しい者では、ないので・・・すぐ済むのでぇーー!」

 

女子大生A「すみません!!私これから授業なので!!」

 

なな「ああ!何で!」

 

逃げられた。

 

なな「そんなぁ・・・折角話し掛けたのに・・・」

 

 

 

 

浩一(すっごい不自然だったなおい・・・)

 

 

 

 

女子大生B「あのぉ。すみません、メデイア棟って何処か分かります?」

 

なな「ひひぃ!?」

 

相手から話し掛けられビックリした。

 

なな「わ、わた・・・し・・・?え、えと・・・」

 

上手く話そうにも人見知りモードで上手く喋れない。

 

なな(やっぱり私には不利!!知らない人と対面すると言葉が出ない!はっ!)

 

横にあったコーンを見て閃いた。

 

なな「これだああーーー!!」

 

そのコーンを被って対面する。

 

女子大生B「・・・は?」

 

なな「あー。メディア棟はねー、こっちの道を真っ直ぐ歩くとあるよ。。近くに自販機があるから、喉乾いてるならそこでお茶買うと良いかもー。」

 

女子大生B「は、はあ・・・えっと、ありがとうございました。」

 

なな「うん!バイバーイ!」

 

観察していた2人が戻って来た。

 

つつじ「ちゃんと話せてたじゃないですか。」

 

浩一「やったななな。」

 

なな「う、うん。咄嗟に顔を隠したら何か喋れた。」

 

浩一「成る程。ななは顔を隠せば普通に喋れる。新たな結果が見出せた。」

 

つつじ「ふむ、良い事考えました!」

 

 

 

 

 

 

一方まこ達は、さくらと一緒に軽トラックに乗ってある場所へ向かっている。英太と稜子はバイクと車に乗って軽トラックに付いて行ってる。

 

 

 

 

その場所とは、道の駅・八王子滝山。東京都唯一の道の駅。

 

まこ「ここ道の駅ですか?」

 

さくら「そうだよー!付いて来てー!」

 

 

 

 

八王子滝山店内の精肉コーナー。さくらがまこ達にある肉を見せた。

 

まこ「これ!」

 

さくら「そう!ジビエ肉!」

 

熊肉や鹿肉、更に猪肉が沢山並んでるジビエ肉売り場だった。

 

くれあ「おおー!」

 

英太「ジビエかぁ。安く仕入れるに持って来いだな。」

 

さくら「ジビエ肉ならインパクトあるかなって。」

 

しのん「成る程ー。でもさくちゃん先輩よく思い付きましたね!」

 

さくら「うん!私狩猟免許取ってて、猟友会にも入ってるから。」

 

まこ「え!?狩猟免許ってどんな?」

 

さくら「猟銃撃てるよー。害獣対策考えてたら、何時の間にか免許取っちゃってた!」

 

くれあ「マ、マジですか・・・」

 

英太「狩猟免許。ウチの祖父ちゃんも持ってる。」

 

しのん「先輩マタギじゃん・・・」

 

くれあ「あ、稜子さん。でもジビエ肉だからやっぱり調理難しいの?」

 

稜子「そうだね。手間が凄く掛かるし。臭み抜きとか色々。」

 

くれあ「だよね。まこ、どうする?」

 

まこ「手間が掛かっても、オリジナリティ出すにはジビエの方が良いかも!」

 

しのん「よーし!じゃあジビエカレーにしよう!どのジビエ肉が良いですか?マタギパイセン!」

 

英太・稜子「マタギ?」

 

さくら「もしかしてそれ私の事・・・?」

 

 

 

 

 

 

夜。まこと英太が鹿肉を使ったジビエカレーを作った。

 

くれあ・しのん・つつじ・なな・稜子・浩一「頂きまーす!」

 

それを皆が味見してみる。

 

まこ「ど、どうかな?」

 

なな「うんまい!!」

 

まこ「ほ、本当!?」

 

つつじ「美味しいですよ!このお肉は何ですか?」

 

稜子「それは鹿肉だよ。味があっさりしてて野菜の味が引き立つのに役に立つんだー。」

 

浩一「成る程ジビエ肉か!これなら何杯でも食えるぞー!」

 

しのん「確かに!野菜すっごく美味しかった!これならマタギ・・・さくちゃん先輩も満足だと思う!」

 

浩一「マタギ?」

 

くれあ「じゃあ出店のカレーはこれで行く?」

 

しのん「OK!すっごく良いと思う!」

 

つつじ「お肉の臭みも無くて最高でした。」

 

英太「臭み抜きは俺と姉ちゃんが担当するから。」

 

浩一「後は出店の設計が完成すれば完璧だ!」

 

しのん「よーし!頑張るぞー!」

 

食文化研究部「おーーー!」

 

 

 

 

 

 

大学祭前日の夜。

 

つつじ「この飾り、ここでよかったでしたっけ?」

 

なな「うん!OK!」

 

最後に飾り付けを終えた。

 

なな「よーし!私達の出店完成!」

 

ジビエカレー出店完成。

 

しのん「おー!」

 

稜子「可愛い!」

 

つつじ「良い感じに出来ましたね!」

 

なな「ふふーん。我ながら素敵な出来ー。」

 

まこ「ななちゃんとつつじちゃんと浩一君がお店のスケッチ描いてくれたからスムーズに出来たよー。」

 

なな「でっしょー?」

 

浩一「もっと褒めてー。」

 

英太「調子に乗んな。」

 

くれあ「あ。そう言えばお金大丈夫だった?何だかんだジビエとかに使っちゃったし。」

 

英太「まあ俺達が広告収入から予算出したから問題無いけど。」

 

稜子「でもここで元取りたい!赤字回避!」

 

英太「姉ちゃんプレッシャー与えんなよ。」

 

つつじ「大丈夫です。私達も手伝いますから。」

 

まこ(私達の出店・・・明日は上手く行きますように。)

 

 

 

 

 

 

翌日の大学祭当日。他のサークルが最終チェックをしている中、食文化研究部の方はジビエカレーの仕込みをしている。

 

まこ「とうとう大学祭当日かー。ちょっと緊張してきた。」

 

くれあ「だねー。」

 

英太「それに比べてあっちは。」

 

しのん「皆ー!気合い入れて行くぞー!」

 

つつじ・なな・浩一「おーー!」

 

しのん「しまって行くぞー!」

 

つつじ・なな・浩一「おーー!」

 

4人が円陣を組んで気合い入れてる。

 

稜子「体育祭のノリで円陣組んでるね。」

 

くれあ「まあぼちぼち料理作っていこうか。」

 

まこ「うん!」

 

 

 

 

出店メニュー『鹿肉のスープカレー』

 

材料(4人分)

 

鹿肉・・・400g

玉ねぎ・・・1個

生姜・・・1片

にんにく・・・1片

じゃがいも・・・2個

にんじん(小)・・・1本

ピーマン・・・2個

油・・・大さじ1

カレー粉・・・大さじ2

トマトジュース・・・100ml

トマトピューレ・・・50ml

洋風スープ・・・800ml

塩・胡椒・・・適量

ドライバジル・・・小さじ1

パセリのみじん切り・・・適量

ゆで卵・・・2個

フランスパン・・・4切

 

 

 

 

調理開始。

 

まこが玉ねぎを切る。

 

稜子がジャガイモの皮をピーラーで剥く。

 

くれあが人参を乱切りにする。

 

英太が臭み抜きした鹿肉を1Cm位の薄切りに切って、鹿肉をボウルに移して、カレー粉を加えてよく揉み込む。

 

まこが玉ねぎを飴色になるまで炒める。

 

つつじとななが鍋に切った玉ねぎ、カレー粉を加えてよく混ぜる。

 

英太が鹿肉を生姜、にんにくの微塵切りと一緒に焼き色が付くまでじっくり炒める。

 

鍋に鹿肉とジャガイモと人参を入れたら、トマトジュースとコンソメスープとトマトピューレを加えて野菜が柔らかくなるまで煮込んだら、ピーマンを入れて、塩胡椒で味を整えて、ドライバジルを入れたらジビエカレーの完成。

 

 

 

 

完成したジビエスープカレーをくれあと稜子が味見する。

 

くれあ「うん!スープカレー出来上がり!」

 

稜子「完璧だよまこちゃん!」

 

なな「会場何時からだっけ?」

 

浩一「10時半からだな。」

 

つつじ「後15分位ですね。」

 

まこ(私達のカレー、美味しいって言って貰えるかな?私が言い出した事だけど、友達と家族以外に料理作るの初めてだし・・・もし全然売れなかったら・・・)

 

不安になるまこをくれあが励ます。

 

まこ「ん?」

 

くれあ「大丈夫!私達のカレー絶対美味しいから!」

 

まこ「・・・うん!」

 

 

 

 

 

 

会場時間になり、遂に大学祭がスタートした。多くの客で賑わいを見せる。その中には、ある大物有名人がゲストで登場すると言う噂も。

 

 

 

 

食文化研究部の方は。

 

まこ「ひ、人来ないね。」

 

英太「だな。」

 

くれあ「ま、まあ開場したばかりだし。」

 

まこ「そ、そっか。そうだよね。」

 

くれあ「大丈夫・・・大丈夫なはず・・・」

 

稜子「あれ?4人は何処へ?」

 

英太「え?アイツら何処行ったんだ?」

 

するとその4人が新たな姿になって戻って来た。

 

くれあ「ん?あれ、まさか彼処の4人・・・!?」

 

つつじ「皆さんお待たせしました!」

 

羊のつつじとうさぎ着ぐるみのななとカレーの被り物を被ってる浩一と普通のしのん。

 

まこ「つつじちゃん!?その格好!」

 

つつじ「はい!今日の為にチラシを作って宣伝しようかと!これはその為の仮装です!」

 

稜子「チラシなんて何時の間に・・・!」

 

英太「んで、そのうさぎはもしやなな?」

 

なな「そうだよー!」

 

浩一「ななは顔を隠せば人見知りモードがOFFになると言う研究結果を見出せた。これでななが積極的に接客が可能になる!」

 

なな「ふふーん!」

 

くれあ「浩一のその被り物は何?」

 

浩一「これは俺とつつじが共同開発したスープカレーの被り物!これで俺らの店を宣伝出来るぜ!」

 

英太「見ただけで頭熱そうだな。」

 

まこ「そんな事まで・・・ん?しのんちゃんは普通なんだ。」

 

しのん「え?まあ仮装とかは聞いてなかったし。」

 

まこ「あ、そうなんだ。」

 

しのん「・・・ちょっと待て?何で私が1番普通なのに、1番変な奴みたいになってんの?」

 

まこ「ご、ごめん。」

 

しのん「まあいいや!皆ー!宣伝頑張るぞー!」

 

つつじ・なな・浩一「おーーー!」

 

英太「大丈夫かなぁ・・・?」

 

???「お!ここだね!噂のジビエカレーがあるの!」

 

浩一「お!真歩!来てくれたか!」

 

最初のお客様は、浩一の妹の真歩。

 

真歩「ヤッホー皆ー!」

 

まこ「真歩ちゃん!いらっしゃい!」

 

真歩「学園祭にお邪魔してまーす!早速、ジビエカレーお1つ下さいな!」

 

代金を払って、ジビエスープカレーを頂く。

 

真歩「WAO!すっごくデリシャス!鹿肉なのに臭みが一切無いし、野菜がゴロゴロでホックホクで美味しいよ!フランスパンとの相性も抜群!これなら幾らでも食べれるよー!」

 

くれあ「良かった!」

 

 

 

 

大学祭が賑わう中、ななが積極的に接客する。

 

なな「野菜とジビエのスープカレーでーす!今の内に食べないと売り切れちゃいますよー!」

 

まこ「ほ、本当に喋ってる・・・」

 

くれあ「なな、根は明るいからね。」

 

英太「人見知りが無ければ完璧なのに。」

 

なな「まこっちゃーん!カレー食べてくれるってー!」

 

まこ「え!ありがとうございます!」

 

ななが連れて来た2人の女子大生にジビエスープカレーを提供した。

 

まこ「ど、どうぞ!」

 

2人がジビエスープカレーを実食してみる。

 

女子大生A「美味しい!」

 

女子大生C「鹿肉ってこんな味なんだ!」

 

 

 

 

その後、食文化研究部の出店に行列が出来上がってる。

 

英太「お客さん増えてる!」

 

稜子「忙しくなりそうだね!」

 

まゆみ「おー。中々頑張ってるね。」

 

そこに事務員のまゆみが様子を見に来た。

 

浩一「事務員さん!いらっしゃい!」

 

しのん「カレー食べて行きます?」

 

まゆみ「うん。1つ頂くよ。」

 

しのん「ヘイまこっちー!事務員さんに山吹色のカレーを1つー!」

 

浩一「迅速にお願いしまーっす!」

 

まゆみ「賄賂っぽく言うな。にしても、あのテキトーだったサークルがこうしてちゃんと店出すなんてね。」

 

しのん「え!?あ、いや・・・今はそれなりに活動してるので!」

 

浩一「ちゃんと記録とか付けてますよ!」

 

まゆみ「分かってるよ。もうちゃんとしたサークルとして認めているから。」

 

しのん「・・・じゃあご褒美に!今度部室に床暖房を導入して下さい!!」

 

まゆみ「無理。」

 

浩一「図々しいなおい。」

 

お客さんの中に、ななの家族とくれあの母、更に英太と稜子の両親と浩一と真歩の両親も来てくれている。ジビエスープカレーが少なくなって、英太と稜子が急いで補充する。途中でつつじがウクレレを披露した。

 

英太「こんなに大忙しになるとは予想以上だな。」

 

稜子「だね。」

 

???「おお。ここだったか。」

 

英太「あ!いらっしゃ・・・い?」

 

やって来たのは、1組の老夫婦。

 

まこ「ん?英太君知り合い?」

 

英太「祖父ちゃん!!祖母ちゃん!!」

 

老夫婦の正体は、英太と稜子の母方の祖父母だった。

 

くれあ「え!?2人のお祖父さんとお祖母さん!?」

 

英太「祖父の玄太郎と。」

 

稜子「祖母の早苗さんだよー!」

 

玄太郎「初瀬部玄太郎です。孫達がお世話になっております。」

 

早苗「早苗です。可愛い部員さん達ねー。」

 

玄太郎「早速だが、スープカレーをお願いします。」

 

英太「あ、はいただいま!」

 

ジビエスープカレーを2人に提供した。2人が実食する。

 

玄太郎「・・・ん!これは美味い!鹿肉がちゃんと臭み抜きされていて、仄かに香るバジルの風味が鼻腔を通っている。」

 

早苗「それに野菜の旨味が引き立っている。これは素晴らしいスープカレーだわ!」

 

稜子「良かった!」

 

玄太郎「これは英太と稜子が作ったのか?」

 

英太「俺らだけじゃない。まことくれあと一緒に作ったんだ。」

 

玄太郎「いやぁ〜お2人も素晴らしい才能を持っていますね!」

 

まこ「そ、そんなそんな。」

 

くれあ「私達は別にそんな・・・」

 

英太「祖父ちゃん。褒め称えるの後にしてくれ。」

 

玄太郎「すまんすまん。」

 

英太「まだ学園祭楽しむの?」

 

玄太郎「ああ。折角だから色々回って楽しもうと。」

 

早苗「2人共頑張ってね。」

 

稜子「また後でねー!」

 

初瀬部夫婦は他の出店を回りに行った。

 

まこ「お祖父さんとお祖母さんに学園祭の事話したの?」

 

英太「いや全然。サプライズで来てくれたって感じ。」

 

その後も行列が後を経たない。

 

 

 

 

 

 

そして遂に。

 

まこ「す、すみませーん!ジビエカレー完売でーす!」

 

しのん「嘘!もお!?」

 

つつじ「お昼時は目が回る程忙しかったですからねー。」

 

浩一「皆!明日の分の材料は!?」

 

英太「すまん。それも品切れだ。」

 

浩一「マジか!」

 

しのん「明日も開店する予定だったけど、完売したなら今の内に撤収した方がいいのかな?」

 

つつじ「いやーでも、無事完売して良かったですよ。」

 

英太「これで予算の元取れたって感じだな。」

 

しのん「あ、撤収作業の前に。ななー!着ぐるみ疲れたでしょー?着替えてきていいよー!」

 

なな「ぜぇー・・・ぜぇー・・・」

 

1人バテてるなながぜぇーぜぇー言ってる。

 

 

 

 

 

 

女子更衣室で着ぐるみを脱いだ。

 

つつじ「お疲れ様ですなな。」

 

なな「ひつじちゃんもコレ作ってくれてありがとー・・・」

 

つつじ「さぁ、早く着替えて皆と合流しましょう。」

 

なな「はーい。」

 

 

 

 

着替えたななと一緒に更衣室に出ようとした時。

 

つつじ「?」

 

更衣室のベンチに座っているあの大物有名人を発見した。その有名人はつつじに会釈した。つつじも会釈で返した。

 

なな「ひつじちゃーん早く皆の所行こー。」

 

つつじ「おお、分かりました。」

 

女性スタッフ「モコ太郎さーん!さっきのカレー食べましたー?」

 

つつじ(何処かで見たような・・・)

 

高尾山に登る日にまこから教えて貰ったがもう忘れてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

夕方。食文化研究部が打ち上げのエナドリを飲む。

 

しのん「皆ー!大学祭お疲れしたー!」

 

食文化研究部「したー!」

 

くれあ「あっと言う間だったね!大学祭!」

 

しのん「1日で完売するとは思わなかったもんね!」

 

つつじ「それに、皆美味しいって言ってくれましたもんね。」

 

しのん「ねー!」

 

浩一「真歩も親も美味しく食べてくれた事か。」

 

英太「まさか祖父ちゃん達も来てくれたなんて信じられなかったよ。」

 

稜子「2人もジビエカレー美味しいって評価してくれて嬉しかったよ!」

 

なな「でも何か寂しいよー。私達のお店が跡形も無く・・・」

 

食文化研究部「・・・・・・・」

 

まこ「うん・・・でも、この寂しさ嫌いじゃないかも!皆との大学祭が楽しくなかったら、こんな気分になってないかも!」

 

くれあ「だね!」

 

しのん「よし!また来年もやろうよ!」

 

つつじ「次はもっと材料仕入れておきますか。」

 

まこ「じゃあ来年は何作る?」

 

英太「もう来年の話かい。」

 

くれあ「流石に気が早過ぎー。」

 

食文化研究部「あはははははは!」

 

忙しかったけど楽しい大学祭を送った食文化研究部であった。

 

 

 

 

 

 

数日後の夜のまこの家。まこのスマホにモコ太郎の新着動画の通知が来た。

 

まこ「あ!モコ太郎の新着動画だ!最近忙しくてモコ太郎の動画見てなかったし、今日はゆっくり観よー。」

 

その新着動画は、まこが驚く内容だった。

 

モコ太郎『皆ー!今日は大学祭にお呼ばれしたモコー!』

 

まこ「ここ・・・私の大学・・・!?」

 

モコ太郎『スタッフさんが買って来てくれた、ジビエカレーを食べたモコー!美味しかったモコー!撮影前に食べちゃったけど、作ってくれた人にお礼言いたいモコ!』

 

まこ「え・・・!?うわあああああああああ!!!!」

 

あまりにも予想外の事に絶叫したまこであった。

 

『END』




         キャスト

      河合まこ:嶋野花
     古舘くれあ:加隈亜衣
     小川しのん:青山吉能
     比嘉つつじ:乾夏寧
       星なな:会沢紗弥
     太田まゆみ:福原綾香
     児玉さくら:中島愛

      七海英太:安田陸矢
      日下浩一:榎木淳弥
      七海稜子:岩田陽葵
      日下真歩:日岡なつみ

     くれあの母:前田愛
    初瀬部玄太郎:浦山迅
     初瀬部早苗:勝生真沙子
      女子大生:真野あゆみ
           七瀬彩夏
      スタッフ:大森舞

      モコ太郎:もえのあずき

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