DRAGON BALL Z Re:Son Gohan 作:ナムルパス
――カリン塔のふもとから帰還した悟空は、悟飯を連れて久しぶりにカメハウスを訪れていた。
武道家としての力を取り戻すための修行を再開したばかりだが、師である亀仙人や仲間たちに会うのもまた、大事なことだと思ったからだ。
「ほら悟飯、挨拶するんだ」
「うん……こんにちは、みなさん」
そう言って頭を下げる悟飯に、ブルマとクリリンは一瞬驚き、すぐに笑顔を浮かべる。
「すっかり大きくなったじゃない。しかも礼儀正しいなんて、信じられないわね、悟空の子どもが」
「へへっ、だろ?チチが厳しいからさ」
悟空が後頭部をかきながら笑ったその時――
空が、突然、暗くなった。
「……な、なんだ!?」
空の一点に、黒い影が浮かび上がる。そこから一気に地上に降下してきたのは、長い髪と鋭い目を持つ男。装甲のような戦闘服を身に纏い、目元にスカウターをつけている。
「カカロット……やっと見つけたぞ」
「……誰だ?オラのことをカカロットなんて呼ぶのは……」
「ふん、忘れたとは言わせん。オレはお前の兄……ラディッツだ」
「なっ……兄だって!?」
悟空が構えるより早く、ラディッツの視線は悟飯へと向かう。
「お前の息子か……サイヤ人の血を引く子どもなら、悪くない戦力になる。連れて行くぞ」
「なっ!?やめろ!」
悟空が一歩踏み出すが、ラディッツの一瞬の動きによって悟飯が抱え上げられていた。驚きと怒りで悟飯がもがく。
「はなせ……!父さん、助けてぇっ!」
「お、おう……っ!」
しかし、悟空がラディッツに近づく前に、悟飯の掌がふと光り、ラディッツの頬をかすめるエネルギー弾が走る。
「ぐっ……!」
頬に浅い傷を負ったラディッツは目を見開いた。
「この子ども……戦闘力が跳ね上がった!?バカな……!」
だが、ラディッツはすぐさま悟飯の尻尾に手をかけ、そこをぎゅっと掴んだ。
「――がはっ……!」
悟飯の力が、一気に抜ける。戦闘力の急激な変化に体がついていかず、意識がふっと遠のいていった。
「悟飯ーっ!」
「……尻尾を掴まれた時に力が抜ける。オラも、昔そうだった……!」
悟空はそのことを思い出し、歯を食いしばった。
「このまま黙って見てると思うなよ……ラディッツ!!」
だが、すでにラディッツは空へと飛び立っていた。
「奪った息子が欲しければ、明日までに100人分の人間を殺してこい。できなければ、この子は死ぬ」
「てめぇ……!」
怒りで震える悟空。クリリンやブルマも状況の急展開に呆然とするしかない。
「……ちくしょう……!」
そんな中、背後からひとつの気配が近づいてきた。
「面白そうな話だな。オレも混ぜろ、孫悟空」
現れたのは、緑色の肌にターバン姿の――ピッコロだった。
「ピッコロ……!」
「勘違いするな。あの男はオレの邪魔だ。倒すために手を組むだけだ」
「……いいぜ。今は敵でも、目的が同じなら組むしかねえ」
二人の因縁の戦士が、共闘の意思を固める。
その後ろには、気を失ったままの悟飯を奪われ、涙をこらえるチチの姿が――。