DRAGON BALL Z Re:Son Gohan   作:ナムルパス

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第11話 ナメック星への旅

ナメック星へ向けた宇宙船が地球を飛び立ってから、すでに数時間が経過していた。

深い宇宙を突き進むその船には、三人の姿があった。

 

「ふう、やっと落ち着いたわね……」

ブルマがシートに深く座り直し、大きくため息をついた。

その表情には、不安と期待の入り混じった複雑な色が浮かんでいた。

 

「ブルマさん……向こうに着くのって、どれくらいかかるんですか?」

クリリンがモニターを見ながら尋ねる。隣では悟飯が、真剣な目で航行ルートを確認していた。

 

「この船のナビだと、ナメック星まで約一ヶ月ね。かなりの距離よ。こんな宇宙の果てまで行くなんて夢にも思わなかったわ」

ブルマが答えると、クリリンは天を仰ぐように頭を抱えた。

 

「一ヶ月……長いな。でも、ドラゴンボールのためだもんな」

「はい……ピッコロさんも、天津飯さんも、ヤムチャさんも、餃子さんも……きっと、助けてみせます」

 

悟飯の瞳に浮かんだのは、悲しみではなく、決意だった。

それは、幼い外見には不釣り合いなほどに、強く、まっすぐな意志。

 

(……やっぱりコイツ、只者じゃないな)

 

クリリンは横目で悟飯を見ながら、ラディッツ戦の頃とは比べものにならないほど落ち着いたその姿に驚いていた。

ブルマもまた、少年の口調や態度にどこか年上のような違和感を覚えていたが、それを言葉にはしなかった。

 

「ところでさ、ナメック星ってどうやって見つけたんだっけ? たしか……ポポさんが何か言ってたような……」

クリリンが話題を変えると、ブルマが頷く。

 

「そうよ。神様の神殿で、ポポが言ってたの。“神様の故郷が宇宙のどこかにある”って。それがナメック星」

「で、ポポさんに頼んで、古代の宇宙船の場所を教えてもらったんだよね」

「そう。言葉で操作するタイプだったけど、解析して操作できるようにして……私、天才だから!」

 

「はは……さすがブルマさん」

クリリンが苦笑し、悟飯も小さく笑った。

 

その時、通信パネルが軽く点滅した。

自動航行の確認信号が届いたらしい。

 

「さ、そろそろ休んでおいたほうがいいかもね。着くまでに体調を整えておかないと」

「そうですね……」

悟飯は小さく頷きながらも、船窓から見える星々をじっと見つめていた。

 

(ナメック星……どんな場所なんだろう。そこに希望があると信じたい)

 

彼の中で修行の日々、ピッコロとの時間がフラッシュバックする。

あの荒野で交わした言葉、託された想い。

 

「ピッコロさん……必ず、みんなを生き返らせて、あなたの意思をつなぎます」

 

彼の小さな拳が、静かに震えていた。

 

  * * *

 

地球――カメハウス。

 

「なんで悟飯ちゃんがあんな危ないとこに行かなきゃならねんだべ! 悟空さ、あんた一体なに考えてるだ!」

 

チチの怒号が響き渡り、カメハウスの床が揺れるほどだった。

 

「チチ……オラだって本当は一緒に行きたかったさ。でも、オラは今、まだ身体が回復しきってねえんだ」

悟空はベッドに横たわりながら、チチの怒りを正面から受け止めていた。

 

「治療中とか、そんなん関係ねえべ! なんであんな小さな子供が命かけて宇宙に行かなきゃなんねえんだべ!」

「チチさん……悟飯くんは、自分の意志で行ったんですよ」

亀仙人が言うと、チチの怒りの矛先が移った。

 

「ヤジロベー! おめぇさんも、なんか言ってやるだ!」

「いや、オレは関係ねえし……怖いから隠れてただけだし……」

「何言ってるだ、この根性なし!」

 

亀仙人が制止に入り、ようやく場が落ち着きを見せた。

 

「チチ。オラは悟飯の力を信じてる。それに、あいつ……なんていうか、すごく頼もしくなったんだ」

悟空の目には、戦士としての誇りと、父としての信頼が浮かんでいた。

 

「そ、そんなこと言っても……あの子は、まだ……」

「違うんだ、チチ。悟飯はもう“ただの子供”じゃねえ」

 

沈黙が降りる。チチは俯き、拳を握り締めたまま動かない。

 

(悟飯ちゃん……どうか、無事で……)

 

  * * *

 

宇宙船の中。

 

悟飯は静かに目を閉じ、深い瞑想に入っていた。

転生してからというもの、彼は武道家としての集中力を極限まで高める訓練を怠らなかった。

 

(次に戦う相手は……おそらく、フリーザ。その恐ろしさは、原作で何度も見てきた。油断はできない)

 

しかし、彼の心には焦りはなかった。

あるのは、明確な目標と、揺るがぬ覚悟。

 

(オレは守る。仲間を、家族を、地球を。絶対に――)

 

視界の先に広がる無限の宇宙。

そこにはまだ、数多の脅威と試練が待っている。

 

だが、それでも――彼は一歩を踏み出した。

 

“新たな戦い”の地、ナメック星へと。

 

 

しかし、彼らは知らない

ベジータが地球から逃げる前に盗聴器を放っていたことを…

 

一方、宇宙のどこか。

深紅の星の上空を、ひとつの宇宙船が駆けていた。

 

その中――戦闘服に身を包んだ男が、沈痛な面持ちで、酸素マスクを外す。

 

「くそったれ……カカロットめ‥よくもやりやがって」

 

ベジータ。

悟空との戦いで深手を負った彼は、傷を癒し、再び動き出していた。

 

だが、その瞳に宿るのは、怒りでも、復讐でもない。

 

「フリーザ……このまま貴様の手のひらで踊る気はない。ドラゴンボールの力で永遠の命……オレが先に手に入れてやる」

 

彼の視線の先――

モニターには、青緑色の惑星――ナメック星が映し出されていた。

 

 

同じころ、惑星フリーザ第79支部。

 

「フリーザ様。スカウターで確認されました。戦闘力の高い反応が……ナメック星の方向からいくつも」

 

宇宙船のクルーが、緊張した声で報告する。

 

「ほほほ……どうやら、おもしろくなってきましたね

しかし、ベジータは私に内緒でドラゴンボールなどという物を狙っているとは」

 

冷たい微笑を浮かべるフリーザ。

その背後には、ドドリア、ザーボンといった側近が控えていた。

 

「ドラゴンボール……永遠の命……ふふふ。これは手に入れる価値がありますね。準備をしなさい。ナメック星へ向かいますよ」

 

 

 

 

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